【真下紀子道議の2011年第2回定例会一般質問】 | 11.06.29 |
初めに、原発問題についてです。
知事は、泊原発の再稼働とプルサーマルについて、何より安全が不可欠と繰り返し、国からの説明待ちですが、知事のおっしゃる安全の判断基準は何か、どのような根拠資料を求めていくのか、判然としないので、明確に答えてください。
これまで安全だと言ってきた国の基準で、福島の事故が起きました。いまだ収束のめどもなく、推進機関と規制機関の分離もしていない国が安全だとお墨つきを与えたなら、知事はゴーサインを出すのかどうか、お聞きします。
世論調査でも、住民の声は、圧倒的に、段階的な原発からの撤退を求めています。道内の自治体からの意見書も次々と上がっています。こうした道民の声をどのように受けとめているのか、伺います。
今月23日、枝野官房長官は、所在地の知事らが絶対に反対しているものを再稼働させることはできないと、私ども日本共産党の志位和夫委員長に答えました。げたは知事に預けられたわけです。
知事は、原発からの段階的撤退を決断し、それまでの工程表を明らかにすべきではないでしょうか。見解を伺います。
私は、省エネとともに、多様な再生可能エネルギーの促進がより急がれると考えます。これまで、道内外の取り組みを紹介し、知事も、積極的に取り組むと答えてきました。
その方策の一つとして、国が検討している固定価格買い取り制度とともに、風力、太陽光、バイオマス、中小水力、地熱など、地域特性を踏まえて初期投資を支援するコミュニティーファンドの役割が大きいと考えますが、知事の見解を伺います。
地域分散型、市民参加型の取り組みが地域経済を活性化させることも、事例を挙げて、これまでの議会議論で紹介してきましたが、再生可能エネルギーの利用促進のために、振興局とともに、本庁でも、推進局や推進室として、推進体制を強化することを検討すべきではないかと考えますが、見解を伺います。
私ども日本共産党道議団の調査で、この10年間に、道の課長級以上の幹部4人が、北電及び関連子会社等へ天下っていたことが初めて明らかになりました。知事も承知していらっしゃるのか、伺います。
この10年間の4人の天下りは、高橋道政になってからですが、なぜなのか、その理由も伺います。
昨年退職したとはいえ、道部長の要職を二つも経験している、もとの道の大幹部は、北電の調査役に天下っていました。どのような仕事をしていたのでしょうか。また、退職した理由は何か、伺います。
知事は、北電泊原発問題やプルサーマル問題などで、北電に対して厳しいチェック機能を果たす役割を期待されています。癒着を疑われるような、公益企業である北電への天下りを道があっせんするのは、もうやめるべきと考えますが、知事の認識を伺います。
※(株)アイテスの親会社である北海電気工事(株)に在職中。 | |||||
道退職時の役職 | 退職 年月日 | 退職直後の 再就職先 | 役職名 | 再就職 年月日 | 備考 |
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道議会事務局長 | H18.3.31 | 北海道電力(株) | 調査役 | H18.6.1 | 退任済 |
建設部参事 (北海道建設技術センター派遣) | H17.3.31 | 北電総合設計(株) | 技術顧問 | H17.5.1 | 在職中 |
労働委員会事務局長 | H19.5.31 | (株)アイテス | 参与 | H19.6.1 | 在職中※ |
総合政策部参与 (北海道総合研究機構派遣) | H23.3.31 | 北電総合設計(株) | 技術顧問 | H23.4.1 | 在職中 |
私は、北電の常勤役員から知事への政治献金について、繰り返し質問してまいりました。2007年までは、ほぼ全役員が、役職に応じた献金をしていましたが、2009年には、何と約半分に減少しています。実態と変化について伺うとともに、前年まで5年連続の、常勤役員全員からの横並び献金が実質的に崩れたことについて、知事の認識を伺います。(発言する者あり)
経産省から北電役員に、過去50年間に5人が天下りしていることを知事はどう受けとめているのか、伺います。
また、そのうちのお二人は、高橋知事になってからです。北電役員に就任していますので、知事も御存じと思いますが、そのお二人とも、常勤役員のときだけ、横並び献金をし、常勤役員になる前も、やめた後も、知事に献金はしておりません。常勤役員のときにだけ、知事の考え方に賛同することになりますが、知事は、これでも、個人献金だという認識なのでしょうか。見解を伺います。
経産省(通産省)等での主な経歴 | 電力会社での主な役職 | 電力会社在職期間 |
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通産政策経済協力部長 環境省大臣官房審議官 | 常務取締役 | 2005年〜 |
工業技術院総務部長 | 副社長 | 1997年〜2005年 |
資源エネルギー庁石炭部長 | 副社長 | 1986年〜1997年 |
特許庁総務部長 | 副社長 | 1971年〜1985年 |
商工次官 | 社長、会長、相談役 | 1960年〜1983年 |
道の予算と財政運営についてです。
知事は、みずからのトップセールスにより世界市場に挑戦する意気込みを語っています。中国や韓国、アジア新興国への販路拡大、同じくアジア各国からの観光客の誘致に力点が置かれていますが、外需頼みの観光大使と言われています。
エネルギー分野についても、誘致を強調されていますが、山崎幹根北大大学院教授は、自然再生エネルギーの利用拡大の取り組みは弱い、北海道の自然特性を生かした実践をもっと広げる必要があると指摘しています。知事は、こうした批判的な指摘をどのように受けとめていますか。
私は、道財政の再建につながるように、道内企業と人材、環境などを生かした内発型の発展に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
東日本大震災後、私は、北海道とゆかりの深い気仙沼市、陸前高田市に、支援と調査のために訪れました。
気仙沼市では、津波の後、火災が発生し、私が訪れたときにも、そのにおいが残り、石油備蓄タンクが市街地に放置されていました。また、宮城県や千葉県でも、大規模な石油コンビナート火災が発生しました。
道内には、六つのコンビナート地区が指定されています。石狩、釧路、北斗の各地区は海抜3メートルで、一番高い苫小牧地区でも海抜9メートル以下です。
道の石油コンビナート等防災計画に基づいて、これまで、どのように津波対策を進めてきたのか、また、今後どのように対応しようとしているのか、伺います。
1993年の北海道南西沖地震以降、道内でも、コンビナート事故が続発しました。2017年度までの終了が義務づけられている、道内6地区合計で623基の屋外貯蔵タンクについての耐震化の進捗状況を掌握し、その促進を図るべきと考えますが、見解を伺います。
東日本大震災では、地盤の液状化による被害が起きています。道の液状化災害予防計画では、道は、道内のどの地域で液状化のおそれがあると認識をしているのか、液状化マップの作成状況をどのように把握し、対策を進めようとしているのか、伺います。
また、北海道の学校耐震化は、ことし4月で69%にとどまっています。早期完了に向け、これまでにない特段の対策が必要ですが、知事及び教育長の見解を伺います。
特に問題となった、1次、2次の避難場所指定はどうでしょうか。今回と同規模の津波に対応し、子どもたちが逃げられる避難場所の選定と訓練の実施が急がれておりますが、教育長に今後の対応を伺います。
以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
最初に、私の政治姿勢に関し、まず、泊発電所の再稼働などについてでありますが、泊発電所の緊急安全対策については、5月17日に、その評価結果などについて国から聴取し、今回の福島第一原発事故における地震の影響や、停止要請をした浜岡原発と泊発電所の扱いが異なる根拠について、さらなる説明を求めたところでありますが、いまだなお、明確な説明がなされていないところであり、安全規制を行う国において、しっかりとした、責任のある説明をしてもらう必要があるものと考えております。
また、プルサーマル計画においては、安全対策に万全を期すことが不可欠と考えているところであり、今回の福島の事故でMOX燃料がどのように影響したかについての国の検証結果が示されることが必要と考えております。
次に、泊発電所の安全性についてでありますが、国では、緊急安全対策やシビアアクシデントへの対応に関する措置などが、事業者において適切に実施、対応されているとして、地元自治体に対し、原子力発電所の運転再開について理解を求めているところであります。
しかしながら、私どもが求めている、福島の事故における地震の影響などについて、いまだなお、国から明確な説明がない状況にあることは、先ほど御答弁を申し上げたとおりであります。
私といたしましては、原子力発電所は何よりも安全性の確保が不可欠であり、安全対策に万全を期す必要があると考えておりますことから、まずは国からの説明が必要であると考えており、その説明を受けた上で、泊発電所の再稼働に関する道としての対応を検討してまいる所存であります。
次に、原子力発電についてでありますが、本道経済の活性化や社会生活の豊かさを確保するためには、電力の安定供給は不可欠であり、多様なエネルギー源による電源構成とすることが必要であります。
道内の電力供給の約4割を原子力発電が占めている現状の中で、何よりも安全性の確保を最重点に、安定供給が確保されるとともに、本道に優位性のある再生可能エネルギーの開発、導入に積極的に取り組むなど、生活や産業を支える安定的なエネルギーの供給が図られるよう努めてまいります。
次に、企業への再就職についてでありますが、道においては、職員の再就職については、道民の皆様の誤解を招くことのないよう、再就職取扱要綱において、給与の上限額や在職期間を制限するとともに、密接な関係にある企業への再就職を制限しているほか、必要な手続を定めているところであります。
道職員の知識や経験、技術力などの能力を活用したいという観点から、企業などから道に対して人材紹介要請があった際には、要綱に基づき、適任者について情報提供をする場合もありますが、要綱の適切な運用により、透明性を確保していくことが何より大切であると考えております。
次に、私の政治団体への寄附についてでありますが、2008年以降も、北海道電力の役員の方々から寄附をいただいているところでありますが、これらの寄附については、それぞれ個人のお立場で御支援をいただいたものと理解いたしております。
次に、経産省から北電への再就職についてでありますが、私といたしましては、再就職に至る経緯は承知する立場にはございませんが、当該企業において判断された結果と考えているところであります。
また、お尋ねのあった、お二人の役員からの寄附についても、あくまでも個人のお立場で、私の政治活動や考え方に賛同され、御支援をいただいたと理解いたしております。
なお、北電等への再就職などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
最後に、道民生活に関し、液状化対策についてでありますが、道では、道総研の地質研究所と連携して、北海道地盤液状化予測地質図を作成したところであり、その結果、液状化のおそれのある地域は、河川の周辺や埋立地、海岸線に多くあるものと認識をいたしております。
また、札幌市、函館市、旭川市、北見市の4市においては、道から提供した情報などをもとに、より詳細な液状化マップを独自に作成しているところであります。
こうした中、国では、さきの東日本大震災を受け、液状化対策技術検討会議を設置し、液状化の被害実態把握や発生メカニズムの確認を進めているところであり、本年夏ごろに検討結果を取りまとめ、公表する予定としているところであり、この成果をもとに、各施設ごとの技術的検討が進められるものと承知をいたしております。
道といたしましては、これまでも、液状化対策を進めてきたところであり、今後とも、国の動向を注視しながら、適切な対応に努めてまいる考えであります。
なお、石油コンビナートにおける津波対策などにつきましては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
以上でございます。
職員の再就職につきましては、再就職取扱要綱において、密接な関係にある企業への再就職の制限のほか、必要な手続を定めているところであり、御指摘の事案につきましては、道職員として培った知識や経験などが個別に評価された結果として、採用に至ったものと考えております。
次に、再就職先での業務などについてでございますが、道においては、先ほど申し上げました再就職取扱要綱では、職員が再就職する場合の手続などを定めておりますが、具体的な業務内容や退職理由などの状況については、報告を受けることになっていないところでございます。
以上でございます。
道といたしましては、このたびの大震災を踏まえ、現在、国において進められている、東日本大震災を踏まえた危険物施設等の地震・津波対策のあり方に係る検討会の検討の結果を見据えながら、市町村や関係機関とも連携して、防災計画や訓練のあり方などについて、検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、屋外貯蔵タンクの耐震化についてでありますが、屋外貯蔵タンクに関しては、昭和52年の消防法改正により、新たに設置するタンクについては、地盤やタンクの構造などの耐震基準が引き上げられ、その後、平成16年の消防法改正により、昭和52年以前に設置された屋外貯蔵タンクについても、平成29年までに、昭和52年の耐震基準に合わせる改修を行うよう、経過措置が設けられたところであります。
道では、これまで、コンビナート地区にある28の事業所を対象に、各事業所について、3年に1回、立入検査を行っており、その中で耐震状況なども把握しており、耐震強化が求められている屋外貯蔵タンクの約8割が既に改修されているものと承知しております。
道といたしましては、今後、国における、危険物施設等の地震、津波に関する検討状況も踏まえながら、屋外貯蔵タンクの耐震性の強化の促進について、市町村と連携のもと、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
このため、道といたしましては、最大の強みである農林水産業の体質強化を初め、それぞれの地域の特色を生かした食クラスターの推進、資源リサイクルや新エネルギーなど、先駆的な環境ビジネスの創出に努めてまいります。
また、中小企業の経営基盤強化や新事業への支援、あるいは、1次産業や福祉の分野などで事業を起こし、雇用を生み出す社会的企業の促進を図るなど、強い地域経済、安定した雇用づくりに向けた政策に重点的に取り組んでまいります。
また、国の買い取り制度創設の動きは、新エネルギー導入促進につながるものと考えており、道といたしましては、今後とも、地域特性を生かした新エネ導入プロジェクトの実現などに努めてまいる考えであります。
次に、新エネルギー利用促進に向けた推進体制についてでありますが、道といたしましては、エネルギー施策と環境産業振興施策を総合的に推進するため、6月の機構改正で、環境・エネルギー室を設置いたしますとともに、地域の実情に応じて、多様な主体による新エネルギー導入の取り組みを促進していくため、振興局を窓口として、市町村や民間企業、NPOなどとの連携体制の整備を図ることとしており、本庁と振興局が一体となって、新エネルギー導入の促進に努めてまいる考えであります。
以上であります。
道といたしましては、今後、一層の耐震化が促進されるよう、市町村に対し、国の助成制度の積極的な活用を促すとともに、補助制度の拡充を国に強く働きかけるなどして、道教委と連携しながら、道民の方々の安全で安心した生活を確保してまいりたいと考えております。
以上でございます。
まず、学校の耐震化についてでございますが、児童生徒等が一日の多くの時間を過ごす学校施設の耐震化が極めて重要であることは、このたびの東日本大震災におきましても、改めて強く認識をされたところでございます。
道教委といたしましては、これまでも、市町村に対し、国の助成制度を活用して、学校施設の耐震化の促進を図るよう、積極的に働きかけをいたしますとともに、市町村に技術職員を派遣して1次診断を実施するなど、支援を行ってきたところでございますが、今後とも、知事部局などと連携を図りながら、市町村の財政負担軽減のため、国に対し、さらなる国庫補助率のかさ上げなどを要望いたしますとともに、国が目標としております、平成27年度までの耐震化の完了に向け、市町村が危機感を持って取り組むよう、強く働きかけを行うなど、耐震化の一層の促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、災害時の避難についてでございますが、避難所につきましては、市町村が策定する地域防災計画において指定をされているところでございますが、津波による浸水が懸念される学校におきましては、児童生徒の安全を確保するため、一時的な避難場所を設定しているところもあり、津波による浸水が懸念される学校の77校のうち、本年度、25校が、既に津波を想定した避難訓練を実施しており、その他の52校においても、今後、実施を予定しているところでございます。
道教委といたしましては、このたびの東日本大震災を教訓といたしまして、市町村教育委員会や学校に対し、地震や津波を想定した避難訓練を早期に実施し、その結果を踏まえ、危機管理マニュアルの見直しなどを行うよう指導したところであり、今後、市町村教育委員会に対しまして、市町村が防災計画を見直す際には、避難場所や避難経路の安全を改めて点検し、児童生徒の安全確保を図るよう指導してまいりたいと考えております。
以上でございます。
初めに、原発の安全などについてです。
知事の答弁では、国からの説明を受け、納得するまでは、泊原発の再稼働もプルサーマルも認められないということでよろしいでしょうか。まず確認いたします。
次に、知事は、今月14日に、国からの説明について、具体的にはどういう答えだったら納得して、どういう答えだったら納得しないことになるかは言えない、地震、津波について想定する答えがあるわけではないと述べて、国に責任を押しつけています。これが知事の本音ではないかと思います。
道は、安全の判断基準は持ち合わせていないということは明らかと考えますが、発言の真意も含めて伺います。
次に、原発は安全対策が不可欠と繰り返している知事の発言は、安全神話から抜け出していないように受け取れます。国による安全対策がとられれば、原発を容認するという姿勢に見えます。
ソフトバンクの孫正義社長は、インターネット上で、今まで原発推進の側にいたことを心から反省する、命のリスクをさらしてまで原発は要らないと発言しましたが、知事は、その言葉をどう受けとめるのか。
福島の原発事故を目の当たりにしても、なお、知事は、原発の危険性について言及していませんが、原発を推進した側として反省したことがないのか、伺います。
ドイツやスイスのように、期限を定めて、原発からの段階的撤退を本気でお考えになることを求めますが、いかがでしょうか。あわせてお答えください。
次に、北電への道からの天下りと、知事への献金についてです。
知事は、定型句を淡々とお答えになりましたが、道庁幹部OBが、高橋道政になってから北電に天下りしていたことが、今回初めてわかりました。
経産省の幹部は、50年間で5人が切れ目なく北電に天下りしていたことも判明しました。そして、知事は、この経産省の天下りから政治献金まで受け取っていたわけです。何のためらいもない答弁でした。これは、知事と北電との極めて深い関係を示しています。
それだけではありません。
公表されている政治資金収支報告書では2009年に半減したはずの北電役員からの献金を、知事は、先ほど、2008年以降も受け取ったと答弁されましたが、変化については答えられませんでした。なぜでしょうか。
実は、知事がお答えになったように、知事の政治姿勢を支援する北電の役員が、名前を公表せず、匿名で知事に個人献金していると伺いましたが、事実でしょうか。そうだとすれば、驚くべきことです。知事は、道民理解が得られると本気でお考えなのかどうか、あわせて明確にお答えください。
国会で、経産省の幹部から電力会社への天下りは社会的に許されないと、枝野官房長官が答えたのは、全くそのとおりです。
たとえ、道と経産省では権限に違いがあったとしても、時の政府の官房長官が、地元知事が反対すれば、原発の再稼働はできないと明言しているのです。今まさに、その判断が知事にゆだねられようとしているのです。
その知事が、北電への天下りや、北電からの献金を容認していていいのでしょうか、皆さん。道民は、決して許さないと思いますが、知事の再答弁を伺います。
再生可能エネルギーの推進体制について指摘します。
再生可能エネルギーの宝庫と言う知事ですが、使わなければ、宝の持ちぐされです。知事の本気度が試されています。そのために、体制強化は不可欠だと強く指摘しておきます。
以上、再々質問を留保して、再質問を終わります。
最初に、泊発電所の安全性についてでありますが、私といたしましては、原子力発電所は何よりも安全性の確保が不可欠であることから、先ほどもお答えを申し上げましたとおり、まずは、国から、今回の福島原発事故における地震の影響や、シビアアクシデント対策などについて説明をしていただくことが必要であると考えているところであり、それを伺った上で、道としての判断をしてまいります。
次に、本道のエネルギー政策についてでありますが、道民の生活と産業活動を支える電力の安定供給を図っていくためには、多様なエネルギー源による電源構成とする必要があります。
原子力発電が大きな割合を占めている現状の中では、原子力発電における、何よりも安全性の確保を前提とした電力供給とともに、再生可能エネルギーの開発、導入の一層の加速に取り組んでいくことが重要と考えているところであります。
次に、原発への姿勢についてでありますが、電力の安定供給を図っていくためには、先ほども御答弁申し上げましたとおり、多様なエネルギー源による電源構成とする必要があります。
原子力発電における安全性の確保を大前提とした電力供給とともに、再生可能エネルギーの開発、導入に取り組んでいくことが重要と考えております。
次に、私の政治団体への寄附についてでありますが、政治資金規正法では、個人からの政治団体への寄附に関し、5万円以下の寄附については、寄附者が課税上の優遇措置を必要としない場合には、氏名等の記載を要しないこととされているところであります。
こうしたことから、私の政治団体では、寄附された方それぞれのお考えに応じて報告しているところであり、今後とも、法令に基づき、透明性を確保するなど、適切に対応してまいります。
最後に、北電等への職員の再就職についてでありますが、道といたしましては、企業から道に対して人材紹介要請があった際には、適任者について情報提供をする場合もありますが、再就職取扱要綱に基づき、その透明性を確保した中で、道民の皆様方の誤解を招くことのないよう、対応いたしているところであります。
道が果たすべき役割については、今後とも、しっかりと果たしていく考えであり、北電に対しても、原子力発電所に関するさまざまな安全対策に万全を期すよう、強く求めてまいる考えであります。
以上でございます。
原発問題に対する知事の答弁からは、知事は、まだ安全神話に縛られていると言わざるを得ない、このように指摘をしておきます。
天下りと献金についてです。
知事は、繰り返し繰り返し同じ答弁をしているわけですけれども、どうお答えになろうとも、組織性の強い横並び献金の批判を受け、それに耐えられず、北電役員の一部は、名を秘して献金せざるを得なくなったと推察されます。
福島原発事故で崩壊した安全神話を一体だれがつくってきたのか、一体だれが必要な安全対策をとらなかったとお考えでしょうか。
それは、政、官、業の癒着構造がつくり上げたものだったのではないでしょうか。そこに、国民の厳しい批判が今集まっているのです。政、官、業の癒着について、いささかの疑念も持たれてはならないのです。
しかし、この強いきずなに結ばれた癒着構造が白日のもとにさらされては困る、そうした気持ちが、知事の答弁からはひしひしと伝わってまいりました。
4月28日には、脱原発は現実論としてあり得ないと発言していた知事ですが、泊原発1号機は定期点検中で、2号機は8月から、3号機は、幾ら遅くても来年4月までには定期点検に入ります。
新しい基準での総点検と施設整備が行われなければ、再稼働は困難であり、原発なしを想定しなければならないときは、目前に、刻々と迫っているのです。
しかし、ここまでせっぱ詰まっても、知事が、脱原発、再生可能エネルギーへの転換の立場に立ち切れないのは、献金、天下りによる、北電との強いしがらみがあるからです。(発言する者あり)
クリーンと思われている知事が、こんなことでいいのでしょうか、皆さん。天下り、献金による北電とのしがらみを今こそ断ち切る決断を知事に求めたいと思いますが、再度お答えください。(発言する者あり)
北電への再就職などについての再度の御質問でございますが、職員の再就職については、再就職取扱要綱の適切な運用により、道民の皆様方の誤解を招くことのないよう、対応してまいる考えであります。
また、私の政治団体に対する寄附については、それぞれの方は、お個人の立場で、私の政治活動や考え方に賛同され、御支援をいただいているものと理解いたしております。
いずれにいたしましても、私といたしましては、道政の執行に当たっては、常に、道民本位の立場で、公平公正な道政運営に努めているところであり、今後とも、道民の皆様方の視点に立った道政を進めてまいる考えであります。
以上でございます。
真下紀子君。
知事も御存じの、世界的に有名な作家・村上春樹さんは、9日、スペインのカタルーニャ国際賞の授賞式でスピーチをしました。
その内容は、
こういうスピーチをしました。福島の事故は、日本人が体験する2度目の大きな核の被害です。我々日本人は、核に対するノーを叫び続けるべきだった。原子力発電にかわるエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった。損なわれた倫理や批判の再生は、我々全員の仕事になります。その作業を進めなければなりません。
核兵器の廃絶を願う知事が、お子さんと一緒に行った原爆記念館で、核の被害を目の当たりにして流した涙を思い出してください。福島の苦しみを共有してください。原発は、犠牲なくしては成り立たないのです。今こそ、知事が、原発からの撤退を決断すべきときです。
私も子を持つ母です。私は、脱原発の共同作業のためなら、知事への協力を惜しみません。そのことを申し上げて、特別発言を終わります。(拍手)(発言する者あり)
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]