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2010年予算特別委員会

【真下紀子道議、原子力安全対策、行政委員会報酬、天下りの新たな仕組みなどただす】 10.06.23

2010年6月23日 予算特別委員会第1分科会質疑概要

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

総務部所管の問題

原子力の推進と規制の分離を

○真下紀子委員

原子力保安行政について初めに伺います。

日本では、原発を推進する経済産業省と、その一部局である原子力安全・保安院が、原子力の規制、監督も担当しています。

私たち日木共産党は、推進と規制を分離させている各国の例を示して、保安院を独立させることは最低限やるべきであると提案してきました。

道は、規制・監督官庁の分離・独立議論について、いかがお考えか、伺います。

○須田靖子委員長

原子力安全対策課長池田二郎さん。

○池田原子力安全対策課長

規制・監督官庁の分離等についてでありますが、国では、経済産業省において、国民生活に必要不可欠なエネルギーの安定的、効率的な供給確保を所管する資源エネルギー庁とは別に、原子力発電所を合めたエネルギー施設や産業活動の安全確保を所管する原子力安全・保安院を設置しているところであります。

また、原子力安全・保安院とともに、内閣に設置された原子力安全委員会によるダブルチェック体制がとられており、原子力発電所の安全確保が図られているものと承知しております。

○真下紀子委員

2007年に中越沖地震で被災した東京電力の柏崎刈羽原発がある新潟県では、泉田知事が中井内開府特命担当大臣に、保安院の分離、独立に地元から強い要望が出ていると述べて、国の原子力安全規制の見直しを求める要請書を手渡しまた、ことし3月には、福島県の佐藤知事が直嶋経産大臣に、保安院の分離などを求めています。

双方の担当者は、国民の信頼は得られにくいと述べておりまして、これは、自治体から要望を上げている点で、非常に注目される変化だと考えます。本道の担当部のお考えがどうかということをお聞きしておきたいと思います。

○池田原子力安全対策課長

原子力安全規制体制に関する道としての考えについてでありますが、原子力発電は、何よりも安全性の確保が重要でありますことから、現行の原子力安全規制体制の実効性を、再度、検討、検証しさらなる充実強化を図ることのほか、我が国の安全規制体制のあり方について、原子力の安全規制を行う組織の独立性を高めるなど、あらゆる角度から議論する場を設けることが必要であると考えているところであります。

このため、道としましては、本道を含めた、原子力発電所の立地道県で構成する原子力発電関係団体協議会を通じて、国に対して、この旨、要望を行っているところでございます。

○真下紀子委員

独立性を高めるだけじや、だめなのです、独立していないと。そのことをやっぱり求めるべきだと私は思います。

本道では、北電が泊原発を稼働させておりまして、その割には、皆さん、随分とのんびりされているなと思うのですけれども、数々の重大な原発事故は、対岸の火事ではないはずです。道民の信頼を得るためには、北海道も、知事を先頭にして、推進と規制の分離を国に求めるべきときではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○須田靖子委員長

危機対策局長中村香春さん。

○中村危機対策局長

国に対する要望についてでございますが、道といたしましては、先ほどの答弁で申し上げましたとおり、原子力安全規制体制のあり方の検討、検証、並びに、議論する場の設置につきまして、国に対して要望しているところでございます。

このような、原子炉発電所の立地自治体などからの要望でございますとか、昨今の原子力をめぐる環境変化を踏まえまして、経済産業省におきまして、原子力の推進体制と規制体制の関係などをテーマとする、原子力の安全規制のあり方につきまして、近々、具体的な検討に着手をすると聞いているところでございます。

道といたしましては、国における検討伏況を十分注視しまして、適切に対応してまいる考えでございます。

○真下紀子委員

局長は、出光興産の火災のときに、対応の最前線に立たれて、大変な思いをされたことは私もよく承知しておりますけれども、原発事故に遭いますと、こういった比ではありませんし、被害というのは大変なものになりますので、国の様子を見るのも大事ですけれども、道としての意見もきちっと上げていただきたいということを、最後に申し上げておきたいと思います。

行政委員会委員報酬についてただす

○真下紀子委員

次に、行政委員会委員について伺います。

滋賀県に関する判決以降、全国的に、行政委員会改革に積極的に取り組む自治体がふえています。全国の他府県の見直し状況がどうなっているのか、初めにお聞きします。

○須田靖子委員長

給与・服務担当課長加門清さん。

○加門給与・服務担当課長

他県の見直しの状況についてでございますが、行政委員会の委員報酬につきましては、他県におきましても見直しの動きがございまして、本年1月以降、9県が見直しを行ったところでございます。

その内容につきましては、収用委員会など特定の委員報酬を日額制としたものが6県、すべての委員報酬を日額制としたものが1県ある一方で、すべての委員報酬を、委員の職務、職責などに係る部分を月額とし会議など勤務した部分を日額で支給する方式としたものが2県あると承知しているところでございます。

以上でございます。

○真下紀子委員

私は、2007年以来、行政委員会の報酬のあり方などについて、実態を示して、見直しを求めてきました。

当時は、滋賀県に次いで早い時期の提案だったと思うのですけれども、道は、やっと、収用委員会について月額から日額への報酬見直しを行いましたが、その他の委員会については、なかなか進んでいません。その他の委員会についての道の見直しがどうなっているのか、伺います。

○加門給与・服務担当課長

行政委員会委員の報酬についてでございますが、道では、昨年4月より、収用委員会委員の報酬につきまして、勤務実績に応じた支給方法とするよう、見直しを行ったところでございますが、本年4月には、滋賀県の行政委員会の委員報酬に関する大阪高裁の判決が下されたほか、他の府県におきましても、委員報酬の見直しについての取り組みが行われているものと承知しております。

道といたしましては、現在、このような状況にあることなども踏まえまして、さまざまな角度から、委員報酬全体のあり方について検討を進めているところでございます。

以上でございます。

○真下紀子委員

ちょっと具体的に確認したいのですけれども、各行政委員の報酬の見直しの課題は一体何なのか、検討状況について具体的に示してください。

○須田靖子委員長

人事・職員担当局長赤塚善彦さん。

○赤塚人事・職員担当局長

具体的な検討状況についてでございますが、道では、既に見直しを行った他県の状況につきまして調査を行うとともに、各行政委員会委員の業務実態につきまして、確認や、その分析を進めているところでございます。

道といたしましては、これまでの議会議論や、民間有識者の方々の御意見を踏まえまして、現在、それぞれの委員会の組織機能や、業務形態の違い、委員の職責、役割など、さまざまな観点から、報酬のあり方について、他県の見直しの取り組みも参考にして、検討を進めているところでございます。

以上です。

○真下紀子委員

具体的に検討を進めているということなのですけれども、各行政委員の業務実態についての確認ですとか分析というのは、大体いつをめどにして終わるのでしょうか。

○赤塚人事・職員担当局長

行政委員会の業務実態等についてでございますが、行政委員会委員につきましては、各行政分野におきまして、専門的な知識、見識に基づいて職務を行っているものでございまして、その活動は極めて多岐にわたっておりますため、その業務実態等の分析も慎重に行わなければならないものと考えておりますが、今後、委員報酬のあり方を検討する中で、速やかに整理してまいりたいというふうに考えてございます。

以上です。

○真下紀子委員

速やかに整理していくということなのですけれども、昨年3月18日の記者会見で、知事は、かねてから真正面に取り組まなければならない課題との思いと、熱を込めて話しているわけです。

最初の質問から3年たち、道議会で取り上げているのは、今では私だけではなくなりまして、自民党さん、公明党さん、民主党さんからも、質問、要請などが出てきております。

ことしの3月に、知事は、できるだけ早期に方向性を出すと、意欲的な発言もし、議会でも答弁をしているわけですけれども、道として、できるだけ早期の目標をどこに置いているのかということを伺いたいと思います。

○須田靖子委員長

総務部長立川宏さん。

○立川総務部長

見直しの時期についてでございますが、行政委員会委員の報酬の見直しにつきましては、現在、検討作業を進めているところでございまして、現時点では、具体的な時期を申し上げることはできませんが、これまでの議会議論なども踏まえるとともに、今後、各行政委員会や民間有識者の方々の御意見を伺いながら、道として、委員報酬のあり方について早期にお示しできますよう、鋭意取り組んでまいる考えでございます。

○真下紀子委員

早期に結果を出すということは、何回も私は伺っているのですけれども、いつになるか、いつまでもわからない。知事は知事で、大変元気に発言をされているわけで、そこに温度差を感じます。

行政委員会改革について、全国におくれるということは、知事にとっても不本意だと思いますので、知事に直接伺うことにしたいと思います。よろしくお願いいたします。

天下り要綱違反が10年で139人

○真下紀子委員

次に、天下り等について伺います。

まず、ことしの退職者について、課長級以上の再就職状況はどうなっているのか、再就職者数や、課長級以上の退職者に占める割合について、3年前からの推移をお示しください。

○須田靖子委員長

人事課長佐藤敏さん。

○佐藤人事課長

職員の再就職の状況についてでございますが、過去3回の定期人事異動時に退職をいたしました課長級以上の職員は、平成21年度が115名、前年度が123名、前々年度が114名でございまして、そのうち、団体や民間企業等に再就職した者の数、及び、退職者に占める役割合につきましては、それぞれ、84名で73%、102名で83%、93名で81%となっております。

以上でございます。

○真下紀子委員

少し減ったような印象を持ったのですけれども、それでも73%の方が、再就職、天下りをしているわけです。

それで、どうして減ったのかなと思いましたら、課長級であっても、天下りを選択せずに、道への再任用を選ぶという退職者もふえていると聞きます。その実態がどうなっているのか、伺います。

また、そのことを道としてはどう受けとめているのか、伺います。

○佐藤人事課長

課長級以上の職員の再任用についてでございますが、過去5年間における4月1日時点での再任用者数につきましては、平成18年度及び19年度がそれぞれ2名、20年度が7名、21年度が18名、22年度が9名となっております。

職員の再任用制度につきましては、公的年金の支給開始年齢の引き上げに伴いまして、雇用と年金との連携を図るとともに、職員が、定年退職後も、長年培った能力、経験を有効に発揮するためのものでございまして、この趣旨に沿って、それぞれの職員の希望を把握しながら、任用いたしているところでございます。

○真下紀子委員

それでは、ちょっと伺いたいのですけれども、再任用の場合、平均収入はどのくらいになるのか、天下りと比べて、どのようになるのかをお示しいただきたいと思います。

○佐藤人事課長

再任用者の給与についてでございますが、再任用につきましては、週2O時間勤務の場合、185万円となっております。

○真下紀子委員

今お答えにならなかったのですけれども、天下りと比べると、随分低い金額になっている。

それで、一般職では、再任用を希望されていた方で、387人が再任用となった。どうして週20時間を選択するかというと、時問を短縮して、たくさんの方で、ワークシェアリング方式で、収入が減ったとしても、みんなで生活を支える意味合いもあるというふうに伺いました。こういうことを課長級でも選択する方がふえているし、一般職はこういう状況だということをます確認しておきたいと思います。

その上で、関与団体に天下りがどれだけ行っているかということなのですけれども、再就職取扱要網の適用団体となっている、いわゆる関与団体ですけれども、この天下りが相変わらず多い状況がある。今年の課長級以上の再就職者のうち、どのくらいを占めているのか、お示しください。

○佐藤人事課長

団体等への再就職の状況についてでございますが、平成21年度末に道を退職した課長級以上の職員115名のうち、再就職取扱要綱の適用団体へ再就職した職員は22名となっております。

○真下紀子委員

適用団体には22名行っている。約2割になると思うのですけれども、これだけ行っているということですね。

それで、そういったところに行っている方たちで、再就職取扱要綱に規定する年齢及び給与の基準を超える、いわゆる要綱違反は直近の数字でどれだけいるか、また、団体名もあわせてお示しいただきたいと思います。

○佐藤人事課長

要綱の基準を超えている者の状況についてでございますが、要綱に定める在職期間の制限を超えて再就職している団体等につきましては、平成21年度ま現在で、社団法人千島歯舞諸島居住者連盟が1名、社団法人北海道計量協会が1名、北海道土地開発公社が1名の、計3団体、3名となっているところでございます。

なお、いずれの団体におきましても、再就職者が団体を退職した場合、団体の運営等に著しく支障が生じるおそれがあるとして、要綱に定める協議が道に対してございまして、事情やむを得ないものとして、承認をいたしているところでございます。

また、要綱に定める給与基準額の制限を超えて給与を支給した団体等は、平成20年度末現在で、2団体、4名でございましたが、その後、既に給与額は基準額以内の額に引き下げが行われていると承知をいたしております。

○真下紀子委員

直近の数字は聞いたのですけれども、過去10年にさかのぼりますと、延べ人数では何人になるのか、お答えいただきたいと思います。

○佐藤人事課長

基準を超える者の状況について、過去にさかのぼってということございますが、要綱に定める在職期間の制限を超えて在職していた団体数、人数についてでありますが、過去10年間につきまして、各年度末現在の数値を積算した数値で申し上げますと、75団体、94名となっておりまして、これらにつきましては、再就職者が団体を退職した場合、団体の運営等に著しく支障が生じるなどの事情によるものと承知をいたしております。

また、給与基準額を超えて給与を支給していた団体数、人数につきましては、過去9年間で、各年度末現在の数値を積算したところによりますと、21団体、45名となっておりまして、これらにつきましては、先ほどお答えしたとおり、既に基準額以内の額に引き下げられるなどしていると承知をいたしているところでございます。

以上でございます。

○真下紀子委員

過去10年間にさかのぼっての数字を言っていただいて、在職期間については、団体の運営等に著しく支障が生じる事情がある、それを道が了承して、認めてきたということなのですけれども、道の退職者は、次々と優秀な人たちが退職していっていますので、心配には及ばないと私は思います。

昨年、道が再就職取扱要綱を見直したことによって、準ずる団体が、昨年から、調査の対象外、公表の対象外となったわけですけれども、今の答弁のうち、対象外となった準ずる団体は、どのぐらいあって、何人が占めていたのか、天下りの状況が公表できなくなった人たちというのはどれだけになっているか、お示しいただけますか。

ちょっと時間がかかるかもしれませんので、進行に協力をしたいと思いまして、知事総括質疑で伺います。そのときまでに調べておいていただければ、ありがたいなと思います。

関与団体への天下りの状況は明らかになりました。

次に、渡りと言われる再々就職について伺いますけれども、関与団体については、渡り鳥と言われる方が15人もいると聞くのですけれども、実態はどうか、伺います。

○佐藤人事課長

職員の再々就職についてでございますが、再就職取扱要綱の適用団体に再々就職をいたしました者は、平成20年度末で、13団体、15名となっております。

○真下紀子委員

渡り鳥には中継基地が必要なのですけれども、中継基地はどういうところか、お示しください。

要綱改正により要綱の対象外となった団体・再就職者数
注)再就職者数欄:平成19年度末現在の課長級以上の再就職者数。
団 体 名再就職者数
1北海道民間社会福祉事業職員共済会2
2北海道シルバーサービス振興会
3北海道私学振興基金協会
4北海道私学厚生協会1
5北海道地域総合振興機構1
6北海道空港(株)1
7札幌国際エアカーゴターミナル(株)1
8北海道市町村振興協会3
9北海道町村会1
10(株)北海道熱供給公社1
11北海道対がん協会1
12北海道総合在宅ケア事業団2
13(特)北海道国民健康保険団体連合会2
14北海道精神保健推進協会1
15(株)北海道ソフトウェア技術開発機構1
16北海道曹達(株)1
17北海道機械工業会1
18北海道勤労者信用基金協会
19(特)北海道信用保証協会2
20北海道はまなす食品(株)1
21北海道農産品ターミナル(株)
22ジェネティクス北海道2
23北海道豆類価格安定基金協会1
24北海道土地改良事業団体連合会1
25北海道国際農業交流協会1
26北海道てん菜協会1
27(特)北海道農業信用基金協会2
28北海道畜産物価格安定基金協会1
29北海道さけ・ます増殖事業協会1
30北海道森と緑の会3
31(株)札幌都市開発公社1
32北広島熱供給(株)3
33北海道建築指導センター5
45

○佐藤人事課長

職員の再々就職についてでございますが、先ほど中し上げました15名の方々につきましては、再就職取扱要綱の適用となる団体、適用とならない団体及び民間企業などからの再就職であるというふうに承知をいたしております。

○真下紀子委員

今の答弁の中にもありましたけれども、結局、再就職取扱要綱の適用とならない人は、ここでも天下りが隠されていく、渡りのルートが隠されてしまうということになりますよね。

皆さんは、胸を張って、昨年の4月に要綱を改定しましたと言いますし知事も、全国的にも厳しい要綱だと常々おっしやいますけれども、実際には、天下り隠しを容認する要綱となってしまっていることを私は指摘せざるを得ません。このことをまず一つ確認しておきます。

次に、雨宿りについてです。

次長級以上の天下りで、2年間禁止されている指名登録業者への直接天下りを避けるために、子会社に再就職をする雨宿りが、ことしは昨年よりふえているとお聞きしますけれども、実態はいかがでしょうか。

○佐藤人事課長

職員の再々就職についてでございますが、道の再就職取扱要綱におきまして、本庁次長級以上の職員につきましては、退職前5年間に在職した所属と密接な関係にある指名登録業者への再就職を、退職後2年間制限をいたしているところでございます。

本庁次長級以上の職員で、退職後2年を経過した後、指名登録業者に就職した者のうち、関連会社等とされている企業から再々就職をした者は、昨年度が2名でございまして、今年度は4名と承知をいたしております。

○真下紀子委員

先ほど、課長は答弁されなかったのですけれども、部長、現在の再就職取扱要綱を厳格に運用したことによって、雨宿りがふえているのですよ。雨宿りをふやすための要綱かと言われてしまっても仕方がないような状況が生まれています。

それで、部長にお聞きすると、きっと同じ答弁を繰り返されるのではないかと思いますので、知事にしっかりとお伺いをしたいと思います。委員長、よろしくお願いいたします。

○須田靖子委員長

はい。

指定金融機関との「指定席」「バーター天下り」をただす

○真下紀子委員

次ですが、天下りについて、新たな仕組みがあったということが初めて発覚しました。

その一つなのですけれども、北洋銀行は、道の指定金融機関です。指定金融機関と行政の関係については、かつて道議会でも議論されたようで、指定金融機関は、業務の適正な運営に努め、道民の信頼を損なうことのないものとするなどとして、関係の公正さの担保が求められてきたところでありまして、その基本的な考え方に変わりはないと考えます。

そこでまず、北洋銀行や北海道銀行から、道の各種行政委員会の委員に就任した方の状況をお示しください。

○佐藤人事課長

銀行出身の行政委員会等委員についてでございますが、北洋銀行出身の方が、監査委員に1名、人事委員会委員に1名、それぞれ就任をいたしております。

○真下紀子委員

北洋銀行から2名ですね。

それで、この方たちの委員報酬は年額でどのくらいになっているのか、教えてください。

○佐藤人事課長

報酬額についてでございますが、行政委員会等委員に対しましては、北海道特別職職員の給与等に関する条例に基づきまして、報酬が支給されているところでございます。

年額では、監査委員は1184万円、非常勤である人事委員長は376万円となっております。

○真下紀子委員

このうち、識見監査委員のお一人――1184万円の年間報酬を受け取っている方が、実は、拓銀時代を含めまして、4代続けて北洋銀行の元幹部職員です。 16年間も続くというのは、北洋銀行OBの天下り先として固定をしていると言われても仕方がないのではないかと考えますが、いかがですか。

○赤塚人事・職員担当局長

監査委員の選任についてでございますが、行政委員会等委員の選任に当たりましては、根拠となる法律の規定に基づきまして、知事が道議会の同意を得まして選任することとされており、行政委員会の役割等を踏まえ、幅広く適任者を選任してきているところでございます。

監査委員の選任に当たりましても、地方自治法に基づき、地方公共団体の財務管理、事業の経営管理、その他、行政運営にすぐれた識見を有する者といった観点から、広く適任者を検討の上、人選し任命しているところでございます。

以上です。

○真下紀子委員

北海道にはそんなに人材がいないのでしょうか。

広い人選だというのに、4代、16年間続けて、北洋銀行のOBが居座る。ほかに民間人に適任者がいないということでしょうか。本当に納得できません。公正な選任だと道民が納得するものではないとお考えにならないのでしょうか。

私は、北洋銀行OBの天下り指定席は改めるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

○立川総務部長

監査委員の選任についてでございます。

監査委員の選任に当たりましては、先ほど担当局長から御答弁申し上げましたように、地方自治法に基づき、広く適任者を検討の上、人選し任命しているところでございます。

委員の人選に当たりましては、監査委員の役割と機能を十分勘案の上、幅広く適任者を検討していくことが必要であると考えてございます。

○真下紀子委員

部長の言う、幅広く適任者を検討していくことが必要というのは、これまでよりも広く検討していくととらえてよろしいでしょうか。

○立川総務部長

監査委員の選任に当たりましては、これまでも幅広く適任者を検討しているものと承知しております。

○真下紀子委員

全く納得できない答弁ですので、これも知事に伺いたいと思います。

それで、今度は逆に、道内の2大銀行と言われる北洋銀行と北海道銀行に再就職をした道幹部OBは、それぞれ何人で、どのような役職についているのか、伺います。

○佐藤人事課長

銀行への再就職の状況についてでございますが、現在、北洋銀行には、監査役と執行役員地域産業支援部審議役として、2名が再就職をしておりまして、北海道銀行には、法人営業部アグリビジネス推進室参与、地域振興・公務部参与として、2名が再就職をしていると承知いたしております。

○真下紀子委員

平成18年までは、北洋銀行、北海道銀行それぞれに1人しか再就職者がいなかった。1人のポストしかなかったわけですね。それが、それぞれ2人に倍増しています。

特に、北洋銀行との関係でいえば、2人ずつ交換人事をしているバーター天下りではないかという指摘がありますけれども、いががお考えですか。

○赤塚人事・職員担当局長

職員の再就職などについてでございますが、民間企業への道職員の再就職につきましては、再就職先において、道職員として長年培われてきた知識、経験などに関して、個別に評価された結果として、個々の採用に至っているものであり、一方、行政委員会等委員の選任に当たりましては、広く適任者を検討の上、人選しているものでございます。

以上です。

○真下紀子委員

まるで、借金の多い北海道が指定金融機関から首根っこを押さえられているように映るのですけれども、この点についても、やはり納得できませんので、知事に伺いたいと思います。

道幹部OBが監査委員にUターン天下りするのは不適切

○真下紀子委員

次ですが、また新しいパターンが発見されました。これは、Uターン天下りと言うのです。道は、Uターン、Iターンを進めているのですけれども、まさか、天下りにまで、そういうことを進めているとは私も知りませんでした。

常勤監査委員に元部長が就任をいたしました。これまで15年間、識見監査委員に道幹部OBが就任していなかったのには理由があったはずです。今回、それが15年ぶりに復活しました。その間、就任してこなかった理由、そして復活した理由、それぞれ説明をいただきたいと思うのですけれども、よろしいでしょうか。

○赤塚人事・職員担当局長

監査委員の選任についてでございますが、行政委員会等委員の選任に当たりましては、根拠となる法律の規定に基づきまして、知事が道議会の同意を得て選任することとされておりまして、行政委員会等の役割を踏まえまして、幅広く適任者を選任してきているところでございます。

今回の監査委員の選任に当たりましても、自治法に基づき、地方公共団体の財務管理、事業の経営管理、その他、行政運営にすぐれた識見を有する者といった観点から、広く適任者を検討の上、人選をしているところでございます。

以上です。

○真下紀子委員

局長はお忘れになったのだと思うのです、道庁の不正経理問題を。

そのときに、問題が起こりまして、共産党の大橋晃議員が、監査委員の任命について質問しています。

監査委員の任命について、「「監査委員の独立性を高め、」云々としておりますが、従来のような道幹部職員退職者からの任命はやめるべきと考えますが、どうでしょうか]と質問しそれに対して、知事は、「今後、監査委員を選任するに当たっては、法律の趣旨を踏まえ、監査委員の独立性が確保され、その機能が十分発揮されるよう、御指摘の趣旨も念頭に置きながら適切に対処してまいりたい」、こう答弁をされております。

そして、これ以降、道幹部OBのUターンとか、監査委員への就任というのはなかったわけです。

今回、自治体経験者から道庁OBにかえる理由が特別に何かあったのでしょうか。また、自治体首長の経験者などでは何か不都合があったのか、具体的な事例があれば、示していただきたいと思います。

○赤塚人事・職員担当局長

監査委員についてでございますが、監査委員の選任につきましては、根拠となる法律の規定に基づきまして……

○真下紀子委員

同じ答弁だったら、要らないですよ。

○赤塚人事・職員担当局長

議会の同意を得て選任することとされておりまして、監査委員の役割を踏まえ、幅広く適任者を選任しているところでございます。

こうした中、今回の監査委員の選任に当たりましても、監査委員の役割や、監査委員を取り巻く諸情勢などを勘案し市町村長経験者も含め、各界から幅広く適任者を検討の上、人選したところでございます。

なお、これまで選任された市町村長経験者の方々につきましては、監査委員としての職責を十分果たされてきたものと考えているところでございます。

以上です。

○真下紀子委員

監査委員としての職責を十分果たしただけでなくて、道幹部職員OBの監査委員が道庁不正経理問題で辞職をする、こういうことまであった中で、その後の、自治体首長さんだった3人の監査委員の方は、皆さんも御承知のとおり、非常に公正な立場で活躍をされたと思いますよ。

それで、道庁不正経理問題が終わって、その後、何もなかった、道はもう再生したのだということであればまだしも、道警裏金問題、それから、上川の農業土木工事をめぐる官製談合と、不正事件が後を絶たないわけです。

そういった中で、自治体首長経験者の監査委員がきちっとした実績を上げていながら、道庁OBをUターンさせて監査委員に選任する、こういったことはやるべきではないと思うのです。道の幹部職員だった人でしょう。つい先ごろまでといいますか、2年前までですか。その方というのは、今の道の借金財政をつくった責任があるわけですよね。そして、いわゆる内部の人ですよね。

それで、やっぱり、監査委員が独立した機関の委員としての役割をちゃんと果たすという意味では、道職員のOBを充てることは不適切だと思います。

特に、監査委員という部署は、人格が高潔で、すぐれた識見を有する者のうちから選任されるとされております。何をもって、すぐれた識見を有する者と判断するかは難しいのですけれども、少なくとも、みずからの給与の額の多少などに固執せず、道庁に対して、独立した機関の委員として、きっぱりと物を言える人でなければなりません。

そういう意味では、監査する側に道の幹部OBを据えることは、監査する側にも、受ける側にも、甘えの構造を再び生じさせるおそれがあります。

なぜ、そうまでして道庁OBをUターンさせて登用するのか、私には理解できませんが、部長は理解されているのでしょうか。

○立川総務部長

監査委員の選任についてでございますが、御指摘の監査委員の選任につきましては、監査委員の役割と機能を十分勘案の上、市町村長経験者や道職員経験者も含め、幅広く人選し、その行政経験などにかんがみまして、最も適任であると判断した方を、所要の手続を経て任命したものでございます。

○真下紀子委員

私は、個人的にどうこう申すつもりはございません。

しかしながら、やはり、監査委員は、今申し上げました、人格が高潔で、すぐれた識見を有する者ということについて、きちっと道民に説明して、納得を得られる方が就任すべきだと思うわけです。

それがどうかという点については、私は納得ができませんので、知事に直接お伺いしなければならなくなってしまいました。

それで、珍しく時間が残ったのですけれども、天下り等について、全体として知事に御答弁をいただきたいので、お取り計らいをよろしくお願いします。

○須田靖子委員長

はい、了解しました。

真下委員の質疑並びに質問は、総括質疑に保留された事項を除き、終了いたしました。


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[日本共産党道議団編集]

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