2010年11月10日 決算特別委員会第1分科会質疑概要
質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員
保健福祉部所管の問題
道内3割の市町村で国保減免の実績なし。道「制度周知と適切な運用に努める」
○花岡ユリ子委員
私から、保健、福祉などに関しての質問をさせていただきたいと思います。
まず、国民健康保険料・税の市町村独自の減免制度の概要について伺いたいと思います。
○村本真人健康安全局参事
保険料・税の減免制度についてでありますが、保険料・税の減免につきましては、保険料は国民健康保険法第77条、保険税は地方税法第717条により、保険料・税の納付・納税義務者が、災害や所得の大幅な減少などの特別な事情により、納付、納税が困難であると認められる場合に限り減免することができることとされており、各自治体は、減免の要件等を条例で定めることとされております。
以上でございます。
○花岡ユリ子委員
平成21年度までの3ヵ年について、減免規定を持っている自治体数と、減免実績のある自治体数、さらには、減免世帯数及び減免額の推移を答えていただきたいと思います。
○村本健康安全局参事
保険料・税の減免規定などについてでありますが、まず、保険料・税の減免規定の整備状況につきましては、道内のすべての自治体で、条例による減免規定が設けられております。
次に、平成19年度から平成21年度までの3年間の減免実績を申し上げますと、平成19年度については、68の自治体で減免実績があり、対象となった世帯数は2万2977世帯で、減免額は約17億7600万円となっており、平成20年度につきましては、108の自治体で減免実績があり、対象となった世帯数は2万5914世帯で、減免額は約20億8500万円となっており、平成21年度につきましては、127の自治体で減免実績があり、対象となった世帯数は3万567世帯で、減免額は約24億3900万円となっているところでございます。
○花岡ユリ子委員
今の答弁をお聞きしましても、減免世帯数、さらには減免額とも、ふえていますが、その要因をどのように分析しているのか、お答えください。
○村本健康安全局参事
減免実績の増加についてでありますが、各自治体におきまして、保険料・税の減免制度の被保険者への周知の取り組みが積極的に行われたことや、昨今の景気の低迷などにより、所得が著しく減少し保険料・税を納付することが困難な世帯がふえたことが主な要因ではないかと考えているところでございます。
○花岡ユリ子委員
減免実績のある自治体と、ない自治体、国保加入世帯に占める減免世帯の比率、さらには、減免世帯1世帯当たりの減免額について、北海道全体、及び、私の住む小樽市を含む後志管内の状況を、平成21年度の実績で示していただきたいと思いますが、いかがですか。
○村本健康安全局参事
後志管内の減免実績などについてでございますけれども、平成21年度におきまして、道内で減免実績のありました自治体は127の自治体で、実施率は約72%となっており、後志管内については、20の自治体のうち、11の自治体で減免が行われており、実施率は55%となっているところでございます。
また、国保加入世帯に占めます減免世帯の割合につきましては、全道では約3.5%に対し後志管内では約0.9%となっており、減免世帯1世帯当たりの減免額につきましては、全道平均で7万9790円、後志管内では3万3618円となっているところでございます。
以上でございます。
○花岡ユリ子委員
全体として、減免実績のある自治体数は伸びているものの、平成21年度の実績では、依然、50の自治体で実績がありません。
後志管内でも市町打開格差がありまして、蘭越町では、125世帯を対象に減免している一方で、減免実績がゼロまたは1世帯という自治体が13もあります。制度的・財政的支援として道がなすべきことについて、どのようにお考えか、所見を伺いたいと思います。
○遠藤憲治健康安全局長
減免に関する道の支援についてでございますが、道といたしましては、保険料・税の減免制度の円滑かつ適切な運用が図られるためには、各自治体が、被保険者に対し、制度の趣旨や内容を十分周知することが大切と考えているところでございまして、これまでも、自治体に対して、文書あるいは会議などの場を通じまして、積極的な周知について助言してまいりましたほか、小規模保険者の被保険者向けに道が作成、配付しておりますハンドブックにおきましても、その内容を記載するなど、減免制度の周知に取り組んできたところでございます。
今後とも、この減免制度が広く周知され、適切な運用が図られるよう、努めてまいりたいと考えております。
また、減免につきましては、国民健康保険法に基づき、一定の要件で国の補てんがございますが、道といたしましては、国が補てん対象としないものについて、北海道国民健康保険調整交付金により財政支援を行ってきておりまして、平成21年度の実績で約2億9800万円を交付しているところでございます。
今後とも、自治体の負担軽減に努めてまいりたいと考えております。
○花岡ユリ子委員
今、国保税などが大変高い自治体もふえてまいりまして、滞納世帯もふえてきているという現実もありますので、道としての支援策が大事なのではないのかというふうに思います。ぜひ、減免制度を充実させるという方向で指導していただきたい、このことをつけ加えておきたいと思います。
院内感染対策の取り組み強化、専任職員確保急げ
○花岡ユリ子委員
次に、院内感染対策について伺います。
本年9月の、首都圏の大学病院での院内感染の発生を発端に、多剤耐性菌による院内感染が大きな問題となりました。現在は終息したものと考えられますが、医療の安全確保の上で、十分な取り組みが必要と思います。
そこで、数点伺いたいと思いますが、院内感染対策については、医療法の規定に基づき、医療機関には、院内感染対策指針の策定などが義務づけられており、それ以上の体制がある医療機関には、診療報酬上の医療安全対策加算などが算定されると承知していますが、医療安全対策加算とはどのようなものなのか、伺います。
あわせて、平成20年度、21年度、22年度で加算を届け出た医療機関数の推移をお答えいただきたいと思います。
○小林基雄医療薬務課長
診療報酬上の医療安全対策加算についてでございますが、医療機関における医療安全対策につきましては、医療法の規定により、安全管理のための指針の整備や委員会の設置などについて義務づけされているところでございますが、さらに多くの医療機関における医療安全対策の充実拡大を推進する観点から、診療報酬におきまして、医療安全対策加算が設けられているところでございます。
医療安全対策加算の要件といたしましては、医療安全管理部門を設置していること、医療安全対策に係る研修を受けた専従または専任の医師を初め、薬剤師、看護師等を医療安全管理者として配置していること、患者相談窓口を設置していることなどとなっておりまして、この要件を満たしているものとして、北海道厚生局長に届け出た医療機関につきましては、診療報酬に加算できることとなっているところでございます。
加算届け出医療機関数の推移につきましては、平成20年度末で69医療機関、平成21年度末で78医療機関、平成22年は、10月1日現在で172医療機関となっているところでございます。
以上でございます。
○花岡ユリ子委員
今の答弁をお聞きしましても、加算届け出医療機関が大変ふえている。やっぱり、それだけ、感染問題に対して皆さんが真剣に取り組んでいらっしやるのだろうと思います。
それで、医療安全対策加算の届け出医療機関は172ヵ所とのことですが、2次医療圏の救急告示病院、災害拠点病院、感染症病床や結核病床を有し感染症に対応する病院のそれぞれで、医療安全対策加算を届け出ている医療機関数を答えていただきたいと思います。
○小林医座薬務課長
医療安全対策加算の届け出をしている病院についてでございますが、本年10月1日現在、届け出をしている172医療機関のうち、病院は161施設であり、救急告示病院は、250施設のうち104施設、災害拠点病院は、25施設のうち22施設、感染症病床や結核病床を有する感染症指定医療機関は、31施設のうち25施設が加算の届け出をしておりまして、これらの届け出病院数の合計は、重複を除き、104施設となっているところでございます。
なお、残る57の病院は、一般病院が48、精神病院が9となっているところでございます。
以上でございます。
○花岡ユリ子委員
診療報酬上の医療安全対策加算を届け出ている医療機関は、全道の病院数と比較して3割程度、救急告示病院でも4割程度にとどまっており、このことは、加算の要件である専任職員の確保が難しいことによるものと考えます。
道として、院内感染対策について、これまでどのように取り組んできたのか、今後どのように取り組むつもりなのか、伺いたいと思います。
○田中宏之医療政策局長
院内感染対策の取り組みについてでございますが、医療機関におきましては、医療法の規定に基づき、院内感染対策に係る指針の策定や委員会の開催、職員研修の実施など、医療の安全確保のための体制を整備することとされております。
道におきましては、毎年実施する医療機関の立入検査におきまして、院内感染対策の実施状況を重点的に確認しており、昨年度の立入検査結果では、病院588施設のうち、指針の未策定が7施設、職員研修の未実施が2施設、確認をされましたが、これらの施設には指導を行い、その後、改善が図られていることを確認しております。
また、毎年、北海道病院協会との共催で開催をしている医療安全管理者養成講習会や、保健所において開催をしている医療安全研修会などにおきまして、医師や看護師などの医療従事者に対し、院内感染防止に対する意識の向上に努めているところでございます。
さらに、本年9月の、帝京大学医学部附属病院における院内感染の発生を受けまして、国からの通知を踏まえ、全道の医療機関に対し注意喚起を行い、改めて、院内感染防止対策の周知徹底を図ったところでございます。
道といたしましては、今後とも、こうした立入検査の実施や、医療従事者を対象とした研修会の開催などを通して、医療機関における院内感染防止対策が徹底されるよう、万全を期してまいりたいと考えております。
○花岡ユリ子委員
ICDやICNなどの専門認定の取得や、道立病院でも配置しているリンクナースなど、関係医療団体と協力して、対策を進めていただきたいと思います。
人工内耳装用者の通院費、電池交換などに支援を求める
○花岡ユリ子委員
次に、人工内耳装用者への対策について伺います。
平成21年度の、道内における聴覚障がいがある方々の人数、そのうち、人工内耳を装用している方は何人いるのか、また、人工内耳の専門医療機関の配置についても、あわせて答弁をいただきたいと思います。
○坂本明彦障がい者保健福祉課長
人工内耳装用者等の状況についてでございますが、道内におきます聴覚に障がいのある方々は、平成22年3月末現在の身体障害者手帳の交付数によりますと、2万6634人となっているところでございます。
そのうち、人工内耳を装用している方々の数につきましては把握しておりませんが、平成18年の障害者自立支援法の施行に伴いまして、自立支援医療制度を活用し、人工内耳を装用した方々は、平成21年度までの4年間で18人となっており、受診医療機関として把握しておりますのは、札幌医科大学病院など、札幌と旭川市内の4医療機関となっているところでございます。
○花岡ユリ子委員
人工内耳の手術ができる専門医療機関は限られています。
函館に住むHさんは、人工内耳を装用していて、調整のため、3ヵ月に1回、札幌医大に来なければならないと聞きました。道南やオホーツク、道東、道北に住む人工内耳装用者にとって、通院費だけでも助成してほしいという思いは当然です。
本道の地理的条件に合わせて、障がいがある人や難病患者さんらが、札幌あるいは旭川の専門医療機関を利用する際の通院費助成について、道として実施すべきと考えますが、どのようにお考えになるでしょうか。
○坂本障がい者保健福祉課長
障がいのある方々への通院費助成についてでございますが、身体障がい及び知的障がいのある方々のうち、一定程度の障害のある方々が、JRなどの公共交通機関を利用する場合、交通事業者の判断によりまして、運賃の割引が実施されているところでございますが、JRでは、特急料金を割引対象から除外していることに加えまして、精神障がいのある方々に対しましては、そもそも、これらの対象から除外されているなど、制度の充実強化が求められているものと考えております。
道といたしましては、これまでも、国や関係団体などに対しまして、割引制度の適用範囲の拡大について要請してきているところでありまして、今後とも、精神障がいのある方々を含め、制度の拡充に向けて、積極的に要請してまいりたいと考えております。
○花岡ユリ子委員
Hさんの住む函館市は、ことし7月から、人工内耳の電池について助成を開始しました。他県及び道内市町村の、人工内耳の電池交換にかかわる助成の実施状況はどうなっているのでしょうか。
少なくとも、函館市は始めたのですから、市町村と道が協力して、助成を検討していただきたいと
考えますが、御答弁をいただきたいと思います。
○中野孝浩地域福祉担当局長
人工内耳装用者に係る支援等についてでございますが、道内の各市町村におきます、電池交換に係る助成状況につきましては把握してございませんが、昨年10月に徳島県が取りまとめました調査によれば、いずれの都府県におきましても、実施されていなかったところでございます。
人工内耳を装用する方々の経済的負担の軽減についてでございますが、装用のための手術費用や破損による交換に係る費用は、医療保険の対象となっておりますが、電池交換などについては、その対象となっていないところでございます。
道といたしましては、人工内耳装用者など、重度の障がいのある方々の経済的負担の軽減に向けまして、今後とも、国に対しまして、障害児福祉手当や障害基礎年金の充実強化などについて要望してまいりたいと考えております。
○花岡ユリ子委員
道として、障がい者や難病患者の皆さんへの支援を拡大するよう、重ねてお願いして、次の質問に入りたいと思います。
生活困窮者の命守るライフライン確保の仕組み、要保護者の発見、把握対策を
○花岡ユリ子委員
次は、要保護者の発見、把握について伺います。
ことしの夏は猛暑で、とりわけ東京などでは、暑さが大変厳しくて、多くのお年寄りが熱中症で亡くなるという痛ましい事件が相次ぎましたが、中には、生活に困窮している人が、電気料金の滞納を理由に電気をとめられ、暑さの中で亡くなるということもあったと聞きます。
こうした事態を受け、このたび、厚生労働省は、生活困窮者が電気などのライフラインを確保するための対応について通知を出したと聞きますが、通知の趣旨、内容はどういうものなのか、まず伺いたいと思います。
○池田俊博生活保護担当課長
国の通知の趣旨などについてでございますが、厚生労働省では、今夏、記録的な猛暑に見舞われた中、生活困窮のため、料金等を滞納し、水道、電気等のライフラインがとめられ、死亡等に至るという大変痛ましい事案が発生したことを受け、本年10月1日付で、生活困窮者に関する情報を福祉事務所が適切に収集する観点から、改めて、管内における電気、ガス等の事業者等との連絡・連携体制の実態を把握した上で、必要な措置を講ずるよう求めたところでございます。
○花岡ユリ子委員
本州のほうであれば、本当に暑い夏の厳しさですけれども、北海道は、御存じのとおり、これから寒さが厳しくなります。そういうときに、ライフラインである電気が切られるということは、死を意味すると思うのです。
そういう意味でも、ライフラインを確保し、命を守る仕組みが重要だろうというふうに私は思います。生活困窮者が暖房をとれずに死に至るような痛ましい事件が起きないよう、対策を講じるべきと考えますが、道の見解を伺いたいと思います。
○川合正昭福祉局長
今後の対策についてでございますが、各福祉事務所におきましては、これまでも、市町村の保健、福祉や社会保険、水道、住宅等関係部局及び民生委員などと連携を図りながら、生活困窮者に関する情報の把握に努めてきたところでございます。
道といたしましては、今後、電気やガス等のライフラインの提供事業者等に対し、生活困窮者と把握できた場合には、供給停止に関し、柔軟な対応を求めますとともに、生活保護法施行事務監査や全道査察指導員会議などを通じまして、各福祉事務所に対し、生活保護制度の周知について指導するなどして、要保護者の把握と適正な保護の実施に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○花岡ユリ子委員
確かに、今、こういう御時世ですから、勝手にお節介をするような人もいらっしやらないし、生活に困窮している人方が、いろいろな形で皆さんに訴えるということも余りないから、現実は、この方がどういう生活をしているかということを知らない中で、生活せざるを得ない状況だろうと思うのです。
そういう中でも、例えば、もし何らかの発信がされているということがあれば、助かる命も出てくるのではないかと思いますので、そういうシグナルなんかを見落とさないで、お節介かもしれないけれども、どうですかと一声かけていくことも、今大事なことになってきているのだなということを、今回のこの問題で私自身も認識いたしました。
そういう点で、痛ましい事件が起きない前に、ぜひ、何らかの対策などを道としても検討していただければいいなというふうに思いますので、これは要望しておきたいと思います。
グループホーム消防用設備の整備についてただし、道としての対策求める
○花岡ユリ子委員
次に、ことし3月の、札幌市北区のグループホーム火災について、第1回定例会でも取り上げましたが、その後の状況について、数点質問いたします。
国は、消防用設備の設置について通知を出し、財政措置も拡大してきたと承知していますが、火災事故後の国による対策強化の概略を説明願いたいと思います。
○斉藤昇高齢者保健福祉課長
国における防火安全対策についてでありますが、本年3月の、札幌市の認知症高齢者グループホーム火災を受けて設置いたしました、厚生労働省、総務省、国土交通省の3省から成るプロジェクトでの対応方針を踏まえ、厚生労働省では、平成22年9月29日付で、グループホームを含めた地域密着型サービスの基準に関する省令等を改正し、275平米未満のグループホームについても、積極的にスプリンクラー設備の設置に努めることや、避難訓練の実施に当たっては、地域住民や消防関係者の参加が得られるよう、運営推進会議を活用し、連携体制を確保することとされたほか、国土交通省、消防庁におきましても、建築基準法や消防法令の違反等の是正や、避難対策の充実等について徹底を図ることとされたところでございます。
また、消防法で設置義務がない、延べ床面積が275平米未満のグループホームのスプリンクラー設備や、自動火災報知設備、火災通報装置の整備につきましては、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金の助成対象とし、先般、経済危機対応・地域活性化予備費の使用について閣議決定が行われたところでありまして、道への配分額については、今後、北海道介護基盤緊急整備等臨時特例基金への積み増しを行い、これら設備の整備に対し助成することとしているところでございます。
以上でございます。
○花岡ユリ子委員
今紹介がありました国の対策によって、道内の、スプリンクラー設置義務のある施設、義務のない施設、それぞれについて、整備がどのように促進され、国の対策が功を奏したのかどうか、答弁を伺いたいと思います。
○斉藤高齢者保健福祉課長
スプリンクラー設備の整備についてでありますが、設置義務のあるグループホームにつきましては、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金、いわゆる市町村交付金を活用し、今年度、246施設が整備される予定となっており、今後積み増しする予定の北海道介護基盤緊急整備等臨時特例基金も活用し、すべての施設において、平成23年度末までに整備される予定となっているところでございます。
また、設置義務のないグループホームにつきましても、今年度、42施設が整備を予定しており、今後、同じく、基金も活用し、現時点で47施設が整備を予定しているところでございます。
以上でございます。
○花岡ユリ子委員
今お答えがありましたとおり、設置義務のある消防用設備はスプリンクラーだけではないと承知しています。自動火災報知機など、ほかの消防用設備の整備実績及び今後の整備計画について示していただきたいと思います。
○斉藤高齢者保健福祉課長
自動火災報知設備などについてでありますが、自動火災報知設備や火災通報装置につきましては、平成21年4月の消防法施行令の改正によりまして、すべての施設に設置義務が課せられたところでございます。
このたび、これらの設備の整備について、いわゆる市町村交付金の助成対象とされたところであり、本年度、自動火災報知設備については23施設、火災通報装置につきましては56施設が、それぞれ整備を予定しているところでございます。
また、残るグループホームにつきましても、今後積み増しする予定の北海道介護基盤緊急整備等臨時特例基金も活用し、消防法施行令の経過措置期間であります明年度中に、すべて整備される予定となっているところでございます。
以上でございます。
○花岡ユリ子委員
スプリンクラーを初め、消防用設備の整備を求めてきた私ども日本共産党議員団としましても、整備が一定促進されたことは評価できるものです。
しかし、依然として、設置義務のある施設でも、経過措置期間の最終年度である平成23年度を整備予定としている施設もあります。整備の促進のために、道は、今後どのように取り組むお考えなのか、伺います。
また、整備費がネックとなっている事業者のために、例えば、道が無利子の貸付金制度を創設するなどしてはどうでしょうか。年度末まで待ってつけるというのじゃなくて、もう二度とあのような悲惨な事故を起こさないためにも、やっぱり、早目早目に対策を立てていく必要があるのではないかというふうに思います。人の命にかかわることですから、ぜひ、そのことを重視していただきたいと思います。
そして、最後になりますけれども、施設の防火安全対策について、予算の問題も含めまして、知事にもっと詳しくお聞きしたいこともありますので、知事総括質疑に上げていただきたいと思います。
必要性増す高齢者の見守り、安否確認。介護保険料に影響しない枠組み検討を
○花岡ユリ子委員
次に、高齢者の見守り、安否の確認などについて伺います。
介護保険法に基づく地域支援事業の中で、高齢者の見守り・安否確認に資する事業を実施している市町村数について、事業ごとに示していただきたいと思います。
○三角真一介護運営担当課長
高齢者の見守り・安否確認等に資する事業についてでございますが、道内の市町村において実施されております地域支援事業のうち、高齢者の見守り等に資すると考えられる事業と、その実施市町村数は、平成21年度末現在でございますが、高齢者の自宅への配食サービスを実施する事業が58市町村、認知症の方に対する見守り支援事業が34市町、生活援助員を派遣する事業が27市町村、高齢者の自宅を訪問し、安否確認等を行う事業が9市町、端末機を活用して徘回に対応する事業が9市町、介護保険サービスとは別に、ホームヘルプサービス事業が6市町、電話による安否確認等を行う事業が5市町となっているところでございます。
○花岡ユリ子委員
今御答弁をいただきましたが、食事・配食サービスは、平成21年度で道内58自治体が実施しています。そのうち、人口10万人以上の9市について、食事・配食サービスの金額や頻度、利用している高齢者世帯数などを示していただきたいと思います。
○三角介護運営担当課長
人口10万人以上の9市が実施した食事・配食サービスの状況についてでございますが、これらの市におきましては、まず、1食当たり、利用者から徴収する利用料金が300円から500円となっておりまして、配食の回数につきましては、多くの市で週5回から6回となっているところでございます。
また、これらのサービスの利用者数は、札幌市で約2000人となっておりますが、その他の8市の平均は、おおむね400人となっているところでございます。
○花岡ユリ子委員
都市部の状況について答弁いただきましたが、7事業を一つも実施していない約90の自治体は、多くが町村です。
そこで伺いますが、小樽市を除く後志の19町村での7事業の実施状況はどうなっているのか、また、こうした事業を実施していない町村では、介護保険の枠外でのサービスについて、どのように取り組んでいるのか、伺います。
○三角介護運営担当課長
後志管内の実施状況などについてでございますが、小樽市を除く後志管内の19町村における、高齢者の見守り・安否確認に資する事業の実施状況は、複数の事業を展開している自治体もございますが、食事・配食サービス事業が2町、生活援助員の派遣事業が1村、電話サービス事業が2町、認知症高齢者見守り支援事業が2町となっておりまして、管内全体の実実施町村は5町村となっております。
また、介護保険法による地域支援事業以外の取り組みにつきましては、市町村社協が中心となり、町内会やボランティア団体等が行う小地域ネットワーク活動の事業を8町村において実施し、高齢者への声かけや安否確認を行っておりますほか、各市町村に配置されております民生・児童委員の訪問活動による安否確認等も行っているところでございます。
○花岡ユリ子委員
後志の19町村のうち、実施は5町村にとどまるわけですが、7事業は地域支援事業なので、介護保険制度の枠内で行われていると承知しています。
地域支援事業が、各自治体の介護保険料に影響していますが、7事業を実施している小樽市と後志管内の5町村について、見守りに関する事業費と、それに係る地域支援事業の負担割合についてお答えください。
○三角介護運営担当課長
小樽市と5町村におきます、見守り等に資する事業に係る事業費などについてでございますが、平成21年度実績で、小樽市が772万4000円、岩内町が385万6000円、積丹町が21万3000円、古平町が162万5000円、余市町が564万3000円、赤井川村が96万5000円となっておりまして、すべて、地域支援事業の任意事業として実施されているところでございます。
これらの事業費の負担割合は、65歳以上の高齢者からの介護保険料が20%、国が40%、道が20%、市町村が20%となっております。
○花岡ユリ子委員
さきに述べたとおり、約90自治体は、7事業の一つもやっていませんし、一方では、事業をやったら、20%の負担割合で介護保険料に影響するわけです。介護保険料に反映しない制度の枠組みなどが検討される必要があるのではないでしょうか。道としての財政支援の必要性とあわせて、答弁をお願いいたします。
○中野地域福祉担当局長
制度の枠組みなどについてでございますが、現在、国におきましては、次期介護保険制度改正に向けまして、社会保障審議会介護保険部会などの場で、さまざまな検討がなされているところでございますが、こうした中、介護保険制度におきます公費負担割合など、財源のあり方や、見守り・配食サービス、生きがい推進サービス等の総合的なサービスの創設、市町村の判断により、さまざまな生活支援サービスを提供できるような枠組みなどについても、検討課題とされ、議論されているものと承知しているところでございます。
道といたしましては、こうした国の動向を注視いたしますとともに、必要に応じまして、国に対して提言や要望を行う一方、外部の有識者を含みます検討会を設置するなどいたしまして、地域包括支援センターを核とした、地域で高齢者を支える関係機関とのネットワークの構築など、道内における地域包括ケアのあり方について検討するなどいたしまして、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられますよう、積極的に取り組んでまいる考えでございます。
○花岡ユリ子委員
この間、この場所で、いろいろな分野から、今の高齢者の生活あるいは見守りの問題などを質問してきました。
それで、この問題については、これから、高齢化社会を前にして、やはり、大変大きな事業になっていくのではないかと思います。今後一層、必要性を増すのではないかというふうに思います。
その点で、知事にもこの問題を改めてお聞きしたいと思っておりますので、知事総括質疑に上げていただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。