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道議会での取り組み
2011年第3回定例道議会

【真下紀子道議の2011年第3回定例会一般質問】 11.09.28

2011年9月28日 2011年第3回定例道議会

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

真下紀子議員
  • 1.原子力行政等ついて
  • 2.エネルギー政策等について

○30番真下紀子君

(登壇・拍手)(発言する者あり)私は、知事及び教育長に質問いたします。

原発再稼動容認に当たって、道民意見をどう把握し、どう考慮したのか

震災後、初の原発再稼動をめぐって、北海道知事は、全国から最も注目されました。

さきの第2回定例道議会で、知事は、原発再稼働に当たって、周辺町村も含め、道民のさまざまな意見をよく聞くと明言されましたが、泊発電所3号機の再稼働への移行に際して、道民からの意見をどのように把握し、どのように考慮して、再稼働を判断したのか。

EPZの拡大求める周辺自治体の声聞くべき

また、周辺自治体などが求めるEPZの拡大については、どのように取り組むおつもりなのか、伺います。

一連のやらせ、北電の調査待ちでなく、みずから調査し、説明責任果たせ

北電による、組織を挙げた世論誘導はとどまるところを知りません。国主催シンポの虚偽報告、社内メールによる動員と賛成意見の指示、住民への賛成工作など、次々とやらせが明らかになってきています。

北電は、1999年のやらせ発覚後、半年もたたずに、2000年には、道主催の「ご意見を聴く会」の5会場すべてで、北電の社員,OB、取引業者、組合幹部等が意見陳述に応募し、アンケートにも答え、賛成意見を表明していました。

北電は、個人の意見と強弁し、道による2000年時の調査要請を拒否しています。

知事は、主催者として、この状況をどう受けとめているのか、また、「ご意見を聴く会」は、当事者である北電が意見を述べる会ではなく、広く一般住民から意見を聞く場ではなかったのでしょうか、あわせて知事の見解を伺います。

2008年のやらせに対する第三者委員会の調査は信用でさないとの声が、公然と上がっています。北電の第三者委員会の調査待ちという道の姿勢からは、北電に欺かれた当事者意識が全く伝わってきません。

2000年、2008年と、一連のやらせについて、北電に対し、知事みずから抗議するとともに、みずから調査を行い、道民に対して説明責任を果たすことが不可欠です。

知事は、なぜ、みずから取り組まないのでしょうか、お答えください。

北電役員からの献金は返金し、受け取り辞退せよ

やらせを指示し、行っていた北電役員から、知事が献金を受け取り続けることに対して、道民ばかりか、全国から、これでは原発に反対できないはずと、驚きの声が上がっています。

知事は、やらせ当時にさかのぼって返金し、今後は受け取りを辞退すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

子どもたちに対し、原子力についてどう教育してきたのか

原発副読本
安全神話を振りまく副読本

これまでの原発の安全神話が完全に崩壊しました。小学校、中学校で使用する副読本、『わくわく原子力ランド』『チャレンジ! 原子力ワールド』では、原発は五重の壁で守られているなど、原発神話を振りまく内容となっています。

道教委は、これまで、原子力について、子どもたちに対してどのような教材を使い、どのように教育をしてきたのか、福島の事故を踏まえてどのように対応したのか、今後の原子力教育についてどのようにお考えなのか、教育長に伺います。

電力需給対策に関し、十分な情報公開を北電に求めるべき

最後ですが、知事は、節電の必要性について言及されましたが、本当に電力は不足するのでしょうか。道として、必要な対策をとるための十分な情報公開を北電に求めるべきです。道が必要とする電力需給に関する情報の内容とあわせて伺います。

以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(柏手)(発言する者あり)


高橋はるみ知事の答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇)真下議員の御質問にお答えをいたします。

最初に、原子力行政などに関し、まず、泊発電所3号機の営業運転についてでありますが、道といたしましては、泊発電所3号機の取り扱いに係る道の考え方を地元4町村に確認するとともに、後志管内の他の市町村に対してもお知らせをし、その際、引き続き、安全性の確認を求めるなどの御意見があったものの、営業運転移行に関する異議はなかったところであります。

一方、この件に関し、道内外の方々から、電話やファクス、電子メールなどにより、さまざまな御意見が寄せられたところであります。

私といたしましては、調整運転中の泊発電所3号機は再稼働に当たらず、ストレステストの2次評価の対象となるとの国の回答は理解できるものと考え、営業運転について了解いたしたところであります。

次に、EPZについてでありますが、道では、原子力防災計画の課題抽出のために設置した有識者専門委員会において、EPZの拡大が必要との認識のもと、福島第一原発事故の状況を踏まえ、現行計画の避難区域にかかわらず、検討を進めているところであります。

次に、「ご意見を聴く会」についてでありますが、この会の開催に当たり、北電の地元住民に対する働きかけなどについて、道民に疑念を生じるようなことになっていることは。まことに残念であるとともに、遣憾であります。

この会は、本道におけるエネルギーや電力の需給、電源開発などを調査検討するために設置された、北海道エネルギー問題委員会の報告の内容などについて、道民の皆様方から御意見をお聞きするため、道内5会場で開催し、さまざまな御意見をいただいたものであります。

次に、「道民のご意見を聴く会」などについてでありますが、道といたしましては、去る9月9日に、北電に対し、慎重かつ詳細な調査の実施を求めたところであります。

現時点において、平成12年の「道民のご意見を聴く会」に関する報告をもらっておりませんが、道といたしましては、このたびの事象の事実解明について、道民の信頼を得られる報告となるよう、北電に求めてまいりたいと考えております。

いずれにいたしましても、道といたしましては、9月9日に求めた北電からの報告を受けた後、どのような対応が必要か、判断をしてまいります。

また。平成20年10月のシンポジウムに関しては、よずは、北電が設置した第三者委員会において徹底的な調査がなされるべきものであり、その報告を踏まえて、道として、適切に対応してまいります。

最後に、私の政治団体への寄附についてでありますが、私の政治団体には、多くの方々から寄附をいただいているところでありますが、それぞれのお立場で 私の政治活動や考え方に賛同され、御支援をいただいたものと理解をいたしており、今後とも、法令に基づき、適切に対処してまいる考えであります。

なお、電力需給については、担当の部長から答弁をさせていただきます。

以上でございます。(発言する者あり)


○経済部長坂口収君

(登壇)エネルギー政策等に関し、電力の需給についてでありますが、北電では、泊発電所の1、2号機による発電ができない場合、最も電力需要が見込まれる12月には、電力需給の対応に厳しい状況が見込まれるとしており、火力発電所の補修調整や、自家発電からの購入、また、需給調整契約の活用により、供給予備力の確保に努めることとしておるところでございます。

電力は、道民生活や事業活動に密接に関係しておりますので、電力需給に関する正確でわかりやすい情報が提供されることが必要であると考えております。

道としては、北電に対し、電力需給の予測や実績など、正確な情報提供を強く求めるとともに、国に対しても、各電力会社の今後の供給計画の検討状況などの提供を求め、道民の皆様方に的確な電力需給の情報提供を行ってまいる考えであります。

以上でございます。


教育長の答弁

○教育長髙橋教一君

(登壇)真下議員の御質問にお答えいたします。

原子力に関する指導についてでございますが、本道におきましては、主に中学校で学習指導要領に基づき、原子力の特徴や課題について、教科書や文部科学省の副読本などを用いて、社会科や理科などの授業の中で指導しているところであり、小学校におきましても、主に社会科の、暮らしと電気のかかわりの中などで指導が行われているところもあるところでございます。

東日本大震災の状況を踏まえ、7月に開催されました、文部科学省の教育課程に関する説明会におきまして、原子力につきましては、学習指導要領に基づいて適切に指導することや、副読本の見直しを進めていることが示されたところでございます。

道教委では、指導主事を対象とした研修会で、直ちにこの旨を周知し、学校訪問等を通じて指導してきているところであり、今後とも、子どもたちが、正しい知識と、みずから考え、判断できる力を身につけることができるよう、原子力に関する学習について、改めて作成される予定の副読本の活用など、国の指導助言を踏まえつつ、適切に対応してまいる考えでございます。

以上でございます。


真下紀子議員の再質問

○30番真下紀子君

(登壇・拍手)再質問いたします。

驚くべき北電と受注企業総ぐるみの世論偽装の発覚を、どう受け止めるのか

2000年の「聴く会」で、北電関係、受注企業などからの意見件数と主な参加者
※日本共産党道議団と「しんぶん赤旗」の調査で判明した分。
3月泊村2人大井範明(後に泊発電所長、現北電理事)
5月旭川11人新田義央(現常勤監査役)、松藤哲夫旭川支店長(当時、後に副社長)
札幌57人井田邦佳道電力総連会長(現)、長谷川陽一(後に北電常務)、IHIエネプラント事業本部社員、宮本忠明三菱重工業北海道副支社長(当時)、秋吉清司三菱重工業北海道支社課長(当時)、河野晃一北海道生産性本部事務局長(現)、白田稔大成建設札幌支店建築部長(当時)、永森久善三菱商事関西支社電力・プラント部長(現)、(株)電制相談役(現)、西川組社長(現)、佐藤育男日本製鋼所社長(現)、北海道電気技術サービス社長(現)
帯広9人
函館2人

知事は、北電のやらせに対して、残念だとか、遺憾だとかおっしゃっていますけれども、全く他人ごとです。

私は、道民の協力を得て、2000年のやらせについて、さらに調査をしました。驚くことに、北電関係者の参加者は、少なくとも約80人、賛成意見の半数に達する80件の賛成意見を表明しています。全国一の大規模なやらせの発覚です。

それだけではありません。泊原発の建設で、建屋を受注した大成建設、原子炉を受注した三菱重工、各支社の幹部がこぞって参加し、賛成を表明していたことが判明しました。驚くべきことではありませんか、皆さん。(発言する者あり)

北電の主張する合理的範囲を超え、大企業が、その組織力を使って世論を偽装しようとしたことには、背筋が寒くなる思いです。これで、2000年の調査を拒む理由も、北電の調査に限界があることも、明白です。知事はどう受けとめますか。

公開されたのは黒塗りの参加者名簿。名簿を持つ道にみずから調査の責任が

2008年の住民の意見を聞く会の参加者名簿
存在が明らかになった2008年の住民の意見を聞く会の参加者名簿

知事は、道警裏金問題のときにも、当事者の道警の調査を優先しましたが、結局、世論と道議会での追及によって、要求監査を指示したではありませんか。今こそ、みずから調査をすべきと考えますが、あわせて伺います。

2008年当時の原子力推進本部長は、説明を拒んでいる佐藤社長御自身です。2008年の参加者に関する情報公開は黒塗り、参加者を確認できる主催者である道と4町村が、しっかりと調査を行うべきです。黒塗りであること、そして、参加者を把握できることについて、道はどう把握しているのか、伺いたいと思います。

原発推進の生産性本部と知事の関係はどうなっているか

「ご意見を聴く会」には、北海道生産性本部の関係者も参加をしておりましたが、2000年以降、歴代の会長がどなたで、どのような役職の方か、お答えください。また、知事の役職もお答えください。

北電との「ズブズブの関係」はもうやめるべき

私は、知事が、週刊誌でずぶずぶと書かれるような、北電との関係を、もうそろそろおやめになってはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

原発副読本使用見直しへ、道みずからの判断で検討始めよ

最後に、教育長に伺います。

文科省、エネ庁が発行した副読本には、原発は大きな地震や津波にも耐えられるように設計されていると書かれていますが、その安全神話は破綻しています。

愛媛県や茨城県などのように、みずからの判断で指導や検討を始めるべきです。どのように取り組むのかを伺い、私の再質問を終わりますが、再々質問を留保しておきます。(柏手)


高橋はるみ知事の再答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇)真下議員の再質問にお答えをいたします。

最初に、「道民のご意見を聴く会」についてでありますが、道としては、先ほども御答弁申し上げたとおりでありますが、既に、慎重かつ詳細な調査を北電に対して求めているところであり、まずは、北電みずからが、道民の信頼を得られるよう、報告すべきと考えているところであります。その調査報告を受けて、必要な対応について検討してまいります。

次に、プルサーマルシンポジウムについてでありますが、北電が設置した第三者委員会では、本件に関し、事実の認定、原因分析などを実施し、調査結果を取りまとめ、再発防止策の提言を行うことといたしているところであり、私といたしましては、その調査結果を踏まえ、適切に対応してまいる考えであります。

最後に、北海道生産性木部の歴代会長などについてでありますが、北海道生産性本部は、昭和35年、経営者、労働者及び学識経験者の三者構成で設立された任意団体であります。

2000年以降の会長職につきましては、5人が就任され、北電の当時の副社長または常務、顧問が就任をしておられます。 また、これまで、北海道知事は、北海道生産性本部が、道内経済の生産性向上を図ることが産業の振興に寄与するものと判断したことから、設立以来、顧問に就任をいたしているところであり、私は、平成15年6月から顧問となっているところであります。

以上でございます。(「議長」と呼ぶ者あり)

○議長喜多龍一君

真下紀子君。

○30番真下紀子君

私が、知事に求めた、献金に関する質問についての答弁が抜けておりますので、よろしくお取り計らいをお願いいたします。(発言する者あり)

○議長喜多龍一君

ただいま真下紀子君から、議事進行に関する発言がありましたので、このまま暫時休憩いたします。
休憩

○議長喜多龍一君

休憩前に引き続き、会議を開きます。

休憩前の議事を継続いたします。

休憩前の本会議における真下紀子議員の質疑並びに一般質問に関し、補足答弁のため、知事から発言を求められておりますので、この際、これを許します。

知事。

○知事高橋はるみ君

(登壇)私の政治団体への寄附などについてでございますが、私といたしましては、道教の執行に当たっては、常に道民本位の立場で、公平公正な道政運営に努めているところであり、今後とも、道民の皆様方の視点に立った道政を進めてまいる考えであります。

また、私の政治団体への寄附については、それぞれのお立場で、私の政治活動や考え方に賛同され、御支援をいただいたものと理解いたしております。

以上でございます(発言する者あり)


教育長の再答弁

○教育長髙橋教一君

(登壇)真下議員の再質問にお答えいたします。

原子力に関する指導についてでございますが、文部科学省の副読本は、現在、東日本大震災を踏まえ、その内容の見直しが行われているところでございます。

こうした中、道教委といたしましては、学習指導要領に基づいて適切に指導することや、文部科学省が副読本の見直しを進めていることを各学校に周知することとしており、今後とも、国の指導助言を踏まえつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。

以上でございます。


真下紀子議員の再々質問

○30番真下紀子君

(登壇)再々質問いたします。

2000年の「聴く会」、道みずから直ちに調査に乗り出せ

2000年のやらせの調査を進めていきますと、財界のシ「ご意見を聴く会」ンクタンクである北海道生産性本部の関係者が参加をし、それだけではなく、大成建設、三菱重工、日本製鋼所などの取引業者、電気工事業団体などの取引先という、原発村と言われている構成員がそろい踏み、総ぐるみというような状態で参加をしていたということがわかったわけです。

そのうち、三菱重工が、2000年の「ご意見を聴く会」で、副支社長、課長クラスの2人が出席したことが、「しんぶん赤旗」の調査でわかったということが今入りました。私は、直ちに、知事は、こうした事実を踏まえて、調査に乗り出すべきだと思います。

北電が調査を実施するのか、確認せよ

北電が実施をするのかどうか、2000年の調査をするのかどうかの確認をしたのかどうかも含めて、最後に2問だけ、お答えをお願いしたいというふうに思います。

三菱重工業が参加を認めたので、直ちに調査をすること、そして、もう一問は、北電が調査を実施するのかしないのか、確認することです。


高橋はるみ知事の再々答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇)真下議員の再々質問にお答えをいたします。

最初に、「道民のご意見を聴く会」についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、道としては、既に、慎重かつ詳細な調査を求めているところであり、まずは、北電みずからが、道民の信頼を得られるよう報告すべきと考えているところであり、その調査結果を受けて、必要な対応について検討してまいります。

次に、2000年の「ご意見を聴く会」に関して、北電の調査の確認についてでありますが、私ども道庁からは、9月9日に、北電に対し、調査の実施を求めているところであります。

以上でございます。(発言する者あり)


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[日本共産党道議団編集]

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