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2011年第1回臨時道議会

【真下紀子道議の2011年第1回臨時道議会質問】 11.03.30

2011年3月30日 2011年第1回臨時道議会

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

  • 1.東北地方太平洋沖地震災害対策等について

○30番真下紀子君(登壇・拍手)

 私は、日本共産党道議団を代表して、ただいま議題となりました東北地方太平洋沖地震に関する災害対策等について、知事に質問いたします。

質問に先立ち、このたびの東日本大震災によって、お亡くなりになられた方々、被災された方々に衷心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

また、被災地に赴き、懸命の救援、支援に当たられているすべての皆さんの奮闘に心から敬意を表するものです。

災害対応に係る知事の認識について

このたびの地震による未曾有の被害は、今なお数万人に及ぶ安否不明者が残されており、まさに国難と言える状況にあります。

特に、被災された方々の救援、さらには、福島原発事故の危機回避は、多くの人の命に直結する、まさに緊急の課題です。

私たちは、この国難に対応するため、政治的立場を超え、日本国民の総力を挙げ、打開に向けて取り組まなければならないと考えますが、知事の基本的な認識についてまず伺います。

道外被災地への支援について

次に、道外被災地への支援についてです。

去る3月17日、私たち日本共産党道議団は、道の総力を挙げての被災者救援を求め、緊急の申し入れを行い、道は、翌18日に、道外被災県緊急支援対策本部をスタートさせました。

被災者の受け入れ体制を強化拡大し、被災地への発信を

このたびの補正予算案では、借り上げ避難所の開設や公営住宅入居のつなぎ対策として約3億円が計上されていますが、十分とは言えません。避難生活の長期化や地域単位での避難などに対応し、今後、さらなる対策を検討していく必要が生ずるものと考えます。

北海道と、歴史的にも、地理的、経済的にも深い関係にある東北各県から被災者を受け入れるため、被災者、避難者の受け入れネットワークを構築し、道内の官民挙げた受け入れ体制を整備するとともに、今、放射能汚染で農産物を売ることができず、自殺される方まで出ており、海水の浸水で、広大な農地を使えないとも聞いております。私は、今こそ北海道が、北海道の農業や漁業の場で、ともに働き、ともに暮らしましょうと呼びかけ、こうした受け入れを行うときだと考えます。

また、そうした情報を積極的に被災地に発信していく必要があると考えますが、見解を伺います。

災害弱者受け入れ枠を積極的に拡大していくべき

さらに、被災地では、妊産婦、障がい者、高齢者など、いわゆる災害弱者と言われる方々に過度な負担と犠牲が強いられている状況にあると聞いています。

2次被害防止の観点から、道として、こうした災害弱者の受け入れ枠を積極的に拡大していくべきと考えますが、あわせて見解を伺います。

最低限の生活用具は行政が提供を

被災者の多くは、着のみ着のままで避難をされてきます。

3月22日に、私は、日本共産党旭川市議団とともに、旭川市へ申し入れを行いました。

対応した副市長は、暖房機器や炊飯器、冷蔵庫、そして、茶わんやはしなど、最低限の生活用具は行政が責任を持って提供したいと、こう述べていました。道はどのように対応されるおつもりか、伺います。

道内被害への対応について

次に、道内被害への対応について伺います。

甚大な水産業被害への対応強めよ

本道における津波被害は、太平洋沿岸の広範囲にわたりました。

道のまとめでは、3月28日現在における水産関係被害は、総額で約220億円に上るなど、明らかになっているだけでも、甚大な被害となっています。

花岡議員は、3月12日にむかわへ、私は、14日に浜中町、厚岸町に視察に伺い、津波による被害のすさまじさを目の当たりにしました。

厚岸町長は、国は、個人補償の枠を超えて支援策をとるべき、そうしないと、養殖漁業者は立ち上がれないと訴えていました。私も、そのとおりだと思います。

知事は、このたびの甚大な水産業被害をどのように受けとめ、どう対応するおつもりか、伺います。

共済未加入漁業者にも激甚災害指定の拡充、道単独の助成など万全を期せ

また、日高より東側の太平洋沿岸部の漁師の方々は、漁業施設共済にも特定養殖共済にも加入していないと聞いております。

漁船の更新や補修、養殖施設再建と地域の再生のため、これまでの方策を超え、激甚災害指定の拡充を国に求めるとともに、道単独の助成措置を講ずるぺきと考えますが、あわせて見解を伺います。

無堤区間は早急に解消すべき

厚岸町では、国が整備した護岸と道が整備した護岸の間隙である無堤区間から津波が押し寄せたと聞いておりまして、私も、その現場を見てまいりました。縦割り行政の象徴と言われていますが、早急に解消すべきです。知事の見解を伺います。

産業物資、生活物資などの物流面での影響調査と対策を

既に、旭川市においても、建築資材や重油、特に、ユニット資材のねじやドアノブなど、工事完成に不可欠な部品が届かず、次の工事開始に支障が出ており、さらには、一部の生活物資で不足が生じるなど、物流面での影響が生じております。中小企業の存亡にもかかわる問題となっています。

道は、こうした影響について、具体的に調査をするとともに、必要な対策を講ずるべきと考えますが、見解を伺います。

原子力発電所の過酷事故ついて

次に、原子力発電所の過酷事故などに関連して伺います。

原発事故に対する知事の認識を問う

福島第一原発の放射能拡散は、空気、水道水源、農産物、原乳、海水にまで及び、人間の生存すら脅かしています。

東電や政府からの情報が正確、迅速に伝えられていないこともあり、国民の不安と不信は限界に達しています。

今回の津波によって、原発の機器冷却系の機能が失われ、炉心溶融に至るという過酷事故は、制御困難な事態となっています。

そこでまず、このたびの事故に対する知事の認識を伺います。

安全神話の崩壊について所見を問う

歴代の日本政府は、過酷事故は起こり得ないとして、過酷事故を国の規制対象から除外し、事業者の自主的活動として、世界で唯一、国としての事故対策も緊急的計画も持っていません。

日本は、世界有数の地震国であること、何基も集中立地していること、しかも、人口密集地域に近接しており、最もシビアアクシデント対策が必要なのにもかかわらず、原発安全神話にしがみついてきました。

管理圏外への高濃度放射能汚染、核分裂による放射性物質の飛散が現実のものとなり、原発安全神話は完全に崩壊をしました。

知事は、現時点に立って、安全神話の崩壊についてどのような所見をお持ちか、伺います。

原子力規制・監督官庁の分離・独立を求めよ

また、知事の旧通産省の後輩である新潟県の泉田知事は、紙上で、安全対策は独立した組織でと述べています。全くそのとおりです。

昨年2定の予算特別委員会で私が紹介しましたが、福島県の佐藤知事とともに、規制の分離のため、原子力安全・保安院の独立を直接国に求めていました。道の危機対策局は、国の検討を注視すると述べただけでした。

規制・監督官庁の分離・独立機能についても、あわせて所見を伺います。

泊原発プルサーマル計画への同意は撤回を

知事は、3月23日、泊原発周辺4町村との意見交換後、原子力発電は、地球温暖化対策として評価すべき点は多々ある、福島が危ないから、原発全体を見直すことにはならないと発言をされています。

安全神話が崩れても、なおしがみつく発言ですが、放射能汚染による影響を軽んじ、被災者の不安を全く受けとめていない、配慮を欠く発言と言わざる得ません。

福島第一原発3号機のプルサーマルが重大事故を起こした今、知事は、泊プルサーマル計画に同意したことをどうお考えになるのか、改めて伺います。

私は、同意を撤回し、プルサーマル発電に踏み出すべきではないと考えますが、あわせて知事の見解を伺います。

泊原発は緊急に総点検と対策を

大津波は、非常用電源を襲い、また、引き波時には、海水の取り入れができなくなります。泊原発でも同様の危険があり、緊急に総点検と対策が必要と考えますが、見解を伺います。

また、北電のバックチェックに当たって、今回の断層破壊のような変動地形学的な調査がなされているのか、あわせて伺います。

道の防災計画は見直しを

23年前の、いわゆる原発道議会では、当時の小樽市選出の本間喜代人議員らが、避難範囲が10キロでは余りに狭い、避難道路が当丸峠1本では危ういと指摘をしていました。

道の防災計画での避難区域を最低でも30キロまで拡大して対応する、また、そのために、専門家や住民を加えた組織で検討すべきです。知事の見解を伺います。

海水の放射能汚染について調査と公表を

海水の放射能汚染が発生していますが、その影響が懸念されます。安全確認のため、道としても調査を行い、その結果を公表すべきと考えますが、見解を伺います。

青森県に建設中の大間原発は、道として建設中止を申し入れるべき

青森県に建設中の大間原発は、函館市から23キロという至近距離に計画されており、完全な30キロ圏内です。活断層も想定されており、私は、道として建設中止を申し入れるべきと考えますが、知事の見解を伺います。

今後の災害対策について

最後に、今後の災害対策について伺います。

避難所の耐震化、福祉避難所の指定を早急に進めるべき

道内の6458ヵ所の避難所の耐震化の状況はどうなっているのか、また、福祉避難所は、道内の多くの市町村で指定できていない状況と聞いていますが、実態はどうなっているのか、お示しください。

2次災害を防ぐためにも、避難所の耐震化や、災害弱者にも対応できるように、福祉避難所の指定を早急に進めるべきと考えますが、見解を伺います。

市町村の津波ハザードマップ、避難計画作成や避難訓練に道として対応を

道内の市町村で津波ハザードマップを作成しているのは、41市町村にすぎず、原発のある泊村でも作成されていません。また、避難計画を作成している市町村は、18市町村にすぎません。

浜中町では、津波の高さと避難場所を明示した看板が設置され、避難の際に有効であると現地で聞いてまいりました。避難計画の作成や避難訓練にどのように対応されるおつもりか、伺います。

以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)


高橋はるみ知事の答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇) 真下議員の質問にお答えをいたします。

最初に、災害対応に係る認識についてでありますが、このたびの東北地方太平洋沖地震は、想定を超えた津波により、壊滅的な被害をもたらすとともに、福島第一原子力発電所において甚大な事故が発生し、いまだに予断を許さない状況となっており、一日も早い収束を顧っているところであります。

今回の震災に当たっては、国を挙げて、被災者の方々の支援はもとより、復興に取り組んでいくべきものと考えております。

私といたしましては、この深刻な事態を受け、市町村や関係の皆様方との連携を密に、被災された道内の各地域の復旧、復興を進めるとともに、道民の皆様の生活や道内経済への影響など、さまざまな課題にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

また、大変大きな被害をこうむっている道外被災地の皆様方への御支援や復興についても、関係団体の御協力もいただきながら、人的・物的支援はもとより、道内での被災者の受け入れなど、積極的に支援を行ってまいる考えであります。

次に、被災された方々の道内への受け入れについてでありますが、道といたしましては、既に被災地から道内へ避難されている方々に安心して生活を送っていただくため、住宅や教育を初め、医療や雇用など、生活全般に係る総合相談窓口を開設するとともに、岩手、宮城、福島の3県に対して、被災者の方々の受け入れ可能な宿泊施設の情報提供など、具体的にお示しをしているところであります。

私といたしましては、なれない土地での生活を地域一体となってサポートするとともに、被災者の方々が相互に連絡をとり合うことができるよう、市町村、さらには県人会やボランティア団体とも連携をしながら、きめ細やかな支援体制を整えてまいる考えであります。

また、高齢者や障がい者、妊産婦の方など、より支援を必要とする方々につきましては、例えば、道内の社会福祉施設の確保など、安心して生活ができるよう、受け入れの環境整備に努めてまいる考えであります。次に、生活用具の提供についてでありますが、避難された皆様方が一刻も早くふだんどおりの生活に戻ることができるよう、今議会に御提案申し上げた支援関連予算では、全道的な対応として、被災者の方々が道内の公営住宅に入居された際、日常生活に必要な家具などの準備費用に対する貸付制度の創設を盛り込んだところであります。

その上で、地域ごとの受け入れに当たっては、市町村や社会福祉協議会などにおいて、生活用具の支給や清掃等の支援など、さまざまな動きが見られますことから、道といたしましては、そういった地域単位での支援との連携を図って、被災された方々に対するサポート体制を構築してまいりたいと考えております。

次に、水産被害への対応についてでありますが、道内では、このたびの津波により、太平洋沿岸の広い範囲にわたり、漁港や共同利用施設、漁船、さらには養殖施設に多大な被害が発生しました。

私は、直ちに被災地を訪問し、市町村長や漁業関係者の皆様方から直接お話をお伺いし、被害の甚大さを身をもって受けとめてまいったところであります。

道といたしましては、漁業系統団体と合同の対策本部を設置し、漁港や共同利用施設などの機能回復、被災した漁業者に対する経営支援などに早急に取り組むこととし、災害復旧のための調査費や、新たに低利な長期資金の創設に必要な予算を提案させていただいたところであります。

しかしながら、このたびの被害は、激甚災害などの既存制度では十分に対応できないことから、国に対して、制度の弾力的な運用などについて提案を行うことといたしているところであり、具体的な内容については、被災した他県の状況を踏まえ、早期に漁業系統団体とともに取りまとめてまいります。

また、このたびの災害により、漁業共済制度の必要性が再認識されたところであり、道といたしましては、漁業系統団体とも連携し、未加入者に対する共済制度の普及啓発と加入促進を図り、漁業者の方々の経営安定に取り組んでまいる考えであります。

次に、護岸の整備されていない区間、いわゆる無堤区間の解消についてでありますが、このたびの震災により、厚岸町では2.5メートルの津波が記録され、無堤区間からも津波が押し寄せ、住宅などへ被害が発生したところであります。

このため、道といたしましては、津波に対する漁村集落の安全性を確保するため、厚岸町を初め、今回、被害のあった太平洋岸の漁港における津波の痕跡高などの調査に取り組むことといたしております。

道では、この調査結果を踏まえ、個々の漁港と海岸の一体的な護岸整備を進めるなど、必要に応じて、無堤区間の解消を図るため、国と十分協議を進め、漁港や海岸の整備計画に反映させていく考えであります。

次に、物流面での影響についてでありますが、今回の地震に伴い、東北地方を中心とした輸送機能や生産機能低下により、石油製品や食料品、日用雑貨などの生活物資、鋼材、合板といった産業物資の安定した流通などにさまざまな課題があるものと承知をしております。

このため、道といたしましては、石油製品や食料品、日用雑貨などの生活物資の価格動向を初め、建築や工業原材料といった産業物資の供給状況を詳細に調査、把握し、その結果を道のホームページなどを活用して、広く道民の方々や企業へ情報提供を行っているところであります。

これまでのところ、物流面では、徐々に回復してきているところでありますが、被災地における生産力の低下や、被災地への物資の優先配分などによって、供給面における影響も懸念されますことから、今後も、継続的な情報収集を行うとともに、関係団体との連携により、需給状況について情報交換や共有化に努めるなど、道民生活や経済活動に支障が生じることがないよう、迅速かつ的確な情報提供に最大限努めてまいります。

次に、福島第一原発の事故についてでありますが、何よりも安全が確保されるべき原発において、放射性物質が広範囲に放出されたことや、多くの住民の方々が避難するなど、厳しい状況にあるわけでありますが、事故発生以降、現地では、関係者の方々により、懸命な復旧作業が続けられているところであり、一刻も早く事態が収束することを強く願っているところであります。

次に、原子力発電所の安全性などについてでありますが、道といたしまして、国に対し、速やかな検証を行うとともに、必要な対策を示し、泊発電所の安全確保に万全を期すよう、強く求めてまいる考えであります。

また、規制・監督官庁のあり方につきましては、今回の事故を踏まえ、道としては、二度とこのような事故を起こさないよう、原子力安全規制を行う組織の独立性をより一層高めるなど、規制の有効性が確保されるよう、国に対して要望してまいります。

次に、プルサーマル計画についてでありますが、泊発電所3号機におけるプルサーマル計画につきましては、国の安全審査を前提に、平成21年3月に事前了解し、昨年11月に、経産大臣より認可がされたところであります。

今回、事故のあった福島第一原発3号機にはMOX燃料が使用されておりますが、事故の詳細が明らかになっていない現時点においては、MOX燃料の使用がどのような影響を及ぼしているのか明らかになっていないと理解をいたしております。

今後、国において、今回の事故を検証する中で、原子力発電所の安全性の一環として、MOX燃料の使用についても、速やかに検証されるべきものと考えているところであり、その結果を踏まえ、対応してまいります。

次に、泊発電所の安全性についてでありますが、泊発電所では、津波の引き波により、海水の取水ができなくなった場合には、原子炉を手動停止し、蒸気発生器により原子炉を冷却することといたしており、さらに、想定を超える津波への当面の対応として、泊発電所に移動発電機車を配備するとともに、建屋の浸水対策の強化など、検討を進めているところでありますが、国の検証結果を踏まえ、泊発電所の安全確保に万全を期す必要があるものと考えているところであります。

また、北電では、国の耐震安全性審査指針に基づき、陸域では、空中写真や地形図などによる変動地形学的調査等を、海域では、海上音波探査等を実施し、今回の地震のようなプレート境界型地震についても考慮して、泊原発の耐震安全性の評価を実施いたしているところであります。

次に、道の防災計画の見直しについてでありますが、道の原子力防災計画における原子力防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲は、国の防災指針を踏まえ、泊発電所を中心として、おおむね半径10キロメートル以内の地域と定めているところであります。

今回の福島原発の事故では、住民避難や屋内退避の区域が10キロメートルを超えて広範囲に設定されているところであり、今後、国において、住民の避難範囲を含む防災指針の見直しが行われるものと考えております。

道といたしましては、国に対し、防災指針が早期に見直されるよう求めるとともに、この見直しを踏まえ、北海道防災会議における学識経験者などの専門家、関係町村、防災関係機関などとしっかり協議をしながら、原子力防災計画の見直しを進めてまいります。

次に、海水の調査についてでありますが、津軽暖流が、日本海から津軽海峡を経て東北地方の沿岸を南下しておりますことから、福島第一原子力発電所から海に漏えいした放射性物質が、北海道沿岸域の海水に影響を及ぼすことはないものと受けとめており、現時点では、海水調査の必要はないものと考えております。

いずれにいたしましても、今後とも、状況の推移を注視してまいります。

次に、大間原発についてでありますが、この発電所は、平成20年4月に、国から原子炉設置許可を受け、同年5月に着工され、建設が進められていたところでありますが、今回の地震の影響により、工事は当面中断されております。

大間原発の建設につきましては、今後行われる国の検証結果を踏まえ、検討されるものと考えているところでありますが、私といたしましては、原発は、何よりも安全性の確保が最優先されるべきものと、このように考えているところであります。

次に、避難所の耐震化などについてでありますが、道内の避難所に指定されている公共施設につきましては、平成20年10月現在では6458件で、そのうち、耐震改修が行われている施設は3020件、全体の46.8%となっております。

また、福祉避難所については、昨年10月末現在で、23市町村において89施設が指定されているところであります。

道といたしましては、遊民の皆様や要援護者の方々が安心して避難生活を送るために、避難所の耐震化や、福祉避難所の指定は重要なことと考えており、なお一層の改善が図られるよう、今後とも、市町村との連携のもと、しっかりと取り組んでまいります。

最後に、避難計画の作成や避難訓練についてでありますが、津波による人的被害を最小限に食いとめるためには、住民の皆様方の迅速かつ的確な避難が大変重要であり、これまでも、市町村に対し、津波ハザードマップや避難計画の作成を指導してきたところであります。

道といたしましては、今回の地震を踏まえ、市町村におけるハザードマップや避難計画の作成などについて、より積極的に取り組んでもらうよう、指導助言を行うとともに、市町村における取り組み事例を広く情報提供してまいります。

以上であります。


真下紀子議員の再質問(指摘)

○30番真下紀子君

(登壇・拍手) 私は、知事の答弁を聞いて、大変驚いたものですから、一言申し上げさせていただきたいというふうに思います。

知事の答弁では、プルサーマル計画について、知事が同意をしながら、見直しについては国任せ、防災計画の見直しについても国任せ、原子力規制組織の独立についても、御自身から発信することはありません。当事者意識としては、いかがなものかというふうに思うわけです。

今回の地震、津波は、確かに天災ではありますが、原発の事故は、国会で日本共産党が取り上げてきたことがわかるにつれ、人災だということがはっきりしてきたわけです。

その中で、知事の対応というものが大変厳しく問われている中で、ほかの県の知事の姿勢と際立って違っていると言えるのではないでしょうか。

耐震の安全度は、福島第一・第二原発、柏崎刈羽原発に次いで、泊原発は危険度が高いと指摘されている中で、高橋知事は、災害に強い北海道をつくりますと言いながら、これに対してきちっとした対応をとろうとしないのは、とても違和感がありますし、声はむなしく聞こえるばかりです。

私は、申し上げておきたいのですけれども、プルサーマル計画はやめるという判断をすること、老朽原発は、総点検をした上で、使用しないようにしていく決断が必要だというふうに思います。

静岡県の川勝知事は、代替エネルギーヘのソフトランディングなどを提案しています。

私は、泊の対岸にある寿都町が、風力発電によって、その売電収入をまちづくりに生かしていることも参考にしながら、北海道が率先して、再生可能エネルギーの転換を行い、原発依存の体質から抜け出すことを、知事に改めて御提案し、質問を終わります。(拍手)


※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。

[日本共産党道議団編集]

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