【花岡ユリ子道議、北電京極発電所の環境影響評価、銭函風力発電の低周波音の健康影響、自然への影響などただす】 | 10.11.11 |
そこで、北電が発表した平成21年度京極発電所環境モニタリング結果にかかわって伺いたいと思います。
平成11年10月の、京極発電所設置計画に係る環境影響評価準備書に対する知事意見では、16項目について、モニタリングの実施などを求めています。
その項目のうち、上部調整池付近の湿原群の状況の変化についてお示しいただきたいと思いますし、また、変化の要因をどのように判断しているのか、答弁をいただきたいと思います。
そのうち、上部調整池付近の湿原群について、北電では、工事による、湿原の地下水位や植生への影響を把握し、適切な保全措置を講じるため、平成11年度からモニタリングを実施しております。
その結果、上部調整池から離れた位置にある湿原は、工事前と比較して、著しい地下水位の低下や植生の変化は認められませんが、上部調整池に近い小湿原については、地下水位の低下が認められます。
その原因として、湿原の涵養域における土木工事や森林伐採の影響が考えられることから、北電では、専門家の助言を受け、森林機能の速やかな回復を図るため、平成18年度から平成21年度までの4年間にわたり、現地の植生を考慮した植栽を実施するなど、涵養域の保全に取り組んでおります。
道といたしましては、今後とも、継続的なモニタリングを通じて、湿原群の状況変化や、北電が実施している保全対策の効果について確認してまいりたいと考えております。
以上でございます。
次に、希少猛禽類のクマタカの飛翔やハチクマの営巣など、また、クマゲラの営巣について、状況の変化をお示し願いたいと思いますし、それをどのように判断しているのか、伺います。
クマゲラについても、平成11年度から調査を実施しており、平成21年度には、渓谷川流域や周辺地域などで生息が確認されております。
道といたしましては、工事が継続されていることから、今後とも、モニタリング結果を通じて、希少猛禽類やクマゲラの生息及び繁殖状況を確認してまいります。
以上でございます。
しかし、移植は最後の手段とされるべきというのが定説です。移植しない検討はされなかったのかどうか、伺いたいと思います。
しかしながら、影響の回避がどうしても困難な場合には、保護対策として、移植等の措置を実施することとしておりまして、エゾノレイジンソウについては、特に知事意見では触れておりませんが、生息地がダム湖に水没することなどや、移植が可能な種であることから、学識経験者の助言などを踏まえ、移植を行うこととしたものであります。
北電では、工事による改変区域内で確認されたエゾノレイジンソウについて、工事中の平成14年度及び平成15年度に、適地と見られる4地点への移植を行っております。
以上でございます。
イトウの産卵床調査が平成11年以後されていない根拠は何なのでしょうか。日本一の清流と言われる尻別川水系ペーペナイ川の水質調査結果と、保全に対する道としての考え方について、あわせてお示しを願いたいと思います。
また、京極発電所の下部調整池、つまりダムですが、ダム建設による水質への考えられる影響も、あわせて答弁をいただきたいと思います。
一方、イトウにつきましては、北電が平成11年に行った調査では、イトウ及びイトウの産卵床は確認されなかったことや、下流のペーペナイ川には既にダムが設置されていることから、イトウは生息していないと考えられたため、その後、調査は行っておりません。
水質調査につきましては、北電が、工事実施箇所の下流、上流の2ヵ所で、水素イオン濃度などについて、継続的に調査を実施しておりまして、平成21年度につきましては、おおむね環境基準を満たしておりますので、特に対策は求めておりません。
また、ダム建設による水質への影響について、知事意見の中で、富栄養化や濁度などの適切な予測評価を求めておりまして、それに対して、北電は、複数の予測手法により評価した結果、富栄養化は生じないと予測しておりますが、道といたしましては、調整池の湛水後における水質の測定結果を注視し、予測結果の妥当性について確認してまいりたいと考えております。
以上でございます。
さらに伺いますが、下部調整池の造成に伴い、相当規模の水没地が生じますが、貴重な動植物への影響についての道の判断と対応を伺いたいと思います。
このため、北電では、エゾサンショウウオについて、工事による生息地の改変を回避するように努めることとしやむを得ず改変する場合については、付近の生息地へ移動するなどの措置を講じており、エゾノレイジンソウについても、同様の措置をとっております。
道では、毎年、北電から、これらの措置状況について報告を受けておりますが、環境影響評価で検討されたこれらの措置が適切に講じられているか、引き続き確認してまいりたいと考えております。
以上でございます。
大変大きな穴がつくられておりました。これでいきますと、39ヘクタール――札幌ドーム7個分が水没しそこの生態系の多様性の全体が影響を受けるということを指摘しておきたいと思います。
次ですが、現在、環境影響評価法の改正が国会で審議中となっており、計画段階での環境影響評価、いわゆる戦略的環境アセスメントの導入など、新たな手続が規定される見込みです。
戦略的環境アセスメントについては、東京都などで先駆的に実施されていますが、法改正を踏まえた道の対応について伺います。
道といたしましては、こうした国の動向や都府県における検討状況なども参考にしながら、今後、条例改正の必要性を含め、検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
なお、この問題につきましては、知事総括質疑に上げますので、お取り計らいをいただきたいと思います。
小樽市銭函地区において、民間事業者によって、15基の風力発電施設が建設されようとしています。
札幌市は、この建設事業にかかわる環境影響評価書案について、おおむね妥当と結論づけましたが、この札幌市の判断について、道はどのように受けとめていますか、まず伺います。
この専門家会議では、騒音、低周波音の調査、予測の手法や評価の妥当性、また、景観の地域特性や植生回復への配慮について、それぞれ科学的知見に基づき検証を行い、おおむね妥当と判断するとともに、事後調査の実施などについて要望しているところであります。
道といたしましては、今回の札幌市の意見につきましては、環境保全の見地から、十分な検証を重ねた上で出されたものと受けとめております。
以上でございます。
今、全国的にも、風力発電による低周波音の問題が広がっています。住民の方々の健康への対
策については、どのようにされているのか、伺います。
道といたしましては、国の調査状況を注視するとともに、国と連携し、適切に対応してまいりたいと考えております。
今後、国が実施する調査研究において、低周波音に係る知見が蓄積されることにより、風力発電施設の影響範囲等の実態解明がなされるものと考えております。
道といたしましては、この調査研究の結果を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
今後、風力発電施設の建設や維持管理に当たっては、札幌市などの要望を踏まえ、事後調査の実施や、その結果に基づく環境保全のための措置により、環境影響の低減に向けた適切な対策が講じられるものと理解をしております。
先日、名古屋で開催されたCOP10においても、生物多様性の保全に向けた取り組みの重要性が確認されたところであり、道としても、貴重な自然環境を有する石狩海岸を保全していくべきと考えますが、見解を伺います。
この指針は、法律や条例などに基づく地域指定や基準とは異なりまして、法的な効力や規制を件うものではなく、自然の適切な保護などについて、道民や事業者などがみずから配慮するための道しるべとして策定したものでございます。
道といたしましては、事業者には、開発事業行為の実施に当たり、この指針の性格を御理解いただき、構想段階からの、自発的、積極的な自然環境への配慮を促してきておりまして、先般、この風力発電事業者は、みずから実施した環境影響評価の結果に基づきまして、動植物に対する影響を可能な限り低減するために、設置基数を削減するとしたところでございます。
いずれにいたしましても、今後とも、石狩海岸における風力発電施設について、情報収集を行うとともに、必要に応じて、希少野生動植物の保護についての配慮を求めてまいりたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
以上で終わります。
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[日本共産党道議団編集]