北電と大成、三菱らの構造的な「やらせ」が道民世論を歪めた | 11.09.28 |
泊原発3号機をめぐる北電の「やらせ」は、2000年、2008年に深く進行していたことが明るみに出て、道民の不信を買っています。「やらせ」追及の先頭にたつ真下紀子道議は、28日の道議会一般質問で、新資料を示してとりあげ、注目をあびました。
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道は泊3号機新設にあたり、「道民の意見を聴く会」を00年3月下旬に旭川、札幌、帯広、函館、泊の5会場で開催。130人が意見陳述、1356名が参加しました。
9月20日、真下道議、畠山党道政策委員長が記者会見(写真)。参加者の中に、少なくとも北電旭川支店長(松藤哲夫。元通産省、のちに副社長)など意見陳述の申込みを行なっている者が、43人にものぼることを明らかにしました。
今回の調査では、帯広会場では北電釧路支店の岩田敏勝、札幌会場では苫小牧の西川組の西川辰美、江別市の北海道電気技術サービス社長・田口徹などの会社役員、さらに道電力総連委員長(井田邦佳)や取引会社等が大量に参加・意見陳述を「ぐるみ」で申し出ていたことが判明しました。
札幌会場には452名が参加。意見応募者80人でしたが、うち(少なくとも)49人が北電と関連会社の面々であることが判明しました。
北電本社・札幌支店がぐるみで意見陳述申込みをしていたこと、さらに大成建設(澤田和志、白田稔)、三菱重工業(秋吉清志)、三菱商事(杉田健一郎)、IHI(福島真介)、日本製鋼所(佐藤育男社長)、など、関連業者が軒並み参加していることが新たにわかりました,
泊原発3号機(2930億円)は、原子炉は三菱重工、原子炉建屋は大成、土木工事は鹿島・大成・前田らが受注していました。受注をみこんで大成、三菱らが北電に「貢献」すべく暗躍している姿がうきぼりになりました。
高橋知事は、北電の第3者委員会の結果まち(まかせる)の姿勢です。しかし第3者委員会は、①非公開で密室審議、②結果だけまとめ公表し内容は明らかにせず。これでは「やらせ構造」の解明は全く期待できません。
そもそも道民の「意見を聴く会」は北電や関連業者の意見を述べる場ではありません。事業者以外の一般道民の意見を聴くのが目的です。しかし北電らが大量参加し、意見集約を歪めるものでした。
真下紀子道議の再三の追及にもかかわらず、高橋知事は逃げの一手に終始し、真相究明を求める道民の期待に背を向け失望を買いました。
(11年10月02日付「ほっかい新報」より)
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