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申し入れ

TPP交渉に参加しないことを求める緊急要望

10.11.05

TPP交渉に参加しないことを求める緊急要望

2010年11月05日

日本共産党北海道委員会 委員長 西野 敏郭
日本共産党道議会議員団 団 長 花岡ユリ子

北海道知事
   高橋 はるみ 様

菅首相が参加を表明しているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)について、与党・民主党の「原案」で、TPP参加交渉中の9か国との「事前協議を始める」としていることが明らかになった。9日には、TPP参加交渉について、閣議決定するとも報じられている。

TPPは、例外品目なしの100%貿易自由化をめざす協定であり、農水省試算によると、主食の米生産量が90%減少し、日本の食料自給率は14%に低下するとされている。

道の試算においても、道内農業生産額は▼5,563億円(▼54.3%)、地域経済への影響等を含め本道への影響額の合計は▼21,254億円、さらに、農家戸数の72%に当たる3.3万戸がなくなり、17.3万人の雇用が失われるとされている。

農業だけでなく、漁業、林業にも甚大な影響を及ぼすことは明らかであり、第一産業による多面的な機能が失われることに、道民各層が危機感をいだいている。

民主党は「原案」に、TPP参加の一方で、「個別所得補償政策を中心とした新たな支援政策」の検討を盛り込んだとされている。

しかし、全国農業協同組合中央会が「特別決議」(10月19日)で主張しているとおり、「例外を認めないTPPを締結すれば…、農家所得が補償されても、輸入は増大し、国内生産は崩壊していく。関連産業は廃業し、地方の雇用が失われる」事態となることは、道の試算でも裏付けられている。

北海道農業は、全国の農業生産の12%(生産額ベース)を生産する食料基地であり、豊かな潜在能力をもつ北海道農業を、いっそう発展させることこそが求められている。

よって、下記のとおり要望するものである。

  1. 道知事として、TPP交渉への参加に反対する立場を明確にすること。

    ① 政府に対し、参加しないよう求めること。

    ② 「TPP交渉参加反対」の道民世論の形成のために、積極的な役割を果たすこと。

  2. 関税などの国境措置を維持・強化し、自国の食料・農業政策を自主的に決定する「食料主権」を確立するよう、政府に求めること。WTO農業協定は、根本から見直すこと。

  3. 世界的な食料不足が懸念されるなか、食料自給率の向上(当面50%)をめざした農業予算の増額を求めること。

以 上