道内の正規労働者は減少、個人消費は冷え込み、大型小売店販売額は00年の1兆9百億円から、09年には9千3百億円まで減少しました。デフレからの脱却、道内経済の回復のためにも、非正規から正規雇用への転換と、賃金の底上げは急務です。
道は、08年度から11年度までの4年間を「雇用創出基本計画」の実施期間と定めています。
08年度と10年度当初予算を比較すると、雇用労政費(雇用対策一般)は5億円から194億円へと40倍、人材育成費(職業訓練など)も16億円から29億円へと大幅に伸びています。しかし、道単独予算ではなく、国の経済対策による基金事業が大半です。
青年・女性労働者の約5割が、派遣やパートなど非正規雇用です。また、今年度の道内高校新卒者の就職内定率は、3月末現在で79.3%。前年度比2.8ポイント下がりました。
少子化などの社会問題を解決する上でも、青年雇用対策は重要です。しかし道は、若年者の雇用促進を図る「ジョブカフェ北海道」の予算を、08年度1.3億円から10年度0.9億円へと減らしました。
一方、新卒未就職者355人を道の臨時職員として雇い、その間研修を積みながら、来春の就職につなげようという、「新卒未就職者等就職支援事業」を、今年度から実施しました。昨年の第4回定例会で、「若者が道の臨時職員として働きながらスキルアップできる制度を」と求めた日本共産党道議団の成果です。
道は、滝川、網走の道立高等技術専門学院を廃止し、10校から8校体制としました。学院における実習費・指導体制強化費は、08年度84百万円から10年度74百万円に、民間訓練費(職業訓練をおこなう中小企業団体への助成)も1億円から9千万へと、ともに1割以上の減額です。
道は、道内の職業訓練事業全体に責任を負う立場で、人材の育成、技術の向上と継承に務めるべきです。
道が中小企業の雇用改善のために計上しているのは、「人材確保促進費」(約50万円)だけです。
「産業構造の高度化」や「攻めの経営」「創業・起業」などのための資金貸付は潤沢ですが、必死に雇用を守っている中小企業への、直接的な支援こそが求められます。
党道議団の質問で、正規雇用が対象のはずの企業立地補助金が、「雇用契約が更新されれば常用雇用とみなす」として、5年間で1158人の非正規雇用に対し4.9億円の補助金がつかわれました。
((小田一郎)
(10年08月01日付「ほっかい新報」より)
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