【真下道議のエネ特委での北電社長らに対する参考人質疑】 | 11.10.26 |
産炭地振興・エネルギー問題調査特別委員会は泊原発3号機のプルサーマル導入をめぐる「やらせ」問題などについて北海道電力佐藤佳孝社長らを参考人として招致、質議を行い、真下道議は委員外質疑を認められ、北電「やらせ」問題で上層部の関与を追及しました。
質問者 日本共産党 真下紀子 議員
はじめに委員の皆様のご理解に心から感謝申し上げます。
まず上層部の関与について伺います。第三者委員会報告によって北電の組織的やらせが明らかになるにつれ、北電と原子力への信頼が失墜しています。社長は北電が長年にわたって繰り返されたやらせが、世論操作これを許されると考えてきたのはいつの時点までで、反省を始めたのはいつの時点とお考えか伺います。
前に、前の社長が許される範囲と言っておりますけれど、そのことについては当時そう思っております。ただ私としては、やはり今回のシンポジウム等については、我々があくまでも説明責任があるかです。ですからそういう中で操作をすることはいけない、どんなことがあっても変わらないと思います。ですから我々も説明責任をつくすということを、基本として努力したいと考えております。
しかし、実際には日常業務として、行われていたわけです。さらに佐藤社長は7月未にやらせはないと、国と国民に対して欺く説明をしました。第三者委員会の報告との違いを道民にどのように説明されるのか、謝罪すべきは何かをお答えいただきたいと思います。
国への報告の誤りですが、当社は7月29日に国に対して国のシンポジウムに関わる関与に関しまして、調査をした結果を報告しております。また、その後第三者委員会におきまして、報告内容に間違いがあったということから、それにつきましては10月25日、昨日、国に修正報告をしているところでございます。
社長の発言の誤りを常務が訂正する会社なんですか。社長の発言の誤りについてお答えください。
いろいろな仕事というのは組織で動いております、ですから、私どもは、報告を受けてその報告がないということであれば、私は部課のいったことを信じてその通り発言する。意思表示をする、それが役割だと思っております。
経営のトップとして、それで責任が果たせるのでしょうか。そうした事をつぎにお答えいただきたいと思うのですが、中間報告の意見募集について数点伺ってまいります。原子力推進本部から原子力部に60件の提出依頼がなされております。パブコメの提出依頼です。一道民として北電と知られないようにと詳細の指示がついた依頼です。原推本がパブコメ提出を特別経営職、経営職どういった職位で、その部署はどのような範囲に及んでいるのか教えてください。
パブコメについては、報告書に記載があるとおりでございます。事実関係が明らかになっているのは報告書にすべて記載をされております。
相当ですね、広範囲な会社組織に広がって、パブコメ要請をしている訳です。原子力本部は事務局があります。この事務局から推進本部へは、どのような内容の報告をするシステムかそのシステムについてもお答えください。
ただいまのご質問の件ですが、事務局機能というのはですね電源立地部がになっております。兼務体制でになっておりまして専任の体制ではございません。従って報告といってもですね、原子力推進本部というそういったものの報告形態ではなくて、先ほども事実上の休眠状態とお話しておりますので、通常の会社の組織のルートで必要な情報は上がりますし、それぞれの職位で判断するものは、それぞれの職位で判断していたというのが現実でございます。
社長のパソコンが先ほど解析されてないと言っていましたけど、本当でしょうか。
調査の方法・内容につきましては、第三者委員会が判断をして決めたものでございます。
解析を受けたかどうか。
ですから、解析するか必要があるかないかについては、第三者委員会が決めたものでございます。
受けたかどうか。
受けておりません。
社長のパソコンに報告が上がってくるものですから、それが解析を受けていないということになれば、報告を受けたかどうかということは解明できない訳です。 これは調査としては不十分ですし、社長は率先して明らかにすべきと私は思います。
パブコメについてですけれども、常務・原子力部長の黙認が報告では指摘をされております。10月23日のメールでは全社で200件のコメントを出すことで進められており、大変広範に広がっている指示です。
更にですね、原子力推進本部は組合員のやらせ動員を業務として手当支給対象とする情報提供を人事労務部に求めております。
またパブコメ依頼は各部に対して広がっているわけですが、事務局がこれだけ広範囲な部に対して独断で進められるとは考えにくい。原子力推進本部がやらせの仕込みを差配していたのではないか。国からのやらせ依頼についても対応しているわけですけども、一貫したやらせについて経営上層部のどこまで知りえていたのか。
当時原子力推進本部長だった佐藤社長は本当にご存知でなかったのか伺います。
調査の結果分析、解析、それとその事実認定は、すべて第三者委員会にお願いをしてございます。私どもとしては、この報告書に記載のあることは調査結果に盛り込まれていると受け止めております。
どこまで知り得ていたのか、経営のトップとして佐藤社長はどうお考えですか。
私には報告は上がっておりません。以上です。
こうした重大なことが経営のトップに上がらない、貴方はこの経営から外されていたということですか。
すべてが社長まで報告が上がるということにはなっておりません。本部制の中でしかるべき報告のルールの中で動いている。
重大なことが北電のトップに上がらない。そういう組織というこですよね。北電は、社長が知らないと言えば、不正な行為が、社内で行われるそういう組織と受け止めてよろしいですか。
それぞれの本分があって、それぞれに役割があってその中で仕事をしないと非常にいろんな人間も多いですし、業務も多岐に亘ってます。ですからやはり本部で判断することも出てくることはこれは事務的にはやむを得ない。ただ、重要なものには、やはり社長専決というものはありますから、そのようなものは必ず上がってきてます。
それ以外のものは、かなり下部委任して、場合によってはリーダーとか、もっと下まで下部委任。そういうことでないと、会社自体がなかなかいかないと思います。それはご理解いただきたいと思います。
理解できません。国から依頼を受けたやらせですよ。そのことは社長の耳に入らない。そういった会社で、どうして危険な原発を安全に稼働できるのですか。
少し論理に飛躍があると思います。
逃げてはいけないと思います。報告書では上層部の関与について認めるに足りる証拠がないといっているだけで、関与がないと言い切っていません。役員らは不適切行為を気付き得たし、阻止し得たと指摘しているわけですけれども、社長就任以来、続いているやらせについて社長は、どう考えて社長を務めてきたのですか。
それぞれ役割というものが、部門部門でもありますし、役職でもあります。ですから、最後は私に責任があることは事実だと思いますけれど、今言われていることは、知っているか知っていないのかということを盛んに言われていると思います。ですから、わからなかったことはわからないと言わざるを得ません。でも、ただそれはですね、管理として許されるのか許されないのかとはまた別の話だと思います。そういう点をいかに風通しのいいように改善していくか。それが道民の理解、信頼を得ることとなると思いますので、これからも改善を続けていきたい。以上でございます。
長きにわたって繰り返された不正行為を把握できない経営トップにその責任を果たせるかどうかを私は聞いているわけですね、これは後でまとめて聞きたいと思いますので。もう一つお伺いしたいと思います。プルサーマルは、社運をかけてなんとしてもこぎつけなければならなかったと思うんですね。2次意見の募集中に道の原子力安全対策課が地元住民以外の意見が圧倒的に多いと伝えています。このことについて、お聞きをしません。その後ですけれども、10月の中間報告に対するパブコメの中に、メールには全体で90件、賛成4割、慎重6割とか、反対が6割を占めているなど、パブコメの内容が逐次詳細に北電に伝わっています。聴取したのは、電源立地部です。電源立地部はどこからどのような頻度でどのような聴取をしていたのですか。
先程来から申し上げておりますように、調査については、すべて第三者委員会にゆだねております。具体的に第三者委員会がどのように調査をしたのかについては私どもは知り得ておりません。従いまして、コメントは差し控えさせていただきます。
そうしたら、第三者委員会の報告はすべて受け入れるといいながら、それは第三者委員会のことだからということで、明らかにしないということであれば、北電の説明責任というのは果たされていないことになるんじゃないのですか。それに電源立地部はどこから聞いたのですかと聞いてるわけですよ。お答えくださいしっかりと。
冒頭に社長が申し上げましたように、今回、第三者委員会に事実の認定、それと評価、原因分析の解明のお願いをいたしました。これについては、併せて、再発防止策ということもお願いをいたしました。第三者委員会に調査を付託するということにつきましては、事実解明だけをお願いしたわけではございません。再発防止策も含めて、今後の当社の改めるべき点は何か、どうかというところも含めてお願いをした次第でございます。そういった意味で、今回、第三者委員会から示された原因分析、それと再発防止策については、今後、当社が改めるべきが含まれているというふうに考えております。以上でございます。
これで終わりたいと思います。今の議論からもお分かりのように、電源立地部がどういうふうな情報収集していたかということも住民には説明ができない。都合のいい、北電の原子力の安全について説明をしたい、丁寧に説明をしたいと、こういうことをおっしやられた。都合の悪いことは、それは第三者委員会の調査ですと。こういうことでは、信頼は到底、回復することはできないというふうに思います。北電には、本当に失墜した信頼を回復するだけの自浄能力がないと、今日の議論ではそのように感じました。
委員の皆さん、ありがとうございます。
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