2011年07月20日
北海道知事
高橋はるみ 様
- 日本共産党
- 北海道委員会委員長
- 西野 敏郭
- 政策委員長
- 畠山 和也
- 北海道議会議員
- 真下 紀子
泊原発3号機の営業運転「再開」を認めないことを求める緊急申し入れ
泊原発3号機が、約4か月にわたって「調整運転」を続けている問題で、北海道電力は国の「指導」を受け、営業運転再開の手続きを進めるとしています。また、泊3号機と同じく営業運転再開を目指していた関西電力・大飯1号機は、冷却系統のトラブルで手動停止しましたが、経済産業相は19日、「泊と大飯は事情が違うようだ」とのべ、泊3号機の営業運転再開に“影響はない”との認識を示したと報じられています。
一方、道民は、福島原発事故を経て、原子力発電が本質的な危険を内在していること、事故が起きれば人間社会、地域社会が破壊される危険を有していることなどを目の当たりにしました。「原発のない北海道」を求める声が広がっていることは、各種アンケート調査にも示されています。
知事は15日の記者会見で、国が泊3号機を稼働中と分類すれば、道から国に照会していた「二つの疑問」及びシビアアクシデント対策について、営業運転移行の前提にならない旨、表明しました。知事のこの姿勢は、道民の泊原発への不安や、3号機についても「停止」「安全評価の実施」を求める市民団体の要請ともかい離していると指摘せざるをません。
日本共産党道委員会と道議団はこの間、道と北電に対し、安全最優先の原子力行政を確立すること、北海道から原発をなくし、再生可能エネルギーの抜本的な拡大を求める立場で繰り返し要請してきました。
その立場から、泊3号機等にかかわって、下記のとおり申し入れるものです。
記
泊3号機の営業運転「再開」について、認めないこと。
- 営業運転再開のための最終検査は、稼働させたままわずか1〜2日で済む簡便なものであり、福島原発事故の知見を反映させた見直しは行われていない。3号機をいったん停止し、福島事故の原因と教訓を踏まえた安全審査を実施すること。
- 泊3号機の営業運転再開(1号機の再稼働も)の是非にかかわって、潜在的な危険性を含めて道民に説明責任を果たすこと。知事が独断で決めず、原発反対派を含む専門家はもちろん、少なくとも後志管内や70キロ圏内の札幌市の住民、自治体関係者の意見を尊重すること。
- 冬場の電力需給の「ひっ迫」を理由とした3号機の営業運転移行は、認められない。道経済産業局によると、道内自家発電能力262万キロワットを含め、道内の原発を除く発電可能能力は886万キロワットとされている。北電の最大必要電力量547万キロワットを大きく上回っている。知事が議会で答弁した電力不足の根拠、道内自家発電能力等について資料を全面公開すること。あわせて、経済界や道民の協力を得て省エネの促進などの対策を進めること。
“再稼働、先にありき”のストレステストではなく、電力会社や保安院から独立した機関による実施を求めること。
- ストレステストにかかわって、1号機と2号機は「一次評価」、3号機が稼働中となれば「二次評価」の対象となる。“再稼働先にありき”の簡易な一次評価の撤回を求めること。ストレステストは電気事業者が実施し、評価は原子力安全・保安院、確認につては原子力安全員会がおこなうとなっているが、EUの「査読委員会」などを参考に、推進機関から独立した規制機関のもとに実施するよう強く求めること。
以 上