【真下紀子道議、原発依存の足元揺らぐ知事の姿勢をただす】 | 11.07.06 |
これより委員外議員の発言を許します。
真下紀子君。
私は、原子力発電問題に絞って質問いたします。
3月11日の福島第一原発事故を境にして、原発に対する道民の意識というのは、随分、大きく変わったと感じております。それが、各種の世論調査や、原発撤退を求めるなどの市町村からの意見書、北海道市長会や町村会からの要望書などに反映されているものと考えております。
知事は、こうした道民意識の変化、道民の思いをどのように受けとめているのか、まず伺います。
福島第一原発事故後の、原発に対する道民意識についてでありますが、7月1日現在で、道内の29の市町村議会において、安全最優先の原子力政策への転換などを求める意見書が採択され、また、6月28日には、道に対して、泊発電所の安全欧の強化などについて、市長会、町村会から要望書が提出されたところであり、私といたしましては、これらの要望について、大変重く受けとめているところであります。
私といたしましては、今回の福島原発事故を受けて、多くの道民の方々が不安を抱いているものと理解いたしているところであり、泊発電所の安全確保に万全を期していかなければならないと考えているところであります。
以上であります。
昨日の分科会でも具体的に質問したのですけれども、現在の、福島原発の事故が収束しない状況を見ていますと、万全の安全対策などはあり得ないのではないかというふうに考えるに至っておりますが、知事は、事故の速やかな検証と必要な対策を国に示すように求め、原発の安全確保に万全の対策を講ずることが不可欠だと、繰り返し答弁されておりますけれども、今に至っても、この立場は堅持をされるのかどうか、伺います。
泊発電所の安全対策についてでありますが、国では、泊発電所における緊急安全対策について、妥当なものと評価しているところでありますが、私といたしましては、今回の福島原発事故における地震の影響や、停止要請をした浜岡原発と、泊発電所の扱いが異なる根拠について、規制責任を担う国において、しっかりとした責任のある説明をしていただく必要があると考えているところであります。
また、原子力発電所の安全確保には万全を期す必要があると考えているところであり、今回の事故の検証結果を踏まえた、さまざまな安全対策がしっかり講じられるよう、今後とも、国と北電に対し強く求めるとともに、その内容を確認してまいる考えであります。
以上であります。
そういう答弁をされるのですけれども、実は、知事の足元は揺らいでいると、先ほど来の答弁を聞いて感じでおりました。
私は、昨日の分科会で、原発マネーが、泊村などの岩宇4町村に対して21年間で653億円、同じく、道に306億円、合計959億円に達していることを明らかにいたしました。この原発マネーを受け取っている道と4町村で、原発の再稼働の協議が行われようとしている、これは、道民理解は得られるでしょうか。
玄海原発の運転再開に対して、長崎県民への説明と、長崎県民の意見反映を求めるなどの決議が県議会においてされたと報道され、私も確認をさせていただきましたけれども、これと同様に、やはり、万が一の被害を受ける周辺地域、そして道民の意見を十分尊重して、協議も持つ、そうした慎重さが求められるのではないかと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
泊発電所の安全性についての御質問でございますが、先ほど申し上げましたとおり、まずは、国から、しっかりとした責任のある説明をしていただく必要があると考えているところであり、その上で、泊発電所が立地する地元4町村とも十分に協議を行い、道としての考え方を整理してまいる考えであります。
以上であります。
委員長、答えていないです。周辺地域の皆さんの声はどうするのですかというふうに聞いているので、そのことに答えるように、知事に指示をしてください。
今、真下議員から、周辺市町村の考え方、要望について、もう少し了寧に答えてくださいということであります。
泊発電所の安全性についての重ねての御質問でございますが、先ほど申しましたとおり、まずは、国から、しっかりとした御説明をいただきたいと思います。
その上で、地元4町村と協議を行い、周辺町村も含め、道民の皆様方のさまざまな御意見をよくお伺いした上で、道としての考え方の整理をしてまいる考えであります。
以上であります。
委員長、ありがとうございます。
私は、周辺地域の意見反映も、やはり、必要だということを指摘しておきます。
もう一つ、揺らいでいるところとして、電力需給の問題が出てきました。
知事は、冬場に向けた電力供給について、本州への送電を停止したとしても厳しいと、北電の電力需給想定をうのみにした答弁をされていますけれども、知事の本心とは思えないのですが、いかがでしょうか。
電力需給の見通しについての御質問でありますが、先ほど、別の委員の方にお答えを申し上げたとおりでありますが、北電におきましては、泊発電所の1、2号機による発電ができない場合には、本年9月以降は、道内の電力需要に対応するため、このたびの震災に伴い、電力が不足をしている本州方面への送電は困難な状況が生じ、また、最も電力需要が見込まれる12月には、本州方面への送電を停止しても、道内の電力需要への対応に厳しい状況が生じるものと見込んでいるところであります。
私といたしましては、新エネルギーの導入には一定の時間がかかるなどの課題もありますことから、道民生活や道内の産業活動に影響が出るのではないか、このように懸念をいたしているところであります。
以上であります。
私は、心温かい知事の言葉とは思えません。
本州への送電を停止するということを前提にして、なぜ考えるのでしょうか。そういうことは絶対させないのだという固い決意が、知事には必要ではないでしょうか。被災地の皆さんの前で、そのようなことが言えるのでしょうか。
私は、道民の一人として、ありとあらゆる努力を尽くして本州に送電すべき、そういう努力をするのが、被災地への北海道の思いではないかと思うのですけれども、そうは思わないのでしょうか。
なかなか答弁できないのじやないかと思いますので、私のほうから、一つ提案をさせていただきたいと思います。
私は、こうした発言が続くことについて、原発の安全をないがしろにして、知事の足元が揺らいでいると思うわけです。
知事は、北海道環境宣言を行いましたよね。
そして、この次の日曜日は、「道民環境の日」です。省エネに取り組んでいく、CO2削減に取り組んでいくと、大きな決意をされたはずです。
しかし、これに、きちっと目標を持って取り組まなければ、送電停止などということを想定しなければならなくなってしまうわけです。目標を持って省エネを行っていく、北海道民の協力を得ながら、また、経済界の協力も得ながら、節減に取り組んでいくということは、知事ができることではないでしょうか。私は、3年も前から、このことは提案をさせていただいております。
やはり、こういうことを考えていく必要があるのじやないでしょうか。電力の使用制限の対象外だからといって、使い放題にするのではなくて、暮らしや経済に影響が出ないような省エネを考えていく必要があるのではないでしょうか。どうですか。
真下議員の御質問の趣旨が必ずしも十分に理解できていない部分があるわけでありますが、お答えを申し上げたいと思います。
新エネの開発目標についての御質問でございましたか。省エネについてですよね。
省エネについてです。
省エネについては、大変重要な政策課題と思っているところでございまして、そういったことにもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
そのほかに、道内には、自家用発電が、原発3基の発電に匹敵するぐらいあるわけですから、こうしたものの協力を得るなども必要ではないかと思います。
最後ですが、副知事が3人もいらっしやるわけですから、省エネですとか、再生可能エネルギーの抜本的な促進――物すごい勢いをつけて促進していくために、この3人の副知事の中から、特命の副知事を指名するなどしてはいかがかと思います。立候補する副知事がいらっしやらないかどうか、お聞きしたいのですけれども、どうですか。
なかなか立候補されないようですが、ぜひ、そういうことも検討していただきたいと思います。
そして、福島の被災者の皆さん、放射能に汚染された皆さんの本当のお気持ち、苦しみということに思いが至れば、本州への送電停止などということは絶対に想定しないで、本道が努力をしていくということで、道民のコンセンサスを得ていくことが必要ではないかと私は思います。
どうぞ、知事においては、放射能汚染で苦しんでいる被災者の皆さんの声を直接お聞きになって、その苦しみ、そして、核エネルギーで苦しんでいたことをぜひとも思い起こして、今後の政策に生かしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
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[日本共産党道議団編集]