日本共産党 北海道議員団ホームページ ホーム
談話

2009年道政展望
生活応援へ道政革新の旗かかげ

08.12.25

志を高くしなやかな活動を

日本共産党道議団幹事長 真下 紀子

国の三位一体改革による地方交付税削減の影響で道と市町村財政はいっそう厳しさを増す中、6年目となる高橋道政は大規模開発の国直轄公共事業負担などを主因とする借金財政の解消に展望を示すことができません。道州制を見据えた強硬な支庁再編・市町村合併も思うように進まず、道民に犠牲を押し付けながら新幹線延伸が唯一の旗印のような道政運営となっています。

2009年の年頭にあたり、日本共産党道議団は今年も旺盛な調査、何より道民要求で道政を動かそうと、小さいながらも高い志を持って奮闘していきたいと決意しています。

道民に責任ある対応

08年の6月議会は支庁再編により振興局に格下げされる地域などからの傍聴者であふれ、徹夜議会という最大の山場でした。私たちは道州制の特別委員会で委員外委員として質疑し、再編条例の強行に明確に反対しました。民主党が本会議で退場・採決をボイコットしたのに対し、花岡団長が堂々と反対討論を行い、責任ある態度の違いが鮮明となりました。町村会会長と江差町長から「一番筋が通っていた」「よく質問してくれた」と言葉を寄せていただきました。4月の条例施行を凍結させ、住民福祉の向上を図る地域振興・地方分権について禍根を残す判断とならないよう求めていきます。

政官業癒着の温床天下り要綱見直しへ

2人の党道議団は事務局と力を合わせて調査を重ね、釧路湿原の保存や、サンルダム・平取ダムの建設中止を求めています。大規模林道(あと600億円)の必要性のなさを明らかにし、今年は是非中止へ追い込みたいと考えています。

当別ダム契約での談合業者入札参加、指名停止期間の半減措置など全国に例のない不公正な知事の政治判断を明らかにし、道民世論とともに撤回を求めました。道議会自民党からも批判された知事は撤回せざるを得なくなりました。

また、道発注の下水道事業やサンルダム総合農地防災事業での異常な高落札率とあわせて天下りの実態を明らかにし、極めて談合の疑いが強いことを解明しました。

知事は党道議団の長年にわたる追及にとうとう天下り要綱改正を明言しました。また補助団体によるパーティー券購入自粛を厳しく指導することになりました。これまで歴代の道議団が鋭く、粘り強く追及した成果と言えます。

大企業中心から道民生活へ

高橋道政の大企業奉仕は他に例をみません。

2億円近い減収となる北電・NTTなどからの占用料徴収の引き下げを08年4月から強行。他には四都県のみの実施で、厳しい道財政と言いながら大企業優遇策は聖域としています。

5年連続の北電役員全員から知事への献金問題はヤジが飛び交う中で党道議団が追及。知事は問題ないと言い放ちますが、道内でも北電以外例のない親密ぶりです。北電は行政監視の対象であり、プルサーマルの是非を判断する知事としては公正さを疑われる事態です。

道は雇用増が54人の製薬企業などに22億円の企業誘致補助金を出し、同時に介護保険義務費を11億円も減額する補正予算案を出すなど、弱者に犠牲を押し付ける姿勢が際立っています。

道が補助金を出しているトヨタ北海道やいすゞ北海道が雇用調整の名で派遣切りの先陣を切っていますが道は強い行政指導をとることもできません。道議団は国会事務所や地方議員と連携し、12月15日紙議員とともに、苫小牧市のトヨタ・いすゞへの直接要請、知事や労働局など関係機関への申し入れを行い、労働者を励ましてきました。

道民要求と結んだ党道議団の議会質問は福祉灯油の拡充、子どもの無保険解消などを実現してきました。医師不足などにより経営が困難となる公立病院の経営健全化計画による矛盾の噴出や消防広域化問題などでの市町村訪問調査も旺盛に行いました。道立江差病院では住民と病院との相互理解を深めた集会が成功し、改めてわが町の病院を守ろうという機運の高まりにもつながっています。

オンリーワンのチェック機能

障害手帳の不正取得が大問題となりました。独自調査に基づき真下が本会議で質問し、知事は調査と改善を表明。北海道新聞は「道民の怒り道政に届かず。質問はひとりだけ」と報じ、道民の声に答えるオンリーワンの奮闘ぶりを報道しました。

国の補助金を葬儀や健診旅費に流用していた問題や、道競馬事務所での「預け」の発覚など、真下の質問が解明の先陣となり、知事は調査・改善すると答弁しました。その後他会派も追随しましたが、正確な情報に基づき事実を解明した党道議団の調査は注目を集めました。

また、選挙カーの燃料代水増し請求を明らかにした道議団の質問で、道が納品書添付を義務づけ、改善が進みました。

月2日で30万円の報酬は高すぎると批判が沸騰した行政委員会報酬も見直しを検討することになりました。これらの問題は他会派は質問できず、日本共産党道議団ならではのチェック機能です。

日米合同訓練が矢臼別演習場のみで2年連続実施された上、訓練を公開しないことに道民から批判が沸き起こりました。知事が抗議・要請に遅刻し、事務次官に合えないなど本気度が問われる事態ですが、地元の粘り強い運動があり、共産党提案の固定化反対の意見書を12月議会で採択しました。

多彩でしなやかさをもって

地球温暖化対策では党の欧州調査団の報告に学びスターンレビュー報告を紹介、セイヨウオオマルハナバチなどの外来種対策、エゾサンショウウオ・ヒメギフチョウなどの保存にも言及し、観光振興として小林多喜二のゆかりの地巡りツアーを紹介する、など質問は多岐にわたりました。これからも共産党らしいしなやかな活動を心掛けたいと考えています。

定例会と毎月の常任委員会・特別委員会で調査・事実を積み上げた道民要求に基づく質問を繰り広げ、着実に道政を動かしてきています。

しかし、時間制限の厳しい道議会で2人の質問時間を合わせても年間40分しかありません。まだまだ取り上げたい問題や道内各地の地元要望にこたえきれず、残念で悔しい思いをしています。道議団が大きくなってこそ、道政変革の展望を力強く進めることができるのではないでしょうか。

今年の総選挙で北海道の議席を獲得し、2年後に迫る地方選挙で会派要件を満たす4人以上の道議団を実現できるよう、全道の高い志を受け止めて奮闘努力を重ねていきます。

(「ほっかい新報」08年12月28日、09年01月04日合併、01月18日付より)

ページトップへ