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2011年第4回定例会予算特別委員会

【真下紀子道議、特養待機者の解消へ対策求める】 11.12.06

2011年12月06日 予算特別委員会第1分科会質疑概要

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

道補助金受ける天下り指定席団体には政治的中立・公正が必要

団体に対する道の財政的関与について
平成23年12月
経済部経営支援局中小企業課
北海道商店街振興組合連合会
・ 平成23年度 予算規模
 44,781千円(当初予算)
・ 道の財政的関与
事業名予算額(千円)備考
商店街振興対策事業補助金 22,471 人件費、事業費
商業活性化計画づくりバックアップ発展普及事業 9,043 受託契約額(雇用交付金事業)
※コンソーシアムの構成員として受託
商店街の現状・課題等の可視化事業 16,474 受託契約額(雇用交付金事業)
※コンソーシアムの構成員として受託
北海道中小企業団体中央会
・ 平成23年度 予算規模
 572,349千円(当初予算+雇用交付金事業受託契約額)
・ 道の財政的関与
事業名予算額(千円)備考
北海道中小企業団体中央会指導事業費補助金 227,662 人件費、事業費
道内中小企業組合等の社会的事業参画動向調査事業 14,966 委託契約額(雇用交付金事業)
北海道商工会連合会
・ 平成23年度 予算規模
 615,292千円(当初予算+雇用交付金事業受託契約額)
・ 道の財政的関与
※このほか、総合政策部委託事業(雇用交付金事業)あり
事業名予算額(千円)備考
北海道商工会連合会指導事業費補肋金 352,795 人件費、事業費
アイヌ中小企業振興対策費補助金 5,017 環境生活部所管
中小企業商品力等向上支援事業 21,245 受託契約額(雇用交付金事業)
地域課題解決型NPO法人等支援事業 5,935 受託契約額(雇用交付金事業)
※コンソーシアムの構成員として受託
北海道を愛するみんなの会役員
会長山口 博司北海道経済連合会 副会長
副会長武部  實日本都市設計(株) 相談役
髙本 雅子北海道商工会議所女性会連合会 会長
長谷川幸男北海道農協政治連盟 会長代理
藤井 英勝共同住宅政治連盟 代表者
代表常任幹事大和田 勲北海道観光振興機構 専務理事
澁谷 良二北海道林業政治連盟 幹事長
佐々木宏治北海道水産政治協会 幹事長
永井 則夫北海道農協政治連盟 幹事長
宮田 昌利サンエス電気通信(株) 代表取締役社長
向井 慎一日本商工連盟北海道連合会 幹事長
吉田 守利北海道経済連合会 専務理事
常任幹事石見 誠嗣北海道経済同友会 事務局長
大嶋 政實北海道中小企業団体政治連盟 専務理事
粟原 勝憲北海道経営者協会 専務理事
瀬川 五水北邦学園 理事長
高石 克己北海道農協政治連盟 幹事
髙木  潔北海道商店街政治連盟 幹事長
藤原 貴幸北海道商工政治連盟 副幹事長
牧野 光博北海道建設連盟 役員
丸山 淳士五輪橋産科婦人科小児科病院 名誉理事長
会計監事荒木 啓文札幌商工連盟 副幹事長
檜森 聖一(株)北洋銀行 常務執行役員
会計責任者戸塚  守北日本ビル管理(株) 顧問
会計責任者代行浜田 剛一北海道経済連合会 常務理事事務局長
事務局長井上  仁北海道を愛するみんなの会 事務所長

○真下紀子議員

初めに、天下り等について伺います。

北海道商店街振興組合連合会、北海道中小企業団体中央会、北海道商工会連合会は、それぞれ、再就職取扱要綱の適用団体かどうか、まず伺います。

○佐藤敏人事課長

再就職取扱要綱の適用についてでございますが、ただいま議員から御指摘のありました三つの団体につきましては、いずれも、再就職取扱要綱の適用となる団体でございます。

○真下紀子議員

これらの3団体に対する道の財政的な関与をお示しください。

○佐藤人事課長

道の財政的な関与についてでございますが、それぞれの団体に対する平成22年度の道からの補助金額と、団体の歳出規模に占めるその割合につきましては、北海道商店街振興組合連合会が2365万円で51.5%、北海道中小企業団体中交会が2億2645万円で47.9%、北海道商工会連合会が3億9598万円で18.2%と、それぞれなっております。

また、いずれの団体に対しましても、道からの出捐金や出資金はございません。

以上でございます。

○真下紀子議員

この3団体の役員への、過去10年間の道職員の再就職状況がどうなっているのか、お示しください。

また、団体の所管についても、あわせてお答えください。

○佐藤人事課長

再就職の状況などについてでございますが、平成14年度から現在まで、北海道商店街振興組合連合会には4名、北海道中小企業団体中央会と北海道商工会連合会には、それぞれ2名が、いずれも役員として再就職をいたしております。

また、これらの団体の所管は経済部でございます。

○真下紀子議員

過去10年間、途切れたことはありますか。

○佐藤人事課長

これら団体への再就職の状況についてでございますが、いずれの団体に関しましても、平成14年度以降、役員に継続して再就職をいたしております。

○真下紀子議員

天下りの立派な指定席となっているわけです。

これだけでも驚きなのですけれども、実は、今答弁のあった3団体については、それぞれ政治団体を設立いたしまして、天下りの道職員OBが、高橋知事の選挙の取りまとめ役を務めていたと考えますが、どうでしょうか。

○佐藤人事課長

政治団体についてでございますが、先ほど来、御指摘のございます三つの団体と政治団体との関係などにつきましては、承知をいたしていないところでございます。

○真下紀子議員

一般論でなく、高橋知事の選対本部の役員名簿で確認しましたところ、常任幹事に3人が名を連ねていることが判明したから、伺っているわけです。

こうした団体に再就職した方たちというのは、皆さん、道の幹部職員として、道の政策の意思決定過程に携わってきた方たちです。公務員は、退職後も守秘義務が課せられておりますが、そうした、道の内部の事情をよく知る方たちが、政治団体の役員として、高橋知事を支援するのは公平公正さを欠くのではないかと思うわけです。

道の職員が退職後、少なくとも関与団体に天下っている間は、道職員に準じて中立公正さを保つべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○山本広海人事局長

再就職にかかわりまして、政治活動に関してでございますが、道の職員につきましては、地方公務員法などによりまして、現職中は政治的行為の制限が課せられております。これは、憲法で保障されました、政治活動などの表現の自由と、行政の政治的中立性の確保との調整を図るという趣旨から、定められたところと承知をいたしてございます。

道を退職した職員につきましては、地方公務員法により、議員から今御指摘もございましたように、退職後も、職務上知り得た秘密について守秘義務が課せられているところではございますが、政治的行為については、制限を受けないところと承知してございます。

○真下紀子議員

憲法を守るのは当たり前のことなのですよね。問題は、関与団体の役割にかんがみたときに、中立性、公正さに疑いを持たれるのではないかということです。

道の職員が、関与団体に再就職して、その団体が実質的に運営する政治団体の役員となって、高橋知事を選挙で支援するといった構図については、部長は問題ないとお考えでしょうか。

○立川宏総務部長

再就職者の政治活動についてでございますが、道では、在戦時の地位や、その権限による道に対する影響力の排除などの観点から、道の財政的支援の度合いの高い団体への再就職につきまして、要綱で、在職期間や給与等の制限を設けているところでございます。

道を退職した職員につきましては、政治的行為の制限は課せられていないところでございまして、道といたしましては、御指摘の事項につきまして、把握や指導をする立場にはないものと考えております。

○真下紀子議員

私は、関与団体でなければ、問題を提起するわけではないのです。

3団体への道からの補助金は、先ほどの答弁では、6億円を超えていますよね。それで、5割から2割の財政依存度、財布は道が握っているという状況の中で、道からの天下りで、いずれも団体の幹部が選挙を事実上主導されたら、ほとんどノーとは言えないのじやないかと思うのです。個人の政治信条を超えて、公正さを欠くという批判は免れないのじやないかと思いますけれども、部長、そうは思いませんか。

○立川総務部長

政治的行為の制限についてでございますが、道を退職した方々につきましては、一般の方々と同様に、法の定める範囲内において、支援していく行為や選挙運動ができるものでありまして、それが適法に行われている限り、問題はないものと認識しており、制限されるべきものとは考えてございません。

○真下紀子議員

部長がそう強弁されるのでしたら、知事に直接お伺いしなければならないと思いますので、お取り計らいをお願いいたします。

活断層は未確認、耐震安全性評価なしで再稼動はありえない

○真下紀子議員

次に、原子力行政等についてです。

まず、活断層についてです。

11月11日、原子力安全・保安院は、泊原発敷地前面海域にある複数の断層の連動を考慮した評価の実施を求めております。北電が保安院に11月18日に提出した実施計画では。どの断層が評価対象とされたのか、また、東洋大学の渡辺教授らが指摘した活断層は対象とされているのかどうか、伺います。

○勝木雅嗣環境安全担当課長

活断層の評価対象についてでございますが、国では、去る11月11日に、北電に対し、東北地方太平洋沖地震の知見を踏まえ、泊発電所敷地前面の海域に分布する、長さ10キロメートルから40キロメートル程度の複数の断層について、それらの連動を考慮した地震動及び津波の評価の実施について指示したところであり、北電では、今後の評価のスヶジュールを示した実施計画を18日に国に提出したところでございます。

また、平成21年10月に開催された日本地震学会において、積丹半島西方海域に活断層が存在し、その活動によって海岸部の隆起がもたらされた可能性が高いと発表されたところでございます。

北電では、自社の耐震安全性評価の客観性をより高めることを目的に、平成22年2月より6月にかけて、積丹半島西岸部の泊村から神恵内村付近において、追加の地質調査を行ったところであり、さらに、同年7月には、国の現地調査に基づく指示により、北電では補足調査を実施し、国に調査結果を提出したところでございます。

これらの調査結果は、国において、その内容が確認されるものと承知しており、道といたしましては、北電が提出した泊発電所の耐震安全性評価などを早急に審査、確認するよう求めているところでございます。

○真下紀子議員

道は、この補足調査の生資料について提出を求めたことはありますか。

○勝木環境安全担当課長

北電におきましては、国に対して調査結果を提出したところでございまして、道に関しては、その説明を受けているところではございません。

以上でございます。

○真下紀子議員

北電は、保安院にも生資料を出していないのですよね。 11月16日に私は経産省に要請に行ったのですけれども、そのときにも、北電の了解が得られないから、保安院は資料を出せないという状況なのです。道としても、ぜひ、住民への資料の公開を一緒に求めていただきたいと思います。

次に、黒松内低地断層帯についてですけれども、渡島半島部、さらには噴火湾の海底まで伸びている可能性を指摘する学者もいらっしやいますが、北電は、新たな評価対象としているのか、また、同断層を何キロメートルと想定しているのか、伺います。

○勝木環境安全担当課長

黒松内低地断層帯についてでございますが、北電が平成21年3月までに国に提出した耐震安全性評価では、黒松内低地断層帯の長さを40キロメートルと評価しておりますが、その後、産業技術総合研究所が、黒松内低地断層帯に関し、新たな知見を示したところであり、今後、国におきましては、この新たな知見に基づき、審査がなされるものと考えており、道といたしましては、国に対し、早急に審査、確認を行うよう求めているところでございます。

○真下紀子議員

これも審査末確認ということですよね。より近い活断層が認定されれば、地震は直下型となりまして、縦揺れが大問題となります。泊原発の基準地震動は、2009年に、水平方向、垂直方向、それぞれ見直されておりますが、どうなっていますか。

また、私は、さらなる基準地震動の見直しが必要と、これまでも述べてきましたけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○勝木環境安全担当課長

基準値振動についてでございますが、北電では、平成18年に改定された、国の新たな耐震設計審査指針により、泊発電所の基準地震動について評価を行い、水平方向は、それまでの370ガルから550ガルに、また、新たに設定された鉛直方向については368ガルとして、平成21年3月までに国に報告したところであり、現在、国において審査されているところでございます。

道といたしましては、今回の福島第一原発事故を受けて、国が実施する検証作業において、耐震安全性についても、しっかりと検証されるべきと考えており、国に対し、施設の耐震設計について、早急に分析、検証し、その結果に基づいて、必要な対策を講ずるよう求めているところでございます。

○真下紀子議員

活断層の評価を過小評価すれば、鉛直方向は368ガルで十分だという考えも成り立つでしょうけれども、実際はそうはならないわけです。ですから、これについては、不十分な状態が続いていると言わざるを得ないと思います。

耐震安全性評価結果についてですけれども、道として厳しい審査を求めるべきと私は考えますが、いかがでしょうか。

また、その結果が出て、対応策がとられるまでは、安全性が確保されているとは言えないわけですから、再稼働は行えないと考えますが、いかがでしょうか。

○池田二郎原子力安全対策担当局長

泊発電所の耐震安全性評価についてでございますが、北電では、国の新しい耐震設計審査指針に照らし評価を行い、地質調査結果を含む耐震安全性評価結果を平成21年3月までに国に報告したところであります。

これらの評価結果につきましては、現在、国において、その審議がされているものと承知しており、道としましては、国に対し、泊発電所の耐震安全性評価について、厳正な審査、確認を求めているところでございます。

また、再稼働についてでございますが、去る11月11日に、国から北電に対し、新たに、泊発電所の敷地前面海域における断層の連動を想定した地震動及び津波の評価を実施するよう指示があったところであり、これらの評価結果は、原子炉の再稼働の可否について判断するためのストレステストに反映されるものと考えているところでございます。

○真下紀子議員

そうなると、現状では、いずれも安全性を欠きながら、泊原発3号機の稼働が続いているということになると思いますし、そういった前提条件の安全が担保されることなしには、再稼働は行えないということだと思います。

次は、大間原発の関連なのですけれども、2008年の7月に、原子力安全対策課長らが原子力安全・保安院を訪ねた際に、保安院は、大間原発の活断層について、道は大間原発の地震問題に関与すべきではないと、まるで口を出すなというような発言をしたとされておりますけれども、これは大問題ではないでしょうか。どのような内容だったのか。また、道として意見を言うべきだと考えますが、道の考え方について伺います。

○池田原子力安全対策担当局長

大間原発に関する国との打ち合わせについてでございますが、国とは、平成20年7月に打ち合わせをしており、その際、大間原発の活断層に関して、国から、活断層の手引の内容を反映しながら検討しているので、その確認は国に任せるべき旨の発言があったところであります。

現在、大間原発の建設工事は中断しているところでありまして、道といたしましては、工事再開の可否について、同原発の位置づけや必要性、さらには安全性につきまして、道民の皆様方が納得できるような説明がなされることが前提であると考えており、国として、エネルギー政策のあり方全般について検討する中で、大間原発につきましても、しっかりと議論を行い、わかりやすく説明責任を果たすよう、改めて国に対して求めてまいる考えでございます。

放射能影響予測システム、防災計画も末確立なまま原発は稼動されている

○真下紀子議員

次に、原発の危険性と防災計画について伺っていきます。

東電は、福島第一原発のメルトダウンで溶け落ちた燃料が、原子炉の底を突き破って、格納容器の下のコンクリートまで溶かしているという解析結果をこのたび発表いたしました。

泊原発の原子炉と格納容器の構造、及び、メルトダウンを起こし、燃料が格納容器の底を突き抜けた場合の想定と対策について、どのように考えているのか、伺います。

○勝木環境安全担当課長

泊発電所の安全対策などについてでございますが、福島第一原発の原子炉形式が、沸騰水型軽水炉、いわゆるBWRに対し、泊発電所が採用しているものは、加圧水型軽水炉、いわゆるPWRとなっており、また、格納容器の材質は、炭素鋼を使用しているところでございます。

また、北電においては、今回の福島第一原発事故を受け、津波による緊急安全対策を実施するとともに、さらなる安全性の向上の観点から、非常用発電機の高台設置など、中長期対策に取り組んでおり、さらに、今回の事故のような、炉心の重大な損傷が発生するなど、いわゆるシビアアクシデントが発生した場合でも迅速に対応する観点から、中央制御室の作業環境の確保や、水素爆発の防止策などの措置を行っているところでございます。

道といたしましては、今後とも、泊発電所にさまざまな安全対策を講じ、安全確保に万全を期す必要があるものと考えているところでございます。

○真下紀子議員

今後、安全対策を講じていくということです。つまり、メルトダウン対策というのは確立していないわけですよね。そういうことだと思います。

最近、つくば市にある気象研究所が、福島第一原発事故由来のセシウムの8割は、偏西風に乗って、太平洋に落ちたという研究結果を発表しました。

本道で一たび事故が起き、偏西風の影響を受ければ、190万都市の札幌が重大な事態となります。放射性物質拡散について、SPEEDIを活用したシミュレーションをすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○橋本彰人原子力安全対策課長

SPEEDIについてでございますが、SPEEDIシステムは、事故時におきまして、各原子力発電所の放出源情報や、発電所周辺の地理情報、環境放射線モニタリング情報や気象情報を用いまして、放射能影響予測を迅速に行うシステムでございまして、国においで、整備、維持をしているところでございます。

道におきましては、道民の安全、安心の確保を図る観点から、事故時において、泊発電所に係る放射性物質の拡散予測が確実に行われることが、防災対策上、重要と考えておりますことから、道が設置をいたしました有識者専門委員会の報告書に示されました、広域的な大気拡散影響を把握するため、SPEEDIシステムの機能強化などにつきまして、今後、国に対し要請してまいる考えでございます。

○真下紀子議員

それでは、現状で、SPEEDIの最大値はどうなっていますか。

○橋本原子力安全対策課長

範囲といたしましては、25キロメートル程度というふうに承知をしております。

○真下紀子議員

福島原発の事故の規模には対応できていなくて、末確立だということですね。

次に、UPZについてなのですけれども、国は、地域防災計画等の策定において、地域に固有の自然的・社会的周辺状況を勘案し、具体的な地域を定める必要があると整理しております。

道として、こうした観点から、札幌市を含めて、関係市町村と協議して、泊版のUPZ及び地域防災計画を定めるべきと考えますが、認識を伺います。

また、防災計画を策定する市町村については、安全協定も締結すべきと考えますが、見解を伺います。

○橋本原子力安全対策課長

まず、UPZについてでございますが、原子力安全委員会におきまして、これまでのEPZにかわりに、緊急時防護措置を準備する区域、いわゆるUPZの範囲といたしまして、原子力施設からおおむね30キロメートルの目安が示されたところでございます。

また、原子力発電所事故による周辺環境への影響の大きさは、施設の特性、気象条件、周辺の地形などにより異なりますことから、将来的には、原子力発電所ごとに、防災対策を重点的に充実すべき地域を詳細に検討していくことが望ましい、このようにされておりまして、道としては、早急に検討を行うよう、国に対して求めてまいる考えでございます。

次に、安全協定についてでございますけれども、安全協定は、発電所周辺の地域住民の安全、生活環境の保全を図る目的で、発電所の運転状況や異常事象の連絡、発電所施設への立入調査や発電所周辺のモニタリングに関する事項などを内容といたしまして、原発立地県及び立地市町村、プラス事業者の3者で締結されていることが多い状況にございます。

また、安全協定を締結していない原発周辺市町村では、事故・故障発生時の迅速な通報連絡を主眼といたしまして、事業者との間で通報連絡協定を締結している状況もあるところでございます。

道としましては、関係自治体に対し、これら協定の枠組みを十分説明するなどいたしました上で、安全確保の観点から、どのような枠組みを必要とするのか、お聞きをしていく必要があるものと考えているところでございます。

○真下紀子議員

これも、11月16日、経産省の牧野副大臣とお話をした際、行政・経済機能も勘案されるものと確認してまいりました。枠組みを狭めないで検討していただくことを求めておきたいと思います。

やらせ問題解明されてない。プルサーマル計画同意は撤回を

○真下紀子議員

次ですが、今までの議論の中で、危険な原発がそのまま稼働していて、安全が担保されていない過渡的な状態が今も続いているということが明らかになりました。なぜ、危険な原発が今も稼働しているのかについては、実はやらせの産物だったということが、8月以来、明らかになってきたわけです。

知事は、私の一般質問に、2000年のやらせ、2008年のやらせについて、それぞれ、確認作業や精査を行ったと答弁しましたが、9月30日の国の第三者委員会報告で明らかにされた、国と北電の世論操作を含めた、やらせの全容解明とは言えないのではないかと私は今でも思っていますが、いかがでしょうか。

○勝木環境安全担当課長

国のシンポジウムについてでございますが、平成20年8月に開催された国のシンポジウムにつきましては、有識者検討会議の検討に資するために開催されたものではないものの、このシンポジウムで提出された、安全性に関する意見については、既に論点に含まれていることを有識者検討会議において確認したところでございます。

道では、北電の第三者委員会が取りまとめた調査報告書において、不適切とされた事項について整理し、有識者検討会議の提言及びプルサーマル計画の事前了解への影響について精査した結果、影響を与えたとは考えられないとの結論に至ったところでございます。

○真下紀子議員

質問の趣旨が伝わっていないと思うのですけれども、やらせのすべての全容解明ができていない。それぞれが調査をしたけれども、関連性を含めて、全容解明がされたとは言えない状態だと言っているわけです。

私は、本会議で、2000年には、受注企業を初め、原発利益共同体が総動員でやらせを行ってきたということを示しましたが、2008年に係る調査では、その一部がわずかに確認できただけで、これでは十分とは言えません。不十分です。限界があったと考えますが、いかがでしょうか。

○勝木環境安全担当課長

プルサーマル計画への影響についてでございますが、道が行った精査では、北電職員がシンポジウム等へ参加していたことや意見を提出したことが確認されましたが、シンポジウム等では、入場者制限を行っていなかったことから、他の参加者の入場を損なうものではなかったことや、提出された意見は、安全性に関する意見とそれ以外に分け、安全性に関する意見は、有識者検討会議の議論に反映し、安全性以外に関する意見は、検討会議の検討対象とはしていなかったことから、これらのことが有識者検討会議の提言に影響を与えたとは考えられないとしたところでございます。

北電職員以外の者が、北電からの要請により、シンポジウムに参加などしていたとしても、今述べた理由により、有識者検討会議の提言に影響を与えたとは考えられないと考えてございます。

○真下紀子議員

だから、認識が間違っていると言っているのです。国の報告書では、必要以上の参加自体が不適切だと断じているのではありませんか。違いますか。

○勝木環境安全担当課長

国の報告書におきまして、意見を提出したことが確認されてはございますが、先ほど言いましたように、入場者制限を行っていなかったこと、こういうことを考えますと、検討に影響を与えたとは考えられないというふうに考えてございます。

○真下紀子議員

自分の都合のいいように解釈したらだめだと思うのです。きちっと受けとめるべきだと私は思います。

それから、私が指摘したような、受注企業ですとか取引団体の参加、意見表明の確認というのは、道の調査では、すべて行われたとは言えませんよね。どうなのですか。そこまではやっていないですね。

○勝木環境安全担当課長

北電からは、北電職員以外の名簿等については提供を受けていないところでございます。

○真下紀子議員

調査には限界があったということなのですよ。それは素直に認めたほうがいいと思います。わずかな確認をしたことをもって、影響なしと強調されていますけれども、これは間違っていると思います。

そういった中で、こういったぐるみのやらせ行為が知事判断には全く影響なしという結果を引き出しているようですけれども、これは私は納得できないのですが、どうなのでしょうか。

○勝木環境安全担当課長

プルサーマル計画の判断についてでございますが、道が行った、プルサーマル計画の一連の経過に関する精査、及び、道の第三者検証委員会の検証結果においては、北電による不適切とされた行為などが事前了解の判断に影響を与えたとは考えられないとの結論に至ったところでございます。

○真下紀子議員

これは、道の関与について矮小化して、世論操作という重大性を直視していない答弁だと私は思います。

公表された意見などがゆがめられて道民に伝わって、まるで賛成派が多いかのような意見調査結果を道民に知らせることが、行政としての公正公平性をゆがめ、道民に誤ったメッセージを発信したとはお考えにならないのかどうか、伺います。

○勝木環境安全担当課長

意見募集についてでございますが、寄せられた意見につきましては、MOX燃料の製造、輸送などの安全性に開する意見と、プルサーマルに賛成などの、安全性以外に関する意見に分けて整理し、安全性に開する意見は、有識者検討会議の議論に反映し、また、安全性以外に関する意見につきましては、有識者検討会議の検討対象とはしておりませんが、意見に対する回答は、国や北電に確認し、道のホームページで公表したところでございます。

いずれにいたしましても、道では、プルサーマル計画の検討に当たりましては、安全性について有識者検討会議で検討を進め、その会議の運営に当たりましては、会議や会議録をすべて公開するとともに、わかりやすい議論となるよう努めながら、科学的かつ専門的な見地から、慎重に検討を行ってきたと考えてございます。

○真下紀子議員

ゆがめられた行政プロセスの問題について聞いているのですよ。

やらせの意見に対して、それへの回答を行政として発信したことについて、公正性を欠いていたということは、今の時点でも反省なさらないのですか。どうなのですか。やらせによる誘導ととられても仕方がないのじやないですか。きちっと答えてください。

○勝木環境安全担当課長

意見募集についての御質問でございますけれども、道といたしましては、この意見募集の過程におきまして、北電により不適切な行為がなされたということは遺憾であると考えているところでございます。

○真下紀子議員

知事の意思決定にかかわる問題を、その経過においてゆがめられていたわけですよね。それは、やはり、行政としての道にも大きな責任があるものだと思います。現時点において、これはしっかりと反省すべきだと思います。

もう一つなのですけれども、知事が、交付金の期限について、事務方にその認識はあったものの、知事自身は認識していなかったと、記者会見で発言しておりますが、知事は、交付金について何らの知識もなかったということですか。

○勝木環境安全担当課長

核燃料サイクル交付金についてでございますが、知事は、この交付金制度が、平成18年度に設けられ、当初は1年間の措置でありましたが、その後、2回にわたり延長されたことについて承知しておりました。

○真下紀子議員

経産省出身で、聡明な知事におかれては、これは熟知していたと思います。ですから、その知事の思いをおもんぱかった部下の行動が、今回のことにつながったのではないかと思います。

最後に、プルサーマル計画の判断についてなのですけれども、2008年10月に実施をされた、中間報告への意見募集に対する回答の中で、有識者検討会議としても、高レベル放射性廃棄物の最終処分問題が、早期に解決を図られるべき事項、つまり未解決の事項だというふうに指摘をしております。

プルサーマルの実施によって、半減期がより長く、より危険な核物質が生成され、処分が確立していないという指摘をされているわけです。

最終処分問題が未解決のまま、知事がプルサーマル計画に同意をした判断は、重大な間違いだったのではないかと思います。その点はどうお考えか、伺います。

また、泊原発3号機のプルサーマル計画は白紙に戻すべきだというふうに申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

○寺山明危機管理監

プルサーマル計画の同意についてでございますが、道では、安全性の確保を大前提に、有識者検討会議からの提言、道議会での御議論や、地元の意向を総合的に勘案し、事前了解をしたところでございます。

また、有識者検討会議の提言において、放射性廃棄物の最終処分場を早期に確保し、適切な処理、処分が着実に行われることが附帯意見とされたことから、道では、国に対し、その旨を強く求めたところでございます。

道といたしましては、原子力発電所は何よりも安全性の確保が不可欠であり、安全対策に万全を期す必要があると考えていることから、泊発電所におけるMOX燃料の使用に当たっては、今回の福島第一原発事故でMOX燃料がどのように影響したかについて、国において、しっかりと検証される必要があるものと考えているところでございます。

以上です。

○真下紀子議員

放射性廃棄物の処理については、原発の稼働にかかわる根拠となる、最も重大な核心に迫る問題です。核廃棄物処理について、3年たっても、めどが立っていませんね。

道は、この安全性の見解について、どういうふうに考えているのですか。こうした状況でも、放射性廃棄物処理が安全に行われる、このように考えているのですか。いかがなのですか。

時間も迫りましたし、終わりたいと思います。

この問題では、非常に危険な状態が放置をされている問題、それから、知事の意思決定過程で、やらせという行為があったこと、そしてまた、核廃棄物処理がまだ末解決な状態で、安全性が果たして担保されているのか、この3点については、納得のいく答弁がありませんでしたので、知事に直接お伺いしたいと思います。お取り計らいをよろしくお願いいたします。

委員長、委員の皆さん、どうもありがとうございました。


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[日本共産党道議団編集]

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