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2010年予算特別委員会

【真下紀子道議、温室効果ガス削減目標、天下り要綱違反、天下り隠し、「バーター天下り」などただす】 10.06.24

2010年6月24日 予算特別委員会知事総括質疑概要

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

温室効果ガス削減、知事「国以上の削減目標めざす」

○真下紀子委員

私も、一日も早い知事の回復を願った一人として、公務復帰を歓迎して、以下、地球温暖化対策等について質問いたします。

知事は、温室効果ガス削減目標について、鳩山前政権以上の目標にすると表明されましたが、環境生活部は、国の目標を念頭に置くとする答弁にとどまりました。具体的に削減目標をどこに置くのか。

また、そのための施策について、産業部門との調整、高断熱技術を活用した住宅リフォームの普及、投資の呼び込みなどを私は提案させていだきましたが、どのように取り組むのか、伺いたいと思います。

その際、温室効果ガスの削減による実質的削減目標とすべきであって、森林吸奴原に過度に頼ることなく、明確に、1990年比で25%以上の削減目標とすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○木村峰行委員長

知事高橋はるみ君。

○高橋知事

地球温暖化対策に関し温室効果ガス削減目標に対する考え方についてでありますが、本年5月に策定をした北海道地球温暖化対策推進計画においては、国の新たな温暖化対策の詳細などが明らかになっていないことから、現段階で積算可能な削減量のみを当面の目標といたしているところであります。

現在、国においては、日本全体の目標達成に向けた具体的な対策、施策の道筋である中長期ロードマップや、国内排出量取引制度のあり方などについて、国民、企業、NPO等、各界各層からの意見を聴取しつつ、検討を進めていると承知いたしております。

私といたしましては、国の新たな施策により見込まれる温室効果ガスの削減に加え、豊かな森林や、多様で豊富な再生可能エネルギー資源を有する本道の優位性を最大限に生かすことなどによって、国の削減目標と同等あるいはそれ以上の削減の達成を目指すという強い思いを持って、取り組みを進めてまいりたいと考えているところであります。

今後におきましては、道民、事業者の皆様方の御理解と御協力をいただきながら、新たに策定した計画に基づき、各種助成制度を活用した省エネルギー・新エネルギー関連設備等の導入支援、住宅版エコポイント制度などを活用した高断熱住宅への住宅リフォームの普及促進、カーボンオフセット制度などの経済的手法を活用した再生可能エネルギーの導入促進などの地球温暖化対策に全庁一丸となって取り組み、日本全体の温室効果ガスの排出削減に向け、地域から貢献してまいりたいと考えております。

以上であります。

○真下紀子委員

この点については応援させていただきます。

生物多様性の保全、強制力ある対策を

○真下紀子委員

次ですが、環境生活部長は、これまでも開発行為に対して必要な指導を行ってきたと、生物多様性の保全について答弁をいたしましたが、それなら、生物多様性保全に最も反したのが開発行為との指摘はこれほどされなかったはずです。

北海道生物多様性保全計画の策定に当たって、実効性のある内容にするために、強制力のある対策も含めた検討を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋知事

生物多様性保全計画についてでありますが、国においては、開発による影響や、外来種などから、種や生態系などの多様性を保全するという理念のもとに、生物多様性基本法の制定や、国家戦略を策定するなど、その保全に向けた動きが進められているところであります。

道といたしましては、国の基本法の地域戦略として、新たに、北海道生物多様性保全計画の策定を進めているところであります。

この計画は、生物多様性保全の視点から、自然環境にかかわるさまざまな施策をまとめ直し相互に連携させて、包括的に進めることを示すものであります。

今後においては、計画をできる限り早期に策定し、計画の理念のもと、開発行為などに関して、これまで策定した指針などについても、総体的に見直すことといたしているところであります。

見直しに当たりましては、庁内はもとより、関係機関・団体と協議しながら検討を進め、生物多様性の保全が確保されるよう、取り組んでまいりたいと考えております。

以上であります。

○真下紀子委員

実効性ある取り組みをお願いいたします。

天下り要綱違反、天下り隠しについて

○真下紀子委員

次に、天下り等について伺います。

道の幹部職員OBは、今年、115名の退職者中、84名が天下りし、そのうち、適用団体へは22名が天下って、道がお墨つきを与えているために、要綱違反状態を放置しています。

この10年間で、適用団体だけで、在職期間、給与基準の要綱違反は、延べ96団体、139名にも上っています。知事は、この実態をどのように受けとめたのか、伺います。

あわせて、要綱違反の実人数が、何団体で何人に上っているのかもお示しください。

○高橋知事

再就職取扱要綱についてでありますが、要綱に定める在職期間の制限を超えて在職していた団体数、人数は、過去10年間について、43団体、54名となっているところであります。

これらについては、再就職者が団体を退職した場合、団体の運営等に著しく支障が生じるなどの事情によるものと承知をいたしているところであります。

○真下紀子委員

そんなことはないですよ。

○高橋知事

また、過去9年間で、給与基準額を超えて給与を支給していた団体数、人数は、8団体、18名となっているところであり、これらについては、道としても、給与基準に係る指導に努めてきたことなどから、既に基準額以内の額に引き下げられたところであります。

再就職取扱要綱に関しては、昨年3月に、再就職手続の明確化や、再就職者への制限の強化、さらには、要綱遵守の徹底などについて必要な見直しを行ったところであり、今後とも、要綱の目的や趣旨などを踏まえ、厳格な運用に努めてまいる考えであります。

以上であります。

○真下紀子委員

優秀な退職者が次々と出ますから、安心していただきたいと思うのですけれども、合計で、51団体、72名ということです。これは実人員です。

それでは、そのうち、元部長や元特別職が何人含まれているのか、お示しください。

○高橋知事

要綱の基準を超える者の状況についての重ねての御質問でございますが、過去10年間について、在職期間の制限を超えて在職していた者のうち、特別職及び部長級の職であった者は、それぞれ、実人員で11名となっているところであります。

また、過去9年間について、給与基準額の制限を超えて給与を受けていた者のうち、特別職であった者は実人員で1名、部長級の職であった者は6名となっているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

元幹部が率先して要綱違反を行っている。

その中で、在職期間を複数の団体で超えている方、また、在職期間と給与について、複数でかぶって、重複違反者というのがいると思うのですけれども、いかがですか。どこの団体のどなたか、お答えください。

○高橋知事

お答えを申し上げます。

重複して基準を超えている者につきましては、3団体、4名というふうに確認をいたしているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

どうして名前と団体名を言わないのですか。言ってください。

団体と元職でいいですから……。

○高橋知事

お答えを申し上げます。

重複して基準を超える者が属する団体は、財団法人北海道農業開発公社、社団法人北海道栽培漁業振興公社、及び、財団法人北海道建設技術センター、以上でございます。

○真下紀子委員

どうして違反者の名前を知事は隠そうとなさるのか、私には理解できません。

○高橋知事

お時間をちょうだいして、申しわけございません。

改めてお答えを申し上げたいと思います。

給与基準額を超え、かつ、年齢基準を超えた者が在職していたということで、対象者をチェックいたしましたところ、4名というふうになっております。

以上であります。

○真下紀子委員

私の認識とちょっと違ったものですから、びっくりしましたけれども、私のほうからはこういう認識、それから、知事のほうからはこういう認識ということになると、これが両方ダブりで、もしかしたら、この数全体が重複違反者ということになるわけですけれども、やっぱり、これは隠してはいけないと思うのです。天下り隠しがこれ以外にもあります。

2009年からの再就職取扱要綱の改定によって、準ずる団体を対象外として、知事は、適用基準の明確化を図ったなどと述べて、御自慢の御様子でした。

しかし総務部から提出された資料を検証しましたところ、100団体のうち、33団体、45人の天下りが要綱対象外となって、平成20年度末から、道民の目に全く隠された状態になっています。

これでは、道民が求める、公正で透明性の高い道庁の姿に逆行し情報公開の流れに真っ向から反すると考えます。事実上の天下り隠しではないかと考えます。知事はどうお考えになるのか。

また、隠された団体への天下りは、一体、何団体で何人が公表されなくなったのか、あわせてお答えください。

○高橋知事

再就職取扱要綱の対象となる団体についてでありますが、再就職取扱要綱に関しては、これまでの議会議論などを踏まえ、対象団体の明確化という観点から、団体の範囲を定める規定を、道からの出捐金や補助金の割合という客観的な基準に集約し適用団体に一元化する見直しを昨年3月に行ったところであり、結果として、これらの基準を下回る、道の関与の度合いが低い一部の団体については、要綱の対象外となったところであります。

なお、この見直しに件い、要綱の適用外となった団体は33団体であり、これらの団体に再就職していた課長級以上の元道職員は、平成20年度は把握しておりませんが、平成19年度末時点におきましては45名であったところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

知事は、把握しなくしたのです。天下り隠し要綱に知事が改定したのです。そして、準ずる団体が、今後、隠れみのになる危険性があるということを私は言わざるを得ません。

分料会で、道の改定要綱を厳格に運用することによって、雨宿りは2人から4人に倍増したことが明らかとなりました。

また、関与団体についても、別の関与団体、民間企業等を中継地とする渡り鳥が、13団体で15人もいることが明らかとなりました。

識者からは、雨宿りは再就職取扱要綱を逃れるための一種の偽装工作とまで指摘をされています。

道民からの批判を無視して、知事が、こうした要綱破りの常態化を放置し、偽装工作を続けるのか、まさに今問われています。天下りに厳格な対応をするよう、知事に要綱の再改定を求めますが、どうでしょうか。

改定する考えはないと、一言言ってくれればいいのです、いろいろ言いわけしないで。

○高橋知事

要綱の見直しに関しての考え方についてでございますが、ここまで議論がございましたとおり、昨年の3月、再就職取扱要綱の見直しをさせていただいたところでございます。

そのことにつきましては、私ども道からの、対象団体となる団体に対する関与の度合いに基づき、明確な運用を期すという立場から、昨年3月の見直しを行ったところでございまして、今後ともより一層、要綱の厳格な運用に努めてまいる所存であると同時に、道庁職員の再就職について、道民の方々の疑念が少しでも生ずることのないよう対応をしてまいりたい、このように考えております。

以上であります。

○真下紀子委員

要綱を厳格に運用すればするほど、天下りが隠れ、雨宿りがふえ、ひどい状態になるのですよ。これは、知事、改革から逆走していて、逆走知事だと言われても仕方ないのじやないでしょうか。

指定金融機関との不公正な関係、「バーター天下り」

○真下紀子委員

それ以外にも、金融機関との不公正な関係があります。

北洋銀行が指定金融機関なのですけれども、北洋銀行側のOBと道幹部職員のOBとが2人ずつ、それぞれ天下っているのです。そのうち、北洋銀行のOBは、識見監査委員のポストを、拓銀以来、4代連続、16年間にわたって独占し、年間1184万円の報酬を受け取っていることが初めてわかりました。

総務部長は、幅広い人選と選任の結果だというふうに答弁していましたけれども、公正さの担保が求められる指定金融機関との関係は見直しが必要ではないか、バーター天下りと言われるような状態は解消しなければならないと考えますが、いかがでしょうか。

○高橋知事

監査委員の任命についてでございますが、監査委員の選任に当たりましては、地方自治法に基づき、議会の同意を得た上で任命させていただいているところであります。

その人選につきましては、監査委員の役割と機能を十分勘案の上、地方公共団体の財務管理、事業の経営管理、その他、行政運営にすぐれた識見を有する者といった観点から、幅広く適任者を検討の上、人選をしてまいったところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

私は、分科会でもお話ししました。民間にそういった適任者がいないのかどうか、それほど北海道は人材が不足しているのかと申し上げましたが、異常なことですよ、同じ民間会社、それも指定金融機関から、4代続けて16年間、監査委員が出ているということは。これは直ちに見直さなければならないということを厳しく指摘申し上げたいと思います。

道職員のOBが監査委員にUターン

○真下紀子委員

それから、道職員のOBが監査委員にUターンして、天下りをしております。

道庁不正経理問題で、それまで道の幹部職員のOBの指定席であった監査委員が、そのときに辞任をしました。その後、道議会の議論を経て、自治体経験者が、3代、監査委員を務めたわけです。

総務部長は、やはり同じように、幅広い人選と選任の結果と答弁しましたが、道職員OBになぜUターンをさせたのか、私は納得がいきません。

独立機関であり、厳正、公正な監査を行う監査委員に、内輪の道幹部OBをUターンさせることを、知事はなぜ是とするのか。これまで続発した、道における不正経理問題の経過に対する認識とあわせて伺います。

○高橋知事

監査委員の選任についての重ねての御質問でございますが、不正経理問題につきましては、道の組織的、構造的な問題であったことから、その後、全庁的な取り組みとして、道政改革を実施してまいったところであります。

当時、監査委員につきましても、さまざまな御議論があったものと承知をいたしているところでございますが、その任命に当たりましては、これまでも、道の行財政を取り巻く状況なども勘案し、幅広く人選を行ってきたところであります。

今回の人選におきましても、監査委員の役割と機能を十分勘案の上、引き続き行政経験者から選任したいとの基本的な考えのもと、市町村長経験者や道職員経験者も含め、幅広く人選をし、検討した結果、その行政経験などから最も適任であると判断をいたしたところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

質問時間が迫っておりますので、最後に、少しまとめて質問させていただきます。お聞き逃しのないようにお願いいたします。

道警不正経理問題のとき、高橋はるみ知事が、道警本部長の発言は重いと述べて、事実解明よりも幕引きを優先させたと思わせました。

そのとき、道幹部は何をしたかといいますと、代表監査委員にも知らせず、監査委員の独立性に疑問を持たれるような会合を道が伸介し、そこに、監査委員が道警と同席し意見交換したことを、知事はよもやお忘れではないと思います。

私は、平成16年第3回定例会で質問し、そのときに、自治体首長経験者の徳永光孝代表監査委員は何と答えたか、知事は思い出して、ぜひ皆さんに御紹介をしていただきたいと思います。まず、これが1点です。

それから、道幹部がこの時点でこのような不正隠しをしていた、そのとき、もし、監査委員が内輪のOBでしたら、毅然として対応できたかどうか、私は甚だ疑問に思っております。

まして、天下り先で、要網基準を超える収入のためにアルバイトをし、ルールを守らない方が、高潔な人格と言えるのか、説明をしていただきたいと思います。これについて、あわせてお答えください。

○高橋知事

監査委員についての御質問でございますが、ただいま委員が御指摘の道警報償費問題に際しての一連の道議会の議論の一環として、委員の御質疑の議事録の抜粋について、私も今ここで改めて目を通させていただいているところでございます。

これまでの、市町村長経験者であった監査委員の方々には、こういったことも含めて、その職責を十分果たしていただいてきたもの、このように考えているところでございます。

そういった中にあって、今回の監査委員の選任に当たりましては、先ほどの繰り返しになりますが、こういった市町村長経験者の方も含めて、さまざま、必要な役割と機能を十分に勘案した上で、必要な御知見であるとか経験であるとか、こういうことから、幅広く人選し、検討した結果、最も最適であるという方を選任させていただいたところでございます。

私といたしましては、元道職員の監査委員の方についても、これまでの、市町村長経験者である監査委員の視点や取り組みなども十分に踏まえ、その職責を十分果たしていただけるもの、このように考えているところであります。

以上であります。

○木村峰行委員長

真下委員、時間が過ぎておりますので、質問を終えてください。

○真下紀子委員

はい、質問はいたしません。

私は、それでは、道民の財産である道財政の公正な監査はできないと考えております。やはり、ここは毅然として対応していただきたいと考えます。

また、先ほど言った重複での違反者について、理事者側と私のほうで乖離がありましたので、そこのところは精査をさせていただきたいと思います。よろしくお取り計らいをお願いいたします。

どうもありがとうございました。


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