北電 総出で“やらせ”/泊原発3号機 道主催の集会 | 11.09.20 |
北海道電力泊原発(古宇郡泊村)3号機建設をめぐり、道が2000年に道内5会場で開いた「道民のご意見を聴く会」に北電社員、OB、取引業者らが一般参加者を装って多数参加し、ぐるみで賛成意見を提出していたことが分かりました。日本共産党の真下紀子道議と畠山和也道委員会副委員長が20日、道庁内で記者会見し明らかにしました。
2000年3月に泊村、同5月に旭川、札幌、帯広、函館の各市で開かれた「聴く会」すべてに北電社員が参加。真下道議の調査では、少なくとも泊で1人、旭川で11人、札幌でのべ29人、帯広で4人、函館でのべ2人の北電関係者の意見陳述・アンケート提出が確認されています。5会場の意見提出件数は202。北電関係者による会場での提出件数は47で、2割を超えます。
意見総数では賛否が桔抗(きっこう)しており、一連の「やらせ」がなければ、反対意見が賛成意見を大きく上回っていました。泊原発3号機自身が「つくられた虚偽の世論」による存在で、知事が建設を認めた根拠が崩れたことになります。
アンケート記入者には、当時旭川支店長だった松藤哲夫元副社長や、長谷川陽一元常務らの幹部名がずらり。井田邦佳現道電力総連委員長など労働組合幹部の名もありました。
松藤元副社長は「原子力発電所の事故が、原爆と同じ被害をもたらすとの意見には驚いた。(中略)反原発論には、新エネルギー、特に風力、太陽エネルギー等に期待する向きが強いが、量的にも、質的にも非現実的である」と記入しています。
「聴く会」をめぐっては、北電が住民に「賛成」の意見陳述をするよう工作していたことも判明しています。
真下道議は「聴く会を主催し、この『やらせ』の意見提出を受けて3号機建設にゴーサインを出したのは道です。高橋はるみ知事は北電役員から献金を受けていますが、北電の調査待ちにならず道自らが調査する責任がある」と話しています。
(11年09月21日付「しんぶん赤旗」より)
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