党道議団/厚幌ダムを現地調査 | 09.10.23 |
日本共産党道議団は、胆振管内厚真町に計画されている厚幌(あっぽろ)ダムの現地調査をしました。厚幌ダムは見直しの対象となっている道内10ダム(国の事業7、道の事業3)の一つです。北海道が事業者となっている三つのダム(当別、西岡、厚幌)の中では、唯一の本体着工されていないダムです。
23日のダム予定地周辺の視察には、花岡ユリ子、真下紀子両道議に米田俊之厚真町議、北村修むかわ町議、道議団事務局が加わりました。
道室蘭土木現業所副所長や厚真町役場の担当者らが、説明員として同行しました。
厚幌ダムは、厚真川と支流のショロマ川、オニキシベツ川の合流地点下流に建設が予定されています。
総工事費は360億円。かんがい、洪水調節、河川環境の保全など利水、治水のための多目的ダムです。
本体工事は行われていませんが、付け替え道路の一部やトンネルが完成し、ダム湖をまたぐ橋梁(きょうりょう)や別のトンネルが建設中です。
ダム本体の建設予定地は自然のままの姿で、木々の間から厚真川のせせらぎが聞こえます。流域には天然記念物のクマゲラや道固有種のエゾサンショウウオが生息しています。
「この美しい自然を壊すほどの緊急性があるのでしょうか」と調査団からは疑問の声がもれました。
「かんがい用水が不足しています。ダムは地元にとってどうしても必要です」と町の担当者が力説します。
「農家戸数は、ダム計画当初の700戸から400戸に減っています」と米田議員が説明。すかさず担当者が「農地面積は減っていません」と付け加えました。
厚真川上流には、すでに1971年完成の厚真ダムが、かんがい用水確保に利用されています。「農業近代化のためには厚真ダムだけでは不足です」と担当者は説明しました。
ダム建設で湖底に沈む地域には、縄文期の土器が出土したオニキシベツ遺跡や、中世アイヌ文化期の竪穴住居跡が発掘されたヲチャラセナイ遺跡など貴重な文化遺跡が多数分布しています。
厚幌ダム予定地、厚真ダム、遺跡を見て回った調査団。花岡道議は「さらに詳細な資料で、厚幌ダムがなぜ必要なのかよく検討しますが、多目的という名目で過大なダムを造るべきではないし、本体着工の緊急性は乏しいと思います」と語りました。
真下道議は「農業用水の確保は上流の厚真ダムや他の手法も検討する必要があります。今一度立ち止まって、必要性、代替案を検討する時だと思います」と話しました。
(09年10月28日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)
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