【花岡ユリ子道議、09年一般会計補正予算に反対】 | 10.03.15 |
それでは、私からも、5定補正予算に対しての質問を行いたいと思います。
まず最初に、介護基盤緊急整備等特別対策事業の中のスプリンクラー整備事業について質問したいと思います。
この問題につきましては、私たちは以前から指摘をしていました。しかし、これほど早く、私たちの心配が現実のものになるとは、到底考えられませんでした。私たちは、この問題も含めまして、もっと早くに──既に1年前には、「たまゆら」で事故があったわけですから、そういう問題を教訓にできなかったのかなと、今思うと本当に悔しく思います。
そういう思いも持ちながら、質問をさせていただきたいと思いますが、今回の事故で亡くなられた多くの方々には、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
それでは、質問に入ります。
今回の最終補正で、スプリンクラー整備事業について、何と11億円もの大幅な減額となっておりますが、その理由は何だったのか、最初に伺いたいと思います。
減額の理由についてでございますが、消防法施行令の改正に伴いまして、昨年4月から、要介護状態にある方が入所されている老人福祉施設など、延べ275平方メートル以上の施設につきましては、平成23年度末までのスプリンクラーの設置が義務づけられ、そのうち、30床以上の広域型の施設や有料老人ホームにつきましては、道の北海道介護基盤緊急整備等臨時特例基金で対応し、29床以下の小規模な施設や認知症高齢者グループホームは、市町村に対する国の交付金で対応することとされたところでございます。
道といたしましては、昨年、対象となる施設に対し、スプリンクラーの有無等に関する調査を行いまして、北海道介護基盤緊急整備等臨時特例基金を創設したところでございますが、その後、国から、有料老人ホームについては、要介護状態にある方の入所実態を踏まえ、消防署と協議すること、あるいは、市町村立の施設は、この基金による整備の対象外とすることとされたことなどから、平成21年度に76施設の整備を見込んでいたものが、18施設の整備にとどまり、対象外となった施設分について、このたび減額補正をしようとするものでございます。
今回、スプリンクラーの整備について具体的に調査するに至った時期というのは、いつだったのでしょうか。いつから始めておりましたか。
調査の時期についてでございますが、昨年の5月に第1回目の調査をいたしております。
昨年の5月ということなのですが、今から考えれば、もっと早くにと思わざるを得ませんけれども、もっと早くに調査を始めていたら、もっと多くの施設でスプリンクラーをつける余裕とかというものもあったのではないか、このことを強く指摘しておきたいと思います。
今回の火災事故が起きた施設は、1ユニットで1人の当直でした。しかし、認知症高齢者グループホームの夜間の人員配置基準は、支障がなければ2ユニットで1人いればよいと定められております。
以前から、この基準では火災のときに対応できないと指摘されておりましたが、今回の事故を教訓に、早急に改善されるべきではないでしょうか、お答えください。
認知症高齢者グループホームの人員配置についてでございますが、道といたしましては、特に、利用者が認知症の高齢者であるという施設の特性を考慮すると、火災等の事故発生時に利用者を安全に避難させるためには、現行の基準に対して、より手厚い夜勤職員の配置が必要と考えておりまして、このたびの火災を踏まえ、関係機関、関係団体の意見を伺いながら、早急に、制度改正について国に対して働きかけてまいりたいと考えております。
次に、介護保険関係経費の問題ですが、9億3000万円の減額補正に関連して伺います。
まず、平成17年度と21年度の比較で、予防給付に当たる額と、要介護1から5に当たる介護給付の額についての推移を示していただきたいと思います。
介護保険給付費の推移ということでございますが、平成21年度実績が、年度途中のため、算出できておりませんことから、全道の、平成17年と21年の4月におけるサービス提供分に係る保険給付支給額を比較いたしますと、要支援者に対する予防給付費は、17年4月の7億600万円に対し、21年4月は約2.27倍の16億600万円、また、要介護1から5の方に係る介護給付費は、17年4月の212億800万円に対し、21年4月は約1.02倍の217億2400万円となっているところでございます。
要支援の方の数は2倍以上にふえた一方で、要介護1から5の方の数は減少しています。
医療団体がまとめた介護事例集には、平成18年度の予防給付移行により、サービスの時間が減ったとか、サービスの枠が足りずに自己負担がふえたなどの事例が示されています。
さらに、昨年4月、要介護認定方法が見直されましたが、道として、適切な時期に見直しの影響について調査すべきと考えますが、その対応を伺いたいと思います。
要介護認定方法の見直しについてでございますが、平成21年4月に実施をされました要介護認定の方法につきまして、国では、要介護認定の見直しに係る検証・検討会を設置いたしまして、昨年10月から、認定調査員テキストを見直したところでございます。
また、本年1月に開催をいたしました検証・検討会におきまして、10月以降の要介護認定の結果につきまして、要介護度別の分布は、過去3年と比べ、一部の軽度者の割合が若干大きくなってはいるものの、4月の変更前とおおむね同等の分布となっているといたしております。
道といたしましては、今後、各市町村の要介護認定の状況を把握いたしますとともに、関係団体などから、昨年10月の見直し後の要介護認定に係る影響につきまして御意見を伺うなどして、今後とも、要介護認定が各市町村において適切に実施されるよう、助言してまいります。
次に、国民健康保険について伺いたいと思いますが、4000万円減額されることについて伺います。
医療費が、その自治体の基準給付額の1.14倍を超え、適正化が必要な自治体に指定された自治体、及び、安定化の成果が得られず、1.17倍を超え、ペナルティー扱いとなった自治体の数は幾つあるのか、全国と北海道の過去5年間の推移をお答えいただきたいと思います。
指定市町村数の推移などについてでございますが、高医療費市町村として、全国平均の医療給付費の1.14倍を超え、国民健康保険事業の運営の安定化の指定を受けた指定市町村の過去5年間の推移につきましては、平成18年度は、全国で109市町村のうち、北海道が41市町村、19年度は95のうち36、20年度は84のうち22、21年度は109のうち20、22年度につきましては、本年1月29日に指定を受けておりますが、全国で97市町村のうち、北海道は15市町村となり、本道の指定市町村は年々減少してきております。
また、安定化計画に基づいて各種の対策を実施してもなお、全国平均の医療給付費の1.17倍を超え、基準超過費用額が発生した市町村は、平成17年度は、全国で74市町村のうち、北海道が25市町村、18年度は77のうち28、19年度は68のうち21、20年度は42のうち12、21年度につきましては、全国で48市町村のうち、北海道が13市町村となっておりまして、こちらも、おおむね減少傾向にあるところでございます。
今答弁をいただきましたけれども、基準給付額の1.14倍を超える自治体は、全国は増加傾向なのに、北海道は6割も減っています。ペナルティーをかけて、医療給付費を減らしただけではないでしょうか。必要な医療費は国の責任で確保し、保健、予防のための条件整備を促進すべきと考えますが、この点についてお答えいただきたいと思います。
高医療費市町村の指定制度についてでございますが、医療費が著しく高額であるとして、厚生労働大臣の指定を受けました市町村におきましては、国民健康保険の運営の安定化に関する計画を策定し、この計画に沿って、医療費適正化などの措置を講ずる義務を有するところでございます。
この策定などの義務につきましては、地方分権改革推進委員会の第3次勧告に基づきまして、平成23年度の指定分から廃止されることとなったところでございますが、市町村国保の運営の安定化は重要なことと認識しておりまして、道といたしましては、引き続き、医療費が著しく高額な市町村に対しまして、それぞれの実情に応じた専門的・技術的助言や、保健師等の研修旅費に対する助成など、必要な支援を行いますとともに、保健・予防対策は大変重要でありますことから、生活習慣病の予防を図るための住民への普及啓発や、特定健康診査あるいは特定保健指導に従事する保健師、管理栄養士等、医療従事者に対する研修会の開催など、保健事業の充実にも一層努めてまいりたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
次に、公害対策受託調査費の増額補正に関連して伺いたいと思います。
政府がCO2削減を強力に推進する中で、風力発電は、全国の自治体が取り組んでおり、2009年3月末現在の道内の状況は、設置基数が268基で、全国1位となっていると承知しています。
このような中、今、全国の風力発電所立地地域では、風車からの低周波音に起因すると思われる健康被害が懸念されていますが、道は、この問題についてどのように認識しているのか。
ただいまも述べましたが、本道は、風力発電の設置数が全国1位であるだけに、道として、低周波音の環境調査を実施すべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
低周波音についてでございますが、道内における低周波音に関する苦情は、平成16年度から20年度までの5年間で20件となっておりまして、主な内容は、業務用のエアコンや冷凍機の室外機、変圧器などによるものであり、風力発電施設に関する苦情はございませんが、他県においては、風力発電施設からの低周波音に関する苦情があるものと承知しており、今後、対応を要する環境問題と認識しているところでございます。
国におきましては、平成22年度から、風力発電施設による人への影響に関する調査を実施し、知見の集積を図ることとしておりまして、道としましても、国の調査に際し、積極的に協力を行ってまいりたいと考えております。
実際は低周波音の影響を受けていても、気づいていない人も多いのじゃないかというふうに思うのです。低周波音の健康への影響調査など、その原因を究明するとともに、道民への周知などの対策を講じるべきと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
道民への周知などについてでございますが、風力発電施設に起因する低周波音につきましては、比較的新しい問題であり、国としても、低周波音の実態を把握するとともに、新たな知見を集積し、その評価手法や対応のあり方等についても検討しているところでございます。
道としましても、国の動向などを踏まえまして、低周波音に関する道民の理解が進みますよう、道のホームページなどを活用しながら、低周波音に関する知識の普及に努めてまいりたいと考えております。
最後の質問になります。
道営住宅の特別会計の17億円減額に関して伺いますが、建設部の資料によりますと、平成21年度末で、竣工後40年以上を経過した道営住宅はなく、30年以上経過した住宅は5000戸余りとなっています。
一方、建設費については、堀前知事時代の最終年度から6割に減少しています。
安価で良質な公的住宅を道民に提供するという責任を果たすために、建設費を増額、確保していくべきと考えますが、見解を伺って、終わりたいと思います。
道営住宅の整備についてでありますが、道では、現在、約2万3500戸の住宅を管理しておりますが、このうち、高度経済成長期に建設し、30年から40年を経過した住宅は5146戸であり、建てかえや全面的改善などのストック対策が必要となっているところでございます。
道といたしましては、これまでも、北海道住生活基本計画に基づき、これらの住宅について計画的な整備に努めてきたところでございますが、非常に厳しい財政状況を踏まえ、今後、より一層のコスト縮減を図るとともに、今年度から制度が創設されました長寿命化型改善事業なども活用しながら、ストックの有効活用と適切な維持管理に努め、安全で安心な北海道らしい住まいづくりを推進してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
日本共産党道議団を代表いたしまして、議案第100号平成21年度北海道一般会計補正予算に対する反対討論を行います。
幾つかの反対理由の中で、介護基盤緊急整備等特別対策事業に絞って、討論を行わせていただきます。
13日、札幌市北区の認知症高齢者グループホームで、死者7名を出す痛ましい火災・死亡事故が発生いたしました。
このたびの最終補正予算の中では、介護基盤緊急整備等特別対策事業にかかわるスプリンクラー整備事業費が、11億円もの大幅な減額補正となっています。
特別養護老人ホームや有料老人ホームなどへのスプリンクラー設置について、当初見込んでいた予算額の15億円が、結果的に3億7000万円と、約4分の1にまで縮小され、高齢入所者の安全にとって欠かせない予算を、結局、11億円も余してしまったわけです。
スプリンクラー整備特別対策事業の活用を希望する施設が、3年間で120カ所あるということを道が掌握したのは昨年の11月であり、対応が遅いと強く指摘せざるを得ません。
関係各部や行政機関が、もし、平成23年度までの3年間で整備すれば法令違反に当たらないというスタンスであったとすれば、重大なことであります。
スプリンクラーなどの設備だけではなく、夜間の人員配置の問題など、国と道が一体となって早急に改善することを強く求め、反対討論といたします。
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]