花岡道議と党町議ら調査/海洋牧場の藻場再生事業 | 10.10.28 |
沿岸海域の海藻が減少し、生態系が激変する“磯焼け”の対策として、栄養塩の添加で藻場を再生する試みが北海道上ノ国町の「海洋牧場」で行われています。1年間の調査の結果、コンブが顕著に大型化するなど効果を発揮。関係者の期待が高まるなか、日本共産党の花岡ユリ子道議が28日、現地調査しました。小野寺真・江差町議、安岡美穂・乙部町議らも同行しました。
「上ノ国藻場再生実証事業」は道が昨年10月から3カ年計画で実施しているものです。磯焼けの発生要因である海域の貧栄養化の対策として、農業用飼料にも使われるチッ素を含有した硫酸アンモニウムを海水と混合。この「液肥」をパイプで沖合100メートル地点に放流したほか、海藻を食害するウニを一部除去しました。
調査団は道水産林務部の寺井稔課長らの案内で「栄養塩添加装置」を視察。同装置は毎時4トンの液肥を24時間放出しています。設置費用は設計費を含めて650万円です。
種苗糸から生育したホソメコンブが未施肥の地点と比べて約7倍の長さに成長。「チッ素肥料はこの海域では有効だとわかった」と寺井課長は強調しました。
温暖な日本海は栄養濃度が低く、1800年代から磯焼けはありますが、近年の海水温の上昇も影響しているといいます。
「水産試験場の人が真冬でも潜るんです」と調査の苦労を語った寺井課長は「同じような地形の別の所でも使える技術にしたい」と話しました。
議会で磯焼け対策の強化を求めてきた花岡道議は「磯焼けで悩む沿岸漁業者にとって希望になると思う。調査には大変な苦労が伴うこともわかり、長期的に調査を支援することが大切だと感じた」と話していました。
(10年10月30日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)
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