【予算案、補正予算案等への真下紀子道議の反対討論】 | 11.03.09 |
議案第1号は、平成23年度北海道一般会計予算ですが、住民福祉の増進という、地方自治体としての最重要の役割を一層後退させるものであり、反対です。
高過ぎて、国民健康保険料・税を払えないにもかかわらず、滞納があるからと、必要な医療から締め出される、さらには、手おくれ死という事態まで発生しています。
命と健康が脅かされる事態を前にしてもなお、知事は、国保料・税を引き下げるために、私ども日本共産党が繰り返し求めている市町村国保への財政支援の12億円の復活に背を向け続けています。
その一方で、残念ながら、大型公共事業推進の姿勢は相変わらずです。
大阪府知事が、ダムに頼らない治水を表明した一方で、道の新年度予算では、総額360億円の厚幌ダムや、国直轄のサンルダム、平取ダムなどにも、道民の税金が投入され続けています。これは、道財政の再建にも反することではないでしょうか。
高過ぎる国民健康保険料・税の引き下げや、住宅リフォーム制度を初め、地元企業への支援と道民の暮らし応援の道政を力強く進めるべきです。
また、不要不急の公共事業の抜本的な見直しとあわせ、知事御自身が退職金等の見直しを決断すべきだということを申し添えておきます。(発言する者あり)
議案第3号は、母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算ですが、滞納が膨らんでいることを理由に、平成23年度の途中から、債権管理回収会社に回収業務を委託することとしていますが、強引な回収も懸念され、反対です。
議案第5号は、苫小牧東部地域開発出資特別会計予算、第6号は、石狩湾新港地域開発出資特別会計予算です。
どちらも、土地分譲やリースの実績が目標に大幅に届かず、一般会計からの借入金が継続され、年々膨張する事業スキームが見直されないまま進められており、賛成できません。
議案第10号の公共下水道事業特別会計予算は、石狩湾の背後地の企業を対象とした下水道事業ですが、道が、いつまでも人と予算を投入し続けることは問題であり、反対です。
議案第12号の道営住宅事業特別会計予算は、平成21年度の入居倍率が平均で14倍を超えているにもかかわらず、管理戸数を2万3000戸の維持にとどめており、住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で提供するという、公営住宅法の趣旨にも反することから、反対です。
議案第13号は、住宅供給公社経営健全化資金貸付事業特別会計予算ですが、長期・短期貸付額の395億円は、本来、道民福祉のために有効に使われるべき予算であり、一般会計から道民の税金で補てんする枠組みには反対です。
議案第16号の電気事業会計予算は、北電への売電価格をまたもや引き下げ、収入を減らすこと、議案第17号の工業用水道事業会計予算は、国の検討対象となっている幾春別川総合開発の負担金が含まれており、反対です。
議案第21号、第34号、第37号は、それぞれ、道職員、学校職員、警察職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案ですが、病気休暇にかかわって、給与の全額支給の期間が短縮されることから、賛成できません。
議案第22号の特別職職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例案は、非常勤行政職員の報酬の改正案ですが、教育委員会や人事委員会、選挙管理委員会の委員長らの3%引き下げにとどまり、十分とは言えず、反対です。
日額制にすべきということを付言します。
議案第24号の道職員等の定数に関する条例の一部を改正する条例案は、道立高等学校等の教職員定数を374人も減らすという提案ですが、少人数学級の拡充に活用することなく、少子化を前提とした、高校や小中学校の統廃合に伴うものであり、反対です。
議案第27号は、住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例案ですが、いわゆる住基ネットは、社会保障の給付削減のための個人情報管理、さらには総背番号制へのステップであり、賛成できません。
議案第29号の道路占用料徴収条例の一部を改正する条例案は、国に倣って、道路占用料をまたもや引き下げるという提案ですが、15都県は、国準拠ではありません。道みずから収入を減らす提案には反対です。
議案第40号特定中山間保全整備事業に伴う地方公共団体の負担金に関する件は、旧緑資源機構による総額28億5000万円の典型的な大規模事業です。
地元負担率は15%で、農家22戸の後年度負担となる枠組みであり、反対です。
議案第44号財産の処分に関する件は、道立身体障害者リハビリテーションセンターの民間への移管に伴う財産譲与でありますが、民営化により、障がい者福祉への道の責任と関与を希薄にすることとなり、反対です。
最後に、議案第54号は、平成22年度北海道一般会計補正予算です。
道立衛生学院の助産師課程を札幌医大に移管するための予算1億3000万円が補正されていますが、授業料は、現在の11万8000円が、移管されれば、50万円を超えると予想されています。
また、私立高校に通う生徒のための奨学事業費は約7億6000万円、就学支援費は約5億1000万円が減額補正されています。
公立高校の授業料が実質無償化されたもとで、減額補正するのではなく、私学に通う子どもたちの授業料軽減に回し、公私間格差の是正にこそ努めるべきだと提案します。
以上で、反対の立場からの討論とします。
ありがとうございました。(拍手)
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[日本共産党道議団編集]