【真下紀子道議、特別支援教育、旭川市への高等養護学校設置、ICT環境整備事業、学校事務集約化などただす】 | 10.10.05 |
初めに、特別支援教育について伺います。
本年、全面施行された北海道障がい者条例において、保健、福祉と教育の連携を推進し、障がい児の希望等に応じた教育を受けられるよう配慮することとされております。
近年、小中学校の特別支援学級の在籍者が増加しておりますが、医療的ケアが必要な障がいがあるお子さんが通常の学級で学習することを希望する親御さんの声も私のところに届いております。こうした場合、その相談体制がどのようになっているのか、初めに伺います。
特別支援教育課長笹山幸弘君。
就学にかかわる相談についてでありますが、学校教育法施行今に基づき、障がいのある子どもが、小学校や特別支援学校小学部に就学する場合には、市町村教育委員会は、あらかじめ、その保護者と専門家の意見を聞かなければならないこととされており、各市町村教育委員会は、教育学、医学、心理学等の専門家から成る就学指導委員会を設け、保護者からの要望の聞き取りや、子ども一人一人の障がいの状態等に応じた教育的ニーズ等について取りまとめ、その結果に基づき、就学先を決定し、保護者に通知しているところであります。
こうした中、道教委におきましては、道立特別支援教育センターにおける巡回教育相談や、道立特別支援学校において保護者からの相談に当たっているところであり、また、市町村教育委員会に対しては、就学指導に関する研修会や、各種資料の提供を行うなどの支援を行っているところであります。
道教委といたしましては、障がいのある子どもの就学に当たりましては、就学に関する本人や保護者の意向を十分に踏まえるとともに、一人一人の教育的ニーズに応じた就学の場が確保されることが重要であると考えているところであります。
答弁にあった、一人一人の教育的ニーズに応じた提供ということになりますと、準備期間を見通した就学相談が必要と考えますが、いかがでしょうか。
就学相談についてでありますが、障がいのある子どもについて、幼児期から義務教育への円滑な移行を図っていくためには、市町村教育委員会が、幼稚園や保育所のほか、医療、保健、福祉等の関係機関と連携しながら、できるだけ早い段階から、就学に関する保護者の相談に当たることが大切であると考えております。
道教委としては、これまで、市町村教育委員会に対し教育、医療、保健、福祉等の関係機関等の連携を図るため、特別支援連携協議会を設置するよう指導してきたところであり、本年度から、関係機関等との連携により、就学相談や就学指導の充実を図るモデル事業を実施しており、今後、その成果を市町村教育委員会に周知するなどして、市町村教育委員会において早期から教育相談が実施できるよう、支援してまいりたいと考えております。
モデル事業に取り組むということなのですが、幼児期から円滑に就学に向けていくという段階で、相談を受けてから、受け入れの準備には、その障がいに応じて、あるいは医療的二ーズに応じて、施設改修やスタッフの確保などが必要となる場合もありますけれども、どのような例があるか、例示をお願いいたします。
障がいのある子どもへの対応についてでありますが、市町村の教育委員会が、障がいのある児童生徒を小中学校に受け入れる場合においては、障がいの状態に応じて、スロープやエレベーターの設置、トイレの改修など、施設設備を整備するほか、特別支援教育支援員の配置や、地域のボランティア等との連携、さらには、看講師の配置などを行った例もあると承知しております。
特別支援教育支援員の地方財政措置の状況と、看護師の配置状況についてはどうなっていますか。
支援員等についてでありますけれども、特別支援教育支援員の配置に関する、地方交付税による算定においては、平成21年度で、1校当たり120万円とされているところであります。
また、市町村が小中学校に配置している看護師は、平成22年9月末現在で、7の市と町、11人となっているところであります。
市町村は非常に努力していると思うのですけれども、十分な措置ではないわけですよね。こうした場合、道教委としても、小中学校に対して支援する必要があるのではないかと考えますけれども、どのように取り組むおつもりでしょうか。
学校教育局長吉田一昭君。
小中学校への支援についてでございますけれども、道教委といたしましては、道の厳しい財政状況から、道独自に、市町村に対し、支援員などのスタッフの配置に係る支援を行うことは難しいものと考えておりますが、今後とも、支援員の配置について、国の交付税措置の趣旨を踏まえ、必要とする学校に支援員が配置されるよう、市町村に働きかけますとともに、国に対して、引き続き、支援員及び看護師配置の財政措置の充実が図られるよう要望してまいります。
また、担当する教職員の専門性の向上を図るため、各教育局の専門家チームによる巡回相談、道立特別支援学校の教員を派遣し、指導計画の作成などについて助言、援助を行うパートナー・ティーチャー派遣事業、道立特別支援教育センターや道立特別支援学校における、小中学校の教職員に対する研修などに引き続き取り組みまして、小中学校において、一人一人の教育的ニーズに応じた支援が行われるよう努めてまいります。
財政的には厳しいと言って、何もできないように言いますけれども、そこは知恵を働かせていただきたいということを申し上げておきたい。
それから、さまざまな支援策を今おっしやいましたけれども、就学後についても、さまざまな悩みや困難があるわけですから、その点についても、十分に相談に乗っていただくように求めておきたいと思います。
次に、高等養護学校の設置についてなのですけれども、旭川への高等養護学校の設置については、道議会で何度も議論されてきております。
旭川市に高等養護学校をつくる会からの請願があって、ことし6月には道議会でも採択をされ、道教委では、このことを重く受けとめているとの見解をお示しになっております。
また、道教委が策定した「特別支援学校の配置に関する考え方」において、できるだけ身近な地域において専門的な教育を受けられる体制を整備することとしておりますが、実際に入学希望者の多い旭川市への設置については、あらゆる方策、可能な限りの方策を講じて、早急に取り組む必要があると私は考えております。
そこで、設置への課題について道教委はどのようにお考えなのか、お示しください。
設置への課題についてでありますが、近年、知的障がい高等養護学校への進学希望者が増加傾向にあり、こうした中、道教委としては、できるだけ身近な地域において専門性の高い教育を受けさせたいという保護者のニーズに対応していくためには、今後とも、受け入れ体制の整備に努めていくことが必要であると考えており、整備に当たりましては、圈域における既存校の設置状況や、対象となる生徒の状況、進路動向などについて見通しを立てながら、検討していかなければならないものと考えております。
答弁にありました、圈域における既存校の設置状況についてなのですけれども、確かに、道北圈域には高等養護学校があります。しかしそこは4人部屋で、座り机なのです。そして、おふろは週2回になっています。これは、今の子どもたちの生活実態とは乖離した特別な環境ではないかというふうにお母さんたちはとらえるわけです。
私は、やはり、既存の高等養護学校の生活環境改善は早急に行うべきだと思いますし、あわせて、そういったところが、4人部屋から1人部屋あるいは2人部屋となった場合には、定員が減るわけですから、旭川への高等養護学校の設置は、急いでやっていかなければいけない課題ではないかと考えます。
それで、旭川市教委との話し合いというのは一体どうなっているのか、伺いたいと思います。
地元への説明などについてでありますけれども、旭川市や上川地方総合開発期成会などから、道北圈への高等養護学校設置について御要望をいただいているところであり、その際、旭川市教育委員会や関係町村教育委員会から、地域の実情などについて伺っているところであります。
また、道教委といたしましては、道北圈における高等養護学校の現状や、設置に関する基本的な考え方などについて説明しているところであります。
説明ということで、意見も聞いているとは言っているのですけれども、具体的な意見交換には至っていないわけですよね。
それで、やはり、これは早急に進めなきやいけないということで、設置について、具体的にどのように進めていこうとしているのか、教育長に伺っておきたいと思います。
教育長髙橋教一君。
高等養護学校の設置についてでございますが、旭川市や上川地方総合開発期成会などから、道北圈への高等養護学校の設置につきまして御要望をいただいているところでございまして、これは、できるだけ身近な地域におきまして、障がいのある生徒に専門的な教育を受けさせる機会を確保したいという地元の強い思いのあらわれである、そういうふうに認識をしておるところでございます。
道教委といたしましては、今後とも、特別支援学校の設置状況や、対象となる生徒の状況あるいは進路動向といったものを考慮しながら、高校などの道有財産や、市町村の小中学校の空き教室や空き校舎などといった既存施設を活用した分校、分教室の設置も含めて検討を行い、受け入れ体制の整備に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
教育長の答弁の、分校、分教室の設置も含めて検討を行うという中には、旭川のことも当然念頭にあったと思いますので、具体的検討を早急に始めるように求めておきたいと思います。
次に、スクール・ニューディール事業等について伺ってまいります。
平成21年度の文科省の事業で、スクール・ニューディール構想として、ICT―インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジーという良い名前の環境整備事業が実施をされましたが、事業の目的と概要、道内の実績額、実施状況についてはどのようになっているのか、まず伺います。
高校教育課長西崎毅君。
ICT環境整備事業についてでございますが、この事業は、平成21年度の国の補正予算により予算化されたものであり、学校に、地上デジタルテレビ、コンピューターや校内LAN及びLANサーバーなどの周辺機器などを整備し、教育の情報化を促進することにより、児童生徒の情報活用能力、教員のICT活用指導力の育成や校務の負担軽減を図ることを目的としたものでございます。
道立高等学校及び特別支援学校における契約実績につきましては、地上デジタルテレビは、268校に1371台、およそ1億8400万円、コンピューターは、257校に7881台、およそ5億8600万円、校内LANサーバー等の周辺機器は、152校に整備しその金額はおよそ1億4000万円であり、ICT環境整備事業全体といたしましては、およそ9億1100万円となったところでございます。
なお、校内LAN自体は、道立学校におきましては既に整備済みでありますことから、事業実績はないところでございます。
この事業の効果等については、次の機会に譲るとして、今回は、この事業が地域経済にどういった影響を与えているかという点で、次に伺います。
この事業によるデジタルテレビやパソコンなどの整備については、地元の中小業者が納入可能と考えます。
そこで伺いますけれども、ICT環境整備事業による中小企業への発注率が幾らか。文部科学省から、3月に、中小企業への発注率に関して問い合わせがあったと承知をしておりますが、その時点での数字及び現在取りまとめた数字、それぞれをお答え願いたいと思います。
ICT環境整備事業におきます中小企業への発注率についてでございますが、文部科学省から本年3月に照会があった際には、その時点で確定をしていました教育局契約分の、デジタルテレビ及びコンピューターに係る契約実績額を報告したところでございまして、その時点での発注率は、北海道では50.1%と報告したところでございます。
その後、学校において契約いたしました周辺機器の契約実績額を合わせまして、事業費全体における、大手企業と中小企業の区分を精査いたしましたところ、最終的な中小企業への発注率は、北海道では82.4%となったところでございます。
82.4%に引き上がった理由ですが、パソコン整備に係る入札で、全道で延べ32の業者が落札をしているうち、株式会社NTT東日本―北海道が九つ落札して、全体の3割に達しているわけです。特に、石狩教育局では、八つの入札で三つ、後志教育局にあっては、二つの入札すべてがNTTに落札されて、他の道内中小企業を排除した結果となっております。
この会社は、NTT東日本の100%出資の子会社でありまして、資本金が4000万円のため、法律では中小企業の扱いとなっているのですけれども、NTT東日本の100%出資ですから、道教委が大企業と見間違うほど、実質、大企業なわけです。
さらに言えば、契約社員700人について登録型派遣への置きかえを行って、雇用の不安定化を招いたことが国会で取り上げられている会社なのです。ここが、こういった集中的な落札をするということは、地域経済への波及効果としてはちょっとどうなのかと思うわけです。
土木工事などで分割発注する際に、落札した業者は、それ以降の入札から排除するなどの手法がとられていて、地域経済への波及効果を高めるという工夫があります。中小企業の受注率向上を目指している道としても、そういった配慮をすべきではなかったかと思いますが、いかがでしょうか。
中小企業への配慮についてでございますが、知事部局におきます土本工事につきましては、限られた工事期間内での同種の工事を分割施工する場合などにおきまして、同一業者が複数の工事の受注することによって、その目的が損なわれることを避けるために、落札者となった者の他の工事の入札書を無効とする方式がとられることもあると聞いているところでございます。
このたびの物品購入につきましては、一般に市販されている製品の購入を内容とするものでございますが、道教委といたしましては、中小企業の受注機会の確保、拡大を図るための手法といたしまして、道内を32ブロックに分けて発注する方式としたところでございます。
発注する際に32ブロックに分けたから、工夫をしたというような主張だと思うのですけれども、文科相からは、平成21年6月16日付で、「「スクール・ニューディール」構想の推進に関するお願い」という特別な文書で、発注について触れている通知がされていると承知をしておりますが、ここに何と書かれているのか、お答えをいただきたい。
あわせて、ICT環境整備事業というのは全国の事業ですから、全国の状況がどうなっているのか。中小企業への発注率が90%以上の県が何県あって、学校ごとや教育支局ごとの発注と契約などについて、90%以上となっている県の発注方法はどういった工夫をされているのか、伺いたいと思います。
ICT環境整備事業の全国の発注状況についてでございますが、3月の文部科学省での取りまとめによりますと、中小企業への発注率が90%以上の県は11県であり、その11県に聞き取りをしましたところ、例えば、デジタルテレビの整備では、学校ごとに指名競争入札または随意契約を行った県は3県、県教育委員会で一般競争入札で分割発注したのは3県であり、県教育委員会で指名競争入札をした県はなかったところでございます。
また、コンピューターの整備では、学校ごとに指名競争入札を行った県が2県、県教育委員会で指名競争入札を行った県は1県、県教育委員会で一般競争入札で分割発注したのは2県だったところでございます。
また、平成21年6月16日付の文部科学大臣の文書の内容についてでございますが、「スクール・ニューディール構想など経済危機対策の推進に当たっては、地域の中小企業の受注機会の増大に努めるとともに、迅速かつ柔軟な発注を行い、地域の活性化に資するよう、よろしくお願いいたします。」との記載となっているところでございます。
この通知には、「地域経済への波及」というところまで書き込まれています。こういったことは異例だと思うのです。
しかし、この大臣名の文書を受けて、11県は、工夫した結果として90%以上の発注になっていると考えますし、北海道は、NTT東日本―北海道を除くと50%ですから、その違いは歴然としているのではないかと思います。
スクール・ニューディール事業は終了したのですけれども、教育庁として、物品、工事、役務の契約がこれからも続きます。この5年間の中小企業への発注状況は、75.5%、74.6%、77. 9%などと横ばいで、伸びているとはとても言えない状況です。
今後、中小企業との契約を拡大するための対策を強めるべきと考えますが、具体的な方策を含めて、認識を伺います。
総務政策局長坂本和彦君。
中小企業の受注機会の確保についてでございますが、道教委といたしましては、これまでも、平成15年に道が全庁的な方針として策定いたしました、中小企業者等に対する受注機会の確保に関する推進方針に基づきまして、中小企業者が参加しやすくなるよう、競争入札や見積もり合わせにおいて、価格面等も考慮しながら、例えば、できるだけ分離分割して発注を行ったり、また、事業所の所在地に関し特定の管内、市町村に地域を限定する資格要件を設定するなど、契約方法の工夫に努めてきたところでございます。
こうした中、道教委による中小企業への発注率につきましては、過去5年間の平均を見ますと、物品購入では、道の全庁で71%のところ、92%であり、工事契約では、全庁で93%のところ、98%となっており、いずれも、道教委は全庁平均を上回っている状況でございますが、役務の契約では、全庁平均の68%を下回る52%にとどまっているところでございます。
道教委といたしましては、今後とも、契約の適正な履行や競争性を確保しつつ、道全体で定めました推進方針に基づき、さらなる中小企業の受注機会の確保を図るよう、各教育局などに対し周知徹底してまいる考えでございます。
学校ごとに契約されていますから、物品購入や工事契約は、細かな発注が成果を上げているのだと考えます。
しかしながら、役務については、官庁警備に機械警備などを導入して、雇用や地域中小企業との契約とは相反する方向で進められているので、期待が薄いのではないかと思いますが、今の答弁は、頑張るという答弁だったものですから、この後どうなるのか、経過について注視をしていきたいと思います。
次に、学校事務の集約化等について伺います。
ことし4月からスタートした道立学校運営支援室について伺います。
「道立学校の事務改善の実施」で支援室をどのように位置づけ、また、現場の改善や効率化、集約化をどのように図る計画なのか、まず伺います。
あわせて、今年度、事務室業務を20%削減とした根拠についても伺います。
教育職員局参事髙橋充君。
道立学校運営支援室の位置づけなどについてでありますが、道教委におきましては、平成21年3月、校長会、教頭会、事務長会の代表などを構成メンバーとしました道立学校事務改善推進委員会により取りまとめられました、道立学校に関わる事務改善方策報告書の方向に沿って、事務の効率化、省力化や、学校運営の機能強化を目的とする事務改善の取り組みを進めてきたところでございます。
道立学校運営支援室は、道立学校の事務改善の取り組みを進めるため、物品購入契約や旅費の支出といった、各学校に共通する業務について、順次、集約化を図り、集中処理を行うとともに、道立学校が行う事務処理方法の見直しの相談に応じるなど、学校運営に対するサポート体制の充実を図ることとして、本年4月に各教育局に設置したところでございます。
また、事務室業務の軽減についてでありますが、この報告書におきましては、道立学校で行っている具体的な業務項目ごとに業務時間を調査しており、本年度の事務室業務につきましては、この業務量調査に基づき積算した結果、支援室への業務集約により約10%、また、道立学校の事務処理方法の見直しのために導入した文書処理システム、旅費支援システムなどにより約10%、合わせて約20%の業務量の軽減を見込んだところでございます。
先ほどの質問と関連するのですけれども、この集約化に懸念を持ちます。地元中小企業の受注機会が減少するのではないかと考えますけれども、その心配はないのでしょうか。
道立学校運営支援室からの発注についてでありますが、道立学校の物品購入事務を支援室へ集約するに当たっては、先ほど申し上げました、中小企業者等に対する受注機会の確保に関する推進方針に基づき、各教育局において、物品調達等事務手続要項を定め、地元中小企業者等が入札等に参加しやすくなるよう、管内の学校所在地により区分したブロックごとに契約を行うなど、地元中小企業者等に対する受注機会の確保に努めているところでございます。
道教委といたしましては、今後とも、契約の適正な履行や競争性を確保しつつ、道全体で定めた推進方針に基づき、地元中小企業者等に対する受注機会の確保を図るよう、毎月開催しております支援室長会議などを通じて周知徹底してまいります。
この点についても、経過を注視してまいりたいと思います。
鳴り物入りで、集約化が図られるということになったのですけれども、4月以降の学校の事務室の実態については、事務改善、事務室業務の軽減につながらなかったという声が私どものほうにたくさん届きました。
支援室の異動時期は4月だったわけですが、赴任旅費の支出遅延、書籍や保健室の医薬品などの物品購入の支出おくれなどがあったということです。道教委は、現場からどのように報告を受けて把握しているのか、状況をお示しください。
支援室における業務の状況把握などについてでありますが、本年4月、支援室の業務を開始して以降、支援室長会議を毎月開催し支援室における業務や学校の状況などを把握してきておりますが、支出事務にかかわり、一部におくれが見られましたことから、6月以降、月に複数回、業務処理状況の調査を実施し状況の把握に努めたところでございます。
また、7月から8月にかけて、本庁の担当職員が、支出事務におくれがあった管内の支援室や学校を直接訪問し、業務処理の状況について、逐次、把握してきたところでございます。
その結果、調査開始時点では、赴任旅費の未払いはございませんでしたが、赴任旅費を除く旅費の未払いにつきましては、4、5月分が、7月5日現在で1457件あったところ、7月30日現在では2件となっており、物品購入の未払いにつきましては、4、5月分が、7月5日現在で150件ありましたが、7月30日現在では10件となっているところでございます。
現在のところ、いずれも支出されているところでございます。
4月1日から業務を始めて、調査が6月からということで、随分遅いなという感じがします。4月、5月は何か別な調査でもやられていたのでしょうか。
それで、この件数が非常に多いと思うのですが、金額的には、額面でそれぞれ幾らだったか、数字を持ち合わせていたら、お示し願いたいのですけれども、どうですか。
赴任旅費を除く旅費の末払いにつきましては、先ほども申しましたが、4、5月分が、7月5日現在で1457件、約625万円であったところ、7月30日現在では2件、1万6000円となっております。
また、物品購入の未払いにつきましては、4、5月分が、7月5日現在で150件、およそ660万円でありましたが、7月30日現在では10件、12万4000円となっているところでございます。
1285万円ですか、これが4ヵ月にわたって遅延をしている。
それで、660万円の物品購入に関しては、地元の中小業者の方もいらっしやったのではないかと心配をするところですけれども、効率化のために集約したはずが、こうした混乱を生じた原因をどのようにお考えでしょうか。
支援室における業務の状況についてでございますが、本年4月、支援室に学校事務職員を配置して業務を開始いたしましたが、業務のふくそうする時期に、財務会計トータルシステムにふなれな職員が、集約化による大量の業務処理を行うこととなったこと、また、集約の結果、支出に必要な書類の整備に時間を要した例が多くあったことなどにより、特に年度当初に支出事務のおくれを生じたものと考えているところでございます。
道教委といたしましては、学校運営や教育活動などに支障が生じないよう、教育局全体で協力体制をつくるなど、支出のおくれを取り戻すための対応をしてきた結果、その後、事務処理は順調に行われているものと考えているところでございます。
道教委みずからが4月開始を決めた支援室の設置と集約化ですよね。そして、4月1日の人事異動も道教委が決めて、時期を重ねているわけです。
それなのに、財務会計トータルシステムを使う職員にとっては、助走なしでスパートをかけられたようなものじやないでしょうか。見通しが甘過ぎるというふうに強く指摘させていただきたいと思います。
今後の事務改善の進め方についてなのですが、事務室では、具体的に、300人を超える職務がえによる対応の困難さがあると聞いております。こうした状況へのサポート体制等を含めて、学校の実情をよく踏まえて、道立学校の事務改善に慎重に取り組むべきではないかと考えますが、教育長の見解を伺います。
道立学校の事務改善の進め方などについてでございます。
初めに、道立学校における職務がえ職員に対するサポート体制についてでございますが、本年4月に実施いたしました、職務がえに関するアンケートの結果を踏まえまして、資質、能力の向上を図るため、職員の状況に応じて実務研修期間の延長を図りますとともに、私ども本庁の総務課職員が学校を直接訪問し、職務がえ職員との面談を行い、個々の状況に応じたアドバイスをするなど、取り組みを進めてきたところでございまして、今後とも、学校と十分連携を図りながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
また、事務改善の進め方についてでございますが、道教委といたしましては、支援室と学校との情報交換など、さまざまな場面をとらえた連携が行われるよう取り進め、引き続き、支援室長会議等において処理状況の確認を行い、支援室への業務集約が円滑に行われるよう努めますとともに、道立学校が行う事務処理方法の見直しにつきましても、実践的な改善例を全道に周知するなどいたしまして、学校の実情を踏まえながら、道立学校の一層の事務改善が図られるよう、努めてまいる考えでございます。
教育長は、支援室への業務集約を進めるのだという答弁だったのですけれども、今回、こういった重大な混乱が起きたわけですよね。
さらに、今、答弁の中でおっしやったように、職員の状況に応じて実務研修期間の延長を図る必要が出るくらい、困難が残っているというのが現場の伏況なのじやないでしょうか。
道教委のアンケートに対して、指導の効果がない、指導者に課題があるなどといった回答も寄せられていると承知をしております。
学校事務職員に対する道教委の考え方というのが何か違うのじやないか。先ほど、業務量軽減について、10%と10%、両方で20%だといった答弁でしたが、一律、事務量に比例して人員削減をするような、そういうやり方をしているという印象は免れません。
それで、学校事務職員は、単なる事務職ではなくて、教育的役割を果たしている人たちだというふうに、きちっと位置づける必要があると思います。
私のほうから、現場の声をよく聞くことと、一律、機械的な集約化を見直すということで、慎重な対応をするように重ねて求めておきたいと思います。
そして、人員削減に傾斜した道の対応というものが北海道の教育環境を劣悪化させていく、こういう危険があることを指摘して、質問を終わります。
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]