道調べ/生活保護受給者14万人超す | 09.05.29 |
2008年度の道内生活保護受給の人が初めて14万人を超えたことが道の調べ(速報値)でわかりました(15日)。働いても暮らせない貧困と格差の深態化や大企業の「非正規切り」の横行が激化している実態を示しており、年度後半では月1000−1500人も増加する事態になっています。
道の速報値によると、全道の保護世帯数(年平均値)は前年度より3394世帯増え96935世帯、保護人数は3716人増え141286人に達しました。人口千人当たりの保護率は0.8ポイント増の25.4で、いずれも生活保護法施行の1950年以降最高になりました。
とくに年度末の3月では前年同期比で約5000世帯、6300人増え、保護率も1.3ポイント増の26.3と急増しています。
月別増加人数は、前半が二けた台の増加だったのに、9月以降は500人を超え、12月と2月、3月は1000人を突破、とくに3月は1600人を超えました。これは大企業の「派遣切り」の横行とほぼ比例する形になっており、その責任が厳しく問われます。
管内別の保護率では、日高管内が34.6と最も高く、後志30.3、檜山29.8と続いています。市ごとの保護率では釧路市が46.1、続いて三笠市、歌志内市など旧産炭地で住民生活が厳しい状態に置かれていることがわかります。
生活保護は国から都道府県や市への法定受託事務です。保護費は国が4分の3、自治体が4分の1負担(福祉事務所のない町村は道負担)です。保護急増で自治体への負担が大きく「市財政を圧迫している」と悲鳴と批判の声が起きています。
日本共産党の花岡ユリ子道議は2月に道議会で、ホームレス支援や生活保護の適用改善を道に求めました。
山下芳生議員は参院で、生活保護受給の増加による自治体の過重負担やケースワーカー不足を質問(3月)。鳩山邦夫総務相は「4分の1の負担が重くのしかかり、苦しんでいる自治体を調査する」と答えています。
「派遣切り」で路上生活になった37歳の男性、労災が切れ家賃滞納で退去させられた43歳の男性、愛知で解雇されネットカフェ難民になった37歳の男性−こういう方の相談が激増しており、毎日のように生活保護申請が行われています。
生活保護は憲法25条の生存権を保障するものです。保護の急増は全国で数十万人と言われるムチャクチャな「派遣切り・雇い止め」の表れであり、利用できている人はまだほんのわずかです。「働き口を見つけないので保護廃止」などの人権侵害も起きており、国民の生存権を守るため引き続き奮闘します。
(09年05月31日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)
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