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2011年第1回定例道議会

【花岡ユリ子道議の2011年第1回定例会一般質問】 11.02.28

2011年2月28日 2011年第1回定例道議会

質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員

  • 1.知事の政治姿勢について
    • (1)米艦船の寄港について
    • (2)知事公約等について
  • 2.道民生活について
    • (1)国民健康保険について
    • (2)豪雪対策について
  • 3.第一次産業について
    • (1)トド被害対策について
  • 4.教育問題について
    • (1)就学支援について

○78番花岡ユリ子君

(登壇・拍手)(発言する者あり) 日本共産党道議団を代表して、知事及び教育長に質問いたします。

核兵器搭載可能米艦船の寄港は断固拒否せよ

今月4日の、米駆逐艦フィッツジェラルドの小樽港への寄港に続き、翌5日には、グリッドレイが苫小牧港に入港しました。

道の説明では、平成9年からことし2月までの14年余りの間に、実に42隻もの米艦船が道内各地の港湾に寄港し、そのうち、小樽港には18隻が寄港しているということです。

我が党の調査では、その55%に当たる23隻が、核兵器搭載可能なイージス艦などであるという重大な事実が明らかになっています。

知事は、最近6年余りで21隻と、道内港湾への寄港が増加し、しかも、そのうち、核兵器搭載可能な艦船が多数あると言われていることをどう受けとめているのか、伺います。

道民の安全と生活を守る知事として、北海道への米艦船の寄港は断固拒否するとの姿勢で、国に対し、強く申し入れるべきと考えますが、あわせて知事の所見を伺います。

「答弁調整」廃止公約、知事がみずから実行を

次に、いわゆる答弁調整についてです。

知事は、8年前の初めての選挙で、それまで道議会で続けられていた、一言一句まですり合わせる、いわゆる答弁調整の廃止を訴え、当選後の議会では、不十分ながら、その公約を実践し、道民からも一定の評価を得たと承知しています。

ところが、その答弁調整が、いつの間にか復活し、一部の議員を除く大半の議員が、新聞のアンケート調査に対して、答弁調整の見直し、廃止を訴えるまでに至っています。知事は、こうした現状をどのように受けとめているのでしょうか。答弁調整を復活した理由とあわせて伺います。

知事は、先日――2月2日の記者会見で、道議会の皆様方の御意向が、意見交換なりを廃止して、おおむねそういう形での議論を深めたいという御意見が多いということであれば、その方向で議論を深めていきたいと、あたかも、議会側に答弁調整の決定権があるかのような発言をされました。

しかし、私は、これは逆立ちした議論であり、答弁調整の廃止は、8年前のように、知事がみずから実行に移せば済む問題だと考えますが、知事の認識を伺います。

高過ぎる国保料が滞納を拡大。滞納世帯への過剰な督促、差し押さえは是正を

所得の2割近い負担の国保料
〜平成22年度の国民健康保険料(税)の試算額〜
標準世帯4人家族(世帯主・配偶者(30代)、子2人)、所得200万円(給与収入約312万円)
保険者名年間保険料負担率
札 幌⑦ 331,60316.6%
函 館④ 396,70319.8%
小 樽② 399,22020.9%
旭 川① 418,73920.9%
室 蘭⑪ 314.09015.7%
釧 路③ 397,97519.9%
帯 広⑥ 333,76016.7%
北 見⑤ 343,92017.2%
岩見沢⑨ 319,63016.0%
苫小牧⑩ 315,52415.8%
江 別⑫ 312,33015.6%
千 歳⑭ 291,79214.9%
登 別⑧ 328,22016.4%
恵 庭⑯ 288,27914.4%
北広島⑮ 290,30014.5%
石 狩⑬ 306.53515.3%

次に、国民健康保険についてです。

国民健康保険料について、道内の人口5万人以上の16市を見ると、所得が200万円の4人家族の標準世帯モデルで、最高額は旭川市の約41万8700円で、小樽市が約39万9200円と続いています。

一方、滞納世帯数は、平成21年5月末現在、全道で約17万3000世帯に上り、加入世帯に占める割合は19.45%に達しています。

小樽市の自営業者さんの例ですが、収入の激減で滞納を余儀なくされ、計画的な支払いをしていたやさき、心臓病を患い、入院することになったため、高額医療費の限度額認定証の発行を申請しましたが、滞納があるから発行できないと断られました。知事、本当に心が痛みませんか。

旭川市や小樽市のように、所得の20%にも達する高過ぎる国民健康保険料が、滞納をさらに拡大させる大きな要因になっているのは明白と考えますが、知事の認識を伺います。

平成21年度の、滞納による差し押さえ件数は1万1700件にも上り、道南のある町では、心筋梗塞を患う男性に対して、国保税の滞納分を払わなければ滞納整理機構に回す、税金を払わないで生命保険料を払うのかと、担当者に迫られたという事例があると聞いています。

このような、滞納者への過剰なまでの督促、プライバシー無視の財産調査、預貯金、生活必需品の差し押さえなどはあってはならないと考えますが、知事の認識を伺います。

また、道としては、道内におけるこうした督促などの状況を調査するとともに、市町村に対して必要な対応をとるべきだと考えますが、あわせて見解を伺います。

除雪作業の受託業者と人材の確保に必要な対策を

次に、豪雪対策についてです。

先日、道道の除雪作業を請け負っている、小樽市内の企業3社からお話を伺いました。共通してお話しされていたのは、除雪車両の老朽化やオペレーターの高齢化などで、経営に大変御苦労されている状況でした。

そこで、このままでは、道内の除雪作業を請け負う企業の確保が困難になるのではないかとの観点から伺います。

建設会社が自社で所有する機械の維持修理費や、深夜作業の割り増し率の引き上げ、さらには、待機時間なども単価の積算に加えるなど、当面、委託契約の改善が急務と考えますが、いかがでしょうか。

青森県建設業協会は、昨年9月、除雪体制に関するアンケート調査を実施していますが、現在の厳しい状況が継続した場合、除雪体制を維持できる期間は3年以内と回答している企業が、実に6割に上るという結果となりました。

同じ豪雪地帯で、さらには、広大な面積を有する北海道においては、受託業者と人材の確保が極めて重要です。

道としても、関係団体と連携するなどして、こうした実態調査を行い、必要な対策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。

トド被害の認識、被害対策とその成果を質す

次に、トド被害対策についてです。

私が道議会議員になった当時から、地元の後志管内の漁業者の皆さんからは、トド被害を何とかしてほしいという声が上がり、道議会でも何度となく質問してきました。

しかしながら、トドは、絶滅危惧種の希少種に指定されていることから、採捕数が制限されており、なかなか思うような対策が打たれてこなかったというのが実情です。

道の資料によれば、トドによる道内の漁業被害は、平成4年度に10億円を超え、平成21年度には13億5000万円にも上っています。

さらに、日本海側でトドが捕食した水産物は40億円にも上ると指摘する研究者の試算があり、その被害額は、エゾシカによる農林業被害に迫る勢いです。

小樽市の例でいえば、道立水産試験場による長年の研究で、ニシンの復活にこぎつけ、ようやく定着する段階になったにもかかわらず、トドがニシンを食い荒らし、刺し網を破るなど、被害が深刻化しており、その被害は、宗谷や石狩などでも発生しています。

そこで伺いますが、道は、こうしたトドによる漁業被害をどう認識し、これまでにどのような対策を講じてきたのか、また、その成果についてもあわせて伺います。

就学援助の実態を調査し、国庫補助復活と、大幅増額を国に要請せよ

クラブ活動費を就学援助の対象品目にしていない77市町村
10年5月1日アンケートから

18
札幌、江別、恵庭、北広島、石狩、北斗、小樽、砂川、深川、旭川、名寄、北見、網走、室蘭、苫小牧、登別、伊達、釧路。
町村
59
当別、新篠津村、松前、知内、木古内、七飯、鹿部、森、八雲、長万部、江差、厚沢部、今金、せたな、真狩村、神恵内村、南幌、奈井江、由仁、浦臼、新十津川、雨竜、沼田、東神楽、当麻、愛別、東川、南富良野、占冠村、増毛、苫前、遠別、礼文、利尻、利尻富士、浜頓別、斜里、訓子府、佐呂間、白老、厚真、安平、日高、平取、新冠、浦河、様似、えりも、新ひだか、上士幌、清水、中札内村、池田、豊頃、標茶、鶴居村、別海、中標津、羅臼。

最後に、就学援助についてです。

北海道子どもセンターが昨年秋に実施したアンケートには、道内の教職員の皆さんから、子どもの育ちと貧困にかかわる貴重な意見が寄せられています。一日一食、給食のみの子とか、夏休みになると給食がないため体重が減少したといった記述など、就学援助の一層の拡充が求められる社会情勢です。

生活保護法の規定のとおり、道内の市町村では、要保護に、被保護と要保護状態を含めて、就学援助を実施しているのでしょうか。

道教委は、各市町村の実態を調査するとともに、「要保護状態」を含めるよう通知すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

近年、修学旅行費や入学予備金、学用品費などについて、8割、9割とか、ある町では半分にまで引き下げるという憂慮すべき事態も発生しています。

さらに、平成16年度と22年度を比較した場合、就学援助の認定基準となる世帯の収入額を引き上げた自治体が9市町村ある一方で、逆に引き下げた自治体は26市町村にも上っています。

北海道の子どもたちの健やかな育ちのため、現行の地方交付税措置から国庫補助に復活するとともに、大幅な増額を図るよう、国に強く要請すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)


高橋はるみ知事の答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇) 花岡議員の御質問にお答えをいたします。

最初に、私の政治姿勢に関し、まず、アメリカ艦船の寄港についてでありますが、アメリカ艦船の核兵器搭載能力の有無について、外務省がこれまで国会等で答弁したところでは、アメリカ政府は、1991年に、海軍の艦船及び航空機から戦術核兵器を撤去する旨を表明し、また、1994年には、水上艦船及び空母艦載機から戦術核兵器の搭載能力をも撤去することを発表していることから、核兵器の搭載能力については、撤去された状態であるとのことであります。

道といたしましては、事件や事故などのないよう、これまでも、アメリカ艦船の寄港の都度、地元自治体と連携をし、安全の確保や、乗務員の規律の厳正な保持について、アメリカ総領事館に要請をしてまいったところであります。

また、寄港の申し出があった場合においては、核搭載の有無について国に確認をいたしており、今後とも適切に対応してまいります。

次に、答弁準備の現状に係る認識についてでありますが、私が8年前に知事に就任して以降、道議会の皆様方とも御相談の上、従来のいわゆる答弁調整を改め、質問骨子と答弁要旨をもとに、質問者に対する質問趣旨の確認、再質問の有無などについての確認を行う意見交換方式を導入したところであり、現在も、そのように対応させていただいているところであります。

次に、今後の答弁準備のあり方についてでありますが、議会における答弁等のあり方は、議会運営上の重要な課題でありますことから、道議会各会派の御理解と御協力を得ることが必要と認識いたしております。

平成15年に、現行の意見交換方式を導入した際にも、道議会各会派と御相談させていただいたところであり、また、現在、各会派で構成される議会改革等検討協議会においても、議会における答弁等のあり方などについて、検討がなされているものと承知をいたしております。

こうした経過なども踏まえ、議会における質疑等のあり方については、今後とも、道議会の皆様方と十分相談をさせていただきながら、対処していくことが必要と考えております。

最後に、道民生活に関し、国民健康保険に係る滞納世帯への対応などについてでありますが、各保険者においては、保険料・税を滞納している世帯主に対する納付相談、納付指導等を通じて、世帯の状況を把握しながら、分割納付などの相談に応じているところであります。

しかしながら、世帯主が、納付相談等にも応じず、あるいは、特段の理由もなく、分納誓約を履行しないなどの状態が、一定期間、続いている場合には、財産調査等を行った上で、国税徴収法に基づき、日常生活に欠くことのできない衣服や寝具など、差し押さえが禁止されているものを除き、差し押さえが行われているところであります。

道といたしましては、これまでも、各保険者に対し、納付相談など事前の対応をきめ細かく行うことや、やむを得ず滞納が発生した場合には、滞納処分が適切に行われるよう、助言してきているところであり、今後とも、そのように対応してまいりたいと考えております。

なお、国保料・税と滞納世帯の増加などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。

以上でございます。


○保健福祉部長高橋幸雄君

(登壇) 国民健康保険に関しまして、国民保険料・税と滞納世帯の増加についてでありますが、国民健康保険の保険料・税は、医療給付費や、保健事業など国保事業に要する費用から、国庫負担金や都道府県調整交付金に加え、一般会計からの繰入金などを控除した額をもとに、当該自治体の国保事業を健全かつ安定的に運営するために必要な保険料・税として算定されるところでございます。

道内の自治体の保険料・税につきましては、医療費の増嵩などもあり、おおむね増加傾向を示しておりますが、一方、加入世帯に対する滞納世帯の割合で見ますと、長引く景気の低迷の中で、各保険者の徴収努力もあって、必ずしも増加傾向にはありませんが、平成20年度以降は19%台となっているところでございます。

いずれにいたしましても、市町村国保は、高齢者や低所得者が多く、財政基盤が脆弱であるという構造的な問題を抱えておりますことから、道といたしましては、こうした市町村国保の安定的な運営が確保できるよう、医療費の適正化などについて保険者に助言するとともに、引き続き、国に対し、国庫負担等の財政措置の拡充等について要望してまいりたいと考えているところでございます。

以上でございます。


○水産林務部長野呂田隆史君

(登壇) 第1次産業に関し、トド被害対策についてでありますが、トドによる漁業被害は、スケトウダラやイカなどの資源が低迷し、磯焼けが進行するなど、厳しい経営環境にある日本海地域に特に集中しており、極めて深刻な漁業問題であると認識しているところでございます。

道は、これまで、ハンターによる捕獲や強化網の導入促進などに支援し、漁業被害の防止に取り組んできたところでありますが、漁業者からは、強化網の導入につきましては、被害防止効果が高いとの評価がある一方、依然として発生する被害に対し、捕獲数の拡大や漁具被害に対する補償などの要望があり、国に働きかけてきたところでございます。

国におきましては、今年度から、ブロック・クオータ制を採用し、これまでの年間144頭から、200頭を超える捕獲数に拡大したところであり、道といたしましては、この制度を有効に活用し、実績のあるハンターを地域間で相互に派遣できる体制づくりを進めるとともに、引き続き、漁業系統団体と連携して、漁業者の経営安定を図るため、新たな支援制度の創設を国に働きかけるなど、トド被害対策の強化に努めてまいる考えでございます。

以上でございます。


○建設部長宮木康二君

(登壇) 道民生活に関し、初めに、除雪の委託契約についてでありますが、冬期における安全な道路交通の確保は、道内の経済活動の活性化や地域医療の充実など、道民の皆様方の安全で安心な暮らしを守る上で、大変重要なものであると考えているところでございます。

道道の除雪業務は、気象状況に応じ、より地域に密着したきめ細やかな対応をするため、約1万300キロメートルを54の区域に分けて、民間委託により実施しているところであります。

除雪機械の運転費用や運搬排雪の費用など、除雪業務の委託料につきましては、国土交通省の標準積算基準に準拠するとともに、地域ごとの積雪状況や作業実態などを踏まえて積算してきているところであり、引き続き、適切な積算に努めてまいりたいと考えているところでございます。

次に、除雪体制についてでありますが、本道の建設業は、地域の経済や雇用を支えるとともに、冬期の道路交通を確保するなど、重要な役割を担っておりますが、近年、公共事業が大幅に減少し、除雪業務を担う建設業全体が非常に厳しい状況に置かれているところであります。

このような中、建設業協会などから、オペレーターなどの雇用や、企業が所有する除雪機械などの更新、さらには、安定経営の継続などの懸念が示されているところであります。

今後とも、建設業協会などの関係団体と意見交換を行うなど、連携を強化し、除雪体制の確保に努めてまいりたいと考えております。

以上でございます。


教育長の答弁

○教育長高橋教一君

(登壇) 花岡議員の御質問にお答えいたします。

まず、就学援助の対象についてでございますが、就学援助制度は、経済的な理由によって就学が困難な児童生徒の保護者を対象として、市町村教育委員会において、要保護、準要保護として認定し、実施しているところであり、このうち、国の就学援助の補助対象となる要保護は、生活保護法に規定する要保護者とされているところでございます。

生活保護法におきましては、現に保護を受けているといないとにかかわらず、保護を必要とする状態にある者を要保護者と定めているところであり、昨年5月に国が実施した、就学援助に関する調査では、道内の市町村においては、現に生活保護を受けている保護者のみが、就学援助の要保護として認定されていたところでございます。

このようなことから、道教委といたしましては、就学援助事業が適切に実施されるよう、市町村教育委員会に対し、現に生活保護を受けていない保護者であっても、就学援助の要保護の対象となり得ることを広く周知するよう、働きかけてまいりたいと考えております。

次に、就学援助に関する国への要請についてでございますが、道内の市町村においては、準要保護について、国の要保護の支給内容を目安にするなどして、地域の実情に応じた支給内容を定めているところであり、財政上の理由などにより、基準となる収入額の引き下げや、援助額の減額をした市町村がふえた中で、ここ数年は、要保護に対する国庫補助の対象項目の増や、給食費の値上げなどを考慮して、援助額を増額する市町村もふえてきている状況にあると認識しているところでございます。

道教委といたしましては、これまでも、国に対し、就学援助に係る施策の充実について要望してきており、今後とも、就学援助事業への財源措置の充実が図られるよう、全国教委連と連携しながら要望を行うなど、本道の子どもたちが、厳しい環境の中にあっても、必要な援助を受け、安心して学校に通うことができるよう、努めてまいりたいと考えております。

以上でございます。


花岡ユリ子議員の再質問

○78番花岡ユリ子君

(登壇・拍手) 指摘を交えて、再質問いたします。

米艦船の寄港について指摘いたします。

2006年5月に、高知県の宿毛港に寄港した米原子力空母ラッセルの艦長は、寄港の目的は、アメリカが東アジア地域でいかに日本と一緒に軍事作戦をするかだと語っています。つまり、北海道が、アメリカの世界戦略の一環に組み入れられているということです。

少なくとも、知事は、米艦船の寄港に当たっては、明確に核兵器の搭載がないという証拠をアメリカ側に求め、提示させるべきであるということを強く指摘しておきます。

次に、いわゆる答弁調整についてですが、知事は、私の質問に対して、意見交換方式にしたということを根拠に、あたかも、答弁調整がなくなったかのように答弁されました。私は、知事の認識に本当に驚いています。

ほとんどのマスコミが、道議会は、あらかじめ用意した文章の読み合わせであり、答弁調整が行われていると断じ、道民の多くも、そう受けとめています。

何よりも、当事者である道議会議員の多くが、議会改革の課題の一つに、答弁調整の廃止、見直しを挙げているではありませんか。知事は、そのように受けとめていないのか、はっきりお答えいただきたいと思います。

知事は、議会での質疑について、今後、議会と相談しながら進めたいと答弁されていましたが、問題は、知事のスタンスです。

道議会議論を活性化するために、行き過ぎた答弁調整を見直すよう、知事みずからの意思で議会側に提案する覚悟があるのか、伺いたいと思います。

市町村国保について、財政基盤が脆弱だという構造的な問題を抱えると答弁されました。解決のために行うべきことは、公費負担の抜本的な拡充であることは言うまでもありません。

全国では、12都府県が、市町村国保に対して1億円以上の支援を講じており、道内の市町村においても、一般会計から繰り入れして、国保料の軽減に努めています。

知事が廃止した道独自の運営費補助を今こそ復元し、市町村国保の支援に踏み切るべきと考えますが、見解を伺います。

トド被害対策について指摘いたします。

来年度の当初予算額で、エゾシカ総合対策事業が約25億円であるのに対して、トド被害防止総合対策事業は、わずか450万円程度です。被害の補てんなどを求める漁業者の皆さんの声を積極的に受けとめてほしいということを述べて、指摘といたします。

次に、就学援助についてです。

教育長の答弁では、道内のすべての市町村が、要保護状態にある子どもを要保護から除外していたということです。

要保護と準要保護とで、援助の内容に差をつけている市町村もあり、要保護状態の子どもが不利益をこうむってきたことも考えられます。

要保護に要保護状態が含まれることは、1964年に、文部省が各都道府県教育委員会にあてて通知を出しています。こうした実態が放置されてきたことになります。教育長は、このことをどのように受けとめているのか、伺います。

今年度から、就学援助の支給項目に、クラブ活動費と生徒会費、PTA会費が加えられました。しかし、準要保護の子どもたちについても、この三つの経費を今年度から支給対象とした自治体は、道教委の調査によると、約30市町村にとどまっています。

準要保護の子どもたちが必要な就学援助を等しく受けられるよう、市町村への財政支援を含め、対応を検討すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

以上、再々質問を留保して、私の再質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)


高橋はるみ知事の再答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇) 花岡議員の再質問にお答えをいたします。

最初に、答弁準備の現状に係る認識についてでございますが、かつての道議会においては、答弁に際して、あらかじめ一字一句にまで及ぶ調整が行われてきたと伺っているところであり、調整が整わないため、定刻に議会が開会できない場合もあったと承知をいたしております。

私が知事に就任して以降は、議会とも御相談の上、従来のこのような方式を改め、質問趣旨や、再質問の有無などについて確認を行う意見交換方式を導入したものであり、現在も、これを踏まえた対応をさせていただいているところであります。

次に、今後の対応についてでありますが、先ほども答弁させていただきましたが、議会における答弁等のあり方は、議会運営上の極めて重要な課題であると認識をいたしております。

このため、今後の議会議論のあり方につきましては、議会と私ども理事者側の合意により導入した意見交換方式の適切な運用を基本として、必要に応じて、道議会の皆様方と御相談するとともに、議会改革等検討協議会などの御意見も十分にお伺いをしながら、今後とも対処していくことが必要と考えております。

最後に、財政健全化対策費補助金についてでありますが、この補助金は、特に、住居の転入届をした上で、都市部の医療機関に入院する方が増加する中で、市町村の国民健康保険財政に対する支援策として、昭和59年度に創設したものでありますが、平成15年度以降、国において、保険料の負担軽減を図るための保険者支援制度や都道府県調整交付金が創設されるなど、市町村国保財政の基盤強化が図られてまいったことから、市長会や町村会と協議を重ね、平成17年度をもって、この補助金を廃止したところであります。

道といたしましては、これまでも、国に対し、国保財政の基盤強化に向けて、地方財政措置の拡充について要望を重ねてきたところでありますが、今後においても、その充実が図られるよう、全国知事会などとも連携をしながら、対応してまいります。

以上でございます。


教育長の再答弁

○教育長高橋教一君

(登壇) 花岡議員の再質問にお答えいたします。

まず、就学援助の認定についてでございますが、市町村が行う就学援助は、教育の機会均等の精神に基づき、すべての児童生徒が義務教育を円滑に受けることができるよう配慮し、実施すべきものでありますことから、要保護の対象も、生活保護法に規定する、現に保護を受けているといないとにかかわらず、保護を必要とする状態の保護者とされており、改正のたびに通知されます、国の補助金の交付要綱におきましても、その旨、記載されているところでございます。

道教委といたしましては、市町村教育委員会が、こうした制度の趣旨を踏まえて、福祉関係部局や民生委員と連携協力しながら、保護者の実態の把握に努め、遺漏のないよう、就学援助を実施すべきものと考えているところでございまして、今後、福祉関係部局等と連携を密にし、適切に対応するよう、働きかけてまいりたいと考えております。

次に、準要保護にかかわってでございますが、道教委といたしましては、これまでも、経済的な理由により、児童生徒が就学困難となることのないよう、市町村教育委員会はもとより、市町村長に対し、就学援助事業の実施に必要な予算の確保について、文書で要請いたしますとともに、各種会議など、さまざまな機会を通じて働きかけてきたところでございまして、来年度から、新たに、準要保護の支給項目を拡大する市町村も27市町村あると承知しているところでございます。

道教委といたしましては、市町村の就学援助事業に対する財政支援につきましては、道の財政状況が厳しいことから、難しいものと考えているところでございますが、現在、文部科学省の、児童生徒の修学支援に関する検討会議におきまして、準要保護の認定基準や国の財政措置等にかかわる報告がまとめられ、近々、文部科学省に対して報告書が提出されると伺っておりまして、国の動向を注視し、その結果を踏まえながら、国に対し、就学援助事業への財源措置の充実が図られますよう、全国教委連と連携しながら、要望を行ってまいりたいと考えております。

以上でございます。


花岡ユリ子議員の再々質問・指摘

○78番花岡ユリ子君

(登壇・拍手)(発言する者あり) 指摘を交え、再々質問をいたします。

初めに、いわゆる答弁調整についてです。

国会では、予算委員会はもちろん、本会議も、質問の要旨を質問日前日の夕方までに通告し、答弁調整なしで、活発な議論が展開されています。

国会で、説明員として答弁席に立たれた経験のある知事として、道議会でも、国会並みのルールづくりを提案されてはいかがでしょうか、見解を伺います。

次に、国民健康保険について指摘いたします。

市町村国保に対して、知事は、道としての独自支援に背を向けたままです。高過ぎる国保料が、道内でも、手おくれ死と言われる痛ましい事態を生んでいることを知事も御存じのはずです。

例えば、厚幌ダムの建設費のごく一部を国保への独自支援に回すなど、対応をとられることを求めて、指摘といたします。

最後に、就学援助について指摘します。

我が党の衆議院議員を通じて、文部科学省に確認したところ、クラブ活動費など3項目が、準要保護の交付税積算項目に算入されているとの回答を得ました。

新年度から支給項目を拡大する市町村を含めても、実施する自治体は、全道の3分の1にとどまります。道内のすべての市町村が、要保護、準要保護の区別なく支給するよう、道教委が役割を果たすことを求め、指摘といたします。

以上で私の再々質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)


高橋はるみ知事の再々答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇) 花岡議員の再々質問にお答えをいたします。

道議会における質疑のあり方についてでありますが、議員が御指摘のとおり、私自身、かつて、国会において説明員として答弁をさせていただいたり、また、大臣などの答弁について、事務的に対応させていただいた経験もあるところであります。

いずれにいたしましても、国会においても、また、他の都府県議会におきましても、それぞれのルールに基づいて質疑が行われているものと理解をいたしているところであります。

そういった中で、道議会における質疑等のあり方につきましては、道議会の皆様方と十分に御相談を申し上げ、また、議会改革等検討協議会などの御意見も十分お伺いをしながら、対処していく問題と考えております。

以上でございます。


花岡ユリ子議員の特別発言

○議長石井孝一君

 花岡ユリ子君の質疑は、同一議題について既に3回に及びましたが、会議規則第57条ただし書きの規定により、この際、特に発言を許します。

花岡ユリ子君。

○78番花岡ユリ子君

(登壇・拍手)(発言する者あり) 議長の許可を得て、特別発言をさせていただきます。

知事の答弁を聞いて、私は深く失望いたしました。2期8年の間に、答弁調整廃止の公約はすっかり忘れ去られ、見直しの方向さえ示せない知事の姿勢は、道民にどう映るのでしょうか。

片山・元鳥取県知事が、かつて、全国都道府県議長会で次のように訴えました。

議会は、本来、真剣勝負の場であるべきなのに、もう、できレースで、単に議事録を書き残すだけ、そういうできレースをずっと繰り返している。国民の注意と関心は全く消え去ってしまって、議会というものが、地方自治の表舞台から消えざるを得ないのではないか。

私は、これは今も生きている名言だと思います。

知事は、3選出馬の記者会見で、初心に戻ってと決意表明をされました。その決意が本心なら、議会での答弁調整はきっぱりとやめて、文字どおり、議会が真剣勝負の場になるように、知事みずからが決断されるよう求めます。

皆さん、本当に最後になりますが、同僚議員の皆様には、少数会派である私たちに御協力をいただいたことに、心から感謝を申し上げます。

私自身、病気になるとは思いもよらなかったことですけれども、皆々様も、お体、くれぐれも御自愛され、道民の暮らしの応援者として、今後も活躍されますことを御祈念申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

どうもありがとうございました。(拍手)(発言する者あり)


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[日本共産党道議団編集]

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