北海道の完全失業率は全国平均を上回る5.5%、有効求人倍率は全国平均を大きく下回る4.1%と、道内経済情勢を反映し厳しい雇用状況が続いています。道内求人のうち約3割がパートで、しかも求職者に占める20代の割合は約3割、44歳以下では何と約7割に達し、不況のしわ寄せが若い世代を直撃しています。
この状況を打開するため特に道政においては、①青年の雇用そのものを増やす対策、②若い求職者のスキルアップをはかりながら雇用に結びつける対策が必要です。しかし高橋道政は、このどちらも国の制度を利用した施策が中心で、道が独自に取り組む施策や個々の対策において安定した青年雇用を生み出す主導性が極めて弱いと言わなくてはなりません。
道は今、国の補助も受け、「緊急雇用創出事業」「ふるさと雇用再生事業」「重点分野雇用創造事業」など雇用を増やす緊急対策を、短期の臨時的事業で行っています。
政府は、世論と運動に押され、緊急雇用創出事業の雇用期間を、若い世代は半年から1年に延長するも、更新は1回のみ、最大の要求である「安定した雇用」にはほど遠いものです。
またこの間、道は「産業振興条例」による道内への企業誘致をすすめており、対象企業の雇用増1人あたり50万円助成しています。しかし今春花岡道議の質問で、企業合併契約期間の自動延長措置をとれば、期間(契約)社員にも助成していたことが判明しました。どのような措置をとっても期間(契約)社員であれば、常に雇い止めの危険にさらされます。
京都府の「雇用創出のための企業立地促進条例」では、雇用助成金は、障がい者1人当たり50万円、正規雇用者40万円、契約社員などは10万円と、障がい者・正規雇用増をめざしています。
民主党道議会は、「産業振興条例」関連条例案には賛成しており、高橋道政の共同執行者としての役割を担っています。
道は正社員を増やすよう政策誘導や行政指導を強化すべきです。
新卒・学卒者の就職難が深刻な今日、青年求職者への相談支援・スキルアップが重要ですが、この点でも高橋道政は不十分です。
若年者の雇用促進を図る「ジョブカフェ北海道」の予算を、08年度1.3億円から10年度0.9億円へ減らしました。
道は14振興局に1人ずつ就職支援相談員を配置していますが、きめ細かな相談にのるためには、各高校に1人ずつ配置するべきです。秋田県では、進学校をのぞく37校に1人ずつ相談員を、その他に各市町村商工会に支援員を一人ずつ配置しています。またパソコンや簿記、危険物、ボイラー、販売士などの資格取得助成だけでなく、自動車学校、専門学校入学費まで助成するなど、手厚い支援を行っています。
道も今年春、党道議団の質問によって、新卒未就職者を対象にした研修とセットの臨時雇用の制度を実現しました。第一歩ではありますが、まだまだ端緒的です。道単独予算を抜本的に増やすことも含めて、道独自の主導性が求められます。
(松井)
(10年11月07日付「ほっかい新報」より)
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