F15相次ぐ部品落下/真下道議「全面点検要請を」 | 09.12.02 |
自衛隊のF15戦闘機の事故が短期間のうちに、北海道(積丹半島沖でのエンジン部品落下)、福岡(尾翼一部落下)と相次ぎ発生しました。住民の安全と生命にかかわる問題だけに、全面的な点検、徹底した原因究明が求められます。
墜落、空中衝突、燃料タンク落下、機関砲の誤発射、電線切断による大規模停電…。千歳基地周辺の事故件数は、これまで明らかにされたものだけでも戦後45件、死者は35人にのぼります。
千歳基地には1983年から配備されたF15。エンジン落下など事故多発の背景に「金属疲労があるのではないか」と指摘する人もいます。
同機は、80年代初めの米レーガン大統領時代に大軍拡の中で「ソ連の脅威に対抗するため」として、米国の強い圧力で航空自衛隊が次々に導入。1機約100億円もする高額戦闘機を213機購入した“冷戦時代の遺物”です。
事故のたびに繰り返される点検の形がい化も問題です。
今回も11月25日、積丹沖での事故後に点検(チェック)したはずなのに、4日後に福岡で事故を起こすという事態になっています。積丹半島沖での事故の際に、安保破棄道実行委の問い合わせに第2航空団側は「目視で点検し、異常なしだった」と、訓練は予定通り続行。住民や乗員の生命・安全への配慮は全くありません。第2航空団側は、「(事故後も)訓練は中止していない」と述べたといいます。
日本共産党苫小牧市議団の渡辺満団長は、「石油タンクや市街地にでも落下したら、大惨事の危険があります。10月中旬に議員団が市に、市街地上空での自衛隊機飛行中止などを関係機関に働きかけるよう求めました。今回の事故を機に、改めて働きかけを強めます」と語っています。
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日本共産党の真下紀子道議は2日の道議会一般質問でとりあげ、「F15は“欠陥商品”であり、これまでも危険性を指摘してきました。福岡の事故を受けて全面的な点検の要請を」と高橋はるみ知事に迫りました。知事は29日の築城基地での事故後、「F15戦闘機全機の全面点検の実施を改めて要請した」ことを明らかにしました。
(09年12月03日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)
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