厚幌ダムなぜ必要?/9団体が公開質問状 | 11.08.29 |
北海道の厚幌(あっぽろ)ダム=胆振管内厚真(あつま)町=計画に疑問があるとして、道自然保護協会など9団体は8月29日、国土交通省の有識者会議に公開質問状を出しました。
この中で道自然保護協会などは、治水については「水害時の流量などが示されていない」、利水については「上流の厚真ダムだけでは不足なのか、河川からの取水で十分ではないのか」と、ダム建設を必要とする根拠が示されていないことに疑問を投げかけています。
その上で質問状では、これらの疑問が有識者会議でまともに議論されていないことを指摘。有識者会議を非公開としている根拠を示すよう求めています。
厚幌ダムは道が事業主体の補助ダムで、かんがい、洪水調節、河川環境の保全などが目的とされています。総事業費は約360億円で、2分の1を国の補助金でまかないます。進捗(しんちょく)率は37%といいます。
上流には1972年に完成した厚真ダムがあります。
高橋はるみ知事は6月に、「治水利水対策で優位性が高い」として、見直し対象となっていた厚幌ダム建設の継続方針を国に報告しています。
8月23日に開いた国土交通省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」(中川博次座長)は、道の方針を了承。それを受けて国交省は同26日に、補助金の交付を来年度以降も継続することを決めました。
(11年09月04日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)
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