北海道も原発「安全神話」副読本/「文科省見直し周知する」 | 11.09.28 |
「原発は大きな地震や津波にも耐えられるように設計されている」―。破たんした原発の「安全神話」を振りまくような副読本が、北海道内の小・中学校に配布されている問題が、道議会でとりあげられました。
9月28日の道議会一般質問で、日本共産党の真下紀子議員が副読本の使用をやめるよう見直しを求め、高橋教一道教育長は「文科省が副読本の見直しを進めていることを各学校に周知する」と答えました。
問題の副読本は、文科省・エネルギー庁が発行した小学生用『わくわく原子力ランド』。「原子力発電所では放射性物質が外に漏れないよう、五重の壁でしっかりととじこめています。まちがった操作や装置に異常があっても原子炉の運転が自動で止まるように設計されています。異常が発生しても事故にならないよう緊急に運転を停止したり、原子炉を冷やしたりするしくみがあります」と書かれ、「放射性物質がもれないように、がんじょうに作り、守られています」とカラーイラストで説明しています。
中学生用『チャレンジ! 原子力ワールド』では、「大きな津波が遠くからおそってきたとしても、発電所の機能がそこなわれないように設計しています」「事故がおこったとしても人体や環境に悪影響を及ぼさないよう、何重にも対策が取られています」と、いずれも福島の原発事故で破綻した安全神話を押しつける内容です。
すでに文科省はHPから削除していますが、道教委は指導主事の研修会で文科省での見直しを周知したのみ。愛媛県や茨城県では国の指導を待つのではなく、自らの判断で指導や検討を始めています。
この副読本の製作は(財)日本生産性本部。玄海原発のやらせの舞台となった説明番組を請け負った財界系シンクタンクです。その地方組織の北海道生産性本部の関係者が2000年の道主催「ご意見を聴く会」に参加し、住民を装って泊原発3号機の建設に「賛成」意見を表明していたことも判明しています。北海道生産性本部の歴代会長は北電の副社長、常務、顧問が就任し、高橋知事は顧問になっています。
(11年10月01日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)
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