北電・泊原発「やらせ」/道の指示明らかに | 11.11.18 |
「北電社員も、地元住民だよね」「最後は地元の声」「『道民投票を』という意見を潰(つぶ)す材料にもなる」―。
北海道電力泊(とまり)原発(泊村)のプルサーマル計画をめぐる「やらせ」問題で、北電の第三者委員会が「道の『やらせ』関与は否定しがたい」と判断する根拠となったメモの全容が18日までに明らかになりました。
国からプルサーマル計画の推進を迫られた道の担当者が、北海道電力側に賛成意見の組織を進めるよう求めた内容です。
高橋はるみ知事は道の「やらせ関与」を否定していますが、国と道、電力会社が一体となって道民世論を愚弄(ぐろう)し、プルサーマル計画を推進した実態が、あらためて浮き彫りになりました。
本紙が入手したこのメモは、2008年7月8日に道庁会議室で行われた道原子力安全対策課(3人)と北海道電力(5人)の協議を北海道電力側が記録したものです。
冒頭、道側が資源エネルギー庁から、道の有識者会議の検討ペースを早め、各委員には「レクが必要では」と対策を求められたことを伝え、委員(7人)ヘの対応を相談しています。
道自身が実施した意見募集についても相談が行われ、道側は「反対意見ばかり。地元から反対派の主張を打ち消す意見もほしい」と述べています。
道から地元町村への指示をうかがわせる内容も含まれ、「町村にも頼んでいるが、北電のネットワークにも期待したい」「北電社員も地元に住んでおり、地元住民だよね…。ちなみに 『○○町、匿名希望』でも受け付けている」と「やらせ」を指示しています。
さらに「『地元の意見を尊重してほしい』『反対発言の内容は、外から来て地元の感情を逆なでするものだ』『有識者検討会議を地元で開いてほしい』というものがほしい」と具体的に「やらせ」内容を提示。「地元以外からいろんな意見があっても、『最後は地元の声』という材料にもなるし、『道民投票を』という意見を潰す材料にもなる」と、「やらせ」で出た「地元意見」を口実に、道民の意見を無視して、なりふり構わずにプルサーマル計画を推進する道の姿勢が鮮明になっています。
(北海道・小泉健一郎)
メモに記録された生々しいやり取りから、道の「やらせ」関与だけでなく、国からの指示や、道から町村への働きかけまでが明らかになりました。道民を無視した言い逃れはもう通用しません。
(11年11月19日付「しんぶん赤旗」より)
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