北海道電/泊原発、最終検査申請 | 11.08.09 |
北海道電力は9日、営業運転前の最終段階に当たる調整運転が続いていた泊原発3号機(北海道泊村)について、経済産業省原子力安全・保安院に対し、定期検査の最終検査を申請しました。保安院が9、10の両日に最終検査を実施。保安院は11日に原子力安全委員会に結果を報告し、同委が問題がないと判断すれば、定期検査が終了する見通しです。これにより、営業運転の開始は北海道電と地元との最終調整に委ねられます。
検査中の原発が営業運転に移行すれば、東京電力福島第1原発事故後、初めてのケースになります。
泊原発は今年、定期検査入りし、東日本大震災直前の3月に調整運転を開始。当初は4月から最終検査を受け、営業運転を再開する予定でした。しかし、福島原発の事故で、北海道電が最終検査の申請を先延ばししてきたため、営業運転に移行せず調整運転が長期化する異例の事態になっていました。調整運転中もフル出力で電力を供給しています。
通常1カ月で終わる調整運転が長引いていることから、保安院は7月、北海道電に対し最終検査を受けるよう口頭で指導していました。
保安院は、すべての原発で地震や津波に対する「ストレステスト(耐性試験)」を実施することを明らかにしています。ストレステストは、1次評価と2次評価に分かれ、定期検査中の原発では1次評価が行われ、その結果によって再稼働してもよいか判断されることになっています。ところが、保安院は、定期検査中でも、調整運転中の原発は、1次評価の対象ではないとの見解を表明。定期検査中にもかかわらず、再稼働の可否が判断されないままで、運転を認められるという抜け道がつくられています。
海江田万里経産相は9日、北海道の質問に回答する形で、最終検査中の原発が営業運転に移行するのは「再稼働」には当たらないとする見解を示しました。
北海道の高橋はるみ知事は9日記者会見し、国が同日、北海道電力泊原発(北海道泊村)3号機の定期点検の最終検査を申請するよう同社に求めたことについて、「地元軽視であり、はなはだ遺憾だ」と述べ不快感を示しました。知事が営業運転再開の判断材料としてきた政府の見解表明と同じ日に行われたのが理由。
(11年08月10日付「しんぶん赤旗」より)
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