道プルサーマル専門会議委員に業界寄付金/真下議員が明らかに | 12.06.27 |
北海道議会で27日、質問した真下議員は、道から選出された北海道電力泊原発の「プルサーマル実施に関する安全専門会議」の3委員が原発関連業界・団体から寄付を受けていたことを明らかにしました。(表)
島津洋一郎委員は、第3回北海道原子力防災計画の課題抽出に係る有識者専門会議で「SPEEDIというものは、今、1カ所でしか解析していない…各地域で独自に別途解析手段を持つ…ようにしておくべきだという意見であります。非常に大事なことだと思います」と発言。放射能影響予測はSPEEDIだけでなく三菱重工製のMEASURESの導入を促す、原発業界の要求に沿った発言を島津委員はしているのです。
※肩書は2010年当時。同会議の委員は全7人。島津委員は現在、道の有識者専門委員。調査期間は06〜11年度 | |
委員 | 寄付者と寄付額 |
---|---|
佐藤正知北海道大大学院教授 | 電源開発100万円(09、10年度) |
島津洋一郎福井大学付属国際原子力工学研究所教授 | 三菱重工業300万円(06、07、09年度)、原子燃料工業150万円(06〜08年度)、原子力エンジニアリング100万円(06年度) |
杉山憲一郎北海道大大学院教授 | 日本保全学会17万5000円(09年度)、北海道エナジートーク21 25万円(11年度) |
今回の質問からまたもや利権に群がる産、官、学の原子力ムラの構図が見えてきます。
本紙は、業界から寄付を受けた委員が所属する大学を通じて取材。
島津委員は「寄付は、特定の目的を決めず教育研究に資するものということで、大学の規定に従って、いただいた。国立大学の教員としての立場をわきまえておるつもり。公共性、公平性も心がけている」と回答しました。
佐藤正知委員は「有識者会議における発言も専門的な観点からのもので、会議の公平性や客観性を欠いていないと確信しています」と回答。杉山憲一郎委員(現、北大名誉教授)は、大学を退官したため、回答を得ることができませんでした。
北海道電力泊原発の安全性にかかわる地質調査を同社の子会社、北電総合設計が請け負うというお手盛り調査の問題で、日本共産党・真下紀子議員の質問に、この子会社には道庁から2人が天下っていると高橋はるみ道知事が認めました。
真下議員は、高橋知事が答弁で、子会社幹部の「やらせ」問題にふれなかったことについて再質問に立ち、「これでは地に落ちた信頼を到底回復はできない」と批判しました。
また本紙は、北電に対し「昨年発覚した2008年の『やらせ』で北電総合設計を動員したか」と質問。北電は「協力会社に参加要請をしたのは事実だが、個別の会社については答えられない」とのべ、否定しませんでした。北電総合設計が最近まで「やらせ」に加担している疑惑も浮上してきました。
(12年06月28日付「しんぶん赤旗」より)
〒060-0002 札幌市中央区北2条西6丁目
TEL011-231-4111(内線33-181)FAX011-232-4763