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道政検証⑦

介護充実に逆行する道施策

特養ホーム新設の抑制指導に固執

いまどこでも特養ホームにも入れない、グループホームにも入れない――の悲鳴の声があがっています。たとえば岩見沢市では、待機者は427人(うち在宅126人)にのぼり、グループホームにも入れず無認可老人ホームに入らざるをえない方も出るほどです。全道の特養ホームの待機者は5年前で1万2千人でしたが、08年では2万2千人をこえています。

特養ホーム新設の抑制 これは高齢化が進み、要介護者が急増しているのに、道は国の抑制指導をタテに市町村の新設要望をおさえているからです。道が3年毎にたてる第4期介護事業計画は、要介護2以上の重い方が12万人から15万人に急増するのに、特養・老健・グループホーム等、介護施設への収容率を45→38%(図)に削減させるものです。

せめて08年度段階の45%を維持すれば、6.7万床に拡大すべきなの に、5.7万床へと1万床もの削減計画をつくり、市町村に抑制指導を行なったのです。

国は「社会保障費の削減」の一環として、施策収容率参酌基準37%をかかげ、抑制指導。道がもろに追従し、削減計画を推進したのです。だから、道内どこでも特養にもグループホームにも入れない高齢者が「介護難民」として漂流せざるをえないのです。

通院介助の制限解除に消極的

いま介護の現場で悩みの場合、ヘルパーが診察室に入って医師の診断内容を家族に正確に伝達する必要があります。

また多くの病院が介助対応できないため、待ち時間のトイレや移動介助も必要です。一律的な制限をしない(歪んだローを持っているのは、ヘルパーさんによる受診介助や同居家族がいる場合の生活介助がなかなか認められないことです。

道社保協や「介護に笑顔を・道連絡会」は8月20日、道保健福祉部と、①ヘルパーによる受診介助、②独占加算算定時の住民票の扱い、③特養待機者の解消など――5項目について交渉を行ないました。

道は診察・検査など医療保険から報酬が支払われる部分は、ヘルパーが同行しても介護報酬請求から除外する指導をしてきました。しかし、認知症など疾病をもつ利用者の場合、ヘルパーが診察室に入って医師の診断内容を家族に正確に伝達する必要があります。

また多くの病院が介助対応できないため、待ち時間のトイレや移動介助も必要です。一律的な制限をしない(歪んだローカルルールの撤廃)ことを求めても、道側がハッキリしません。大阪府では制限をやめました。しかし、道として指導文書を出すよう要求されているのに曖昧なままです。「何のための介護保険か」が問われています。

利用料軽減への道費助成なし~41市町村実施なのに

いま介護サービスを利用している方の悩みは、利用料1割負担が重くのしかかり、少ない年金の中から3~5万円の負担ができないので、必要なサービスも制限せざるをえないことです。

要介護度毎にサービス限度額が決められますが、多くの方がデイサービスや在宅介護など限度額の半分以下の利用額です。もっとサービスを受けられれば生活も向上し、身体も悪化しないのに、重度化する例もあります。

41市町村では、デイサービスやホームヘルプなどを5%負担に軽減するなど単独助成にのり出しています(江別、恵庭、厚沢部、小樽、寿都、留寿都、岩見沢、妹背牛、旭川、士別、当麻、和寒、稚内など)。

しかし道は、高い利用料の壁をなくすため、1円の独自軽減策もとっていないのです。

介護の軽視から介護充実をすすめる道政に転換がどうしても必要です。

(佐々木)

(10年09月12日付「ほっかい新報」より)

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