【真下紀子道議、原発マネー、安全対策、再稼動問題ただす】 | 11.07.05 |
私は、原発問題などに絞って質問いたします。
福島第一原発の過酷事故は、いまだに、収束のめどすら立たないというのに、国のほうは、原発の再稼働を進めようとしています。
私は、原発問題について、エネルギー政策をゆがめた原発マネーの問題、それから、安全な原発が成り立つのか、それぞれの観点から、以下、質問いたします。
佐賀県玄海町は、九電玄海原発の再稼働に対して同意を表明しました。6月14日付の毎日新開は、玄海町の財政について、原発による歳入依存率が6割を超え、町の就労者の6割が原発で働いていると報じました。
そこで伺いますけれども、北電泊原発では、原子力発電所立地に伴う税収、交付金などの原発関連収入は、さかのぼって、どのくらいとなり、また、岩宇4町村の財政に占める割合は、それぞれどのようになっているのか、伺います。
原子力発電所に関連する収入についてでございますが、泊発電所周辺4町村における、発電所に係る固定資産税収入と、原子力発電所に関連した交付金の合計額は、泊発電所1号機が営業運転を開始した平成元年度から平成21年度までの21年間で、泊村は約546億円、共和町は約29億円、岩内町は約51億円、神恵内村は約27億円となっているところでございます。
また、この21年間における、各町村の一般会計歳入総額に占める原子力発電所関連の収入割合は、泊村で56.8%、共和町で2.4%、岩内町で3.0%、神恵内村で4.9%となっております。
驚くべき数字が出たと思います。
泊村は、玄海町と同じようなレベルになっています。21年間で、4町村の交付金と税収の総額は653億円になりますけれども、泊村は特別で、546億円です。
いっときは、税収が30億円という年もあったわけです。平成4年には、村の一般会計に占める割合が75.65%で、原発マネーがなければ、村の財政が成り立たないという構造がつくられてきたわけです。大変ゆがんだ財政構造だと指摘せざるを得ません。
そのことについて、当事者の一人であった福島県前知事の佐藤栄佐久氏は、麻薬中毒者のようだと述べ、福島大学副学長の清水修二氏は、依存症からの脱皮は容易ではない、このように厳しい指摘をしているわけですけれども、泊村も例外ではないという実態が浮かび上がってきました。
原発誘致は、こうした莫大なお金が入ってきて、地域振興に寄与するはずでしたよね。ところが、2005年と、5年後の2010年を比較しますと、後志管内で人口減少率が一番高いのが神恵内村で、2位が泊村となっています。管内町村どの比較でも、原発立地によって人口減少に歯どめがかかっているとは言いがたいと考えるのですけれども、人口減少の実態がどうなっているのか、伺いたいと思います。
泊発電所周辺4町村の人口についてでございますが、平成17年と平成22年の国勢調査を比較いたしますと、泊村は13.9%、共和町で10.0%、岩内町で8.2%、神恵内村で14.9%の人口減少となっているところでございます。
また、後志総合振興局管内は6.8%の人口減少となっており、泊発電所周辺4町村は、いずれも、その減少率を上回っているところでございます。
大変厳しい実態だと思います。
本当は、この4町村は、原発に頼らないで地域振興をしていきたかったのではないかと私は思うのです。原発に頼らない地域振興にこたえる政策をとることこそが、政治に求められたはずだったのに、こうなってしまったことを非常に残念に思うわけです。
佐賀県の玄海原発から最短で12キロメートルの伊万里市は、交付金は一切ないという状況で、再稼働に対しては慎重姿勢を崩していないと報道されています。
泊原発の立地自治体、交付金などの対象自治体と、その他の自治体では、原発に対する受けとめが異なっているのではないかと考えますけれども、道はどのような認識か、伺いたいと思います。
立地自治体などでの、原発に対する受けとめについてでありますが、原子力発電所が立地している泊村を含む岩宇4町村は、立地以来、発電所の安全確保や環境保全を第一に、地域住民の健康や生活環境の保全、地域経済の活性化などに尽力してきたと承知しております。
また、地域振興の推進に当たっては、これまでも、4町村長と後志総合振興局長が、泊原子力発電所及び周辺の安全対策と地域振興に関する5者懇談会を開催し、意見交換や情報交換を行うとともに、国の電源立地地域対策交付金の活用などにより、地域振興に一定の役割を果たしてきたものと考えているところであります。
なお、5月11日には、今回の福島第一原発事故を受け、泊発電所が立地している後志管内においても、原子力発電所の安全対策に関する不安が高まっていることなどから、後志管内の全町村の総意として、後志町村会から道に対し、泊発電所の安全性の確保や情報提供に関する要望書の提出があったところであります。
交付金や税収の関係もあるのかもしれませんけれども、周辺の町村の皆さんは非常に大きな不安を抱えているのが、福島原発事故以来の状況だと思います。
そのことを反映するかのように、北海道新聞が行った世論調査の結果が3日付の朝刊で報道されました。
泊原発から30キロメートル圏内の後志管内13町村の住民を対象にした世論調査の結果ですけれども、泊原発に不安を感じる人は88%と、9割近くに上っておりまして、北電の安全対策についても、8割の方が不安だと回答しております。
それで、原子炉の将来廃止と、すぐに廃止を合わせますと6割で、最初に答弁をいただきましたように、税収ですとか交付金で恩恵を受ける4町村でも52%となっていると報道されております。
福島原発の事故後は、住民の中に大きな変化が起きているというふうに言えると私は思います。原発の周辺住民の不安は並大抵のものではなくなっているということが、この世論調査に反映されていると思いますけれども、道は、この結果をどのように受けとめたのでしょうか。
世論調査についてでありますが、北海道新聞が行った調査では、泊発電所から30キロメートル圏内の後志管内13町村の住民409人から回答があり、「以前は安全だと思っていたが、震災後は不安と思う」との回答が54%を占め、今回の福島第一原発事故を受けて、多くの方々が不安を抱いているものと受けとめているところでございます。
原発関連の交付金などを受けている泊村では、原発のことを不安だと思っても、声に出して言えない人たちがたくさんいたというふうに聞いております。そういった中で、その不安を表現せざるを得ないくらいに、やっぱり、強い不安が広がっているのだと思います。
原発の再稼働やプルサーマル発電に関する不安というのは、このアンケートだけではなくて、市町村議会における意見書の採択にもあらわれております。
余市町、仁木町、古平町を初め、全道で、原発からの撤退を求める意見書などの採択が相次いでおります。その意見書の中でも、少なくとも、福島原発の事故の十分な検証が行われるまでは、泊原発の再稼働、プルサーマル発電は認めないという声も上がっているわけです。
私は、6月29日に一般質問でお聞きをしましたけれども、知事は、こうした意見書や道民の声については何ら触れることがなかったものですから、道は、どのように把握をして、どう受けとめているのか、改めて伺いたいと思います。
市町村議会における意見書採択などについてでありますが、安全最優先の原子力政策への転換などを求める市町村議会の意見書が、7月1日現在で、道内の29の市町村議会において可決され、国へ意見提出されたことを、総合振興局を通じて承知しているところでございます。
また、6月28日には、道に対し、泊発電所の安全性の強化などについて、北海道市長会、町村会の連名による要望書が提出されたところでございます。
道としては、市町村議会における意見書や、市長会、町村会から要望書が提出されたことは、大変重く受けとめているところでございます。
人口密集地の札幌の市長さんからも声が出ています。先ほどの質疑の中でも話がありましたけれども、私のほうは、札幌市長のプルサーマル中止発言について、道はどのように受けとめているのか、伺いたいと思います。
札幌市長の発言についてでありますが、プルサーマルの安全性については、これまでもさまざまな議論があり、今回の福島第一原発事故の発生に伴い、多くの市民から不安の声が寄せられていることから、凍結すべきとの発言があったものと承知しております。
道としても、こうした発言については、尊重されるということでよろしいのでしょうか。
泊発電所のプルサーマル計画についてでありますけれども、道としては、泊発電所におけるMOX燃料の使用に当たっては、今回の事故でMOX燃料がどのように影響したかについて、国の検証結果により、問題がないことが確認される必要があるものと考えているところであり、その検証結果に基づき、適切に対応するよう、北電に対して求めてまいりたいと考えております。
かみ合っていないですね。
私は、札幌市民の声を代表した札幌市長のプルサーマル中止発言について、尊重されるのかどうかと聞いたので、もう一度伺います。
きちっと受けとめるとか、そういうふうに答えられないのですかね。受けとめないとだめですよね。
札幌市長の発言につきましては、今回の福島第一原発事故の発生に伴い、多くの市民から不安の声が寄せられたと承知しております。
道としましては、今回の事故でMOX燃料がどのように影響したかについて、きちっと確認される必要があるものというふうに考えてございます。
確認をするということですけれども、確認された時点で、多くの方が不安の声を上げでいるということはしっかりと受けとめていただきたいと思います。
次に、地域防災計画等について伺います。
福島原発の事故の特徴は、複合災害だということですけれども、道の防災計画では、課題をどのように整理しているのか、伺います。
複合災害についてでございますが、今回の東日本大震災は、地震、津波及び福島第一原発事故による複合災害で、これまでにない甚大な被害がもたらされたところでございます。
道としましては、道民の皆様の安全、安心を図る観点から、独自に有識者専門委員会を設置し今回の福島第一原発事故などを踏まえ、オフサイトセンターのあり方や、広域的な住民避難のあり方、SPEEDIによる情報提供など、さまざまな課題の抽出作業を進め、複合災害に係る論点整理を行ってまいる考えでございます。
史上最悪のレベル7とされた4月時点の放射能放出量は、沃素131換算で37万テラベクレルでしたけれども、現時点ではどのくらいとなっているのか、不明だった海水への放出はどうなっているのか、お答えください。
放射性物質の放出量についてでございますが、去る6月7日に国際原子力機関に提出をした国の報告書によりますと、放射性物質の空気中への放出量につきましては、沃素131換算で77万テラベクレルと推定されており、また、海水中への放出量については、2号機から4700テラベクレル、3号機から20テラベクレル、集中廃棄物処理施設などから0.15テラベクレルとなっており、合計で約4720テラベクレルと推定されているところでございます。
福島原発の事故では、使用済み燃料の1%から2%の放射能流出とされておりますけれども、それ以上の流出事故も当然あるわけで、そうなると、モニタリングポストの設置が不十分だと考えます。この設置に早急に取り組むべきと考えますか、いかがですか。
モニタリングポストの設置についてでございますが、泊発電所周辺におきましては、空間放射線量率を24時間連続測定するモニタリングポストなどにつきまして、道が9カ所、北電が13カ所の、計22カ所を設置しております。
その測定値は、テレメーターシステムで伝送され、北海道原子力環境センターにおきまして、緊急時の場合も含めて、常時監視をしているところでございます。
今回の福島第一原発事故を踏まえまして、道では、モニタリングを含む原子力防災指針を早期に見直すよう、国に求めているところでございまして、モニタリングを実施する範囲などを国として明確に示していただきたいと考えているところでございます。
私は、国の対策待ちで十分だとは思いません。
次に、国の防災指針で対策がとられてこなかった高レベル汚染水の流出が現実となったわけですけれども、北電の役割として、汚染水流出対策を講ずるべきと考えますが、いかがですか。
汚染水の流出防止対策についてでございますが、北電では、今回の福島第一原発の事故を受け、福島第一原発のような事態に至らないよう、緊急安全対策を実施し、泊発電所の安全確保に努めているところでございます。
事故時の汚染水については、国において、福島第一原発事故の検証作業が行われ、その結果に基づき、必要な対策が講じられていくべきものと考えているところでございます。
では、メルトダウン対策についてはどうですか。これを防ぐ対策というのは行わなければならないと思いますけれども……。
メルトダウンなどの対策についてでございますが、北電では、福島第一原発の事故を踏まえた国からの指示に基づき、福島第一原発のような事態に至らないよう、緊急安全対策として、移動発電機車の配備、原子炉冷却のための水の確保などの対策を講じたところでございます。
さらに、シビアアクシデント対策としまして、水素爆発防止対策や、事故時に電源喪失をしても、中央制御室の作業環境維持ができる措置などについて講じており、国は、その内容を妥当なものと評価しているところでございます。
道としては、原子力発電所の安全確保に万全を期す必要があると考えておりまして、早急に国が徹底した検証を行い、その検証結果に基づき、国及び北電において、泊発電所に係るさまざまな安全対策をしっかり講じていく必要があるものと考えているところでございます。
汚染水流出もメルトダウンも、起こらないことを前提にした安全対策がとられようとしているのだと思います。
実際にこれに対応する対策というのは、福島原発の事故が収束しない限り、見えてこないわけですが、それに対応した対策がとられるということになれば、莫大な時間と莫大な費用がかかるわけですよ。それをきちっとやって、その上での再稼働の判断ということになるのなら、私は、それはそれで納得しますけれども、そういうことはあり得ないのではないかと思っているわけです。
次に、安全協定と通報連絡協定の違いについて伺いますけれども、知事が前向きな回答をしている通報連絡協定と、安全協定は、どのように違いがあるのか、山積する検討課題に対応できるのかどうか、伺います。
安全協定と通報連絡協定の違いについてでございますが、安全協定につきましては、発電所周辺の地域住民の安全、生活環境の保全を図る目的で、発電所の運転状況や異常事象の連絡、発電所施設への立入調査や、発電所周辺のモニタリングに関する事項などを内容として、原発立地県及び立地市町村と事業者の3者で締結されていることが多く、一方、通報連絡協定につきましては、事故・故障発生時の迅速な通報連絡を主眼として、原発立地周辺市町村と事業者の間で締結をされている状況にございます。
私は、通報連絡協定を否定するものではありませんけれども、道民の願いというのは、EPZの拡大とともに、事前了解の条項があり、立入調査ができる安全協定の拡大だと考えております。
京都府は、独自の措置で、EPZを20キロメートルに拡大したわけで、道独自にできないわけではありません。静岡県は、拡大を前提に計画を見直し、石川県議会は、拡大に関する意見書を採択し、九州市長会は、拡大に関する決議を上げているわけですけれども、道としても拡大をしていくということについて、どのようなお考えか、伺います。
EPZと安全協定の拡大についてでありますが、EPZは、原子力安全委員会において、あらかじめ異常事態の発生を仮定し、放射性物質の放出量や放出継続時間などをもとに、放射性物質の影響の及ぶ可能性のある範囲を、技術的側面から検討を加え、設定しているところでございます。
このため、道独自に、事故の状態や気象条件などを仮定し、技術的・専門的見地からEPZの設定を行うことは困難と考えておりますが、国では、今回の事故を受け、6月16日に、現行の防災指針に合わないとして、EPZについて、範囲拡大の方向で見直しに着手するよう、原子力施設等防災専門部会に指示したところでございます。
次に、泊発電所に係る安全協定についてでありますが、安全協定は、道及び地元4町村と北電が、泊発電所周辺における地域住民の健康を守り、生活環境の保全を図る目的で、昭和61年2月に締結したところでございます。
安全協定は、協定当事者の合意に基づき制定されるものであることから、道としでは、関係する自治体、北電、ぞれぞれの意向を十分尊重して対応していく必要があるものと考えているところでございます。
安全協定については、関係する自治体の意向を十分尊重してという答弁ですけれども、大間原発に関しては、函館市などの関係自治体においての意向は十分尊重されるということでよろしいでしょうか。
協定につきましては、協定当事者の合意に基づき締結されるものでありますことから、当事者間で合意がなされたときには、当然、それは十分尊重されるべきものと考えております。
次に、放射性廃棄物の処理についてなのですけれども、原発の稼働によって必ず出る死の灰、放射性廃棄物は、現時点でどのくらいで、3号機の稼働でどこまでふえていくのか、また、どう処理しようとしているのか。私は、処理できないものをふやしていいのかどうかと考えていますけれども、道の見解はいかがですか。
泊発電所の放射性廃棄物についてでございますが、泊発電所におきまして、本年5月末現在、使用済み燃料ピットで貯蔵されでおります使用済み燃料につきましては、1、2、3号機を合わせて、これまで1268本が発生し六ヶ所村にある日本原燃株式会社の使用済み燃料再処理工場などに搬出されたものを除き、923体が貯蔵されているところでございます。
今後、使用済み燃料につきましては、六ヶ所村の再処理工場で処理すると聞いているところでございます。
六ヶ所村での再処理は見通しが立っていません。そういうことを前提にして、原発を稼働させるということは、泊原発に放射性廃棄物を保存しなければならないという危険な選択につながることだと私は指摘しておきたいと思いまず。
次に、泊原発周辺の活断層についてですけれども、地震大国の日本では、どこで巨大地震が起きても不思議ではないわけです。
これまでも指摘してきましたけれども、地震研究のほうが追いついていないわけですから、北電が、今の活断層調査で大丈夫と言うのであれば、どこの機関で、いつの時点で行ったのか、それが信頼に足る調査がどうか、説明責任は北電の側にあると考えますけれども、道は、その立場で道民に説明するように北電に求めるべきと考えますが、いかがですか。
泊発電所周辺の活断層についてでありますが、北竜では、国の耐震安全性審査指針に基づき、地形調査、ボーリング調査、海上音波探査等により、活断層に関する調査を実施し、泊発電所の耐震安全性の評価を行い、平成21年3月までに国に報告したところであり、現在、国で審議されているところであります。
また、国では、今回の福島第一原発事故を受け、電力事業者に対して、耐震設計上、考慮しないと評価している断層等の周辺において、3月11日以降の地震に伴って生じた地殻変動量及び地震の発生状況の調査を行い、その結果を報告するよう指示したところでございます。
道といたしましては、今回の事故を踏まえ、国に対し、施設の耐震設計について早急に分析検証した上で、事業者に、必要な対策の実施を指示するよう求めるとともに、北電に対しても、耐震安全性に係る事項を積極的に公表するよう求めているところでございます。
私がこれまで指摘しましたように、過酷事故によって起こるさまざまな事象があります。
福島の放射能漏れが収束して、すべての検証を完了させて、独立した規制機関によって、安全設計や耐震設計、防災指針などの見直しを行って、対策が行われることが、定期点検後の再稼働や、その他の原発の稼働に必要な、最低限の安全対策ではないかと考えますが、知事が何度も繰り返している、原発の万全な安全対策とは何か、いま一度伺います。
泊発電所の安全対策についてでありますが、道としては、原子力発電所は何よりも安全性の確保が不可欠であることから、これまでも、泊発電所で事故が発生しないよう、国や北電に対し、泊発電所の安全確保に万全を期すよう求めているところであり、今回の福島第一原発の事故について、早急に国が徹底した検証を行い、その検証結果に基づき、泊発電所において、さまざまな安全対策を講じていく必要があると考えているところでございます。
検証結果に基づく安全対策のためには、莫大な時間ががかると思います。費用もかかると思います。その問題が解決しないうちには、安全確保ができたという判断はできないと思うのです。
ところが、経済部が、本会議で、この冬は電力需給が厳しいという答弁をして、まるで原発の再稼働の露払いのように、電力需給問題を持ち出してきました。この根拠は何ですか。
電力需給についてでございますが、北電では、最も電力需要が見込まれる12月には、最大需要の約550万キロワットに対し、供給力は約570万キロワットにとどまり、本州方面への送電を取りやめたとしても、道内の電力需要への対応が厳しい状況が生じるものと見込んでいると承知をしております。
それは北電が言っているだけですよね。北電の電力需要想定は、毎年どんどんふえていくことになっているのです。省エネルギーの進展の影響が見込まれるもののと言っていますけれども、どんどんふえていくことを想定して、電力需給が厳しいとか逼迫するとか、そういうことは、ミスリードにつながると思います。
私は不思議でたまらないのですけれども、原発は再稼働されないと一般質問でも指摘をしました。そのときに、本来なら、原発抜きで、電力不足を心配して、省エネを頑張る、それから、暖房などの再生エネルギー化促進の対策をとってしかるべきなのに、そういうことをやろうともしていない。なぜなのでしょうか。
私は、今回、一般質問で質問しましたけれども、道は、北電に天下りを受け入れてもらっていて、知事は、北電役員から政治献金を受け取っている、こうしたことで、北電に依存した体質、北電にしっかり物が言えないように映るのですけれども、そうではないと言い切れるのでしょうか。
それは、知事に聞かないと、お答えになれないと思いますし、先ほど聞いた原発の安全対策等についても納得しておりませんので、総じて知事にお聞きをしたいと思います。
最後に、福島第一原発事故から4カ月を迎えようとしているわけですけれども、依然、炉心の安定的冷却には至らず、予断を許さない状況が続いております。放射能の塊を相手にして、日本の国民と国土の安全、世界の環境をどう守るのかというせめぎ合いが続いているわけです。
これまで、安全神話に浸って、必要な安全対策を怠ってきた人災として、この事態を本当に厳しく受けとめているのかどうか、危機管理監に伺います。
福島第一原子力発電所の事故についてでございますが、事故発生から4カ月が経過しようとしておりますが、いまだに、事故の収束には至らず、多くの住民の方々が避難を余儀なくされている非常に厳しい状況でありまして、今回の事故を重く受けとめているところでございます。
道といたしましては、国において、今回の事故の速やかな検証を行うとともに、必要な対策を示し、泊発電所を含む全国の原子力発電所の安全確保に万全の対策を講ずることが不可欠と考えているところでございます。
以上でございます。
先ほども言いましたけれども、万全な対策という面で、私と、たくさん認識が違うと思いますので、それもあわせて知事に総括質疑をしたいと思います。委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。
終わります。
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]