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道議会での取り組み
2011年第2回定例道議会

【補正予算案等への真下紀子道議の反対討論】 11.07.08

2011年7月8日 2011年第2回定例道議会

日本共産党 真下紀子 議員

○30番真下紀子君

(登壇)日本共産党の真下紀子でございます。

議案第1号および第19号、第23号に反対の立場から討論を行います。

震災復旧対策、耐震化など、あまりにも不十分

議案第1号は北海道一般会計補正予算案です。

反対理由の第一は、知事が補正予算の柱の一つに掲げた東日本大震災の復旧対策と本道の役割発揮に関わる事業と予算があまりにも不十分であることです。

知事は、「子育て王国・北海道」を掲げておりますが、道内小中学校の耐震化は全国でも下位の69パーセントにとどまり、保育所の耐震化はさらに低く、46パーセントですが、この現状を早急に正すための道独自の予算措置は残念ながら見当たりません。

学校、保育所だけでなく上下水道やガスなど、ライフラインの耐震化や、7割台にとどまる消防職員の充足率の向上など、市町村まかせにせず、道として抜本的な対策を講ずるべきです。

原発事故から学び、原発依存から脱却し、再生可能エネルギーへの転換を

第二に、福島の原発事故から学び、エネルギー政策を大本から転換するという方針がないことです。

すでに道内29市町村議会が原発に依存しないことや、撤退などを求めた意見書を可決していますが、知事は、私の質問に対する答弁で、多様なエネルギー源による電力構成が必要だとして、原発からの撤退にあくまで消極的です。

今こそ原発依存から脱却し、再生可能エネルギーへの転換を図る工程を明らかにし、本気で取り組むときです。

また、道は、国の防災指針の改定待ちにならず、原発立地県ではない京都府がEPZの範囲を独自に20キロと定めたことなどにも学び、原子力防災計画を道独自に見直すべきです。

加えてSPEEDIやモニタリングポストなどの観測、解析システムの確保、及び、安定ヨウ素剤の備蓄などの予算を、このたびの補正でも措置すべきであったということを指摘いたします。

呼び込み型の経済対策でなく地域での新たな産業と雇用の創出を

反対理由の第三は、外からの呼び込み型の経済対策だということです。

販路拡大と観光のターゲットは、中国、韓国、アジア新興国であり、環境、エネルギー分野においても、低炭素型工場等誘致事業や、環境ビジネス創出・育成事業など、知事が志向するのはビジネスであり、本州資本の誘致です。ソフトバンクの孫社長の呼びかけに応ずることにとどまらず、産学連携道産低炭素化技術振興モデル事業など、地元の地道な研究と連携へのバックアップこそ求められるはずです。

道内各地域にふさわしい再生可能エネルギーの導入、拡大により、地域での新たな産業と雇用を創出すること、北海道の基幹産業である農林水産業の振興と担い手対策などに力を予算を注ぐことを強く求めます。

優先すべきはムダの徹底した見直し

第四に、道の財政難を理由に道民にさらなるしわ寄せがなされようとしていることです。

知事が初当選した2003年、269校あった道内公立高校は、現在、募集停止中も含め41校も減ることになっており、また、私立高校運営費に対する道単独補助は、生徒一人当たりで6割以上も削減されました。

知事は、施行方針で、行財政改革をいっそう加速すると表明しましたが、いま、例示した教育や、福祉、医療など、切ってはいけない分野をこれからも削減するおつもりでしょうか。

また、今年度が最終の、職員給与の独自縮減についても、知事は、来年度以降の延長を否定していません。

最優先すべき歳出削減は、ムダの徹底した見直しではありませんか。国直轄の平取ダム、サンルダム、道営厚幌ダムの建設や、北見道路をはじめ、高規格道路の路線ごとの検証、見直しなどを聖域とせずに行うべきです。再選して4年ごとに受け取る知事の退職手当も、今後、聖域とすべきでないということも申し添えます。

不透明な新幹線建設の自治体負担金

次に、議案第19号は、新幹線建設に伴う木古内町と北斗市の負担金にかかる議決案件です。

当初示された両自治体を合計した事業費300億円の積算根拠は明確ではなく、また、北斗市と木古内町の区分も明らかではありません。当初計画は妥当なのか、当初計画と現状との乖離はないのか、今後事業費が膨れ上がる懸念はないのかについても、示されておりません。北斗市のこれまでの負担は8千万円、木古内町は2億7千万円、道は35億円にのぼりますが、このような不透明な事業にこのまま賛成するわけにはいきません。

助産師養成課程の高すぎる入学料と授業料

議案第23号は、道立衛生学院の廃止に伴い、助産師養成課程が札幌医大に移管され、助産学専攻科が新設されることに伴う授業料などの設定に関わる議決案件です。

入学料と授業料は、衛生学院では道立高校に準拠しておりましたが、札幌医大では国立大学並みとされ、その結果、授業料は4.5倍に、入学料は実に22.8倍に跳ね上がります。高すぎる入学料、授業料は経済的な理由で助産師をあきらめざるを得ない状況を生みかねず、助産師不足の解消にマイナスの影響を与えるものであり、反対です。

以上をもちまして、反対討論といたします。


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[日本共産党道議団編集]

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