泊原発の安全対策を確立し、1号機の再稼動を認めないことを求める緊急申し入れ |
11.05.17 |
北海道知事 高橋 はるみ 様
2011年05月17日
北海道電力は、定期検査中の泊原発1号機について7月中旬にも再稼動をめざしており、国による福島第一原発の事故を踏まえた「緊急安全対策」の指示を受け、北電が実施した泊原発の緊急安全対策が「妥当」と評価されたとして、道と地元4自治体は12日、安全協定にもとづき立ち入り調査をしました。その結果について16日、安全対策は「適切に実施されている」と結論付けています。
高橋はるみ道知事のこの間の発言は、「脱原発というのは…現実論としてありえない」とのべ、「泊原発は、緊急安全対策が適切に実施されているとの評価がでましたので…」などと、泊1号機の再稼動を後押しするかのようです。
一方、原発が立地する他県の知事は、道知事とは極めて対照的で厳格な態度です。「(浜岡原発の運転停止は)国民の生命を第一に考えたことで立派」(静岡県知事)、「(安全基準を示せないなら)美浜原発4基の再開は認めない」(福井県知事)、「(伊方原発の再開は)慎重に」(愛媛県知事)など、安全重視の姿勢に変わってきています。また、鹿児島県知事は川内原発の増設、山口県知事は上関原発の新設計画について、それぞれ「許可できない」「極めて慎重に」などと表明しています。
福島の事故で、道の10キロ圏に限定した防災計画の不備は明確になりました。防災体制を強化するまで老朽化・経年劣化した原発は停止すべきとの声があがっています。
道知事は安全協定の当事者として、道民の命と安全を守る確固とした立場に立つべきです。安全最優先の原子力行政の確立を求め、緊急に下記の3項目を申し入れます。
記
福井県は、県として安全検証委員会を設置・協議し新たな安全基準に必要な項目等を示し、国と電力会社の対策の不備を指摘するとともに、安全対策強化を求めています。青森県も同様に、県民の安全のために委員会を設置するとしています。道民の安全を担保すべき「基準」を道として確立すべきです。
経産省が「妥当」と評価した緊急安全対策は、電源車の高台への設置などにとどまるものです。後志町村会は5月11日、「(福島と)同様の災害が発生した場合のシュミレーションを行い、安全性の確保に万全の体制を整える」よう根本的な対策を要望しています。福島の事故の検証と新たな安全基準の策定、さらに新安全基準にもとづく泊原発の安全性の再検討がされるまで再開を認めないよう求めます。
2004年に作業員5人が死亡した美浜原発3号機は、運転から28年を経て、極端に減肉(すり減り)した配管か所が破断し、熱湯が吹き出した事故でした。現在点検中の1号機は運転開始から23年、8月に定期検査に入る2号機は20年が経過しています。1号機、2号機の総点検と、道民への結果の公表を求めます。
以 上