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道議団の動き
やらせも“共同体”/正体隠し道民ののしる 11.09.28

やらせも“共同体”

“反対派は組織的、衆愚政治”

道主催「聴く会」正体隠し道民ののしる

「原発利益共同体は、やらせ共同体だった」―。28日、北海道議会で日本共産党の真下紀子道議が指摘した原子炉受注メーカーも巻き込んだ泊原発3号機をめぐる、やらせ工作の実態。道民の不安や疑問を聞く「道民のご意見を聴く会」の場で、原発利権にうごめくメーカーも世論誘導に一役買っていました。

岩内町からみた泊原発
岩内町からみた泊原発(右から)3号機、2号機、1号機=北海道泊村

2000年に道内5カ所で行われた道主催の「聴く会」で、記入用紙や陳述人に応募する際に、意見を表明したのは計437人です。

党道議団と「しんぶん赤旗」の調査では、北海道電力社員やOB、取引業者の約80人が参加し、81件の賛成意見が表明(表参照)されました。

参加者には、原子炉プラントメーカーの三菱重工、大手ゼネコン大成建設、重工業メーカーのIHI、三菱商事の社員が参加していました。この他にも北電と取引関係がある道内企業の幹部も参加していました。

三菱重工は、5月の札幌会場での「聴く会」に当時の宮本忠明北海道副支社長と課長クラスの社員ら3人が参加していました。

09年に運転を開始した泊原発3号機は、2930億円にのぼる巨大プロジェクト。その中で三菱重工は、同機の原子炉を製造しています。

本紙の取材に同社は「参加して、意見を提出したのは事実。業務ではなく、自主的な参加だったと聞いている」と回答しました。

記入用紙に宮本副支社長は「省エネ、新エネで原子力の代替が出来るという意見、これは勉強不足。組織的なラウドネスマイノリテイー(わめきたてる少数者の意味)の動きにまどうことなく、(略)自信を持って泊3号機増設を選択してほしい」と記入していました。

原子炉建屋を受注した大成建設は白田稔札幌支店建設部長が参加し、「『素人』と自称される方々の一方的な話を聞かされて、衆愚政治の危険性を感じました。このような会で賛成意見を出される方に尊敬の念を感じました。今後は『反対意見を聞く会』に名称変更された方が適当」と意見表明。原発建設と利害がない一市民を装って、、反対する市民をののしる文言を書き連ねていました。

白田氏の参加について、大成建設は「すでに退職しており、事実確認がとれない」と回答しました。

IHIは同機のタービン建屋に機材を納入。また三菱商事は、子会社が使用済み核燃料の運搬に関わるなど、業界との接点を持っています。

当時の北海道支社の社員が参加した三菱商事は「指摘の社員によると、記憶は定かではないが、当時は札幌に住んでいたので行った可能性はある。原発関連の仕事をしており、純粋に業務でもないし、自主的なものかといえばそうともいえない」と回答。IHIからは、無回答でした。

2000年の「聴く会」で、北電関係、受注企業などからの意見件数と主な参加者
※日本共産党道議団と「しんぶん赤旗」の調査で判明した分。
3月泊村2人大井範明(後に泊発電所長、現北電理事)
5月旭川11人新田義央(現常勤監査役)、松藤哲夫旭川支店長(当時、後に副社長)
札幌57人井田邦佳道電力総連会長(現)、長谷川陽一(後に北電常務)、IHIエネプラント事業本部社員、宮本忠明三菱重工業北海道副支社長(当時)、秋吉清司三菱重工業北海道支社課長(当時)、河野晃一北海道生産性本部事務局長(現)、白田稔大成建設札幌支店建築部長(当時)、永森久善三菱商事関西支社電力・プラント部長(現)、(株)電制相談役(現)、西川組社長(現)、佐藤育男日本製鋼所社長(現)、北海道電気技術サービス社長(現)
帯広9人
函館2人

(11年09月29日付「しんぶん赤旗」より)