当面する補正予算編成に関する緊急要望 |
10.08.26 |
北海道知事 高橋 はるみ 様
2010年8月26日
日本共産党北海道委員会
委員長 西野 敏郭
道議団長 花岡ユリ子
7月末に決定された今年度の普通交付税等は、道の現計予算よりも19億円多く配分されたところです。ふるさと雇用、緊急雇用、重点雇用の各交付金も、執行残が16・7億円あります。これらの余裕財源を道民福祉の向上に活用すべきです。
道においては、9月14日から開催される第3回定例道議会に提出する補正予算編成を進めますが、現下の道民生活と地域経済の実態をふまえて、切望されている以下の点について積極的対策をとられるよう、強く要望します。
記
昨年12月から子宮頚がんワクチンが認可され、10代前半に接種することで子宮頚がんを予防することは、女性の健康を守り、健やかな成長にとって有効なことです。また細菌性髄膜炎は、乳幼児期に罹患すると重症となることが多く、死亡に到る事件も発生しており、昨年暮れから国内でも任意接種できることになりました。道内では斜里町、長万部町はじめいくつも市町村で実施にふみ出し歓迎されています。道においても、9月補正予算案を計上し市町村のとりくみを応援していただきたい。
エゾシカの被害は、東北海道から道央・道南にまで拡大し被害額は40億円にのぼり、農林業や環境にも重大な影響をおよぼしています。ところが、鳥獣被害防止総合対策事業の補助事業は「事業仕分け」により「交付金」となり予算が2割カットとなり、今年度道内施行予定(要望)9・9億円に対して交付金配分は3・4億円(交付率34%)にとどまりました。多くの市町村と関係農家等は困惑しています。鳥獣被害防止法は、国と都道府県が被害防止計画に基づく施策を実施するための「財政上の措置」を講ずるよう求めています(第8条)。よって、道として地域づくり交付金を大幅増額補正して、所要の措置が万全にとられるようにしていただきたい。
全国各地で100歳以上の高齢者の所在が不明になっています。背景には地域社会で孤立する高齢者の増加・深刻化があります。孤立を防ぐためにNPOや地域住民が自発的に配食サービスや見守りサービスを実施しています。厚生労働省は、高齢者の見守り支援事業を、国の補助対象とすることを検討していると報じられています(「読売」21日付)。道としても有効な孤立防止策をとっていただきたい。
また国においては、雑居ビルなどの消防法「違反是正支援アドバイザー」制度を発足させました(平成22年2月12日消防庁)。札幌市の小規模施設(750㎡以下)における7人の死亡事故は、高齢者・障害者の小規模施設の防火体制の不備・欠陥を浮き彫りこしました。道として、①小規模施設全体の防火再点検、②全施設へのスプリンクラー配備促進、早期完了、③防火推進アドバイザー(相談員)の配置などをすすめていただきたい。
今春の新規高卒未就職者(未定率30・1%)は4月末で道内2171人と史上最悪となり、来春の就職事情も極めてきびしい状況にあります。秋田県では、新卒者就職対策として、「自動車普通免許取得補助制度」「就学資金補助制度」や、県立37高校(進学校を除く)に就職相談員各1人を配置するなど支援を強めています。道としても、未就職者対策として、①経済的に困難な家庭の就職希望者に運転免許取得講習助成を行なう、②経済的に困難な家庭の就職希望者の就活費用に対する援助を行なう、③未就職の学卒、高卒、専修学校卒業生を道職員として緊急雇用し研修や職業訓練をあわせて受けられるようにする―などの措置をすぐとるべきです。
また来春の新卒者支援として、進路相談員を現状の10倍の140人に緊急増員する補正予算を組んでいただきたい。
以 上