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道労働委員/道知事に公正任命求め提訴 11.06.02

道労働委員連合、20年以上独占

道知事に公正任命求め提訴

労働委員会の委員選任で不公正な扱いを受けたとして北海道労働組合総連合(道労連)などは2日、高橋はるみ北海道知事に対して差別的な任命の取り消しと損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こしました。

札幌地裁に道労連など

訴えたのは道労連と道勤医労、ローカルユニオン結、建交労道本部およびこれらの組合から労働委員候補として推薦を受けた山口康夫、岩根清三、出口憲次の各氏です。

訴状によると道は昨年12月、第39期労働委員の選任で労働者代表の委員7人全員を、連合北海道傘下の組合が推薦した候補から任命し、道労連推薦の候補を排除しました。

原告らは「何ら合理的な理由なく、道労連と加盟する労働組合、組合員を差別し団結権を侵害した知事の任命処分は、憲法14条(法の下の平等)、28条(勤労者の権利)、ILO87号条約、国際人権規約、労働組合法などに違反する」と訴えています。

道労働委員会の労働者委員は横路孝弘知事時代の1990年以降、連合候補独占が続いています。

労働委員会

公益委員、使用者委員、労働者委員の3者で構成され、労働組合法にもとづいて労働争議の調整や不当労働行為の審査などを行います。都道府県の労働委員会の委員は知事、中央労働委員会は総理大臣が任命します。11都府県(12人)で連合以外の労働者委員が選出されています。中央労働委員会では2008年、全労連推薦の労働者委員・淀房子氏が選任(現在2期目)されました。


道労連が決起集会

「偏向任命」ただす

道労連は2日夜、「公正任命裁判提訴・決起集会」を札幌市内で開き労働組合員ら60人が参加しました。

中央労働委員会の労働者委員である淀房子氏(全医労顧問)が講演し、公正任命裁判弁護団の斉藤耕弁護士が裁判の経過と問題点を説明しました。

初めて全労連推薦で中央労働委員会の委員に任命された経過を報告した淀氏は、「労働委員会の『偏向任命』をただすことは、日本に民主主義を根付かせるたたかいです」と強調しました。

道労連の出口憲次事務局長は「現在、札幌高裁でたたかわれている第38期労働委員の公正任命裁判支援や署名運動、組合組織の拡大で勝利しよう」と力を込めました。

(11年06月04日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)