【花岡ユリ子道議の2010年第3回定例会一般質問】 | 10.09.29 |
初めに、道職員の人事について伺います。
人事の公平性の確保は、組織の大原則です。公平性が確保されてこそ、職員の士気は高まり、組織も活性化されるものであり、恣意的な人事や不明朗な人事はあってはなりません。
道における職員の配置及び幹部への登用は、公平公正の原則のもとに行われるべきと思いますが、知事の認識をまず伺います。
道職員は、1万5047人のうち、本庁勤務者は3825人であるのに対して、振興局などの地方勤務者が1万1222人であり、約75%と、圧倒的多数を占めています。多くの道職員は、何度もの地方勤務を経て、本庁に戻るというのが実態です。
ところが、人事課や財政課出身は、地方に出先機関がないということもありますが、地方勤務を経験しないまま、本庁で昇任していることが多いのです。秘書課や政策審議局など、いわゆる知事周辺の部局でも、そうした傾向になっています。
若いうちの地方勤務は貴重な経験になると思います。人事の方針として、地方勤務を優先すべきと考えますが、いかがでしょうか。
道への中央省庁からの出向者は、全体で17人で、そのうち、課長職以上は9人です。人事交流のすべてを否定するわけではありませんが、問題なのは、総務部長や財政課長、労働局長、教育次長などが、国からの出向で占められている状況が長期にわたって続いていることです。(発言する者あり)
幹部登用は、庁内からが基本であり、中央省庁の指定席かと間違われるような人事は改めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
教育長を初めとする道教委の人事にも驚かされます。
私は、教育長など道教委幹部は、文字どおり、教育問題に精通し、子どもの成長に、親や教師と一緒に愛情を持って向き合える、識見豊かな人格者でなければならないと考えています。
ところが、事実上、知事が選任してきた3人の教育長は、すべて知事部局出身者で、失礼ながら、教育の素人です。(発言する者あり)
それに対して、教育長を補佐する教育次長の1人は、代々、文部科学省からの出向者です。
道教委には人材はいないのかとの声が聞こえてくるほど、道教委プロパー職員の士気は下がっています。知事は、これらの声にどう説明しますか。
道教委内から教育長の登用を行わない、知事の真意をあわせて伺います。
次に、B型肝炎について伺います。
和解協議の中で、国は、これまで、母子手帳がない場合の代替立証を求めてきました。最近になって、国は、各都道府県を通じて、全国の市町村の予防接種台帳の保存状況を調査したと承知していますが、この調査を実施することになった経過や目的、さらには、道内の市町村における予防接種台帳の保存状況はどうなっているのか、伺います。
経済産業省の原子力安全・保安院は、全国で稼働中の原発にっいて、54基のプラントごとの保安活動総合評価を実施し、6月14日、5段階評価で結果を公表しました。
その結果によりますと、基本検査に加えて追加検査が必要と評価されたプラントは23基もあり、そのうち、重要な課題が見出されたとされるプラントは21基にも上りました。
北電泊原発の1号機、2号機も、この重要な課題が見出されたプラントに該当していますが、評価結果の内容を伺うとともに、それに対する知事の認識を伺います。
岩内漁協サケ定置網部会の漁師の方から、冷却水を取り込む際に、育てたサケが大量に吸い込まれているとの声が以前から出されていました。
北電泊原発は、取水ロから吸い込まれた稚魚や卵の数を調査していますが、ことし3月から6月にかけて、数えられるものだけでも、約4400匹だったと承知しています。
道は、平成3年以降、北電から調査結果の報告を受けているにもかかわらず、なぜ、長年公表してこなかったのか、その理由を伺うとともに、漁業への影響及ぴ改善のための対策についてどう考えているのか、あわせて伺います。
青森県に建設中の大間原発に関して伺います。
平成20年の決算特別委員会での私の質問に対して、国や事業者に対し、地域への説明が実現されるよう、引き続き求めていくとの答弁をいただきました。
ところが、ことし1月になって、実際に函館市で開かれたのは、説明会ではなく、シンポジウムでした。これでお茶を濁すというのは、許されることでありません。
知事が先頭に立って、国や事業者による住民説明会の開催を強く求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、漁業後継者の育成確保についてです。
近年の北海道における漁業生産は、国際漁場の規制強化に加え、環境や生態系の保全といった、新しい視点の配慮もあって、減少傾向が続いております。
私の住む小樽市における、沖合いや沿岸漁業生産の動向を見ても、一部を除き、減少傾向にありますが、こうした厳しい状況にあっても、日本の食料基地として、北海道漁業の振興は大変重要です。
そこで伺いますが、道は、北海道漁業の将来にとって深刻な問題となっている後継者の育成確保について、どのような対県を講じてきたのか、成果も含めて伺うとともに、漁業後継者の将来的な見通しも踏まえながら、その育成確保に積極的に取り組むべきと考えますが、どのように対応されるのか、あわせて伺います。
次に、教育問題について伺います。
景気回復が進まない中、親の失業などによる影響は子どもたちにも及んでおり、子どもの貧困は深刻な問題になっています。
小樽市で実際にあった話ですが、修学旅行費を払う見込みが立たず、また、それをだれにも打ち明けることができずに、自宅に閉じこもっていた子どもや、兄が通っている高校に弟も入学したが、制服が一人分しかなく、兄弟が交互で着ていくために、どちらか一人が学校を休まざるを得ない子どもなど、実態は想像をはるかに超えています。
そこで、知事及び教育長にそれぞれ伺いますが、こうした子どもたちの現状について、どのような認識をお持ちでしょうか。
また、生活の困窮が一層深刻になる中で、公費負担の増大と保護者負担の軽減が必要と考えますが、修学困難な子どもたちをなくすために、どう対応していくおつもりか、あわせてお答えください。
最後に、道立高校の統廃合などに関して伺います。
まず、戸井高校の募集停止についてです。
先月、戸井高校を訪ねましたが、就職率は100%で、教師の方々の努力により生徒指導が効果を上げ、それが地域の保護者の方にも評価を受けています。
生徒数も増加しており、朝に昆布漁の手伝いをしてから通っている生徒もいるとの説明を受けました。
募集停止までには、あと3年ありますが、存続に対する地元の熱意や、地域の状況を詳しく調査し、今後の状況の変化によっては、廃止の方針を見直すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
次に、札幌市の篠路高校と拓北高校の統廃合についてです。
今月13日の教育委員会では、委員から、石狩学区で、なぜ学級減で対応できないのか、学級数をらしても、適正間口の4クラスから8クラスではないかとの質問が出され、道教委の統廃合計画に疑問を示されたと承知しています。
国も、少人数学級を志向している中で、両校を統廃合するのではなく、間口削減により対応すぺきと考えますが、教育長の見解を伺います。
遠教委が実施している地域別検討協議会は、具体的な学校名を示して以降、7月に1回しか行われず、しかも、校長やPTA会長だけが対象です。
篠路高校と拓北高校の統合に反対する方の集まりで、道立高校は道民の財産、道教委のものではないという意見が出されたと聞きましたが、全く同感です。
今後、住民の説明会のあり方、パブリックコメントの実施、決定までのスケジュールのあり方などを見直すべきと考えますが、教育長の見解を伺い、以上、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
最初に、私の政治姿勢に関し、まず、職員の人事についてでありますが、毎年度の人事異動に当たりましては、人事の公正を確保することはもとより、職員の能力、実績、適性の把握に努め、意欲的で創造力に富み、指導力や管理監督能力にすぐれた者の登用を積極的に進めているところであります。
次に、人事配置についてでありますが、人事配置は、適材適所を基本に、職務執行上必要な知識や、職員の能力、適性、勤務成績などを十分考慮しながら行ってきているところであります。
人事異動に当たりましては、出先機関も含め、さまざまな部署で、より多くの勤務経験を積ませるなど、地域重視や人材育成の観点に留意し、全庁的な視点に立った適材適所の配置に努めてまいりたいと考えております。
次に、中央省庁との人事交流についてでありますが、中央省庁との人事交流は、北海道と中央省庁の行政運営の円滑化と職員の資質の向上を図ることを目的として行っているものであり、中央省庁から職員を採用するに当たっては、道政を取り巻くその時々の情勢を総合的に検討し、広い視野に立って、適任者を登用いたしていろところであります。
今後とも、道政の置かれている諸般の情勢を勘案しつつ、適切に人事を進めてまいりたいと考えております。
次に、教育長の人事についてでありますが、教育長については、教育委員である者のうちから、教育委員会が任命することとされておりますが、教育委員の人選に当たっては、これまでも、教育委員会の役割と機能が十分発揮できるよう、適任者を人選し、議会のご同意を得て、任命してきているところでございます。
今後とも、教育委員会の役割等を踏まえ、幅広く適任者を検討の上、人選してまいりたいと考えております。
次に、道民生活に関し、B型肝炎訴訟についてでありますが、現在、全国の10カ所の地方裁判所において、乳幼児期における集団予防接種が原因であるとした、いわゆるB型肝炎集団訴訟が提訴されているところでありますが、このうち、札幌地方裁判所と福岡地方裁判所において、現在、和解協議が進められており、集団予防接種を受けたことの証明をどのように行うのかが協議の内容の一つとされているところであります。
国においては、証明の手法として、母子健康手帳のみならず、市区町村における予防接種台帳についても検討する必要があることから、予防接種法が施行されて以降、昭和63年までの台帳の保存状況について、本年7月、都道府県に対し調査依頼があったところであります。
この台帳は、予防接種法により、保存期間が5年間と定められているものの、市町村からの報告では、一部でも台帳を保管していると回答があったのは、94の市町村となっているところであります。
次に、経済・産業対策に関し、まず、泊発電所1号機、2号棟の保安活動総合評価結果についてでありますが、この総合評価は、発電所の安全性に係る運転状況を評価する安全実績指標評価と、国の検査、審査の指摘事項等に関する安全重要度評価の結果を組み合わせて行われるものであります。
泊発電所1号機、2号機については、安全実績指標評価では、安全運転上の問題なしとされたところでありますが、安全重要度評価において、平成21年度の安全装置に係る保安規定違反があったことから、総合評価としては、重要な課題が見出されたとされたところであります。
道といたしましては、安全の確保が何よりも重要である原子力発電所において、このような評価を受けたことは遺憾なことであると考えているところであります。
なお、発電所取水口に吸い込まれた稚魚などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
最後に、教育問題に関し、修学機会の確保についてでありますが、厳しい経済・雇用情勢が続く中で、子どもたちの修学環境に、議員が御指摘のようなことが生じているということは、子どもを育てた経験を持つ一人の親としても、私自身、とても憂慮すべきことと考えているところであります。
道といたしましては、子どもたちの修学機会の確保に向けて、これまでも、授業料軽減や奨学金・入学金貸付などの制度により、保護者負担の軽減に取り組んできたところであり、今後とも、就学支援金など、国の支援策とあわせて、経済動向なども見きわめながら、適切な修学支援に努力してまいる考えであります。
以上でございます。
北電によりますと、平成22年においては、泊発電所の隣接河川でサケ稚魚が約670万尾放流され、そのうち、取水口で捕集された個体数の割合は約0.07%となっており、道といたしましては、サケのふ化放流事業に大きな影響はないものと受けとめているところでございます。(発言する者あり)
北電では、取水ロヘの稚魚の吸い込みをさらに減らすために、毎年、地元漁協と相談しながら、取水口前面に網を設置するなどの対策を講じているところであり、道といたしましては、今後とも、北電に対して、稚魚の吸い込みを減らす対策を行うよう求めてまいる考えでございます。
次に、大間原発に関する地元住民への説明についてでありますが、道では、国や事業者に対し函館市での住民説明会の開催などを求めてまいりましたが、国や事業者は、函館市が大間原発の立地地域外であることから、国や事業者による住民説明会の開催などは難しいものと判断したところであります。
このようなことから、函館市では、本年1月に、シンポジウム形式による住民説明会を開催し、大学教授などの有識者から、核燃料サイクルに関する情報や、大間原発を例にした原子力発電所の安全性の情報などを提供し、市民の理解を深め、疑問や不安の解消に努めたところであります。
道といたしましては、函館市民の中には不安を感じられている方がおられますので、引き続き、函館市と連携を図りながら、国や事業者に対し、地域への説明が行われるよう求めてまいる考えでございます。
以上でございます。
さらには、漁業関係団体と連携して、新規就業の希望者と漁業者が面談し、漁業現場での研修を行う漁業就業支援フェアなどを実施しておりますが、漁業は、海上作業という厳しい労働環境にありますことから、新規就業者は、この10年間で32名となっているところです。
道といたしましては、漁業就業者の減少や高齢化が進み、漁村地域の活力の低下が懸念されておりますことから、今後とも、市町村や漁協との達携による就業者の受け入れ体制の整備のほか、漁業経営の開始に必要な融資など、担い手の育成確保に向けて取り組んでいく考えでございます。
以上でございます。
初めに、修学支援についてでございますが、本道におきましては、依然として厳しい経済・雇用情勢が続いており、修学援助を受ける児童生徒の数が増加している傾向が見られますほか、高等学校におきましても、経済的な理由により、修学旅行に参加できない生徒がいる実態があるなど、子どもたちの教育環境にもさまざまな影響を与えていると考えているところでございます。
こうした中で、道教委といたしましては、これまでも、市町村教育委員会に対しまして、修学援助事業の適切な実施について働きかけをいたしますとともに、高等学校におきます奨学金制度の充実などに努めてきたところでございます。
また、公立高等学校の授業料につきましては、本年度から不徴収となったところでございますが、高等学校では、授業料以外にも、PTA会費や生徒会費、通学費などの負担がありますことから、現在、団体会計等の生徒、保護者の負担のあり方について見直しを進めておりますほか、給付型奨学金制度の創設につきまして、本年7月に、国に対して要望しているところでございます。
道教委といたしましては、今後とも、あすの北海道を担う子どもたちが、夢や希望の実現に向け、安心して学校生活を送ることができるよう、教育環境の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、道立高校の統廃合などに関しまして、まず、戸井高校についてでございますが、戸井高校は、1学年1学級の学校であり、恒常的な欠員があること、地元進学率が低く、市内の他の高校へ通学している生徒が多いこと、今後の中学校卒業者数の状況などを総合的に勘案し、高校配置計画案におきまして、平成25年度からの募集停止をお示ししたところであり、その後、地域別検討協議会における御意見や、函館市及び同窓会等からの要請をいただく中で、さらに検討を重ねてきたところでございますが、生徒の進路動向などに大きな状況の変化が見られないことから、計画案どおり決定をしたところでございます。
配置計画につきましては、「新たな「高校教育に関する指針」」におきまして、計画を策定した後、急激な中学校卒業者数の増減や生徒の進路動向に大きな変化が生じた場合などには、必要に応じて変更を行うこととしているところでございまして、戸井高校につきましても、この指針の考え方に基づき、対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、石狩学区における再編整備についてでございますが、道教委といたしましては、新たな指針の考え方に基づき、都市部において複数の学校がある場合には、1学年4ないし8学級の望ましい規模の学校でありましても、将来的な中学校卒業者数の減少状況を踏まえ、生徒の学習環境の充実を図るため、地域の実情などに応じて再編整備を進めることとしているところでございます。
石狩学区におきましては、今後も大幅な中学校卒業者数の減少が見込まれておりますことから、一定の学校規模を維持し幅広い教育課程の編成実施を図る観点から、学級増減による定員調整だけではなく、学区内の高校の配置状況も踏まえ、新しいタイプの導入もあわせた再編を行うこととしたところでございます。
最後に、地域別検討協議会などについてでございますが、配置計画の策定に当たりましては、各通学区域ごとに、計画案の策定前と策定後に2回開催しております地域別検討協議会におきまして、3年先までの具体的な計画をお示しいたしますとともに、地域における再編の必要性や学級滅の見通しなど、その後4年間の将来的な高校配置のあり方について説明をし、市町村長さんや地域の教育関係者の方々、さらには傍聴者からも御意見をいただいておりますほか、地元主催の説明会などにも出向き、できる限り地域の方々の御意見や御要望を伺うよう努めてきたところでございます。
道教委といたしましては、地域別検討協議会は、地域の方々から御意見をいただける重要な機会と考えておりまして、今後、さらに多くの方々から御意見をいただく方策などについて検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。(発言する者あり)
初めに、道職員の人事について、幾つか指摘します,
知事が、道職員の登用に当たって、初めて、地方勤務の必要性を認め、今後の昇任の際の留意事項の一つとして重視すると答えた点は評価いたします。
少なくなっているとはいえ、直近でも、次長級以上で14名もの道幹部が、役職者として一度も地方経験がないという偏った人事が、今後はなくなることを期待します。
しかし、歴代のほとんどの教育長が知事部局からの登用であることについての知事の答弁には納得がいきません。
教育長については、約20年前の寺山教育長を除き、その後は、すべて知事部局からの登用です。当時から、政権党と労働組合とのあつれきが背景にあり、教育のプロパーでは教育長は心配だとの政治的思惑があったと言われています。
しかし、世の中は必ず発展するものです。知事には、この際、勇気を持って、教育に情熱を持ち、教育行政に明るい専門家を教育長に登用するぺきであることを指摘しておきたいと思います。
中央省庁からの出向による、指定席とも言われる特定の要職への登用は変えないとの答弁でしたが、至急に改めるべきです。
総務省から、総務部長や財政課長などに、何代にもわたって優秀な職員を派遣してもらいながら、いまだ道財政は全国で最低の水準のままで、それどころか、道職員の中に中央依存の姿勢が強まり、知事の言う地域主権と反する事態が広がっていることが心配です。
本当の自立を促すためにも、ここは思い切った知事の決断を期待し指摘といたします。
次は、B型肝炎についでです。
そもそも、保存期間は5年間であり、約半数の自治体で予防接種台帳が保存されていないのは当然です。
代替立証は合理性を欠くという原告団のかねてからの主張が、くしくも国の調査自体で証明されたことが、ただいまの答弁でわかりました。
しかも、調査により、国がその実態を掌握したのは8月であり、それまで予防接種台帳の存在の有無を確認しないまま、いたずらに時間を引き延ばしていたという批判は免れません。
さらに、ハードルの高い母子感染の否定についての証明やキャリア患者の願いを切り捨てる国の和解案に、原告、患者の方々が反発するのは当然です。国は、予防接種による被害者を1人でも切り捨てることがあってはなりません。
解決を先送りしている国の姿勢に対する知事の認識を伺うとともに、B型肝炎問題の一刻も早い解決と、すべての被害者の救済を求める立場で、国に対し、強く働きかけるべきと考えますが、所見を伺います。
次に、子どもの貧困の問題に関し、子どもの貧困と修学支援についてです。
本来、同じ高校生である以上、公立と私立で差があってはなりません。私学に通う子どもたちの中にも、経済的に厳しい状況が広がっています。
道は、今年度の当初予算で、私立高校への授業料軽減補助金を約1億1000万円減額していますが、少なくとも、その1億1000万円を復元させて、軽減対象の拡大を図るなど、対策を講じるべきです。知事の見解を伺います。
道立高校の統廃合などに関し、地域別検討協議会のあり方について、今後、検討を進めたいとの教育長の答弁がありました。
例えば、中学校の校区ごとに、保護者と地域住民が参加して意見を表明できる、きめ細やかな説明会の開催など、実効ある見直しを求めて、指摘といたします。
以上、再々質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
最初に、道民生活に関し、B型肝炎訴訟についてでありますが、平成20年3月、札幌地方裁判所に提訴された、いわゆるB型肝炎集団訴訟については、本年3月に和解勧告が出されたところであり、その後、和解協議が進められているものと承知をいたしております。
こうした中、国においては、集団予防接種を受けたことの証明の手法として、母子健康手帳のほか、予防接種台帳についても検討するなど、課題の解決に向け、取り組んでいるものと考えているところでありますが、現時点では、合意に至っていないところであります。
私といたしましては、札幌地方裁判所による和解勧告の趣旨を踏まえ、一日も早い解決が図られることを強く顔っております。
次に、教育問題に関し、授業料軽減補助制度についてでありますが、道では、本年度から、国が創設した就学支援金制度の導入にあわせて、授業料軽減補助制度を見直したところでありますが、国の支援金と組み合わせることにより、私立高校の授業料負担は軽減が図られているところであります。
私といたしましては、国と道の制度による保護者負担の軽減の状況や、私学経営の実情なども見きわめながら、私立高校に通う生徒の皆さん方が安心して勉学に打ち込める環境づくりに努めていく考えであります。
以上であります。
B型肝炎訴訟は、全国の10地裁で、500人以上の方が損害賠償を求めており、大変大きな問題です。
私たち日本共産党道議団の調べでは、予防接種台帳は、全国的に約半数が保存されておらず、しかも、昭和20年代のものは、わずか2自治体のみで、昭和30年代のものも、22自治体にしか保存されていないと承知しています。
こうした状況にもかかわらず、予防接種の証明に固執する国の姿勢は現実的ではなく、全く理解できるものではありません。
さらに、北海道の弁護団は、国が示した考え方は、救済範囲が極めて狭く、被害者切り捨てにつながると訴えています。
和解協議中であるということで、現時点では、踏み込んだ答弁が難しいという道の立場も理解はしますので、これ以上の質問はしませんが、間違いを犯した国に対して、それを認めさせ、正すよう、また、いたずらに時間を引き延ぱすことのないよう、道として強く働きかけていただきたい、このことを強く求めておきます。
私は、道が約1億1000万円を減額した、私立高校授業料軽減補助金の復元を求めましたが、このほかにも、私立学校等管理運営対策費補助金についていえば、私立高校に対する道単独の措置分は、知事が就任した平成16年度と比較しても、約6割の大幅減で、総額でも、127億円から102億円となっており、さらに、私立幼稚園に対する道単独措置分は、昨年度から廃止されています。
「北海道新生プラン・第Ⅱ章」では、「人格形成の基礎を培う幼児教育の振興」や、「独自の建学精神と教育理念に基づき、特色ある教育を進める私学教育の振興に努めます。」とうたっており、知事の政治姿勢が問われます。
少子化と経済の低迷で学校経営に御苦労されている各学校法人を、今こそ応援すべきであるということを求めて、指摘といたします。
以上で質問を終わります。(柏手)(発言する者あり)
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]