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道議会での取り組み
2010年第4回定例会予算特別委員会

【花岡ユリ子道議、道営住宅の高齢者支援、京極発電所、銭函風力発電について知事にただす】 10.12.07

2010年12月7日 予算特別委員会 知事総括質疑概要

質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員

6年連続全国最下位の女性幹部登用。「後ろ向きの知事の姿勢改めよ」と指摘

○花岡ユリ子委員

初めに、女性職員の登用について伺います。

私は、高橋知事が誕生した翌年から、道の女性職員の幹部登用について、何度となく知事と議論を重ねてまいりました。

ところが、道庁の女性幹部の登用状況は、全都道府県で6年連続の最下位で、しかも、他県の追随を許さない低さで推移しています。なぜ、こんな状況がいつまでも続くのか。知事は、本当に女性道職員を幹部に登用する気があるのか、疑問が大きくなるばかりです。

そこで、知事に幾つか伺いますが、6年連続の全国最下位で、しかも、唯一、1%台の1.8%という現状をどういうふうに受けとめているのか、知事の率直な感想をまず伺いたいと思います。

○高橋はるみ知事

道庁における女性職員の登用に係る認識についてでありますが、女性職員の登用については、これまでも、能力や適性を考慮し、役付職員への積極的な登用に努めてきているところでありますが、道における本庁課長級以上の職に占める女性職員の割合は、委員が御指摘のとおり、他県に比べ低い状況となっているところであり、女性職員の積極的な登用を図っていく必要があるものと考えております。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

ただ全国最低だというだけではないのです。5年間でわずかに0.7%、1年間で約0.1%と、ほんのちょっぴりしか伸びていないということこそが大問題なのです。ほとんど効果的な対策を打ち出さなかったということではありませんでしょうか。知事は、そのことをまず認めるべきだと思います。

知事は、3年前にも、私の質問に対して、主査級の女性職員の割合が高まっていること、つまり、幹部職員侯補者のすそ野が広がっていることを示しながら、登用率の向上に向けて積極的に取り組むと答弁をしました。

しかし結果として、女性幹部職員の登用が伸びていないことについて、どう受けとめているのか、改めて伺いたいと思います。

○高橋知事

これまでの取り組みについてでありますが、女性職員につきましては、担任業務の見直し、広域的な異動など、幅広い職務経験を積ませることに特に配意してきたところであり、知事部局の課長級以上の女性職員数は、10年前の平成12年4月には11名であったのに対し本年4月では18名と、徐々に増加はしているところでありますが、他県に比べ低い状況と認識をいたしております。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

そのようにお答えになるだろうなというふうには思っておりました。

全国には、女性の登用を大きく伸ばした県が幾つもあります。6年前には6.5%だったのを10.6%までに伸ばした鳥取県や、岩手県を除いて、一、二%台がほとんどだった東北各県も、今や、すべて3%以上に伸び、青森県では5.3%まで躍進させています。

他県では、数値目標を持って取り組んでいる県もあります。知事も真剣に学んではいかがでしょうか。

全国都道府県の女性職員の平均登用率は5.7%です。高い志がなければ、物事は進みませんし、ましてや、成功しないというのが世間の常識だと思います。

知事も、当面は、全国平均に一刻も早く近づけるよう努力すべきと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋知事

今後の取り組みについてでありますが、職員の登用に当たっては、職務遂行上の必要な知識や勤務実績、さらには管理監督能力、指導力などについて総合的に判断をし適任者を配置しているものであります。

女性管理職に関する数値目標を設定することは、課題もあるものと考えているところでありますが、他府県の取り組みも参考にしながら、女性職員の人材育成に努め、毎年度の人事の中で、女性職員の登用をしっかりと積み重ねていくことが必要と考えているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

総務部長は、先日の質疑で、女性役付職員の未配置分野への配置の拡大を図ると答弁いたしましたが、知事はいかがお考えなのでしょうか。

○高橋知事

未配置分野への配置の拡大についてでありますが、女性職員の能力の活用と役職者への登用は、人事異動方針において、具体的な方針として位置づけておりますが、今後より一層、未配置分野への配置拡大を図ることにより、道政のさまざまな分野において、女性職員の視点や発想を発揮する機会を広げるとともに、能力向上の機会を広げていくことが、女性幹部職員の登用に向けて重要であると考えております。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

昨年度から、女性職員のキャリア形成を目的とした研修も始まったと聞いておりますが、新たな対策にも積極的に取り組むべきではないでしょうか。

知事の口癖のような決まり文句であります、男女の別なく適任者を配置とか、適材適所というだけでは、女性幹部の登用は進まなかったことははっきりしたのです。まず、そのことを認めるかどうか。

そして、その立場にしっかり立った上で、今後、どう登用率を高めるか、実効性のある対策をどう進めるつもりなのか、知事の決意を伺いたいと思います。

○高橋知事

今後の取り組みについてでありますが、女性職員の幹部職員への登用につきましては、政策や方針決定過程への参画のみならず、男女とも働きやすい職場づくりなどの面からも、大変重要であると認識をいたしております。

今後、女性職員の登用拡大を図るためには、将来の幹部職員登用に向けた人材育成に、さらに意を用いることが必要であり、道政のさまざまな分野で、女性職員の視点や発想を発揮できる機会や、能力向上の機会を広げるとともに、昨年度から新たに実施している、女性職員のキャリア形成を目的とした研修について、より一層工夫するなど、さまざまな側面から、取り組みを強化する必要があるものと考えております。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

この間、全国では、女性幹部の登用の門戸を次々と広げているのに、北海道は、唯一、1%台という事実を、知事は、恥ずかしいことと思われないのでしょうか。

女性職員の登用は、男女平等の観点からはもちろんのこと、女性の権利条約から見ても、ないがしろにできない重要な問題だと思います。

知事も、働く女性として、子育てと仕事に悩んだこともあったと思います。そういう問題に対して、いろいろな方の援助で、両立してきたのではないでしょうか。

女性が、男性と肩を並べて仕事をするというのが当たり前の時代です。それは、長年の、女性労働者の男女平等の運動でかち取ったものです。女性職員の幹部登用に後ろ向きの知事の姿勢は、前近代的なものと言えるもので、女性はもとより、すべての道民に失望を与えるものではないかと厳しく指摘しておきたいと思います。

港湾の耐震改修、市町村の耐震化計画、防災計画支援など「災害に強い北海道構築に力発揮を」求める

○花岡ユリ子委員

次に、耐震化などの災害対策について伺います。

各部審査を経ての私の印象は、北海道地域防災計画の地震防災計画編が必ずしも実際に生かされていないということです。

そこで、道民の安全に責任を負う知事に、以下、見解を伺ってまいります。

昨日の委員会でも、ソフト、ハードの両面で、耐震化、津波対策などについてただしてきました。

国は、補正予算で、社会資本整備費として3776億円を組み、国土ミッシングリンク――未整備区間の解消を名目に、高速道路や国際港湾・空港など、大型事業を盛り込んでいます。選択と集中の名で、地方港湾の整備などが後回しにされてはなりません。

地方港湾の中でも、離島とつながる江差港や瀬棚港は、別枠で耐震化を促進すべきではないでしょうか、見解を伺いたいと思います。

○高橋知事

地方港湾における岸壁の耐震化についてでありますが、道が平成21年に策定をした、北海道の港湾振興ビジョンにおきましては、港湾は、災害時に、緊急物資などの輸送拠点として重要な役割を担うことから、災害に備えた港湾機能の向上を図るため、国や港湾管理者など関係主体と連携をし、大規模地震に対応した耐震強化岸壁などの整備の促進を図ることといたしているところであります。

江差港や瀬棚港における耐震強化岸壁の整備につきましては、港湾管理者から国に対して要望がなされていないところではありますが、今後、道といたしましても、その意向をお聞きしながら、適切に対処をしてまいりたいと考えるところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

耐震化などの災害対策については、道民や市町村、各機関が、それぞれ役割を担わなければならないと考えますが、地域防災計画を進める上での、特に道が果たすべき役割と、道知事としての決意を最後に伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋知事

道の果たすべき役割などについてでありますが、地域防災計画では、地震などの災害から、道民の生命、身体及び財産を保護するため、道は、道内全域における防災対策を推進するとともに、市町村等の防災活動を支援しかつ、その総合調整を行う役割を担っているところであります。

この役割を果たすため、道といたしましては、北海道耐震改修促進計画を策定し、既存建築物の耐震化を計画的に推進するほか、震度被害マップなどの整備が進んでいない市町村に対し、作成例の提供や助言などの支援を行っているところであります。

私といたしましては、道民の安全、安心を確保する上で、耐震化等の震災対策を積極的に推進することが極めて重要と考えているところであり、震災対策の一層の強化に向け、市町村や防災関係機関とも連携をし、しっかりと取り組んでまいる考えであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

今答弁があった北海道耐震改修促進計画は、計画期間が平成18年度から27年度までであり、今年度がちょうど中間年に当たります。

しかしながら、市町村所有の公共建築物の耐震化は、4年間で、68%から75%へと、7ポイント、アップしたにすぎません。

知事は、防災計画の総合調整を担う役割にとどまらず、ソフト、ハードの両面で、災害に強い北海道の構築のために力を発揮していただきたいと思います。そのためにも、命を守るべき状況に対して、我が党も協力を惜しみません。そのことを述べて、私の質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。


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