職業訓練施設存続を/83力所全廃計画/大門・紙氏ら撤回要求 | 10.02.25 |
独立行政法人「雇用・能力開発機構」が設置した施設。中小企業の労働者や求職者らを対象に、地域の産業に合わせ建設、板金などの技能向上、資格取得のための訓練を行っています。北海道の4施設だけで、08年度のべ9万3千人が利用しました。
全国に83力所ある地域職業訓練センターを2010年度末で廃止する方針を厚労省が示した問題で、日本共産党の大門みきし、紙智子両参院議員は25日、計画の撤回を求め同省と交渉しました。
東北、北海道、北関東からの参院選挙区候補や議員らとともに、はたやま和也道政策委員長、花岡ユリ子道議が参加。職業能力開発局能力開発課の横村武課長補佐が応対しました。
同センターをめぐって厚労省は09年3月、利用率が一定基準を満たす施設のみ存続すると発表。北海道内4施設をはじめ多くの施設は基準をクリアしています。ところが行政刷新会議の事業仕分けを経て同省は同年12月25日、全83施設を廃止し希望する自治体に建物を譲渡すると方針転換しました。
交渉参加者は、センターの視察や懇談をふまえ、国の責任で存続するよう訴えました。はたやま氏は「苫小牧のセンターがなくなると札幌ヘクレーンやフォークリフトの運転技能講習を受けに行かなくてはいけない」という例を挙げ、「民間ではできない大きな役割を果たしており、なくなれば地域産業の基盤が崩れてしまう。実態を見てほしい」と強調しました。
大門氏は「訓練行政から国が撤退するという大問題だ」と批判。方針転換した説明責任を果たすよう求めました。
横村氏は、廃止を前提とし「自治体への譲渡が円滑にいくように努力している」との立場を繰り返すにとどまりました。
提出した要望書は、鳩山政権が進める「働きながら資格をとる」「職業能力を高める」ブログラムと矛盾すると批判しています。
(10年02月26日付「しんぶん赤旗」より)
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