自民党がダム推進等の意見案提出/党道議団が反論 | 09.10.09 |
9月道議会の最終日、9日の本会議に自民党が提出したダム事業推進などの5本の意見案に対して、日本共産党道議団は真下紀子議員が反対討論にたち、自民党意見案の不当性を浮き彫りにしました。(意見書は自民など多数で採択)
意見案第10号は、「全国学力テストの継続とさらなる充実を求める意見書」です。
自民党の提案は、要するに学力向上に役立つのだから、これまでどおり、全員参加方式で、学力テス卜を続けるべきとのことですが、果たして国民からの理解が得られるのでしょうか。
私は、それは難しいのではないかと考えます。
その理由は、第一に文科省が正答率の高い子の成績と生活との関係で示している「読書がすき」「宿題をする」「朝食を毎日食べる」などの分析結果は、改まって全国調査をやらなければわからないという事項ではないからです。
第二に、第一回の調査で、既に今回と同じ結果が出ており、その傾向は変わらないのですから、何故、毎回約60億円もかけて、全員参加方式を続けるのかということです。
あなた方自民党の「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」でさえ、昨年“無駄遣い”として、これを名指ししたことと矛盾するのではありませんか。それとも、その事実を忘れたのでしょうか。
「多額な税金を使って続ける必要はない」というのが、専門家の指摘です。
提案者は、これまでの全員参加方式の誤りを卒直に認め、そのお金があるなら、全国で正答率卜ップの秋田県の教訓に学び、少人数学級の拡大、教員の増員など、もっと有効な教育支援に振り向けるべきです。
第13号は、「ダム事業の推進を求める意見書」です。
ダム建設による税金のムダ遣いが指摘されはじめて久しいわけですが、長野県における脱ダム宜言はじめ、鳥取県の中部ダム、熊本県の川辺川ダムや、滋賀・京都・大阪の三知事がそろって中止を求めた大戸川ダムなど、ダム建設中止を含む見直しの流れは大きく広がってきました。
このたびの新政権は、ムダを排するためにダムの見直しを明言したわけですが、背景には、巨額の費用を投じ、自然環境を破壊するダム建設の正当性を厳しく問う国民の声の広がりがあります。
国土交通大臣が建設中止を表明した八ツ場ダムよりも、道内すべてのダム事業において費用対効果が低いことが議会においても初めて明らかにされ、サンルダム、(下川町)平取ダム(平取町)については、中止を求める要望が相次いでいます。
サンルダム建設予定地のサンル川のある天塩川水系は、巨大な人工的構造物のない日本一長い清流として知られています。
「ヤマメ湧く川」といわれるほど、豊かな自然環境です。生息するサクラマスは貴重な水産資源であるとともに、回遊魚であるため、北海道を取り巻く海洋の貴重なバロメーターでもあり、国民みんなの財産ではないでしょうか。
環境保全の確認をしないまま、ダム建設先にありきで建設を急ぐのではなく、また近年の乱暴な気侯変動による自然災害に対して、洪水エネルギーをダムに押し込める治水対策から、ダムに頼らない治水を極限まで検討することによって、無駄遣いにつながることを避けるべきです。
長期に及ぶダム建設などの大型公共事業は、住民の生活と歴史をともに歩んできたのです。
地域住民の声、自然環境保全を求める声など、多様な意見を十分配慮し、透明性の高い論議が不可欠であることは言うまでもありません。
事業の見直しに当たって、地域の歴史に真摯に向き合い、地域における透明な議論を経て、地域振興にとりくんでいくことがいまこそ、必要でありませんか。
(09年10月18日付「ほっかい新報」より)
〒060-0002 札幌市中央区北2条西6丁目
TEL011-231-4111(内線33-181)FAX011-232-4763