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談話
巨大なムダづかいに中止かけられる党はどこか〈解説〉

巨大なムダづかいに中止かけられる党はどこか

〜道議会の政党配置

道財政は6兆円の赤字をかかえ、47都道府県で最悪です。しかし使うアテのない巨大ダムや野幌高架化事業(150億円)などムダな事業がすすめられています。

山奥の大規模林道事業もその一つです。この事業をめぐる道議会の政党配置を議事録を通じて検証します。

大規模林道全面中止

地図=北海道の大規模林道北海道の大規模林道が全面中止になりました。

事業計画が発表されて37年、道内では最初に滝雄・厚和線が着工されてから31年が経過しました。

日本共産党道議団は、構想が発表されて以来37年間、25回の議会質問で終始一貫「自然環境を破壊するムダな公共事業で、中化すべき」と道側を追及してきました。

自民党は建設促進、民主党は初め(社会党時代)は「反対」しましたが、横路知事になると「沈黙」、公明党はほとんど質問しませんでした。

総工費938億円、今後さらに600億円を予定の大型公共事業にス卜ップをかけたのはどの党なのか―議会のチェック機能が浮き彫りになりました。全国でも全面中止は、初めてのケースです。

徹底追及25回

共産党道議団は、貴重な自然環境を破壊し、地元自治体の負担が大きく、そして何よりも必要性のない大規模林道事業の建設中止を一貫して求め続けてきました。1973年に山科喜一道議(当時)が一般質問で、国の大規模林業圈開発計画(大規模林道の先導事業)の「自然破壊の問題点」を指摘したのが始まりで、昨年までの37年間の質問回数は断卜ツの25回(全体の47%)特に94年以降では、全体27回中19回(70%)が共産党議員の質問です。

質問前後には、必ずといっていいほど現地で自然破壊の実態を調査し、また自然保護団体や地元住民等との懇談・意見交換も重ねてきました。

大橋晃道議は、現地調査をもとに絶滅危惧種のヒメホオヒゲコウモリやナキウサギなどが生息する様似〜えりも間の中止を厳しく求めました。

花岡ユリ子道議は、緑資源機構の官製談合事件の発覚した問題で、道内の建設業者も「架空の企業体」をつくり、毎年日じ工事を受注し続け、そこの政治団体から松岡農水大臣(当時)に献金する、″税金の還流システム″を暴露し、知事に調査をせまりました(07年2定一般質問)。

真下紀子道議は、必要性の判断基準となる「費用対効果」の根拠データーが国に廃棄された問題で、道に対し改めて費用対効果の分析を要求。高橋知事は「区間毎の必要性や有効柱、費用対効果の分析など、幅広く客観的な視点から検討を行なう」と答弁しました(08年4定一般質問)。

反対から沈黙ヘ―民主

72年から83年まで、民主党議員団(当時は社会党)は、大規模林道計画の自然破壊とズサンな計画ぶりを、徹底的に批判する論戦を展開しました。12年間で12回と、議員数は違いますが、共産党(6回)の2倍も反対の立場からの質問を行ないました。それが、83年4月に横路知事が誕生すると同時にピタリと質問しなくなり、沈黙の26年。「反対」の質問をするのは、09年の2定の予算委員会が26年ぶりという「無節操ぶり」です。

建設促進の自民

自民党は、83年を皮切りにこれまで11回の質問をしてきましたが、最後の2回で、知事に対して「建設の今後の見通し」を間いて「実施は難しい」と答弁させた以外はすベて「早期建設」の立場からの質問ばかり。

5回質問した元議長は、建設会社の代弁をするかのような「利益誘導」的な露骨な意見が随所にみられるほどでした。

公明党の質問はたったの1回(76年1定)で、それも道に対して大規模林道の今後の見通しを聞くだけというお粗末なもの。同党の大型公共事業への無批判な追随ぶりは、当時から変わっていないといえます。

抜群の奮闘―共産

昨年11月の決算委員会で、高橋知事はようやく「道内3路線(7区間)いずれの区間においても事業の実施は難しい」と答弁しました。真下道議の質問に対し、事実上すべでの大規模林道の中止を初めて表明したのです。北海道で初めて滝雄・厚和線の工事が始まって30年。ようやく、ムダな大規模林道事業に終止符が打たれました。

遠軽町では「地元負担のない事業中止はありがたい」と謝意を示していただきました。「私たちの長年の苦労がようやく報われた思いです。道議会での日本共産党の奮闘は抜群だ」と北海道自然保護協会の役員が喜びを語っています。

(三上博介)

(10年10月3日付「ほっかい新報」より)