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2010年第4回定例道議会

【花岡ユリ子道議の2010年第4回定例会道職員等給与条例等改定案質疑】 10.11.25

2010年11月25日 2010年第4回定例道議会

質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員

道職員、教職員らの給与80億円減額のための条例に反対

○78番花岡ユリ子君

(登壇・拍手)日本共産党道議団を代表して、先ほど提案のありました議案第14号ないし第18号について、知事、人事委員長、教育長に質問いたします。

このたびの人事委員会勧告に伴う給与改定の主な内容は、期末・勤勉手当の0.2ヵ月引き下げ、本俸について、55歳以上は1.5%カットする、寒冷地手当も1.2%引き下げるというものです。

他方、これではひど過ぎるということで、独自縮減措置については、12月から3月までの給料月額に係る縮減措置を、例えば、一般職員では、7.5%カットから7.0%カットに緩和することとしています。

そこで伺います。

道人事委員会の調査によれば、独自縮減後の月例給は、民間給与との比較で、約2万5000円、率にして6.68%も低い実態にあり、昨年と比較しても、較差は0.26%拡大しています。

このたびの独自縮減措置のわずかな変更で、その差はどの程度緩和されるのか、民間との逆転現象はどうなるのか、まず伺います。

また、このように、年々、官民較差が拡大していることは、労働基本権を大幅に制限している人事委員会勧告制度そのものの根幹を揺るがす大問題であると考えますが、人事委員長はどのような見解をお持ちか、伺います。

次に、このたびの改定では、新たに、55歳を超える職員の給与の抑制措置として、給料月額及び管理職手当の支給額を一定率で減額することとしています。

この、初めて導入する年齢差別の賃金体系の目的について、人事委員長に伺います。

また、この、年齢による給与の抑制措置は、職務給の原則の破壊だと考えますが、人事委員長の認識を伺います。

本庁や出先機関には、数多くの臨時職員の方が勤務されています。その方たちの時給は790円、日額で6120円とお聞きしましたが、これなら、年間所得は約160万円にしかならず、ワーキングプアの水準です。他府県の時給を見ますと、大半は800円から900円であると聞きます。

このたびの給与改定に伴い、臨時職員の賃金も見直されることと思いますが、現行において、正規職員とは時給当たりでどの程度の較差があるのか、伺います。

また、この点は、他府県の調査も実施し、改善していくべきと考えますが、あわせて見解を伺います。

道のラスパイレス指数は、大幅な独自縮減措置を始めた平成18年と19年が全国最下位、平成20年は全国ワースト2位、平成21年は全国ワースト4位と、極めて低位にあります。

道職員の多くは、毎日、必死になって、それぞれの職場で懸命に働いています。

しかしながら、今回の独自縮減措置の変更は、給料月額でいえば、わずか0.5%の緩和にとどまるなど、人事委員会勧告による影響額の74億円に対して、わずか27億円しか復元されていません。

勧告に伴う改定の影響を考慮して、せめて独自縮減措置については大幅に緩和するという選択はなかったのか、知事の見解を伺います。

このたびの給与改定に伴って、独自縮減措置の緩和を考慮しても、さらに約47億円がカットされることとなり、当初分を合わせれば、約447億円ものカットとなります。

給与は、安ければ安いほどいいというものではなく、公務員の労働にふさわしい給与水準を確保すべきであり、また、こうした継続した削減は、地域経済のデフレ化を一層進めることになるのは必至です。

今日の日本経済は、円高体質の進行、派遣など、雇用の不安定化が深刻化しており、従来型の政策では、これまでの悪循環を繰り返し、より深刻化させるだけです。

人件費の削減は、道財政の健全化に、いっときは貢献できたとしても、将来的にはデフレの深刻化の道、経済破壊への道に突き進んでいくことにつながると考えます。

特に厳しい道内経済の状況にあって、このたびの改定が地域経済にどれはどの打撃を与えるとお考えですか。

また、こうした影響については、産業連関分析を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

最後に、教育長に伺います。

特別支援学校には、約4200人の教員等が働いています。発達障がいを持つ子どもがふえ、また、重複障がいも深刻化する中で、授業はもちろんのこと、校内外の巡回やもろもろの会議、加えて、保護者の方々や関係者との連絡や相談、打ち合わせなど、大変忙しく、懸命に働いています。

しかしながら、特別支援学校の教員等に支給される給料の調整額は、昨年は4分の1削減され、このたびの改定でさらに削減されることになります。

これには、学校長からも大きな不安の声が出されていますが、教育長は、学校現場を訪れ、こうした声に耳を傾けたことがあるのでしょうか。

日々頑張っている教職員を励まし、また、重い障がいを抱える子どもたちを支援することが道教委の役割であると考えますが、教育長は、このたびの改定についてどのような認識をお持ちか、伺います。

以上、再質問を留保して、1回目の質問を終わります。(拍手)


知事答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇)花岡議員の質問にお答えをいたします。

最初に、道職員等の給与改定に関し、まず、民間給与との較差についてでありますが、今回の給与改定に当たっては、道人事委員会からの勧告内容を尊重することを基本に、厳しい財政状況ではありますが、平成22年12月から平成23年3月までの4ヵ月間に限り、職員給与について、給料に係る独自縮減措置を0.5%緩和しようとするものであります。

これにより、この間の独自縮減後の職員給与と民間給与との比較では、職員給与が、民間給与を、率にして6.43%、額にして2万4307円下回るものと試算され、緩和措置を講じなかった場合よりも、額にして1785円、その差は縮小することとなるところであります。

次に、臨時職員の賃金についてでありますが、道における臨時職員の賃金は、その職務内容にかんがみ、道職員の初任給を基本として、賃金日額の単価を決定しているところであり、道の新規採用職員とおおむね同様の水準にあるところであります。

他都府県におきましても、それぞれの都府県の職員との均衡や地域の雇用情勢等を考慮して単価設定が行われているものと承知いたしております。

道といたしましては、臨時職員の賃金単価については、今後とも、職務内容や職員給与との均衡等も勘案の上、決定してまいりたいと考えているところであります。

次に、独自縮減措置の取り扱いについてでありますが、人事委員会においては、本年の勧告に当たって、道内民間事業所の給与の状況や、国家公務員の給与に関する人事院勧告の内容を踏まえるとともに、道職員の給与の減額措置が長期間にわたっている状況や、職員の士気確保の重要性などについても勘案された結果として、勧告が行われたものと承知をいたしております。

私といたしましては、このような人事委員会からの勧告内容を尊重することを基本に、厳しい財政状況ではありますが、今年度に限り、給料の縮減措置を0.5%緩和するほか、12月期の期末・勤勉手当に係る縮減措置を行わないこととする独自縮減措置の一部を緩和するなどの所要の措置も講じながら、給与改定を実施することが適当と判断したところであります。

最後に、地域経済への影響などについてでありますが、このたびの道における給与改定によって、学校職員や警察職員を含む道職員全体の給与経費は、約80億円の減額となる見込みであり、産業連関分析による道の試算では、今回の給与改定による消費支出等が道内経済へ与える影響額は、約60億円の減額と見込まれているところであります。

道職員の給与改定は、道内の民間企業の月例給や一時金の厳しい状況を反映したものであり、今後とも、経済・雇用対策に努力をしてまいりたいと考えております。

以上でございます。

人事委員会委員長答弁

○人事委員会委員長中澤義則君

(登壇)花岡議員の質問にお答えいたします。

初めに、人事委員会勧告についてでありますが、人事委員会勧告制度は、労働基本権を制約されている公務員の適正な処遇を確保することを目的とするものであり、当委員会は、従来より、地方公務員法に基づく情勢適応の原則など、給与決定の基本的な考え方に沿って勧告を行ってきております。

現在実施されている給与の減額措置は、道の極めて厳しい財政状況から、期間を限定して行われているものでありますが、その措置が長期にわたっていることから、早期に、本来あるべき適正な給与水準を確保するよう、本年の職員の給与に関する報告において要請しており、知事においては、本年の給与改定に当たって、当委員会の勧告を踏まえるとともに、職員の年収減や士気の確保などを考慮して、減額措置の一部を緩和することとしたものと承知しております。

次に、55歳を超える職員の給与の抑制についてでありますが、当委員会としては、これまでも、職員の給与水準を、国や民間従業員の給与等を考慮して定めることを基本に勧告を行っておりますが、人事院においては、全国的に見て、民間における50歳代後半層の平均給与額が50歳代前半層よりも低くなっており、この年齢層において、国の職員との給与差が拡大傾向にある実情を踏まえ、当面の措置として、50歳代後半層の給与水準を是正するための措置について勧告を行ったものであります。

本道においても、賃金構造基本統計調査のデータから、50歳代後半層の職員の給与については、国と同様の傾向が見られ、職員全体について、民間との較差を解消する中で、50歳代後半肩の職員の給与については、人事院勧告の内容に準じた措置を講ずることが適当であると判断したものであります。

また、職務給の原則との関係については、現状においても、給料表上、職務に対応した各級には相当数の号俸が設けられており、職務、職責は同じであっても、個々の職員の給料月額は異なるものであることや、今回の減額措置は、職員が属する職務の級の最低の号俸の額を下回らないように措置するものであることなどから、このたびの措置は、職務給の原則に抵触するものではないと考えております。

いずれにいたしましても、当委員会としては、今後とも、給与勧告制度を通して、職員の勤務条件を社会一般の情勢に適応させるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。

以上でございます。

教育長答弁

○教育長髙橋教一君

(登壇)花岡議員の御質問にお答えいたします。

道職員等の給与改定に関しまして、特別支援学校教員等の給料の調整額についてでございますが、本年度、国におきましては、学校現場から要請の強い、大幅な教職員定数の改善を図るため、特別支援学校教員等の給料の調整額に係る義務教育費国庫負担金の算定基礎を、給料月額の4.5%相当から3.75%相当に、来年1月から引き下げを行うこととしたところであり、道人事委員会からも、こうした国の方針などに基づき、報告がなされたところでございます。

今回の改正につきましては、教職員の給与削減となるものでございますが、国の方針などを踏まえ、道人事委員会から報告があったものであり、道教委といたしましては、これらを尊重して対応してきているところでございまして、来年1月からの適用に向け、近く、道人事委員会規則が改正されることになっているものと承知をしているところでございます。

また、私も、これまで、機会をつくって、特別支援学校を訪問しているところでございますが、その際には、指導場面を視察したり、学校長などから、教員の勤務状況を伺っているところでございまして、教員は、日々、児童生徒の個別の指導計画の作成や教材研究などを行いますとともに、保護者とも連絡をとり合いながら、障がいのある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた、きめ細やかな対応に努めているというふうに承知をしているところでございます。

道教委といたしましては、今後とも、教職員が働きやすい職場環境づくりを推進し、学校の活性化や教職員の士気の向上が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

以上でございます。


再質問(指摘)

○78番花岡ユリ子君

(登壇・拍手)(発言する者あり)数点にわたり、指摘をいたします。

1点目は、民間との較差が一層広がっているということです。

給料に係る独自縮減措置を0.5%緩和した後の民間給与との較差は、昨年は2万3209円と試算されるのに対して、ことしは、知事の答弁にもあったとおり、2万4307円まで拡大することになります。

民間給与より2万円以上も低い給与水準で、かつ、国家公務員給与との比較であるラスパイレス指数は、平成21年で92.8という現状のもと、地方公務員法が求める、民間や他の自治体職員、国家公務員等の給与との考慮がされていないということを厳しく指摘しておきます。

2点目は、道の臨時職員の賃金についてですが、正規職員の独自縮減措置に準じて、5%の減がなされていますが、もともと、時給換算では830円程度であり、賃金水準が決して高くないにもかかわらず、現在は790円となっています。1ヵ月の平均法定労働時間で試算すると、13万7000円にしかなりません。

道庁や振興局等で働く約700人の臨時職員の方々の賃金水準の引き上げが求められることを指摘しておきます。

3点目は、独自縮減措置を講じているにもかかわらず、さらに、月例給や期末手当、寒冷地手当、義務教育等教員特別手当などを減額することについてです。

道の独自縮減措置は、既に12年続いており、平成18年度以降を見ただけでも、教職員、警察職員を含む道職員の給与削減額は約2000億円に上っています。

公務員に準拠する労働者も数多くおられるのですから、賃金抑制の競い合いを、まるで道が先頭を切って行っているような現状を改め、道民支出の約60%を占める個人消費を拡大し景気回復を図るべきであることを指摘します。

以上の理由により、今回の給与改定には反対であるということを申し上げ、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)(発言する者あり)


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