がん死亡率高い原発周辺/影響の徹底調査を 真下道議 | 11.09.12 |
全国のがんによる死亡率の調査で、北海道の市町村別SMR(別項注)によると、1泣が泊村、2位が岩内町、3位福島町、4位松前町、5位積丹(しゃこたん)町となり、一番低い音威子府(おといねっぷ)村と比較すると、北海道電力泊原発がある泊村が2.3倍となっていることが分かりました。
このほど聞かれた道議会保健福祉委員会で、「稼働中の原発の影響についても健康被害の実態調査が必要」と質問した日本共産党の真下紀子道議に対し、道保健福祉部が明らかにしたもの。
特に、子宮がんの死亡率についてみると、道内はSMR98.9で、全国平均よりも低くなっていますが、泊村と積丹町はSMR250を超えています。また、肺がん死亡率では、泊は2位、岩内は5位と、いずれも高位となっています。
真下議員はこうした実態に「がん対策としても、原発立地の放射能の影響も含めた精度の高い疫学調査を行い、検証することが必要」と迫りました。
道保健福祉部は「疫学調査を含むがん対策としての国の研究成果に基づき、国の示す対策を踏まえる」と答え、「地域の実情に応じた施策に取り組む」と述べるにとどまりました。
道内の放射線や原発事放による健康被害に関する相談は、のべ273件(3月15日〜9月7日)で、被ばくに対する不安が広がっています。しかし、今回の主要死因の調査には、放射能の影響が懸念される白血病などは入っていません。また、発症数・率についても調査されていません。チェルノブイリの事故などからも、がんや遺伝子への影響の出現が早まる危険などに対して調査を進めて対応することは不可欠です。
(注)財団法人北海道健康づくり財団による道内の主要死因の概要10年間(2000年〜09年)の調査データ。年齢構成の相違による影響をなくしたうえで、死因ごとの死亡率を比較する「SMR」という指標が示されています。全国の死亡率を100とすると、道内のSMRは104.8となっています。人口が少ないと変動が多いことや、市町村ごとの喫煙率などの影響もあり、慎重に判断することが必要です。
(11年09月20日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)
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