補正予算を雇用・生活支援で重点活用することを求める緊急要望 |
09.02.12 |
2009年2月12日
日本共産党北海道委員会 委員長 西野 敏郭
日本共産党道議会議員団 団 長 花岡ユリ子
北海道知事
高橋 はるみ 様
急激な雇用破壊と景気悪化が道民の暮らしと道内産業にも重大な影響を及ぼしてきているなかで、道は国の緊急対策に呼応して、713億円の補正予算を編成しているところです。
日本共産党道委員会と道議団は、新年度予算編成に当たっての知事への直接要望(1月16日)で、「雇用と営業の危機から道民の暮らしを守るための緊急対策」を最優先するよう要求しました。22日には、地域活性化・生活対策臨時交付金が道民の暮らしと雇用を守る中身となるように要望しました。
補正予算の編成では、(i)安定した雇用の確保、(ii)安心できる社会保障、(iii)中小零細企業の経営の応援、(iv)農林水産業の再生――に軸足を置き、道民を励ましながら内需主導の経済にむけた有効な補正予算とするために、下記のとおり要望するものです。
記
①とくに、北海道の基幹産業である農林水産業分野で、研修・技術習得と雇用を組み合わせた「担い手育成事業」にとりくむこと。
②看護師の再就職支援団体への助成拡大、准看護師から看護師、助産師へのスキルアップ事業など、看護職の育成・拡大に取り組むこと。障害者福祉、介護分野の人材確保のために、資格習得と労働条件改善への助成をおこなうこと。
③教員の加配、保健室の「カウンセラー」事業の拡充など、教育分野の雇用を拡大すること。私学における養護教諭の不在を解消すること。
④建設・季節労働者や、「非正規切り」により仕事と住居をともに失った人、ホームレスの人たちを対象とした公費による職業訓練を充実させること。
①妊産婦健診の支援拡充を行うとともに、遠隔地からの受診に対応し、離島に住む妊婦と同様に交通費、宿泊費助成の対象を拡充すること。
②放課後対策を強化すること。ハード事業だけでなく、保育士の公私格差解消、無認可であっても地域で役割を果たしている保育園への運営費助成など盛り込むこと。「放課後子どもプラン」指導員の補助単価を抜本的に引き上げ、劣悪な労働条件を改善するとともに指導員の増員を図ること。
③障害者福祉、介護分野の人材確保のために、資格習得と労働条件改善への助成をおこなうこと。(1.の③再掲)
とくに、1月22日に道営住宅修繕など5項目の要望を提出した地域活性化・生活対策臨時交付金については、その後の動向をふまえ以下について要望する。
①生活支援に力点を…地域活性化・生活対策臨時交付金の活用にあたって「安心・安全」の名で道路や河川など公共事業に偏ることなく、公共施設の耐震化や住宅リフォーム等、生活密着型とすること。地元企業・中小業者が受注できる入札システムとすること。
②離職者の生活支援の強化…私立学校・公立学校の授業料、保育所・幼稚園の保育料の減額・免除措置を、道として緊急に講じること。私立高校入学金(約20万円)は貸付ではなく減免制度を設けること。道の方針で実施した高校再編より、遠距離通学を余儀なくされる家庭への通学費助成を広く実施すること。修学援助を受けやすくするなど、子どもの成長を最優先する支援策を緊急にとること。道営住宅の募集は「離職者枠」を設けて周知するとともに、使用料を大幅軽減すること。
③道有林の枝打ちなど保育対策を…各地の道有林の除間伐の遅れにより森林整備が遅れているので、2ヵ年間で緊急の枝打・蔓切りなど特別保育をとること。
④失業者の国保税軽減と財源不足緊急措置を…失業者にとって深刻なのは、収入がなくなり重い国保税が前年度所得によりのしかかることがあり、特別の国保税軽減策をとること。また国の制度改悪により財源不足を生じた国保会計に対して、特別の財源出動を行うこと。医療費自己負担分の減額免除制度が実際におこなわれるように道と市町村で財政措置すること。
⑤障害者の応益負担の軽減を…障害者の共同作業所、ディサービス、グループホームなど利用料の一割負担は、障害者の発達権を阻害しており、道として応能負担(非課税は無料など)に改めるなど、抜本的な負担軽減策をとること。
⑥相談体制の充実…困窮者が雇用と就労、福祉・生活保護、教育、住宅、融資等について、一か所で相談できる総合窓口を各自治体が創設できるよう、財政と体制の両面で支援すること。
以 上