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道議団の動き
真下紀子道議が一般質問/第2回定例道議会 09.06.24

核兵器廃絶へ積極的に

真下道議知事の考えただす

日本共産党の真下紀子道議は24日の定例道議会一般質問に立ち、核兵器の廃絶、地球温暖化防止策などで高橋はるみ知事の考えをただしました。

一般質問項目

  1. 知事の政治姿勢について
    1. (1)核廃絶問題について
    2. (2)補正予算及び経済・雇用対策等について
    3. (3)地球温暖化防止と再生可能エネルギーの推進について
    4. (4)直轄事業負担金について
    5. (5)天下り等について
    6. (6)関与団体について
  2. 道民生活について
    1. (1)妊婦健診について
  3. 教育問題について
    1. (1)学校の耐震化について
  4. 公安行政について
    1. (1)交通事故対策について

真下氏は「オバマ米大統領がプラハで行った『核兵器のない世界を追求する』との演説は核兵器廃絶へのまたとないチャンスとして全世界で歓迎されている」と述べ、「核兵器を使用した唯一の核保有国として、米国は行動すべき道義的責任がある」とした演説への見解を求めました。「平和を願う道民の代表として、核兵器廃絶への確固とした意思を示すとともに、政府に核兵器廃絶の国際条約締結に向けて積極的かつ具体的な努力を強めるよう働きかけるべきだ」と迫りました。

高橋知事は「オバマ大統領が核兵器のない世界の平和と安全保障を追求する姿勢を示したことは大変意義深いこと」と答弁。国への働きかけは、衆参両院が全会一致で採択した核兵器廃絶決議をあげ、「決議の趣旨に沿い、核兵器のない平和な世界の実現に向け、被爆国として積極的に取り組むことを期待します」と述べました。

日本政府が発表した温室効果ガス削減の中期目標について、真下氏が「北海道では15%の場合、1家庭当たり、全国に比べて負担が大きい」との知事発言にふれ、「道が将来に責任を持つ高い目標を設定し、積極的に取り組むべきだ」と求めたのに対し、高橋知事は「他県の削減目標・施策なども参考に北海道にふさわしい実効ある計画としたい」と答えました。

真下氏は「日本共産党道議団は、道のエネルギー政策として新エネルギーの拡充を提案してきた」と先進的に自然エネルギーの導入に取り組んだ岩手県葛巻町の事例をあげ、木質バイオマスの地産地消でエネルギー自給率を80%に高めていると指摘。「北海道・新エネ・省エネ条例」を今日的に発展させた新計画を早く作るよう道に要求しました。

高橋知事は、再質問で真下氏があげた寿都町の風力発電導入を評価しました。

道が市町村に負担押しつけ知事、是正の考え示す

真下道議は、退職金や共済掛け金まで都道府県に負担金を強いる国の直轄事業に批判が高まるなか、これと同じやり方で道が市町村に負担を押しつけていることを明らかにし、再々質問まで行い、高橋はるみ知事を厳しく追及しました。

高橋知事は、道が国と地方は対等との関係から新たなルールづくりを国に求めている趣旨を踏まえ、「道の事業でも、市町村の意見もしっかり聞き、適切に対処する」と、不十分さを認め、是正していくと答えました。

真下氏は、全国知事会が国に対し、「直轄事業負担金の詳細な内訳を示さない限り、支払いには応じられない」と主張し、知事自身も「内訳がブラックボックス。道民に説明責任が果たせない」と批判していることを示したうえで、道の実施事業に言及しました。

「道はペーパー1枚で請求してくる」との自治体の声を紹介し、「道は市町村に内訳を示しているのか」とただすと、高橋知事は、市町村への情報公開が事実上不十分だったことを認めざるをえませんでした。

党道議団の調査によると、市町村に求めている負担は94億7000万円。ある流域下水道事業の場合、道建設部から各首長に出されたA4判1枚の文書には、負担金や納入期限を明示、「前納されるよう協議します」と書かれているだけです。

ほかにも地元負担金を求めるケースは多く、ある地方の道営農業農村整備事業の場合は、内訳なしに納入期限や「徴収」と書いて、納入を迫る中身になっていました。ある広域農道整備事業の場合、道が示した地元負担率は25%で。内訳はありませんでした。

真下氏は再質問で、「十分でないと認めた以上、道が説得力を持って国に情報公開を求めるためにも、市町村に道職員の人件費や共済掛け金を請求していないか、全庁調査と実態の公表を急げ」と要求しました。

高橋知事は、市町村との協議を関係各部に改めて指示し、十分な情報開示のもとに協議すると表明しました。

学校耐震化今こそ市町村への財政支援要求

真下道議は、「他県が耐震改修を促進した背景には、県の支援がある。国から使い切れないほどの交付金予算があるいまこそ学校耐震化を完了すべきだ」と述べ、市町村への財政支援を拒み続ける高橋はるみ知事の姿勢をただしました。

徳島、香川、高知など全国10都県では補助制度を設け、耐震化率を高めています。

真下氏は「文部科学省の調査で道内の公立小中学校の耐震化率が54.4%にとどまり438棟が倒壊の危険を指摘された。学校の耐震化が進まない最大の理由は市町村の財政難だ」と強調。「耐震診断の結果が未公表の全国320自治体のうち、北海道は5分の1の60市町村。公表できない市町村の苦悩がそこには現れている。子どもの命のため、なぜ決断できないのか」と厳しく迫りました。地震多発地域の日高、釧路、根室などで耐震化率が全道平均を下回っていることを挙げ、「これらの地域を優先的に支援してはどうか」と提起しました。

高橋知事や高橋敬一教育長は「市町村への財政支援は厳しい」と従来の答弁を繰り返し、補正予算でIs値(耐震指標)0.3未満の施設(震度5強で倒壊か崩壊の危険性が高い)のみに予算措置し、約8300棟は耐震化を促進するとの答弁にとどまりました。

道民要望が強く、党道議団が20回以上質問しても、道と道教委は国と市町村に“げたを預ける”だけで、財政支援に足を踏み出そうとしていません。

再々質問で真下氏は「地震被害が起こる前に、道と道教委は最優先に学校耐震化の財政支援を決断すべきだ」と重ねて求めました。

(09年06月25、26、27日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)