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2010年第1回定例道議会

【真下紀子道議の2010年第1回定例会一般質問】 10.03.12

2010年3月12日 2010年第1回定例道議会

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

  • 1.知事の政治姿勢について
    • (1)行財政問題について
    • (2)公共事業の見直し等について
    • (3)「政治とカネ」をめぐる諸問題について
  • 2.道民生活について
    • (1)医療・福祉対策について
    • (2)夕張「再生」支援等について
  • 3.経済・産業対策について
    • (1)経済・雇用対策について
  • 4.第一次産業について
    • (1)農林漁業問題について
  • 5.教育問題について
    • (1)全国学力テスト等について

○30番真下紀子君

(登壇・拍手)(発言する者あり) 私は、日本共産党道議団を代表して、知事及び教育長に質問いたします。

大型開発依存型から医療・福祉最優先の道政へ転換を

2010年度末の道債残高見込み額は、道民1人当たり約103万円となり、過去最高を更新する見通しです。大型公共事業依存体質が、将来にわたって道民に借金を押しつけている結果と言えます。道民の暮らしと福祉がよくなる公共事業なら、道民は納得します。

しかし住宅手当の拡充に見られるように、低所得の方々の住宅確保の重要性が社会的なコンセンサスになりつつある中、堀前知事の最終年度に116億円だった道営住宅建設費は、新年度予算で67億円と、4割以上削減され、道営住宅修繕費も4割削減されるという逆行ぶりです。

また、自公政権は、構造改革路線による社会保障費の毎年度2200億円の削減を5年間も続けてきました。それに歩調を合わせるかのように、ないそでは振れないと言った高橋知事は、重度心身障がい者医療費の1割負担の導入、特定疾患等医療費助成の大幅カット、市町村国保に対する補助金廃止など、前知事時代と比較して80億円以上にも上る、命を守る道単独事業の縮減をしてきました。

後期高齢者医療制度を廃止しないなど、鳩山政権も、構造改革の痛みを修復できない中で、道民の暮らしを守るため、大型公共事業依存型から脱却し、医療・福祉最優先の道政への転換を求めるものですが、知事の見解を伺います。

行政委員会委員報酬の見直しに関わる他府県の動き

H22.2

○ 見直し済(12月議会で条例改正済)

新潟県
・ 収用委員会、海区漁業調整委員会及び内水面漁場管理委員会の委員報酬を日額制に見直し(1月1日施行)

○ 見直しを予定(2月議会に改正条例を提案)

青森県
・ 学識有識者等で構成する行政委員会委員報酬検討会議の意見等を踏まえ、すべての委員会の委員報酬を月額・日額併用制(基本部分を月額とし、勤務回数に応じて日額部分を加算する方式)に見直し(4月1日施行)
神奈川県
・ 学識有識者等で構成する特別職報酬等審議会の検討結果報告を踏まえ、行政委員報酬を原則日額制に見直し(4月1日施行)
・ 1ケ月の勤務日数が多い公安委員及び監査委員(識見)に限り月額制を維持
静岡県
・ 学識有識者等で構成する特別職報酬等審議会の意見を踏まえ、すぺての行政委員報酬を日額制に見直し(4月1日施行)
鳥取県
・ 有識者会議の意見を踏まえ、選挙管理委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会及び内水面漁場管理委員会の委員報酬を日額制に見直し(4月1日施行)
熊本県
・ すべての委員会の委員報酬を月額・日額併用制(会議や出張等の活動に対する日額報酬を基本としつつ、日額報酬で評価し難い職務や職責に対して基礎月額報酬を支給)に見直し(4月1日施行)
大分県
・ 選挙管理委員会、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会及び内水面漁場管理委員会の委員報酬を日額制に見直し(4月1日施行)

行政委員の報酬見直しなぜ進まない

1ヵ月に2回の会議で30万円の報酬は高過ぎると批判された行政委員会委員の報酬見直しを、私は、これまで繰り返し求めてきましたが、一向に進みません。

静岡県では、すべての行政委員報酬を日額制とし、青森県や熊本県は、月額と日額の併用制など、他県では着々と見直しを進めています。

日ごろからスピード感を大切にする知事ですが、こうした他県の見直し状況をどう受けとめますか。また、道において見直しが進まない理由は何なのか、伺います。

必要性低く自然破壊の北見道路は見直しを

北見市中心部から3.5キロメートルの通称・北見道路予定地で、国の天然記念物であるオジロワシの営巣と繁殖が確認され、人口10万人規模の都市近郊での営巣は、世界でも極めて珍しいと言われています。天然記念物のクマゲラ、オオワシが多数確認され、希少種を含む、北見地方特有の動物が生息しています。

また、植物相では、植物学者の佐藤謙氏が5年をかけた調査によると、市街地のほど近くに、ホソバツルリンドウなどの絶滅危惧種など、自生植物は440種類で、生物多様性に富んだ自然の宝庫となっています。

ことしは国際生物多様比年であることは御存じと思いますが、北見道路は、10.3キロメートル区間に、実に、8本の橋、5本のトンネルを建設し、総額323億円、道負担64億6000万円を費やして、これらの自然を壊そうとしています。

北見道路の工事によって、既に絶滅危惧種のニホンザリガニが激減し、北海道固有種のエゾサンショウウオにも影響が出ており、北見地方特有の、世界にも例を見ない生物多様性が破壊されようとしていることを知事はどのようにお考えでしょうか。

また、厳しい道財政と言いながら、市内に渋滞もなくなり、市民から、必要性は低いと公然と声が上がり、北海道横断自動車道として、十勝への延伸の見通しのないまま続けようとしている工事に対して、今の時点においても推進し、道は負担金を支出し続けるのか、あわせて伺います。

知事の政治団体に税金還流

鳩山首相の偽装献金事件や小沢幹事長の土地購入疑惑問題、そして、今回の小林千代美衆議をめぐる北教組の裏金疑惑と、政権与党の政治と金をめぐる不正疑惑は、とどまるところを知らないかのように続発しています。

このため、自公政権を終わらせて、民主党政権を誕生させた多くの国民が批判を強め、今や内閣支持率は40%前後に半減し、不支持が上回りました。

どの世論調査でも、鳩山首相や小沢幹事長らが国民への説明責任を果たしていないというのが80%前後で、小沢氏や小林氏は辞職すべきだというのも約70%に達しています。

このような政治と金をめぐる不祥事の続発や国民の政治不信の高まりを、知事は、同じ政治家としてどう受けとめているのか、伺います。

また、民主党は、みずからの責任で、これらの疑惑の真相解明と国民への説明を早急に行うべきとお考えにならないのか、あわせて知事の所見を伺います。(発言する者あり)

しかし、知事にとっても他人ごとではありません。

知事の資金管理団体は、自民党の国会議員の後援会や選挙区支部、各種政治団体から多額の献金を受け取り、パーティー券でも、特定の団体の多額の購入が散見されます。自民党の国会議員のもとには、毎年2億円以上の政党助成金が交付されており、知事への献金も、それが原資の一部となっていると考えられます。

知事は、みずからの政治団体の資金の実態についてどのように受けとめていますか。

政府は、政治資金の透明性を確保し、政治と金をめぐる不祥事を防ぐために、野党に対して、企業・団体献金禁止をめぐる協議を呼びかけました。

経済界も、経済同友会が、企業・団体献金の原則禁止とパーティー非購入の禁止を提言したのに続き、日本経団連も、献金への組織的関与をやめる方向で検討を始めました。

政治と金をめぐる不正の根を絶つために、企業・団体献金禁止に直ちに踏み切ることこそ必要です。同時に、政党支持の自由を踏みにじる政党助成金も廃止するのが当然です。

知事も、そのような立場から、国に対して、企業・団体献金を直ちに禁止するよう提言すべきと思いますが、いかがでしょうか。

ポストNICUの体制と制度の整備を

次に、ポストNICUの課題についてです。

全道では、重度の障がい児が、在宅で936人おり、施設に1289人が入所し、施設の空床は15床しかありません。

また、現在、旭川市では、NICU――新生児集中治療管理室から退院できずに、長期入院を奈義なくされている子どもや、30人以上の施設入所待機児童がいると聞いております。NICU退院後の、いわゆるポストNICU問題を早急に解決すべきときと考えます。

私は、ポストNICU問題解決のために、重度障がい児・者を一貫して支援する長期療育の拡充などが必要と考えますが、全道のNICUの長期入院の状況、また、NICU退院後の課題について知事の認識をまず伺います。

NICUを退院した重度の障がい児を受け入れるためには、人工呼吸器の管理や気管内挿管など、常時、高度な医療的ケアを必要とする重症心身障がい児施設での、現行基準を超えた職員配置を認める診療報酬改定を早期に実現することが必要です。私は、直ちにこの課題を解決すべく、知事を先頭に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

道は、重度の障がいを待ったままNICUを退院する子どもたちの生活に必要なケアのニーズ調査に取り組んでいると承知しております。在宅ケアは、頻回のたんの吸引や、人工呼吸器、薬品、栄養の管理など、NICUにおける24時間ケアをそのまま御家族が担うこととなり、緊張の連続です。

施設入所とともに、安全な児童デイサービス、短期入所あるいは外来病児保育所など、そうした子どもたちや御家族を支えるための体制整備は不可欠であると考えますが、道はどのように取り組むお考えでしょうか。

夕張市民の生存権守るため、国と道は支援を

私は、2月20日、財政再生団体となるタ張市を訪ねました。夕張市民から、救急車の出動要請や、生活保護法で給付されている病院への通院移送費申請を抑制され、生存権が侵されていると感じるとの訴えがありました。

知事は、夕張市民がこうした不安を抱えながら生活していることを認識し、憲法で保障されている、健康で文化的な最低限度の生活を送ることができるよう、市に助言すべきと考えますが、いかがでしょうか。

今回策定された財政再生計画のまま、17年問、我慢と負担を市民に強制することは、市が消滅してしまうのではないかと思うほど、過酷なものです。

私たち日本共産党は、根底にある巨額の赤字について、これまで、国と道の責任を指摘してきましたが、財政再生計画では、負担のすべてを市民と市職員に押しつけるだけであって、財政状況報告を見ながら放置してきた国と道の責任は見逃されたままです。国と道には、追加支援を講ずる責任があると考えますが、いかがでしょうか。(発言する者あり)

企業立地促進費補助金に係る有期雇用者に対する助成実績
交付
年度
企 業 名 常用雇用のうち、雇用期間
の定めがある者への助成
交付決定
年月日
補助額
(千円)
人数
(人)
合  計 485,838 1,158
20 エヌ・ティ・ティ北海道テレマート(株) H21.1.21 19,200 58
20 エヌ・ティ・ティ北海道テレマート(株) H21.3.3 57,206 126
20 トランス・コスモス(株) H20.10.29 19,286 53
20 トランス・コスモス(株) H21.2.9 48,411 115
20 住友金属鉱山(株) H20.10.20 14,000 28
20 北海道住電精密(株) H21.1.13 31,000 62
20 明治乳業(株) H21.3.23 10,000 20
小  計 199,103 462
19 (株)USENウェルコミュニケーションズ H20.2.8 24,700 69
19 (株)オークローンマーケティング H20.3.24 26,596 66
19 (株)テレマーケティングジャパン H20.1.18 31,200 82
19 (株)函館セコニック H19.9.26 8,500 17
小  計 90,996 234
18 エヌ・ティ・ティ北海道テレマート(株) H18.8.22 35,864 89
18 ビーウィズ(株) H18.12.21 24,333 65
18 (株)アイティ・イット H18.9.11 32,925 85
小  計 93,122 239
17 (株)アシストジョイ H17.11.28 10,500 21
17 (株)ベストシステム H17.10.17 1,000 2
17 東邦金属(株) H18.3.16 3,500 7
小  計 15,000 30
16 (株)アイティット H16.7.27 80,617 180
16 (株)健信 H16.12.7 4,500 9
16 共和コンクリートエ業(株) H16.12.10 2,500 4
小  計 87,617 193

1158人の不安定雇用増に4億5千万円

「立地企業への優遇措置のご案内」という道のパンフレットには、補助金の対象となる雇用増の条件として、「雇用期間の定めのない者」と定めています。

一方、道は、2003年2月に、経済部長名で、有期雇用者を雇用期間の定めのない者とみなす旨を通知して以来、不安定雇用を推進していると言えます。

この部長通知以降、一体、何人の不安定雇用に対して、何億円の補助金が投入されたのか、伺います。安定した雇用を求める道民の思いに反するものと考えますが、いかがでしょうか。

地元産材の民間住宅活用への補助制度について

地元産材の民間住宅への活用に対する補助制度を、全国で37府県が有しています。道産材の消費拡大を進める道としても、こうした他県の実態を踏まえ、リフォームを含めた、住宅に対する支援に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

学校給食に道内水産物の利用拡大を

道は、新年度から、道内の公立小中学校の給食において、道産魚介類の利用促進を図るとともに、道内の水産業に対する子どもたちの理解を深め、将来的な消費拡大につなげたいとする構想を明らかにしました。

知事及び教育長は、学校における道産水産物を活用した食育の促進により、どのような効果を期待して、この課題に取り組もうとしているのか、伺います。

先日のNHKの全国放送で、北るもい漁協天塩支所の漁師さんたちが提供した地元のスナガレイなどが東京の小学校の給食に提供され、おいしい、おいしいと大好評の様子がリアルに報道されていました。

私は、早速、地元の漁師さんたちを訪ね、直接お話を伺いましたが、ここに至るまでの御苦労は並大抵ではなかったと実感をいたしました。それまで余り利用されなかった規格外のスナガレイが、学校給食で、新鮮で、おいしく、大量に食べられれば、まさに一石二鳥です。

昨年9月に天塩町を訪問した東京の栄養士さんたちは、魚だけではなく、遠別の酪農による牛乳、農林業による羽幌の米や手塩にかけたキノコもあり、何より、それらをはぐくむ、天塩川を含めた天北の魅力にすっかりほれ込み、毎年、観光にも来たいと、心から喜んでくれたそうです。

知事もテレビをごらんになったと伺いましたが、天塩町の漁師さんたちの取り組みをどう評価されたのか、伺います。

学校給食での道産食材の使用状況は、2007年度で、米が99%、小麦粉、パン、めんが78%なのに対し、水産物はわずか33%にすぎません。天塩町内でも約50%で、スナガレイは使われていないことを知った東京の栄養士さんたちは、どうしてなのかと驚いたとのことですが、4月から、早速、天塩町で魚給食の回数をふやすそうです。

四方を海に囲まれ、新鮮な魚介類が豊富な北海道の各学校における地場水産物の使用状況はどうなっているのでしょうか。なぜ、学校給食で地元の水産物が使われないのでしょうか。まず、教育長に伺います。

また、それをどう克服して、道産水産物の学校給食における利用拡大を図るおつもりなのか、知事及び教育長それぞれに伺います。

「学カテスト」より教育環境整備に

政府が、学カテストは抽出で十分だとしているのに、道財政がこれだけ逼迫しているにもかかわらず、道教委が、約1億円もの予算を用意して、道内すべての市町村を参加させようとしたことは、理解に苦しみます。

競争と序列化しか生み出さない全国一斉学力テスト方式に固執するよりも、そのお金を少人数学級などの教育環境整備に役立てるべきと教育長はお考えにならないのでしょうか、お答えください。

「国旗・国歌」内心に立ち入って強制は許されない

最後に、国旗・国歌についてです。

教育長が、先日の本会議で、公立学校の入学式、卒業式での国旗掲揚や国歌斉唱の実施状況について、職員を派遣し、実際の様子を把握すると述べたことは、これまでの道教委の見解を投げ捨て、憲法の原則にも抵触しかねない極めて重大な発言であり、断じて認めることができません。(発言する者あり)

国旗・国歌をめぐっては、これまで、国も道も、内心に立ち入って強制しようとするものではないと、繰り返し表明してきたではありませんか。

しかも、昨年度のそれぞれの実施率は、道教委の調査で100%だったと認めているのに、その上、一体何を調べる必要があるというのでしょうか。

教育長の答弁について、立命館大学の市川正人教授は、思想、良心の自由は憲法で守られている、道教委が職員を派遣して調査する動きは、憲法上、問題があると述べています。

間違っても、憲法に抵触するような調査が行われることがあってはならないと考えますが、市川教授の指摘をどう受けとめるのかも含め、教育長の明快な答弁を求めます。

以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)


高橋はるみ知事の答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇) 真下議員の質問にお答えをいたします。

最初に、私の政治姿勢に関し、まず、行財政問題に係る道の医療・福祉政策などについてでありますが、私といたしましては、人口減少や少子・高齢化が急速に進む中で、道民の皆様方が住みなれた地域で安心して暮らせる環境を整えていくことは、道政の最重要課題の一つであり、特に、医療や福祉面の取り組みは、その基本となるものと考えております。

このようなことから、平成22年度の予算編成に当たっては、国の交付金を積極的に活用するなどして、地域の医療提供体制の充実や、障がい者の方々が暮らしやすい地域づくりなど、医療、福祉に関する施策の充実強化に努めたところであります。

あわせて、それぞれの地域で安心して暮らしていくためには、地域産業の活性化や、経済活動と暮らしを支える基盤となる社会資本の計画的な整備も必要と考えられるところであり、今後とも、こうした観点も含め、道民の皆様方が安心して暮らせる北海道づくりに全力を尽くしてまいる考えであります。

次に、行政委員会委員の報酬についてでありますが、道においては、昨年の収用委員会委員の報酬見直し以後、その他の行政委員会の業務形態、委員の勤務実態等について調査検討を行うとともに、昨年11月に開催をした特別職職員報酬等懇談会において、各行政委員会の組織、機能、業務形態の違いや、委員の職責、役割の違い等、さまざまな観点から検証を行うなど、引き続き総合的な検討が必要との認識が示されたところであります。

道においては、この御意見を踏まえ、さまざまな検討を進めてきたところでありますが、議員が御指摘のとおり、他県においては、委員の職務、職責を評価する基本部分を月額とし、会議出席等の実績部分を日額で加算する方式など、新たな取り組みが行われているところであり、これらの取り組みも参考に、鋭意検討を進めてまいります。

次に、北見道路についてでありますが、国は、この道路について、北見市街地を迂回するバイパス機能のほか、農水産物の物流支援、管内観光地や女満別空港へのアクセス向上を目的として、平成9年度より事業を進めてきているところであり、また一方で、この道路をめぐって、さまざまな御意見が寄せられていることも承知をいたしているところであります。

道といたしましては、北見道路は、北海道横断自動車道の陸別―北見問と一体となることにより、オホーツク圈と十勝圈との交流、連携の強化や、救急医療などに寄与する重要な道路であると認識をいたしているところであり、今後とも、関係市町村と連携をしながら、国などに対して整備促進を働きかけてまいりたいと考えております。

次に、政治と金をめぐる問題に対する認識についてでありますが、このたび、政治と金をめぐる問題が相次いで生じていることは、政治に対する国民の信頼を損なうこととなり、まことに残念であり、こうした事態が続くことで、政治に対する国民の不信感が増大することを強く懸念しているところであります。

私といたしましては、政治に対する信頼を確保していくためにも、政治家自身が国民の皆様に十分説明し、疑問を払拭するよう努めていただきたいと考えているところであります。

次に、私の政治団体への寄附などについてでありますが、団体や個人の方々からいただいている寄附などについては、私の政治活動や考え方に賛同され、御支援をいただいているものと理解しており、政治資金規正法にのっとり、適切に処理されているものと考えております。

次に、企業・団体献金についてでありますが、このたびの政治と金に係る一連の事件を契機として、現在、国会において、政治資金規正法改正のための与野党の協議機関設置に向けた動きがあることは承知をいたしております。

私といたしましては、政治に対する国民の期待にこたえ、信頼を確保していく上で、政治資金については、より透明性の高い仕組みづくりが求められていると考えているところであり、こうした視点を大切に、企業・団体献金のあり方についても、国政の場で十分に御議論を尽くされることを心から期待いたしているところであります。

なお、公共事業の見直し等に係る北見道路については、担当の部長から答弁をさせていただきます。

次に、道民生活に関しまず、医療・福祉対策に係る、重度の障がいのある方への地域における支援体制の整備についてでありますが、常時、高度な医療的ケアを必要とする重い障がいのあるお子さんへの支援については、私自身、旭川市にある北海道療育園などを訪問させていただくとともに、直接、御家族の皆様方からもお話をお伺いし、こうした方々が安心して地域生活を送るためには、医療的ケアに対応できる支援体制が何よりも必要であると強く感じたところであります。

このため、国に対して、こうした医療的ケアの充実について強く働きかけ、その結果、平成21年度からは、日帰りの医療型ショートステイが制度化されたところであります。

また、道においても、重度の障がいのある方の生活訓練などを行う事業所に看護師を派遣する道独自の事業について、平成21年度から、対象者を18歳未満の方にも拡大するなどの制度改善を行うとともに、本年2月には、医療的ケアの必要な重度の障がいのある方について、道独自の実態調査を開始いたしたところであります。

道といたしましては、こうした調査の結果を積極的に活用し国に対して、医療的ケアに関する制度の見直しを引き続き働きかけるなどして、地域での支援体制づくりを進めてまいります。

次に、夕張再生に係る国や道の支援についてでありますが、道においては、再生振替特例債の利子負担を軽減するための補助金など、新たな支援を実施するとともに、医療給付事業に対する補助や除排雪の代行など、これまでの支援についても継続する総合的な支援を行うこととしたところであり、引き続き、市町村を初め、道民の皆様方の御理解をいただきながら、できる限りの支援を行ってまいる考えであります。

また、国においても、再生振替特例債の利子負担に対する支援などを行うことといたしているところでありますが、巨額の赤字を抱える夕張市が、住民生活に必要な行政サービスを確保しながら、財政再建と地域の再生をなし遂げるためには、さらなる国の支援が不可欠でありますことから、今後とも、市と連携しながら、国に対し、財政支援の充実などについて積極的に働きかけてまいりたいと考えております。

なお、医療・福祉対策に係る重症小児患者への対応などについては、担当の副知事及び部長から答弁をさせていただきます。

最後に、第1次産業に関し、北るもい漁協の取り組みについてでありますが、天塩町の北るもい漁協では、地元で漁獲されるスナガレイ等について、東京都内の学校給食への活用を目的に、給食関係者を地元に招き、意見交換などを行うとともに、漁業関係者が都内の学校を訪問し、食育授業に協力するなど、関係者の皆様方の御努力により、給食への利用が実現したものと承知をいたしているところであります。

こうした取り組みは、都市部の子どもたちに、北海道の漁業や水産物に親しむ機会を提供し、生産者と消費者のつながりを深めるとともに、地元にとっても、未利用資源の有効活用や地域の魅力を再発見するきっかけになる、大切な取り組みであると考えているところであります。

なお、道産材の利用などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。

以上でございます。


○副知事山本邦彦君

(登壇) 道民生活に関しまして、医療・福祉対策についてお答えをいたします。

まず、いわゆるポストNICU――新生児集中治療管理室の課題などに関しまして、重症小児患者への対応についてでありますが、道では、子どもを安心して産み育てられる環境づくりを進める観点から、ハイリスク分娩やハイリスク児に対応するため、周産期母子医療センターを設置するとともに、新生児集中治療管理室、いわゆるNICUを整備するなどして、周産期医療の確保に努めてきているところであります。

こうした中で、NICUへの入院期間などにつきまして、本年1月に、道内の総合周産期母子医療センターなどを対象に調査を行いました結果、平均入院期間は、数日間から60日未満と、医療機関により差があり、また、重篤な疾病の場合には、1年以上、長期入院している乳幼児もいるところであります。

このため、道としては、家庭に戻れず、NICUに長期入院している重症小児患者に対応できる病床の整備はもとより、退院後におきましても、安心して必要な医療や療育を受けることができますように、重症心身障がい児施設や在宅の各種サービスを確保するなど、地域の実情に応じた支援体制を整備することは大変重要なことと認識しているところであります。

次に、重症心身障がい児施設の診療報酬改定などについてでありますが、常時、高度な医療的ケアを必要とする重い障がいのあるお子さんを受け入れている重症心身障がい児施設の方々からは、個々の障がいの状態に応じて適切な支援を行うために、看護師を手厚く配置すべきとの意見が寄せられております。

このため、道といたしましては、これまでも、現行の基準を超えた看護師の配置など、施設独自の取り組みを、診療報酬上、評価することや、職員配置基準の改正などにつきまして、国に対し要望してきたところであります。

今後とも、重症心身障がい児施設における適切な支援体制を確保するために、他都府県とも連携を図りながら、必要な制度改正について、国に対し強く要望してまいる考えであります。

以上でございます。(拍手)(発言する者あり)


○総合政策部参事監前川克彦君

(登壇) 道民生活に関しまして、タ張市民の生活への対応についてでございますが、去る3月9日に総務大臣から同意された夕張市の財政再生計画においては、敬老パスの拡充や保育料の引き上げの見直し、また、診療所の改築や市営住宅の再編整備など、市民生活の安全と安心を守る観点から、74項目の事業が盛り込まれたところでございます。

道といたしましては、道内市町村の中でも、とりわけ少子・高齢化が進んでいる夕張市においては、財政再生計画に基づき財政の健全化を進めるとともに、市民の皆様が安心して暮らせることが何より大切なことと考えておりますことから、これまで行ってきた、医療給付事業や地域バス路線維持に対する補助、除排雪の代行などの支援についても継続することとしたところでございます。

道といたしましては、引き続き、こうした視点に立って、市民生活の安定が図られるよう、積極的に助言、協力を行ってまいる考えでございます。

以上でございます。


○水産林務部長石井直志君

(登壇) 農林漁業問題に関しまして、初めに、道産材の利用についてでございますが、他府県では、県産材を使った住宅建築に対する補助や低利融資などの助成が行われているところもございますが、道におきましても、平成16年度から3年間、モデル的に、カラマツなどの道産材を提供する補助事業を実施してきたところでございます。

この事業などによりまして、割れやねじれが生ずるとされたカラマツ材につきまして、乾燥技術の向上などにより、住宅の構造材として十分に使えることが工務店や建て主に浸透したほか、大手のハウスメーカーも使い始めたところでございます。

また、北海道木材産業協同組合連合会では、平成18年度から、品質の確かな道産材を使用した住宅を「北の木の家」として認定する制度をスタートさせたことから、道といたしましては、このような民間の取り組みとの連携を強め、金融機関へ金利優遇の働きかけを行うなど、この制度の普及に取り組んできた結果、平成16年以降、道産材を使用した住宅は着実に増加する傾向にありますので、道産材の民間住宅への利用がさらに拡大されるよう、引き続き取り組んでまいる考えでございます。

また、道産材を使用した住宅リフォームヘの支援につきましては、リフォームの形態や規模などがさまざまでございますことから、建築の専門家の意見を聞くなど、「北の木の家」の対象に加えることにつきまして研究していく考えでございます。

次に、道産水産物を使用した食育についてでありますが、道といたしましては、魚食を普及し、道産水産物の消費拡大を図るためには、子どもたちが、日常の食生活の中で魚に親しみ、水産業に対する興味や理解を深めることが何よりも大切と考えております。

このため、水産関係団体や教育関係者と連携を図りながら、学校給食におきます道産水産物の利用を促進するとともに、漁業者が中心となって行います出前授業や体験漁業などを通じ、子どもたちに、漁業生産活動や魚の生態などにつきまして総合的に学ぶ機会を提供する取り組みを支援していく考えでございます。

次に、学校給食におきます道産水産物の利用拡大についてでございますが、道といたしましては、これまでも、水産関係団体や教育関係者と連携を図りながら、学校給食向けの製品開発と、その普及に取り組んできたところでございます。

今後につきましても、これまでに製品化され、好評を得ておりますホッケのフライなどの学校給食向け製品について、道内はもとより、道外への利用拡大を図るとともに、漁業協同組合等が都市部の学校給食に新鮮な水産物を提供する新たな取り組みに対して支援するなど、水産関係団体や地域と一体となって、道産水産物の学校給食への利用拡大に積極的に取り組んでいく考えであります。

以上でございます。


○経済部長渡辺健君

(登壇) 経済産業政策に関しまして、企業立地促進費補助金についてでありますが、この補助金は、道内における工場等の新増設や、これに伴う雇用増へのインセンティブを付与するものであり、補助金の対象とする雇用者は、雇用期間の定めのない者で、雇用保険の被保険者であることなどを原則としておりますが、雇用期間の定めがある場合でも、雇用契約の自動更新条項を設け、更新回数の制限を行わないなどの場合には、実質的に、雇用期間の定めのない者と同様に取り扱っております。

なお、平成15年度から20年度までの間で、こうした者に係る補助金は、20件で約4億8600万円となっており、これによる雇用増の合計は1158人となっております。

以上でございます。


○建設部長宮木康二君

(登壇) 公共事業の見直しなどに関し、北見道路についてでありますが、国が実施いたしました環境影響評価におきまして、道では、自然環境を保全するなどの見地から、貴重な植物への配慮や、野生動物の移動経路の確保などについて、知事意見を付したところであります。

国におきましては、これらを踏まえまして、貴重な植物の適切な移植や、沢地形部におきます橋梁の設置により、地形の改変をできるだけ少なくするなど、自然環境に配慮した上で、現在、工事が行われているものと承知しているところであります。

また、北見市街地を迂回し、バイパス機能を有する北見道路は、北海道横断自動車道の陸別−北見問と一体となることにより、オホーツク圈と十勝圈との交流、連携の強化や、地域の観光、経済の活性化、さらには救急医療などに寄与する重要な道路であると認識しているところであります。

道といたしましては、今後とも、関係市町村などと連携しながら、北見道路や北海道横断自動車道の整備促進について、国などに働きかけてまいりたいと考えております。

以上でございます。


教育長の答弁

○教育長髙橋教一君

(登壇) 真下議員の御質問にお答えいたします。

初めに、道産の水産物を使用した食育に関しまして、まず、道教委の取り組みについてでございますが、道産の水産物を学校給食に取り入れることは、地場産物の活用の促進につながりますとともに、子どもたちが、本道の基幹産業の一つである水産業に対する理解を深め、健康な体づくりと成長に欠かせない良質なたんぱく質や脂肪が含まれる魚のよさを学ぶことができるなど、食に関する指導を進める上で、大きな効果が期待できるものと考えているところでございます。

道教委といたしましては、こうしたことを踏まえ、知事部局との連携を図りながら、学校における食育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。

次に、道産水産物の使用状況などについてでございますが、平成19年度の学校給食におきます水産物の購入金額全休に占める道産水産物の割合は32.9%となっており、農産物の45.9%、畜産物の58.9%、乳製品の52.9%に比べ、低くなっているところでございます。

その主な理由といたしましては、学校給食の調理場で魚を扱うことに関しましては、衛生管理上、留意すべき点が多いことから、水産加工場などで下処理をすることが必要でございますが、道内では、学校給食向けの加工を引き受けてくれる業者が少ないことが挙げられており、そのほかにも、エビ、ホタテに代表される道産の水産物の価格が、外国産に比べ高いことや、年によって漁獲量が一定せず、必要なときに必要な量を確保することが難しいことなどが挙げられているところでございます。

こうした中、学校給食におきましては、これまでも、通年使用できる冷凍加工食品の開発によりまして、多くの学校で道産の水産物が使用されているところでございますが、道教委といたしましては、知事部局が来年度から実施する事業に積極的に協力するなどして、学校給食における道産水産物の活用の一層の促進を図ってまいりたいと考えております。

次に、全国学力・学習状況調査についてでございますが、本調査の結果から、本道の子どもたちは、基礎、基本の確実な習得や、生活習慣、学習習慣の定着に課題があることが明らかになったところでございます。

道教委といたしましては、教育行政執行方針の中でお示ししましたように、子どもたちに、基礎的、基本的な知識や技能をしっかりと身につけ、それを活用できる力をはぐくむことが極めて大切であり、学力向上は重要な課題であると認識しているところでございます。

そのため、市町村教育委員会や学校が、この調査を活用して、児童生徒の学力等を把握し、学力向上の取り組みの充実を図りますとともに、その後の指導の充実や学習状況の改善に生かしていくことができるよう、さまざまな支援をしてきたところでございます。

こうした中、来年度の希望利用方式の活用に当たりまして、市町村から、道教委による財政等の支援を求める声もありましたことから、客観的、専門的な観点から、採点、集計、分析等を行うこととし、来年度予算に計上させていただいたところでございます。

最後に、国旗・国歌の実施状況に係る調査についてでございますが、一般に、思想、良心の自由というものは、それが内心にとどまる限りにおきましては保障されなければなりませんが、それが外部的行為となってあらわれる場合には、一定の合理的な範囲内の制約を受け得るものとされているところでございます。

学校におきましては、法規としての性質を有する学習指導要領に基づいて、校長が教育課程を編成し、入学式や卒業式などの式典を挙行しているところでございますが、各学校が、学習指導要領を踏まえ、適切に教育課程を実施しているかどうかにつきまして、設置・監督者たる教育委員会が、その権限に基づいて直接調査し、把握することは、適正な職務遂行であり、法令上、問題はないと考えているところでございます。


真下紀子議員の再質問

○30番真下紀子君

(登壇・拍手) 指摘を交え、再質問いたします。

行政委員の報酬、期限を定めて見直せ

行政委員会委員報酬の見直しに関して、私は、委員の皆さんにも厳しい道財政の状況について御理解をいただき、期限を定めて見直すよう求めますが、いかがでしょうか。

救急病院がかえって遠くなる北見道路など旧来の手法見直すべき

政権交代したこの時点になっても、なお、十勝にはつながらない北見道路にしがみつくのか、理解ができません。

建設部長は、救急医療などに寄与する重要な道路と答弁をされましたが、知事は、323億円を投じて、貴重な自然環境を破壊した代償が、わずか数分の時間短縮どころか、市中心部の救急指定病院への到着時間は、逆に10分も遅くなると指摘されていることを御存じでしょうか。

渋滞もないのに、過大な需要予測を立て、大型開発を継続する旧来の手法は、もう見直そうではありませんか。知事はそうお考えにならないのか、お答えください。

知事の政治団体に税金還流がされているのではないか

平成20年度に、現職代議士の自民党選挙区支部は、それぞれ、1600万円の政党助成金を受け取っています。

その第5区選挙区支部から、過去5年問で390万円の寄附を知事の政治団体は受け取っています。また、武部勤後援会総連合から、同じく5年間で1000万円の寄附を受け取っています。政党助成金が還流していると考えられるところです。

北教組の政治資金疑惑が問題となっている折、知事が答弁されたように、政治家自身が説明し、団体献金の不透明さを払拭しなければなりません。知事は、政治資金の透明性について、どのような認識をお持ちでしょうか。

また、私が指摘した政党助成金との関係について、御自身の政治団体への寄附の透明性は十分説明されているとお考えなのかどうか、伺います。

ポストNICU、他県の例も参考に道の支援策を

山本副知事から御答弁をいただき、ありがとうございました。ポストNICUなどの課題等について、行間に込められた長年の思いを受けとめ、御労苦をねぎらうものです。

私も、熱い思いで、以下、知事に再質問を続けます。

道は、2002年までに、道単独事業として、障害児施設機能強化事業費補助金により、職員体制強化などを支援してきました。

現在、横浜市では、国の基準額に市が上乗せする法外扶助費として支給し、民間児童福祉施設などに対して支援を行っていると承知しております。

国において診療報酬改定がなされるまでの間は、道としての支援を検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

横浜市では、特別な知識と技術が必要な小児看護、重症障がい児のケアスタッフの養成のために、年間160万円の予算で、実習を含む10日間の小児訪問・重症心身障害児者看護研修を行い、必要な知識、技術を向上させ、質の高い看護の提供に努めていると承知をしております。

道内の44歳以下の小児科医師は既に50%未満となっているなど、将来的に深刻な状況にあります。他県の先進例も参考にしながら、医師や看護師の実践的な研修の導入などを検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

夕張問題について

夕張問題について指摘をします。

去る3月8日、日本共産党国会議員団が緊急の申し入れを行い、原口大臣は、その申し入れに対して、期間が長過ぎる、国の施策で資源を投じて支えていきたいと発言しており、今後も住み続けられる夕張にするため、私たちも注視していくことを指摘しておきます。

企業立地促進費補助金の取扱が不安定雇用促進に

企業立地促進費補助金についてですが、みなし通知以降これまでに、1158人の不安定雇用に対して、約4億9000万円、道民の血税を使って補助金を交付していることには驚きました。

単に就労期間を自動更新させたからといって、不安定な労働条件にあることには変わりがなく、最低賃金を割らなければいいという誘致条件は、本末転倒の発想であり、転換すべきです。

私は、不安定雇用の促進につながるこの取り扱いは即座に撤回することを求めます。正社員化という、道民が望む安定雇用への道を確保した誘致施策への見直しを求めますが、知事の見解を伺います。

天北の取り組み励まし学び、食育の充実を

天北3町の取り組みは注目すべきです。2年前、1人1匹、皿に乗る魚はないかとの問い合わせに、スナガレイがあるが、皿から飛び出す、それなら器自体を大きくしようと、自校方式の東京で、管理栄養士さんの熱意と校長先生の決断で実現したのです。文字どおり、器の違う大きな判断です。

その証拠に、東京都港区立御田小学校の生徒さんたちからの手紙を見ると、魚の生態系と環境、魚のさばき方などへの興味が書き込まれ、魚はすごい、魚はすごい、魚はすごいと、感動が書き込まれています。

漁師さんたちとの相互交流で、豪快なサケの解体、ちゃんちゃん焼き、北海道産弁当、地域イベントヘと発展し、イクラとクマの冬眠の関連にも興味が示される、こういったことが起こり、互いに喜ばれております。

学校では、月2回以上の「国産の給食の日」を設け、給食時問内に、校内放送で、きょうの魚はどこどこ産の何々という魚ですとアナウンスされ、だれが、どこでとった魚か、漁法や生態なども紹介され、野菜も同じように紹介されます。給食室には実物の魚が展示され、気軽に触れられるようになっています。自校方式だからこそ、できることでもあります。

食用に向けられていなかったスナガレイですが、量も確保でき、事前調理や急速冷凍など、これまで課題となっていたものも地元で取り組むことができました。知事には、ぜひ、直接、地元の取り組みを肌で感じていただき、激励していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

こうした取り組みを聞いて、教育長はどうお感じになりましたか。道教委も、33%にとどまらず、道立高校も含め、安全、安心でおいしい魚を子どもたちに届けるため、目標を持って取り組むべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

こういったおいしい給食を一緒に食べて、楽しく食事の時間を過ごす、これこそ教育に求められていることだと思います。

「情報提供」のしくみは内心の自由を侵す

最後に、国旗掲揚や国歌斉唱についてです。

内心の自由を侵すことがあってはならないのは当然です。

そこで伺いますが、教育長は、さきの他会派議員からの議会質問に、学校現場における諸課題について、教職員や保護者などから、直接、情報提供を受けるシステムを新年度早々に立ち上げると答弁されていますが、第二次世界大戦に向かう中で、監視組織とされた隣組をほうふつさせるものです。

国旗・国歌への対応などについて恣意的情報提供があれば、戦前の密告社会への回帰となります。教職員同士や、保護者、地域の人が教職員を監視する監視社会にしてはなりません。教育長の見解を伺います。

以上、再々質問を留保して、私の再質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)


高橋はるみ知事の再答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇) 真下議員の再質問にお答えをいたします。

最初に、私の政治姿勢に関し、まず、行政委員会委員の報酬についてでありますが、行政委員会委員の報酬の見直しに当たっては、委員会の組織、機能、業務形態の違いや、委員の職責、役割の違いなど、さまざまな観点からの検討を進めてきているところでございますが、参考とすべき他県の事例もふえつつありますことから、道としても、できるだけ早期にその方向性が出せるよう、取り組んでまいりたいと考えております。

次に、政治資金の透明性などについてでありますが、私といたしましては、政治に対する国民の期待にこたえ、その信頼を確保していく上で、政治資金については、その透明性を確保することが必要と考えているところであります。

また、私の政治団体への寄附につきましては、それぞれの団体の御判断のもと、私自身の政治活動や考え方に賛同され、御支援をいただいているものと考えているところであり、政治資金規正法にのっとり、適切に処理し、公表されているものであります。

次に、道民生活に関し、重症心身障がい児施設への支援についてでありますが、道の単独事業として実施していた障害児施設機能強化事業につきましては、施設介護職員の設置に必要な経費を補助してきたところでありますが、平成12年度に診療報酬が改善されたことに伴い、段階的に見直しをし、平成14年度に廃止をいたしたところであります。

道といたしましては、まず、関係者の方々からいただいている、看護師を手厚く配置すべきとの御意見を受けとめ、先ほど申し上げましたとおり、看護師配置などに係る診療報酬上の評価や職員配置基準の改正など、早期に必要な制度改正が行われるよう、国に対し強く要望してまいりたいと考えております。

次に、医療スタッフの養成などについてでありますが、重症心身障がいのある方の支援を担う看護師などのスタッフにつきましては、障がいの状況に応じた特殊な支援技術を要するところであり、こうした技術を習得することは、支援の担い手をふやす観点から、検討すべき課題の一つであると考えているところであります。

道といたしましては、他の先進的な自治体の取り組みなどを時報収集するとともに、重症心身障がい児施設や訪問看護ステーションの方々の御意見も伺いながら、どのような対応が可能か、検討してまいりたいと考えております。

次に、経済産業対策に関し、企業立地促進費補助金についてでありますが、平成20年4月に施行した産業振興条例のもとでも、それまでと同様に、原則として、雇用期間の定めのない者を対象としつつも、コールセンターなど、企業の雇用形態が多様化している中で、新規立地などや、それに伴う雇用増へのインセンティブを付与するため、雇用期間の定めがある場合でも、雇用契約に自動更新条項を設け、雇用の継続を確認できる者については、実質的に、雇用期間の定めのない者と同様に取り扱っているところであります。

なお、補助金の交付の際には、雇用保険や健康保険の披保険者であることなど、安定した雇用形態にあることを確認の上、交付をいたしているところであります。

いずれにいたしましても、今後とも、安定した雇用機会の創出や拡大に努めてまいる考えであります。

最後に、第1次産業に関し、北るもい漁協の取り組みについてでありますが、先ほどもお答えを申し上げましたとおり、この地域の取り組みについては十分承知をいたしているところであり、機会を見つけて、私自身、地元の皆さんをぜひ激励申し上げたいと考えているところであります。

以上でございます。


教育長の再答弁

○教育長髙橋教一君

(登壇) 真下議員の再質問にお答えいたします。

まず、道産水産物の活用などについてでございますが、議員が御指摘の取り組みは、天北地域の漁業関係者と東京都の学校が、十分な意見交換や検討を行うことで、魚を使用する体制を整えたことにより実現できたものであり、魚を学校給食の中の生きた教材として活用することができた、地域と学校とが連携した大変すばらしい食育の実践であるというふうに考えているところでございます。

道が定めた北海道食育推進計画におきましては、平成25年度までに、学校給食における道産食材の購入率を75%まで引き上げることとしているところでございますが、そのためには、道産の水産物の使用割合を高めていくことが特に重要なことと考えているところでございます。

こうした中、新年度におきましては、知事部局と道教委が連携し、生産者団体や学校給食関係者などを構成員とした、仮称ではございますが、学校給食における地場産物活用促進検討会を設置することとしておりまして、この検討会のテーマとして、通年使用できる冷凍加工食品の開発や、調理場で扱いやすい水産物の提供の方法などを取り上げ、具体的な方策について検討するなど、道産水産物の活用が一層進むよう、取り組んでまいりたいと考えております。

次に、情報提供を受けるシステムについてでございますが、道教委といたしましては、学校を取り巻く諸課題につきまして、これまでの広聴制度に加え、より広く多くの教職員や保護者などから、直接、情報や御意見をいただき、学校運営の改善につなげていくことができるよう、新たに整えようとするものでございます。

その運用に当たりましては、情報の保護に留意することはもとより、寄せられた情報につきましては、その内容を十分に確認してまいりたいと考えております。

以上でございます。


真下紀子議員の再々質問・指摘

○30番真下紀子君

 (登壇・拍手)(発言する者あり)再々質問ですが、指摘をさせていただきます。

まず、北見道路についての知事の答弁を伺って、国の直轄事業に唯々諾々とつき従うだけの姿しか見えず、大変残念に思います。

早期完成のため、開発局は、地面がしばれる昨年11月末、絶滅危惧種を移植しました。しかし指導した専門家の名前も伏せられ、その効果に疑問が生じております。貴重な資源の価値を認めながら、開発優先のこそくな手法と言わざるを得ません。

また、救急医療について、知事は全く答えられませんでしたが、2006年、北見医師会は、北見道路賛成の意見書を取り下げたと聞いております。

国際生物多様性年に名古屋で開催されるイベントにもブースを出す予定の北海道知事が、サハリンから知床へ、オオワシなどの通路となっているこの地域の自然環境を壊し、通り道を断ち切るのか。北海道は、地球から見れば小さな島です。そこに多様な固有の生態系がありながら、開発行為によって自然の劣化をもたらそうとするのかが厳しく今問われています。

いまだ大型開発にしがみつき、また、政治と金の問題でも、団体献金禁止を決断しない高橋知事の姿勢には、私から化石賞を贈呈いたしたいと思います。もしこれが要らない、返上したいというのであれば、時代にかなったアセスメントによって、北見道路計画の見直しに着手することと、団体献金禁止の英断を強く求めます。

企業立地促進費補助金についてです。

企業立地促進費補助金を1億円以上も受けたNTT北海道テレマートは、グループ内親企業のNTT東日本―北海道から、常用雇用者を派遣に置きかえ、専門業務として正社員への道を断ち切り、国会でも大問題となりました。

北海道企業立地ガイドブックによりますと、北海道の給与が低いことがグラフで殊さらに強調されております。北海道が血税によって呼び込んだ企業がこうした事態を招いた背景に、北海道の労働条件の低さ、それを追認する道の姿勢があることを指摘せざるを得ません。

内心の自由についてです。

教育長の答弁では私は納得できません。新学習指導要領のどこを見ても、国旗・国歌の尊重のために、起立しなければならないとか、大きな声で歌わなければならないということは一切記載をされておりません。(発言する者あり)

まして、教育委員会の調査などは求められていないのです。なぜなら、表現の自由は個人個人で違い、そこに踏み込むことは憲法に抵触するからです。道教委による調査や、いわゆる通報は、憲法上、問題があると指摘せざるを得ません。

北教組の、あってはならない特定政党支持の押しつけを背景とする政治資金問題と混同させて、国旗・国歌問題によって、憲法が保障する基本的人権、思想、良心の自由に踏み込む権限は道教委には付与されておりません。

私が、昨年10月の議会質問で、教育委員会は、教員に対する不当な支配から保護すべき職務上の義務があり、教育の自由裁量に踏み込んではならないと厳しく指摘したことを教育長はもうお忘れになったのでしょうか。

教育環境の整備という本来の仕事にこそ尽力すべきであり、調査や通報と言われるような手法によって教育に介入することは行うべきではないと厳しく指摘いたします。

最後に、小児看護に携わった一人として発言をさせていただきます。

重度障がいのお子さんは、最も弱い立場の子どもたちです。施策の推進に、より多くの皆さんと力を合わせていきたいと思います。

以上で私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)


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[日本共産党道議団編集]

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