【真下紀子道議、子宮頸がんワクチン助成、特養ホーム待機解消、肝炎対策、国保財政、窓口負担の軽減などただす】 | 10.06.22 |
子宮がん検診について初めに伺います。
子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあります。それぞれ、原因、予後などに違いがあるために、子宮がんの呼称を、子宮頸がんと子宮体がんに明確に区分すべきとの提案がありますけれども、道はいかがお考えか、初めに伺います。
健康安全局医療参事山口亮君。
子宮がんについてでありますが、子宮頸がん及び子宮体がんは、その発症部位、原因、治療及び予後が異なる病気でありますが、一般的に、混合して使用されるケースも多く見られる状況にあるところです。
このようなことから、このたび、日本産婦人科学会が、両者を明確に区別すべきとの提言を発表したところであり、道といたしましても、子宮頸がん及び子宮体がんの実態の把握と対策を進める上で、それぞれを区別することが望ましいものと考えているところでございます。
子宮がん検診についても、子宮頸がん検診と子宮体がん検診では違いがあります。一般的に、子宮頸がん検診については、普及されてきていますけれども、子宮体がん検診についても、早期発見をすることによって、治療効果が高くなってきています。
子宮体がん検診受診率の推移等がどのようになっているのか、また、普及啓発については、どのように取り組まれるのか、伺います。
健康安全局参事石本みずえ君。
子宮体がん検診などについてでございますが、現在、市町村が実施しております子宮体がん検診は、厚生労働省の指針に基づき、子宮頸がん検診を受診した方のうち、6カ月以内に不正出血の症状があった方など、一定の条件に該当する場合に実施されておりまして、その受診者数は、平成18年度が2万2876人、平成19年度が2万6996人、平成20年度が2万7481人と、増加傾向にございます。
また、子宮体がん検診の方法などにつきましては、これまでも、道のホームページなどで紹介しておりまして、今後とも、がん検診の普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
受診者数もふえているわけですけれども、御本人からの申告――症状を訴えることが不可欠ですので、これからも普及啓発に取り組んでいただくようにお願いします。
次に、任意ワクチン接種についてなのですけれども、子宮頸がんワクチンの予防効果が確認されて、今、接種が始まっています。
全国的には、2010年度からということで、山梨県が、子宮頸がんワクチンを補助対象として、全市町村が一緒に行うという見込みが明らかになってきました。東京都は、子宮頸がんワクチンとあわせて、小児肺炎球菌ワクチンも助成対象にするということになっています。
道内の市町村でも、こういった任意接種のHibワクチンですとか肺炎球菌ワクチン、それから子宮頸がんワクチンなどについて独自助成を行っていますが、道内の状況がどうなっているのか、お示しください。
道内のワクチン接種の助成状況についてでございますが、平成22年6月1日現在の状況を申し上げますと、インフルエンザ菌b型ワクチン、いわゆるHibワクチンの接種費用の公費助成につきましては、全額助成が11市町村、一部助成が22市町村となっており、肺炎球菌ワクチンにつきましては、全額助成が2町村、一部助成が5町となっております。
また、子宮頸がん予防ワクチン、いわゆるHPVワクチンにつきましては、全額助成が3町、一部助成が1町となっていると承知しております。
全国の市町村と比べてみますと、全国比で、任意接種のHibワクチンでは、北海道の市町村が33%を占めています。肺炎球菌ワクチンでは18%に上るという積極的な取り組みをしています。道と同じように、市町村も厳しい財政ですが、こういった取り組みをしているわけです。
道は、常々、財政が厳しいと言って、医療・福祉予算を削減し続け、市町村への支援を拒んできているわけですけれども、新日本婦人の会から請願が寄せられていて、全道各地の市町村長さんからも強い要望が寄せられているわけです。
そのことを踏まえて、道は、任意接種の地域格差が生まれている問題について、広域的な視点から支援するということで、格差を解消していく役割を果たすべきではないかと私は考えますけれども、いかがでしょうか。
健康安全局長遠藤憲治君。
ワクチン接種に係る道の対応についてでございますが、HibワクチンやHPVワクチンなどにつきましては、予防接種法上のワクチンの位置づけにつきまして、国の厚生科学審議会予防接種部会において、議論が開始されているものと承知しております。
道といたしましては、接種費用の負担軽減や、副作用の場合の補償の面からも、できるだけ早期に法律上の位置づけがなされることが望ましいと考えておりまして、今後とも、国に対し働きかけをしてまいりたいと考えております。
国に先んじて道が行ってはいけないということはないわけですから、ぜひ行っていただきたいと思います。
参考までに、海外の子宮頸がんワクチンについて御紹介させていただきます。
全額、公費負担をしている国は、オーストラリア、イギリス、イタリア、オランダ、デンマークです。ドイツは、医療保険から全額償還され、フランス、アメリカは、一部負担されています。また、優先対象ですとか、キャッチアップというシステムを使っている国が4力国あります。
現在、サッカーのワールドカップが行われていますけれども、私は、別に1位を目指してほしいとは思っていませんが、せめて、子宮頸がんワクチンについては、決勝トーナメントに残るぐらいの気持ちでやっていただきたいと思います。
次に、特別養護老人ホーム待機者の解消についてです。
特養の待機者問題は、依然として深刻です。私たち日本共産党の国会議員団が全国調査を行いまして、全国の介護事業所、自治体、利用者、家族の御協力をいただきました。その中で、2県、20の市区が、解消の見通しがないと答えています。
旭川市では、1000人以上の特別養護老人ホームの待機者がいると言われております。道内の待機者は、2008年4月の段階で2万2420人、そのうち、在宅で7235人が待機している状況になっているわけです。それに対して、介護保険事業支援計画の整備目標が2033人です。これでは、解消の見込みは何とも言えないと道が答えるのは、仕方がない状況ではないかと思うわけです。
ですが、介護保険では、保険料は有無を言わせず徴収されるわけです。いざ利用することになったら利用できないというのは、詐欺的な制度になってしまうわけですから、これは何としても改善をしなければなりません。
行政として、家族の負担が増大して介護殺人が起きる状況を回避する、そのために全力を尽くす必要が今あると思いますが、特養待機者解消について、道はどのように考えているのか、伺います。
福祉局長川合正昭君。
特別養護老人ホームの整備などについてでございますが、現行の第4期北海道高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画におきましては、各市町村における平成23年度末までの見込みを踏まえた、特別養護老人ホームの整備目標を定めているところであり、この整備目標の達成に向けて、着実に取り組んでいるところでございます。
また、昨年8月の臨時会におきまして、北海道介護基盤緊急整備等臨時特例基金を設置いたしまして、定員規模が29名以下の小規模な特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなどの介護施設の整備を進めているところでございます。
道といたしましては、施設整備を進める上で、増大する保険料などの負担のあり方につきましては、高齢者の収入などの生活実態を踏まえた対応が必要であると考えておりまして、現在、国において検討中の次期制度改正に向けまして、必要に応じて、国に対し要望してまいりたいと考えております。
以上でございます。
国に対して要望するということなのですけれども、道の介護保険事業支援計画では、要介護2以上が12万人から15万人へと、125%に増加しています。施設等は5万4000床から5万7000床へと、1.05倍にしかすぎない状況です。
それで、平成20年度の収容率を見ますと、45.2%です。同水準で推計しますと、平成26年度は6万7000床が必要になってくるのです、本当は。
ところが、この計画では、1万床も目標を引き下げて、5万7000床としておりまして、38.5%に抑えています。国の参酌標準は37%ですから、無理に国の参酌標準に近づけているのではないかと考えるところです。利用者の自由な選択、家族介護の軽減という、法に込められた期待に反する計画になっていると言わざるを得ません。
小泉改革以来、社会保障費の削減額は1兆6000億円にも及んでいますけれども、民主党政権になってから、この削減方針はやめるというふうに言っているわけですよね。
道は、国の参酌標準にとらわれずに、道民のニーズにこたえるような目標として、改めて掲げていくべきではないかと思いますし、参酌標準自体を廃止することとともに、財源保障を国に求めるべきでないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
保健福祉部長高橋幸雄君。
参酌標準の見直しにかかわってのお尋ねでございますが、都道府県の高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画の策定に当たりましては、国から、要介護認定者数に対する介護保険施設と居住系サービスの利用者の割合を参酌標準として示されておりまして、道では、これまで、この参酌標準を参考といたしまして、各市町材が、地域の実情や高齢者のニーズを十分把握した上で、市町村計画を策定するよう助言してきております。道の計画は、その数値を積み上げて策定しているところでございます。
今般、平成24年度からの第5期介護保険事業支援計画を策定するに当たりまして、介護保険施設等の総量規制を後押ししている、ただいま申し上げた参酌標準の撤廃の検討が閣議決定されているところでございまして、国の対応を踏まえまして、道としても適切に対応してまいりたいと考えております。
今答弁されたように、参酌標準の撤廃を進めていくという方向が示されているわけで、その前の答弁で、道としても、国においての次期制度改正に向けた要望をしていく、こういうふうに答弁をされていたわけですけれども、そうであるなら、やはり、ここのところは、はっきりと、基盤整備を進めても大丈夫だというように国に対して要望すべきだと思うのです。
先ほど紹介した私どものアンケートによりましても、保険料、利用料の負担は限界で、重い負担を理由に、76.2%の人がサービス利用を抑制しているという答えもありました。
利用が保険料にはね返ることがないようにという、制度矛盾を率直に訴える自治体からの回答もあったわけで、道としても、この際、こうした制度矛盾を踏まえて、はっきりと施設整備に対する要望というものを上げていく必要があるのじやないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
国への要望という点でございますが、現在、国におきましては、サービス体系のあり方や、持続可能な制度の構築に向けまして、保険料上昇に対する財政的な措置あるいは参酌標準の撤廃といった論点も含めまして、次期制度改正に向けて、検討が進められているものと考えております。
道といたしましては、第5期計画の策定に向けまして、これら国の検討状況を注視しつつ、必要な制度改善について国に働きかけてまいりたいと考えております。
これまでも議論してきたのですけれども、介護認定基準の変更に伴う矛盾について次に伺いたいと思います。
認定基準が変わりまして、軽度判定の増加が社会問題となっているわけです。今回の私どものアンケートでは、83.6%が、実態を反映していない問題がまだあると回答しております。
また、先ごろの北海道社保協の調査でも、改定前の2009年2月と3月の時点では11.1%だった軽度変更への割合が、制度が改悪されてから22.4‰になって、その後、一定の改善がされたということで、2009年11月と12月に調査をしましたが、17.8%になっただけで、まだまだ、利用抑制につながるような軽度判定が残っている状態なのです。
それで、軽度判定に伴う利用抑制等々を含めて、道内の状況を道がどう把握しているのか、伺っておきたいと思います。
地域福祉担当局長中野孝浩君。
要介護認定の見直しについてでございますが、国におきましては、平成21年4月の制度見直しの影響を改善いたしますため、認定調査員が用いますテキストの見直しなどの措置を講じました結果、全国における昨年10月以降の要介護認定につきましては、要介護度別の分布は、過去3年と比較しまして、一部、軽度者の割合が若干大きくなっておりますものの、おおむね同等であるとの検証結果が得られたものと承知をしているところでございます。
本道の状況につきましては、市町村の要介護認定結果を集計いたしまして、要介護度別の分布状況を適宜把握しているところでございますが、平成22年2月及び3月の2カ月の分布状況を分析いたしました結果、過去3年とおおむね同等でございまして、要介護認定状況のデータから見ましても、現在のところ、大きな支障は生じていないものと承知をしているところでございます。
いずれにいたしましても、道といたしましては、引き続き、認定調査等におきます特記事項の活用の周知を図りますとともに、道内の各市町村におきます要介護認定状況の把握、認定調査員等に対します研修の実施などを通じまして、要介護認定が公平、適正に行われるよう、努めてまいる考えでございます。
道の認識はちょっと違うと思うのです。現在のところ、大きな支障は生じていないと。でも、私が先ほど紹介しました民間の調査では、まだまだ、軽度判定が多い状況が残っているのです。改善されても、そうなのですよ。
だから、やっぱり、ここのところは、しっかりとした対応が必要だと思うのですけれども、局長、もう一度、その点について、道のほうでも、そういった調査も踏まえながら、利用者が不利益をこうむらないようにするということを明言していただけないでしょうか。
現在のところ、道が把握しておりますのは、先ほど御答弁申し上げました、平成22年2月と3月の分布状況についてでございます。
委員が御指摘のとおり、適正なサービスを受けるということは必要なことでございますので、道としましては、引き続き、各市町村と連携しながら、状況について把握をし必要な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
では次に、肝炎対策について伺います。
B型肝炎に関して、注射器の使い回しによる危険性を認識しつつ、対策を放置した国の責任は非常に重大です。
C型肝炎に関する和解後、すべての肝炎患者の命に線引きをするなと、命の平等を求めた原告団などの粘り強い訴えが実を結んで、1月に、肝炎対策基本法が施行されました。今、法の趣旨に沿った早期救済が喫緊に求められているところです。
しかし昨日も、テレビ、新聞等で報道されたとおり、首相がかわった民主党政権においても、この具体的な解決策というのは先送りをされて、解決の道筋を示していないわけです。
花岡議員の一般質問に対する答弁では、一日も早い解決を願っていると、まるで人ごとのように答えていますけれども、原告団71人は、皆さん、北海道民ですよね。そういったことではなくて、やはり、道としてできることを進めていく必要があると思いますし道議会としても、意見案などを含めて、今、検討中です。
やっぱり、国民の総意で、今の政府に対して早期解決を求めていくことがまず第一に必要だというふうに、質問の前に指摘をしておきたいと思います。
それで、この予算特別委員会では、原告の皆さんが求めている具体的対策のうち、自治体として何ができるのかという観点から、以下、伺いたいと思います。
肝炎対策基本法の第4条では、地方公共団体は、基本理念にのっとって、地域特性に応じた施策の策定及び実施の責務を負っているとされております。道は、地域特性ということについてはどのように認識をされているのか、伺います。
道の肝炎対策についてでございますが、本道は広大な面積を有していることから、肝炎対策として、道内の3医育大学病院を肝疾患診療連携拠点病院に、また、全道128カ所の医療機関を肝疾患専門医療機関に、それぞれ指定しこれら医療機関と地域のかかりつけ医とが連携した肝疾患診療ネットワークを構築するなどいたしまして、道民の方々が身近な医療機関で治療を受けられる体制づくりを進めているところでございます。
身近な医療機関で治療を受けられるということを地域特性として挙げられました。ここにも大きな課題が残っているわけですけれども、それ以外に、道には、本来果たすべき役割を後退させたという実績があります。
道は、平成17年、高橋知事就任時に、それまで、早期発見と早期治療の観点から全国的にも先進的取り組みだった道の肝炎対策事業を、北海道ウイルス性肝炎進行防止対策に改変して、対象者を絞り込みました。これは道議会でも大変な議論になって、道に対する議会からの意見というのは相当大きなものがあったわけです。ところが、これを押し切ったわけです。
その後、平成20年からは、国が肝炎治療特別促進事業を開始したということで、幾分かは緩和したかのように見えますけれども、そうではありません。
そのことを証明するために伺いたいのですけれども、肝炎対策事業の対象者、予算額等、事業規模がどのように推移したのか、お示しください。
健康安全局参事吉田和久君。
特定疾患治療研究事業などについてでございますが、道では、昭和49年度から、単独で、難治性肝炎に対する医療給付事業を実施してきており、平成17年度には、このうちのウイルス性肝炎につきまして、原因が判明してきたことや、治療方法が一定程度確立されてきたことなどから、特定疾患の対象から除外し新たに創設したウイルス性肝炎進行防止対策事業に移行したところであります。
このため、特定疾患治療研究事業における難治性肝炎につきましては、平成16年度の対象者数が約2万2100人で、決算額が約34億1000万円となっているのに対し直近の決算であります平成20年度未では、対象者数が約1000人で、決算額が約1億円となっているところであります。
なお、ウイルス性肝炎進行防止対策事業では、平成20年度に、対象者数が約1万人、決算額が約16億2000万円となっております。
以上でございます。
今の答弁から推察しますと、1万1000人以上の人が対象外とされて、患者負担についても、いろんな施策を勘案しても、16億円から17億円が道の負担から患者さんの負担に移行したというふうに言えると思います。
国の都合によって、何の責任もない肝炎患者さんが、みずから医療費や検査費を負担しなければならないという全く理不尽な状態に拍車をかけたのが、道の施策ではないでしょうか。これは早急に改善すべきだと考えます。
病気の進行に不安を抱く原告の方々が安心して医療を受けられる医療給付事業を早期に実施することが必要であって、道がこの対策を後退させたことの失望感ははかり知れないものでして、現状の大変な負担というのを何としても解決しなければならないと思います。
原告団は71名だけですけれども、すべての肝炎患者について、国の対策が示されるまで、医療費の心配がないように、道としての支援をすべきではないかというふうに改めて伺いますけれども、いかがでしょうか。
道の支援についてでございますが、国におきましては、平成20年度に、インターフェロン治療への助成であります肝炎治療特別促進事業を創設いたしまして、本年4月には、抗ウイルス剤治療などを新たに対象とするなど、拡充を図ったことから、道単独事業でありますウイルス性肝炎進行防止対策事業の対象者の多くが国庫事業に移行したところでございますが、厳しい財政状況のもとで、新たな制度の創設は難しいものと考えているところでございます。
私は、新たな制度を創設してほしいと言っていません。もとの制度に戻してほしいと言っているのですけれども、どうですか。
御指摘の点も含めまして、難しいものと考えております。
本当に時代に逆行した政策だと思いますよ。高橋はるみ知事は、本当に冷たいなというか、ひどいなと思います。
そこでですけれども、では、そういった中で、道は何ができるかということなのですけれども、今、患者さんのうち、窓口での支払いが現物給付となる患者さんも多数出てきています。道の努力で、そうなっているということも聞いておりますけれども、償還払いになって、まだ負担を強いられている方が残っていらっしやるということなので、せめて、患者さんの支払いがもっと簡便になるような取り組みを進めていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
負担についてでありますが、ウイルス性肝炎進行防止対策事業におきましては、例えば、通院の場合、1医療機関当たり、1カ月で、自己負担の限度額を1万2000円としているところでありますが、医療機関の窓口で自己負担限度額を超えて支払わずに済むよう、道と医療機関等との間で協定を結び、患者負担の軽減に努めているところでございます。
現在は、道内のほとんどの医療機関等と協定を締結しておりますが、一部に、未締結の医療機関等もありますことから、今後も積極的に働きかけてまいる考えであります。
具体的に働きかけていただきたいと思います。
次ですが、受給者証の更新についても、原則1年となっているわけですけれども、今、保健所でしか更新の手続ができません。
それで、医療費の支払いだけではなく、こうした手続についても、もっと身近に、簡便にして、患者さんの負担を軽減しながら進めていただきたいと思いますけれども、これはどうでしょうか。
医療受給者証の更新についてでございますが、道では、ウイルス性肝炎進行防止対策事業の医療受給者証の更新申請を、札幌市にあっては各区の保健センターで、ほかの地域にあっては保健所及び支所で受け付けているところでありますが、代理申請はもとより、郵送でも受け付けることができるよう取り扱っており、患者とその家族の方々の利便性の向上に努めているところでございます。
一層、指導を徹底していただきたいと思います。
次に、検査体制についてなのですけれども、原告団の方からお話を伺ったときに、自覚症状が出たときには既に肝硬変になっていたとか、発見時にはもう肝がんだったというお話を伺いました。
肝臓は沈黙の臓器と言われるわけで、異変をなかなか発見できない、発見するために、やはり検査が必要だということなのですけれども、現在、肝炎だとわかっていない、あるいはキャリアであることがわかっていない方々も多いわけで、ここのところは、しっかりとした検査体制の拡充が必要だと考えます。
また、肝炎ウイルスキャリアの血液検査や、エコー、CT検査など、定期実施検査の公費負担等も早急に必要ではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
検査体制の拡充などについてでございますが、道におきましては、平成13年9月から、道立保健所において、B型及びC型の肝炎ウイルス検査を有料で開始しますとともに、平成19年8月からは、国の方針に沿いまして、輸血や臓器移植を受けた方などを対象に、無料で検査を実施しているところでございます。
また、平成14年度からは、健康増進法などに基づきまして、道内のほとんどの市町村におきましても、40歳以上の方々を対象とした、B型及びC型の肝炎ウイルス検査を実施していると承知しております。
こうした1次検査の結果、陽性と判定された方に対しましては、医療機関における精密検査費用の一部について道が助成を行っており、このような取り組みによって、ウイルス性肝炎の早期発見と適切な治療につながるよう、努めているところでございます。
リーフレットを見せていただきましたところ、検査には何か条件がついているように見えるのです。
それで、心配だとか検査してほしいという人も、この対象だということで確認してよろしいでしょうか。
今、議員から御質問がありましたが、心配な方についても対象となっております。
肝炎に対する社会的偏見、誤解というのが、今、多くの患者さんを苦しめている状況で、原告団の方にお話を伺ったときにも、最もつらいことだと伺いました。
道では、このような偏見や誤解をなくすために、どのように取り組んでいくのか、最後に伺います。
肝炎に関する理解についてでございますが、肝炎予防に関する正しい知識の普及や意識の啓発は、肝炎対策を進める上で重要なものでありますことから、道内の保健所におきましては、肝炎予防や治療に関する相談を行っているほか、道のホームページや市町村の広報誌などを活用するとともに、医療機関へのリーフレットの配付など、普及啓発に努めているところでございます。
道といたしましては、今後とも、肝炎患者の方々への偏見や誤解を解消しその人権が損なわれることがないよう、あらゆる機会を通じまして、正しい知識の普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
それでは次に、国民健康保険等について伺います。
初めに、全道の国保科、国保税の直近5カ年の引き上げ状況についてお示しください。
健康安全局参事材本真人君。
保険料・税の改定状況についてでありますが、この5年問の状況を申し上げますと、平成16年度で30保険者、平成17年度で41保険者、平成18年度で28保険者、平成19年度で25保険者、平成20年度で2保険者が、それぞれ、保険料・税率の引き上げを行ったところでございます。
なお、この間の全道の被保険者1人当たり平均の保険料・税調定額で申し上げますと、平成16年度は8万1746円、平成17年度は8万2241円、平成18年度は8万4742円、平成19年度は8万6505円、平成20年度は9万2309円と、増加傾向にあります。
以上でございます。
5年間で1万円以上の引き上げになっているのですよね。現状では、高い国保料と窓口一部負担の重さで受診抑制が起きていて、死に至る方もいらっしやる、こういった状況が起きています。
その大もとには、確かに、国の財政支出の削減というのがあるのですが、それだけではなくて、ペナルティーと言われる、普通調整交付金の削減、地方単独事業に対する削減の影響が多額に上って、それが保険料引き上げの大きな要因となっていると考えます。
道が国に改善を申し入れていることはわかっているのですけれども、国保会計の財源不足の大きな原因となっている、普通調整交付金と地方単独事業に伴う負担金の減額は、この5年問でどの程度の影響となっているのか、お示しをいただきたい。
また、普通調整交付金では、最大でどの程度減額されているのかもあわせて伺いたいと思います。
国の交付金等の減額についてでございますけれども、最初に、道内の保険料・税の収納率に応じた国の普通調整交付金の過去5年間の減額の状況は、平成17年度は、60保険者で約31億6500万円、平成18年度は、51保険者で約30億1800万円、平成19年度は、50保険者で約27億6000万円、平成20年度は、51保険者で約26億2300万円、平成21年度は、45保険者で約23億4500万円となっており、このような、減額される額の減少は、各保険者が収納率の向上に努力した結果であると考えております。
なお、直近の平成21年度におきまして減額された額が最も多かった保険者では、約9億円の減額でありました。
次に、地方単独事業に伴う国庫負担金の減額につきましては、平成16年度で約18億8200万円、平成17年度で約13億5700万円、平成18年度で約12億3000万円、平成19年度で約11億8100万円、平成20年度で約10億5200万円となっており、平成21年度につきましては、現時点で実績が確定していないところでございます。
以上です。
その数字を伺って、本当にびっくりしたのですけれども、毎年毎年、減少してきているとはいえ、直近でも、年間で36億円の金額が道民と自治体の負担に転嫁されて、国がお金を出してこなかった、こういう実態なのです。それが、道民の命にかかわる問題にまで発展しているということでいえば、どうしてもここを変えていく必要があると思いますし、何より、地域格差も大きくなってきていますので、その解消が求められているわけです。
国民健康保険の改正が議論されている中で、道内の市町村から、道による広域化を求める声が出ていますが、私は、財源を保障しないままでは受け入れることはできないと思います。
道の国民健康保険財政健全化対策費補助金の廃止も、あわせて、国保会計を厳しくする要因の一つであったわけで、国がやらないのであれば、道が補助していたこの補助金の復活というのは必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
国民健康保険財政健全化対策費補助金についてでございますが、この補助金は、市町村の国保財政の負担軽減を図るために、昭和59年度に制度化したものでございますが、平成15年度以降、国におきまして保険者支援制度が創設されるなど、市町村国保財政の基盤強化が図られてきたことから、道としては、市長会及び町村会と協議を重ねまして、平成18年度に廃止したところでございまして、現下の厳しい道財政の状況では、その復活は難しいものと考えております。
市町村と協議したと言ってありますけれども、納得はしていませんよ、市町村は。道は何の努力もしていないというふうに考えていますよ。
そういった中で、道は、広域化等支援方針の作成について検討をしているというふうに伺っていますけれども、広域化等支援方針には、医療費適正化による医療費抑制や収納率の目標設定などを盛り込むこととされています。結局は、病院にかかるな、保険料を払えというものに近いのではないかと思うわけです。
国保加入者というのは、無業者が約40%を占めている状態ですよね。それで、どうやって高過ぎる保険料を払えというのでしょうか。この高過ぎる保険料を払うために生計費を削る、こういうことを道民に強いることになれば、本末転倒なわけです。
また、先ほどお話しした普通調整交付金のペナルティーなどが直ちになくなるわけではないとも聞いておりますので、広域化等支援方針のこうした課題について、どういうふうにお考えなのか、伺いたいと思います。
広域化等支援方針についてでございますが、本年5月の国民健康保険法の改正によりまして、都道府県は、国保事業の運営の広域化または国保財政の安定化を推進するための広域化等支援方針を策定することができることとされたところでございます。
道といたしましては、今後、その策定に向けて、市町村を初め、国保関係者の意見を十分聞きながら、検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
なお、この支援方針の中に、保険者規模別の保険料収納率の目標などを定めた場合には、国の普通調整交付金における保険料の収納本に応じた減額措置を、当該都道府県内のすべての保険者に適用しないこととされているところでございます。
今の答弁を聞くと、何か、いいことばかりのようにも聞こえるのですけれども、実際にはそうなりませんよね。
収納率が上がらない、特別な事情がある人たちがいっぱい住んでいる自治体では、自治体が幾ら努力しても、それがなかなか改善されないという実態もあります。そうすると、ほかの自治体に負担が回るような事態も想像されているために、市町村とよく相談するということにっていると思うのです。
ですから、国がきちっとした財政支援をする、道もそこに上乗せをする、そういった中で、公平な国民健康保険制度にならなければ、ただ単に、自治体間の対立を生むだけではないかという懸念もありますので、ここのところは、課題をよく整理していただきたいと思います。
次に、窓口一部負担金の軽減について伺います。
国保法の第44条に基づいて、窓口一部負担金の軽減制度というのがあります。道内では、基準等がいまだ整備されていない団体が残っているというふうに聞きますけれども、その点はどうなっているでしょうか。
一部負担金の減免等に係る基準などについてでありますけれども、国民健康保除法第44条におきましては、災害などで資産に重大な被害を受けた場合や、失業などによって著しく収入が減少するなど、特別な理由によって生活が困窮し一部負担金を支払うことが困難なときは、市町村長の権限で、一部負担金の減額、免除または徴収猶予を行うことができることになっております。
道内における、これらの措置に関する基準等の策定状況を申し上げますと、平成21年度末現在で、157保険者のうち、148保険者が基準や運用方針等を定めており、残りの9保険者は、特別の定めを設けていないところでございます。
以上です。
道内では、148保険者が定めているということで、これだけ厳しい暮らしの状況を勘案すると、相当な実績があるのではないか、いい制度だなと私は思ったわけです。
そこで、ちょっと伺いたいのですけれども、平成21年度の状況については、どのような軽減理由で、実績がどのくらいになっているのか、伺います。
一部負担金の減免等の実績についてでございますけれども、平成21年度におきましては、事業の休廃止、失業等により、著しく収入が減少したことによる免除が、7保険者、40件で832万円、病気のため、就業できずに収入が減少したことによる免除が、1保険者、2件で20万円となっております。
なお、災害などで資産に重大な被害を受けた場合や、干ばつ、冷害等による農作物の不作、不漁で収入が減少したことによる減免等については、実績がありませんでした。
この軽減制度がありながら、そういう実績というのは、非常に乖離している。さらに、昨今の社会情勢を考えると、どうして使われないのかというふうに考えるところです。
医療費の窓口負担が大きくて、病院にかかれないということが社会問題化している中で、この制度はもっと活用すべきではないかと思うわけです。
それで、道の調査資料を見せていただきました。そうしますと、旭川市は、ずっと、基準などが整備されていたことになっていたのです。平成9年に要網が定められたことになっていたわけです。ところが、対象基準が明確でなかったために、ずっと、実績がゼロだったのです。確かに、国保の収納率も低いですし本当に厳しい経済状況、暮らしの中で頑張って生きている旭川市民がなかなか使えなかった。
そこで、旭川市の団体の皆さんと一緒に共産党の市議団が取り組んで、ことしの4月から、この要綱に対象基準が明記されたわけです。これでやっと使えるシステムになったのです。
先ほど、148保険者で整備されているという答弁だったのですけれども、他の市町村でも、本当は、この基準等が使えるようになっていないのじやないかと私は思うのですけれども、どうでしょうか。
一部負担金の減免等の要綱や基準についてでありますが、保険者である市町村では、被保険者から、一部負担金の減免等についての相談を受けたときは、要綱や基準に照らし被保険者の財産状況、収入状況などの生活実態なども総合的に勘案して、減免等の可否を判断していると承知しているところでございます。
先ごろ、他市の状況を伺いました。そうしたら、基準はあるのだけれども、現実には、使うということを想定せずにつくったと、使えない制度になっているのだということを率直に語ってくださる方がいらっしやいまして、御紹介するのですけれども、やっぱり、こういうところは改善しなくちやいけないと思うのです。
それで、軽減制度の活用が広がるように、道としても、市町村に助言をするなど、制度改善に向けた取り組みが必要ではないかと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
一部負担金の減免制度の周知などについてでございますが、道といたしましては、この減免制度の適切な運用が図られるためには、保険者である市町村が、被保険者に対し、制度の趣旨や内容を十分周知することが大切と考えております。
こうしたことから、道におきましては、これまでも、保険者に対しまして、文書あるいは会議等の場を通じ、被保険者へ積極的に制度を周知するよう助言してきたほか、道が作成、配付をしておりますハンドブックにおきましても、その内容を記載するなど、減免制度の周知に取り組んできているところであり、今後とも、こうした減免制度が広く周知され、適切な運用が図られますよう、努めてまいりたいと考えております。
これは、やっぱり問題があるのですよね、本当は。財源がどうなるかということでは、財源が国から市町村に十分来るシステムになっていないのです。ですから、使いたくても、市町村負担だけになってしまうということで、なかなか使いにくい。
そこのところを改善していくということが必要だと思いますし、道としては、市町村での活用を図るということについても一緒に努力していただくとともに、財源措置について、国に対して、実績があったら、それについては国として必要な財源措置をきちっとする、こういうことも一緒に求めていただきたいと申し上げまして、質問を終わります。
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[日本共産党道議団編集]