エゾシカ対策広域で/真下道議ら足寄、本別で調査 | 10.09.02 |
日本共産党の真下紀子道議は2日、エゾシカ被害対策で北海道十勝地方の足寄町と本別町を調査しました。
北海道内はエゾシ力の大量発生で、牧草や農作物が食べられたりする被害が激増し、年間40億円の被害が報告されています。
ところが国は、鳥獣被害防止総合対策事業を今年度で打ち切る予定です。各自治体は、侵入防止柵(さく)の整備などで農業被害を食い止めようと懸命です。
真下道議は足寄町と本別町でエゾシカによる農業被害対策として取り組まれている、防止柵の設置事業について、道十勝総合振興局、地元自治体、農協の担当者に説明を求めながら、現地調査をしました。
足寄町は昨年度、エゾシカによる農業被害が約1億4000万円報告されています。町内の防止柵は、666キロメートルにわたります。
真下道議は、高さ2メートルの防止柵が万里の長城のように張り巡らされた上足寄地区を視察しました。
足寄町農協の秋山秀幸情報課長は「防止柵ができて被害は減りましたが、時間がたつと柵を飛び越えたり、穴を掘って侵入するエゾシカが現れます」と説明しました。
本別町では、エゾシカの出没が頻発している東地区で整備中の防止柵を調査。町の担当者は「西地区でも被害が出始めている。町単独の対策では限界があり、総合対策事業の継続をお願いしたい」と訴えました。
これまで不足分の牧草を買っていた酪農家は、防止柵を設置したあと被害が減り、逆に牧草を売るほど収穫があったといいます。
爆発的に増えるエゾシカの駆除には、ハンターの高齢化と処理施設が間に合わないという課題があります。
調査を終えた真下道議は「エゾシカによる農業被害はとても大きく、緊急に対策が求められています。行政区単位では限界があり、広域で対策を進める必要があります」と話していました。
調査には阿保静夫本別町議、田利政文足寄町政策委員長が同行しました。
日本共産党の真下紀子道議は2日、深刻な農業被害が出ているエゾシカ対策について、十勝管内の足寄町、本別町の両役場を訪ね、それぞれ町長と懇談しました。
足寄町の安久津勝彦町長は「農業被害は、はかり知れません。エゾシカの移動範囲はとても広く、集団が大きくなっています。一刻も早く、広域での対策が必要です」と強調しました。
本別町の高橋正夫町長は「防止柵の効果で被害が減った農家が『うちの牧草はこんなにあったのか』と驚いています。しかし防止柵はしょせん応急策。かわいそうだが増えすぎた個体数を減らすしかありません」と話しました。
真下道議は、被害の大きさに見合った総合的な対策を進めることが必要だ、との考えを述べました。
(10年09月04日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)
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