ヒブワクチン、定期接種化早く/道議会が意見書 | 09.10.09 |
死亡率5%、後遺症も20%と怖い病気で、初期は発熱以外に特別な症状がみられないので診断も難しく、重くなってから初めて分かるといわれます。病気の原因とされるのがインフルエンザ菌b型(ヒブ)と肺炎球菌です。インフルエンザ菌のb型菌は頭文字をとってHib=ヒブと呼ばれます。
乳幼児が全国で年間約1000人もかかる、細菌性髄膜炎に有効なワクチン(ヒブワクチン)の定期接種化の早期実現を国に求める意見書が、9日の道議会本会議で全会一致可決されました。お母さんたちの願いが議会を一歩動かしました。
「子どもが安心して育つのが何よりです」と、議会請願の紹介議員になった日本共産党道議団が提起した意見書案に、他の会派が賛同した結果です。
ワクチンを定期接種した国では「細菌性髄膜炎は過去の病」となっており日本でも定期接種化が望まれます。
ヒブワクチンは、WTO(世界保健機構)が1998年にすべての国で乳幼児に無料接種するよう推奨。日本では昨年12月、接種が可能になりました。肺炎球菌の場合は、七価ワクチンを77カ国が承認済みで、日本では、厚生労働省が8月末に承認したばかり。
任意接種のため、ヒブワクチンで4回約3万円もの費用が自己負担となり、子育て家庭が悲鳴を上げました。「子どもが生き生き育つ北海道で安心して子育てしたい」と、子育て中の母親らが立ち上がり、札幌はじめ小児科医なども公費助成を求めて運動しています。
「子どもの医療費は無料に」と取り組んできた新日本婦人の会道本部は、高橋はるみ知事に、「国に対し、すみやかにヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン(七価ワクチン)の公費による定期接種化を要請してください」と署名を展開中です。道議会の意見書には、この要求が盛り込まれました。
「予防が一番。ぜひ公費で助成してください」。9月7日、新婦人の道への要請では、母親が乳幼児を背負ったり抱いたりしながら口々に訴えました。3歳児と1歳児を持つ本野さん(29)=札幌市=も、その一人です。意見書可決に、「道岩議会が少しずつでも動いたことは、うれしい」と語りました。
「予防接種を受けに行くのも大変ですが、2人だと費用も倍になって、お金のことが心配です。公費になれば全員が受けられるようになり、助かります」と早期実現を訴えます。
道内ではすでに浜頓別町、幌加内町、栗山町でワクチンヘの助成が始まっています。苫小牧市でも来年4月実施を発表しています。
子育て中のお母さんたちや新日本婦人の会の皆さんの運動で、道議会を動かしましたね。私も3人の子育てをしていた時には、子どもが次々と風邪や伝染病にかかると大変な思いをしました。どの子どもたちも元気に育つためにも、各種の医療助成の充実が必要です。道議団も頑張ります。
(09年10月10日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)
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